寄付受付開始日:2017/05/15
更新日:2024/09/02
総合的食料安全保障レベル分類(IPC)によると、2017年2月から4月までの間に、南スーダンにおいて人道支援を必要とする深刻な食糧危機にある人々は500万人ともなり、うち最も深刻なレベルである、Phase5"飢饉(ききん)"にひんする人々は10万人となる見込みです。
例えば2月20日には、国連食糧農業機関(FAO)により南スーダン・ユニティ州を発端とした飢饉が宣言されており、国際連合児童基金(UNICEF)も、翌21日に、南スーダンにおける27万人の子どもたちが、貧困と治安悪化による人道危機に飢饉(ききん)が加わり、深刻な栄養失調により差し迫った死へのリスクに面していると警告しています。
長期化する戦闘と治安悪化で最も影響を受けているのは、国内避難民(IDP)です。南スーダンでは、2016年7月、首都ジュバを中心に大規模な戦闘が発生し、エクアトリア地域にも暴力の連鎖が拡大したと同時に、2015年8月以降の和平合意後の和平進展が事実上破綻しています。2013年の国内紛争発生以来増加していたIDPと難民の数が急増し、現在、IDPは約190万人、難民は約174万人にまで達しています。
また紛争により国民の1/4以上が家を追われ、食糧を育てる生計手段もない中、国内経済状況の悪化も深刻で、消費者物価指数は2016年10月に対前年比で835.7%を記録しました。治安状況の悪化、食糧価格の暴騰に干ばつの影響も加わる複合的な人道危機の中、飢饉(ききん)にひんしている人々の主な食料入手手段は人道支援ですが、深刻な人道アクセス制限のために、十分にニーズを満たすことできていません。
ジャパン・プラットフォーム(JPF)は、このような状況を鑑み、戦闘が引き起こす人道危機に対応するために現在展開中の「南スーダン支援」プログラム内にて、同国内における飢饉(ききん)対応を最優先事項に追加し、支援を継続します。
上記内容掲載のプレスリリースはこちら
<2024年度支援活動概要>
・期間
2024年5月~2025年5月
・予算
1.2億円+民間資金
・対象地
南スーダン、エチオピア
・支援分野(一部抜粋)
-生計向上および社会的結束の促進
-水・衛生支援
-保護および争い・暴力予防対策
-保健施設感染対策強化
ご支援・ご参加の方法についてはこちらをご覧ください。
皆さまからのご寄付は、飢饉(ききん)をはじめとする南スーダンの人道危機全般に対応する今後の支援活動の資金として活用させていただきます。
お寄せいただいたご寄付で、南スーダンおよび難民受け入れ国のエチオピアにおいて支援を実施しています。
詳細はJPF南スーダン支援プログラムのページをご参照ください。
JPF南スーダンのページはこちら
更新日:2024/09/02
<現地からの声>2024年9月2日更新
●コミュニティの手で自ら平和な社会を築くために(バイモン・ウィリアム・ワーダーさん)
紛争管理スキルを習得する機会をもらえて感謝します。研修を通じて、コミュニティ内で起きる争いに対してどのように調停を行い対話を促せるのかを学び、ジェンダーに基づく暴力につながる争いの予兆、紛争の根本的な原因を特定できるようになりました。現在は他の機関と協力しながら地域を巡回し、争いを解決しています。(2023年度REALs事業より)
■活動レポート/2024年9月2日更新
●難民の自立を支える支援(2024年4月)
難民が避難生活を送っている難民キャンプでは、最低限の生活費は支給されていても、避難が長期化し、自立した生計手段を持たずに支援への依存が続いていることが問題となっています。
JPF加盟NGOのグッドネーバーズ・ジャパンは、UNHCRからの要請も受けて、収入創出を目的とした農業に従事するための研修や土地の確保、またキャンプ内で消費ニーズのある売店や美容院などのビジネスの立ち上げを支援する活動を行っています。このように、長い間危機に直面する人々が支援への依存から脱却し、自立していけるようになるための活動も支援しています。
■活動レポート/2023年10月6日更新
●争いと暴力を予防するための活動(2023年8月)
南スーダンでは、軍事衝突などによって避難を余儀なくされた国内避難民と彼らを受け入れるホストコミュニティに対して、争いや暴力の予防対策を行っています。支援対象地であるジュバ市内のキャンプには約1万5千人が避難生活していますが、衛生環境や水資源などをめぐって避難民ともともと住んでいた住民との間で争いが頻発しています。
そこでREALsでは、争い・暴力に対応する体制を整備し、啓発活動を通じて争いを予防・解決できるようになることを目指して支援を行っています。
写真は、避難民とホストコミュニティから選ばれた40人の指導者とユースリーダーが、事業について説明を受けている様子です。彼らはその後、紛争管理に関する研修を受講し、現在は、500名の住民に対して実施する啓発セッションの開始に向けて準備を進めています。コミュニティの主体性を大切にしながら、さらなる難民の発生にもつながる争いを予防・緩和するため、支援を継続しています。
■活動レポート/2023年5月2日更新
●壊れたハンドポンプ式井戸を修理(2023年1月)
給水衛生レジリエンス強化支援事業を実施しているピースウィンズは、2023年1月26日マンガラ地区で設置したハンドポンプ式井戸が壊れたと報告を受け修繕しました。また翌日には、修理された3つのハンドポンプ式井戸を点検のうえ正式にコミュニティ・リーダーに引き渡し、また、避難民キャンプへのトイレの建設用資材の引き渡しも完了しました。(JPF加盟NGOピースウィンズ)
