「子どもにお金の心配をさせず学校に行かせたい」遺児家庭の所得は貧困線を下回る最新情報深刻化する遺児家庭の生活苦や、大学生のための公的な給付奨学金制度の拡充といった社会の変化を鑑み、あしなが育英会では2023年度より、高校奨学金を全額給付にしました。 その結果、2023年、2024年ともに「あしなが高校奨学金予約採用(*1)」の申請数は急増。2023年高校奨学金の予約採用申請数は1,328人、2024年は過去最多の1,800人に上りました。しかし本会の資金が追い付かず、2年連続で申請者の半数以上の採用を断念しました。高校奨学金申請者急増、遺児家庭の困窮化について記者発表を行いました(2023年10月19日)詳しくはこちらまた、2024年に進学する遺児を対象とした「あしなが高校奨学金予約採用」においては、申請家庭全体の等価可処分所得(*2)の中央値が126万6,937円で、2021年の「貧困線」(*3)である127万円を下回っていることがわかりました。さらに、保護者の51.6%が「病気」「病気がち」で、じゅうぶんに働ける状況ではないことが明らかになりました。コロナ禍での失業や家計の悪化、長引くウクライナ情勢などによる物価高の影響で、遺児家庭は困窮し続けています。(*1)高校奨学金予約採用:申請時点で、翌年4月に高校進学予定の中学3年生を対象としています。(*2)等価可処分所得:世帯の可処分所得(家計収入から税金や社会保険料等を引いたもの)を世帯人員の平方根で割った所得。世帯人数による所得差を考慮するために使われます。(*3)貧困線:等価可処分所得(世帯の可処分所得 [収入から税金・社会保険料等を除いたいわゆる手取り収入] を世帯人員の平方根で割って調整した所得)の中央値の半分の額のことです。(2022(令和4)年国民生活基礎調査より)あしなが奨学生家庭の現状病気、災害、自死(自殺)で親を亡くした子どもたちや、障がいなどで親が働けない家庭の子どもたちが、経済的な理由で進学を諦めてしまう。これは、今の日本で起きている出来事です。「パートで働くお母さんに、これ以上負担をかけられない……」「少しでも早く社会に出て、働けない親の代わりに、自分が家族を支えなければ……」高校奨学生の中にも、このような考えを持っている子が少なくありません。実際に、本会の調査によると高校卒業後に就職を選んだ遺児の4人に1人は「経済的な理由で進学を諦めた」と答えています(2022年度生活状況報告書より)。「あしなが奨学金」は、そんな子どもたちに「進学の機会」と「仲間との出会い」、「成長できる体験」を届ける、あしながさんからの贈り物です。「あしなが奨学金」で、本当に子どもたちの未来が変わります。皆様も、「あしながさん」として、子どもたちを応援してくださいませんか?「あしながさん」の優しさが、遺児たちの心を温め、未来への一歩を後押ししていますあしなが奨学金とは病気や災害、自死(自殺)で親を亡くした、または、親が障がいで働けない家庭の子どもの進学を支えるための奨学金です。本会の奨学金を支えているのは補助金や助成金ではなく、皆様からの善意による「ご寄付」です。あしなが育英会では、個人法人を問わずご寄付者の皆様のことを、感謝を込めて「あしながさん」とお呼びしています。あしなが奨学金の種類高等学校・高等専門学校奨学金 月額30,000円(給付)大学・短期大学奨学金 月額40,000円または50,000円(貸与)専修・各種学校奨学金 月額40,000円(貸与)大学院奨学金 月額80,000円(貸与)あしなが育英会では、上記奨学金のほか、進学準備にかかるまとまった費用負担をサポートする「進学一時金(貸与)」制度や、2011年の東日本大震災や2024年の能登半島地震、コロナ禍などにおける「緊急一時金(給付)」など、その時々の社会状況に応じて柔軟に、遺児家庭にとって必要なサポートを行っています。その他のサポート大学生対象学生寮「あしなが心塾」(東京)、「虹の心塾」(神戸)海外留学研修 など※本プロジェクトは、2024年3月に以下のプロジェクトタイトルより変更しています。(変更前)コロナ禍で困窮する遺児家庭への支援を親を亡くした子どもの進学を支える「あしなが奨学金」なお、変更した月の前月以前より継続寄付を選択いただいている寄付者の皆さまには、2024年4月より新しいプロジェクトタイトルにて寄付の決済がなされます。ご了承ください。
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