●指導者20人とユース・リーダー20人の選定(2023年1月)
中央エクアトリア州ジュバ市で国内避難民キャンプとホストコミュニティにおける保護および争い・暴力予防対策事業しているReach Alternatives (REALs) は、紛争管理および早期警戒・早期対応研修のため、地域で指導者的立場にある人物を国内避難民から28人、ホストコミュニティから12人を選び、候補者の経歴を確認した上で、指導者20人とユース・リーダー20人を選定しました。(JPF加盟NGO Reach Alternatives)
●ハンドポンプ式井戸などの修理が必要な個所を確認(2022年11月)
2022年11月、ピースウィンズ(PW)は、中央エクアトリア州マンガラ地区において太陽光パネル式給水施設と3カ所の給水ポイントを視察しました。給水ポイントのうちマンガラ小学校に加え、中学校も修理が必要であることがわかりました。
また、ホストコミュニティの指導者から、マンガラA小学校のポンプが2022年9月に壊れてしまい、生徒や周辺コミュニティの人々は、別の小学校のポンプまで水をくみに行かなければならないため修理要請がありました。PWは、マンガラA小学校に修理場所を変えて修理を実施します。(JPF加盟NGOピースウィンズ)
●「世界手洗いの日」に対象校の教師、児童らと記念行事を実施(2022年11月)
タンブラ郡において水衛生と保健施設感染対策強化支援事業を実施しているワールド・ビジョン・ジャパンは、2022年10月15日、タンブラ郡教育局監督官、対象地域のレンジ小学校と協力し、「世界手洗いの日」に合わせて、対象校の教師、児童が「手洗い」の重要性についての理解を深めるため、記念行事を実施しました。またタンブラ郡内の保健施設4カ所でCOVID-19スクリーニング検査所の設置作業を完了しました。(JPF加盟NGOワールド・ビジョン・ジャパン)
2005年より10年以上にわたり南スーダンの支援を継続してきたJPFは、このような状況を鑑み、現在展開中の「南スーダン支援」プログラム内にて、国内における飢饉(ききん)対応を最優先事項とした本格的な追加支援が喫緊の課題と考えています。
対応の第一弾として、ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)による、ワラップ州における栄養改善事業を実施します。急増する急性栄養失調児に対し迅速に治療を提供し、あわせてこの課題に対応するコミュニティの能力を構築すること、栄養治療マネージメント(CMAM)を通じて栄養失調児の回復をサポートし命の危険にさらされている子どもたちを守ることを目的とします。本支援により、7640人の子どもへの治療が可能となり、ワラップ州における深刻な状況にある27万5千人にリーチします。
【JPF事務局コメント】
南スーダンの戦闘を起因とする人道危機へのこれまでの対応に加え、このたびの飢饉(ききん)による被害から命を守る支援を優先事項としたことを受け、特に栄養改善、食糧配布、生計回復、水衛生の各分野における支援を届け、犠牲者の増加を止めることを目指します。
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ジャパン・プラットフォーム(JPF)は、NGO・経済界・政府など多様なセクターが連携し支援を届けるプラットフォームとして、2000年に設立しました。
それぞれ得意分野を持った47のNGO団体(2024年8月現在)がJPFに加盟しており、被災地の状況や支援ニーズの把握を行い、緊急支援、医療・衛生、水食糧・生活用品物資の配給、教育・ケアなど、幅広い分野における支援を行っています。
設立以来、国内外の65以上の国・地域で支援を実施しJPF加盟NGO団体とともに約2,300以上の事業を行ってきました。
平時より、それぞれの団体や人々の特性・資源を生かし協動できるよう機能し、自然災害時や紛争による難民・避難民に対する支援を迅速かつ効果的に国内外へ届けています。
JPF is an international emergency humanitarian aid organization which offers the most effective and prompt emergency aid in response to global developments, focusing on issues of refugees and natural disasters. JPF conducts such aid through a tripartite cooperation system where NGOs, business communities, and the government of Japan work in close cooperation, based on equal partnership, and making the most of the respective sectors' characteristics and resources.
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