• 美術家の奈良美智さんがヨルダンの難民キャンプを訪問(C)JPF

  • 概要
  • 活動情報 2019年5月14日 更新

今世紀最大といわれるシリア人道危機発生から8年。難民の半数以上が子どもたちです。支援はまだ不足しています。

人道危機の発生から8年がたったシリアとイラクでは、未だ終結の糸口が見えていません。2018年末現在、シリア国内だけでも1,170万人もの人々がまだ支援を必要としており、約半数の500万人が18歳以下の子ども達です。イラク国内でも670万人をこえる人々が支援を必要としており、その半数以上の330万人が子ども達です。

ジャパン・プラットフォーム(JPF)は、2012年11月よりシリアの人道危機によって発生した国内避難民および周辺国に逃れた難民への支援を開始。2014年6月よりイラク国内に大規模に発生した国内避難民に対する支援を行っています。

これまでに、イラクとシリアおよびその周辺で難民を受け入れている3カ国(レバノン、ヨルダン、トルコ)で支援を行い、寒暖差の激しい地での越冬支援のための緊急物資配布、飲料水の提供、衛生的な環境のための水衛生事業など、人々の命を守りつなぐ支援を実施してきました。
また、終わりの見えない避難生活に適応していくための心理社会的ケアの提供や、中断してしまった子ども達の教育にも力を入れています。

美術家 奈良美智さん ヨルダンの難民キャンプを訪問

2019年3月、JPFは美術家の奈良美智さんとともに、JPFが2012年より継続してイラク・シリア難民人道支援プログラムを実施しているヨルダンを訪問し、難民たちの生活を体験し、彼らと交流する機会を持っていただきました。

トークセッションで難民キャンプの子どもたちに話しかける奈良さん ヨルダン ザータリ難民キャンプ(C)JPF

ザータリ難民キャンプ内にある学校を訪問した際には、ご自身の育った環境や作品などをスライドで見せながら、「日本もヨルダンもシリアも、同じ国でもいろいろな場所がある。みんなそれぞれに違う人間。」とメッセージを伝えながら、生徒たちにトークセッションを行いました。

「どうしたらなりたかった画家になれたのですか」と生徒から質問があり、奈良さんは「好きだと思うことを見つけ、続けること」と伝えました。難民キャンプで生活し、大人たちのロールモデルが限られている子どもたちに、奈良さんはどんな未来の可能性を見せてくださったのでしょうか

トークセッションで目を輝かせる難民キャンプの子どもたち。生徒たちはそれぞれが描いた絵を奈良さんにプレゼントしてくれました。ヨルダン ザータリ難民キャンプ(C)JPF
JPFの東日本大震災被災者支援の際、ご寄付と作品の使用許可とメッセージで奈良さんに応援していただきました

遠い国のできごとで終わらせないため、未来をになう子どもたちのために

JPFの活動のひとつ「JPF×ART」※1では、日本では遠い国のできごとのように思える難民問題について、少しでも身近に感じていただくことができたらと願い、ヨルダンに訪問いただいた美術家の奈良美智さん※2にご協力をいただきながら発信しています。

※1「JPF×ART」企画について。詳細はこちら

※2:JPFの東日本大震災被災者支援の際には、ご寄付と作品の使用許可とメッセージで応援していただきました。詳細はこちら

戦後最悪と言われる人道危機、気候変動により頻発する自然災害などにより、世界で支援を必要とする人々の数は増加し、もはや従来の方法や支援関係者だけでは解決できず、NGOやさまざまな人々が連携しあうことがますます重要になってきています。
JPFでは、今後も周辺国で長期化する避難生活への対応を継続しつつ、イラクやシリアの国内では、紛争下において最も厳しい状態に置かれている人々への支援を実施していきます。あわせて、多様な人々と連携し、多くの人々が難民の状況を自分ごととして考えられるような努力も続けてまいります。

ヨルダン ザータリ難民キャンプの様子(C)JPF

紛争下において厳しい状態に置かれている脆弱な人々への支援を重視しています。

 ジャパン・プラットフォーム(JPF) によるシリア・イラクでの人道危機に対する緊急人道支援では、14の加盟NGOが事業を展開してまいりました。
  JPF加盟NGOの中には、20年以上にわたってシリアやイラクおよび周辺各国での活動実績を持つ団体もあります。彼らは、国連などとの連携のみならず、難民を受け入れているホストコミュニティーの政府機関と良好な関係性を維持し、現地のコミュニティーのニーズに根ざしたきめ細やかな支援を実施しています。

 女性や子ども、障がい者といった通常の難民よりも困難な状況に置かれているぜい弱層は、通常の支援の対象者と比べて特定が難しい上に、より支援を必要としている状況にあります。このため難民家庭への戸別訪問による聞き取り調査を通じ、本当に必要な支援対象者のもとへ確かに支援を届けています。

現地からの声

<授業のおかげで自分の得意なことが増え、夢をもつことができたサマーハさん(仮名・13歳)>
 2013年夏に家族とザータリ難民キャンプに来ました。砂漠なので砂ぼこりがひどく、テントの中は暑い。特に日が短い冬は暗い時間が長いので、電気が夜しか使えない生活は大変です。しかし、3年前からJPF加盟NGO 国境なき子どもたち(KnK)が支援する授業に参加するようになり、自分の得意なことが増えました。音楽と演劇と作文は楽しく、特に音楽が大好きです。将来は宇宙飛行士になりたいと思っています。
ご支援くださる日本の方にお礼をお伝えしたいです。

人々のニーズや現状を聞き、加盟NGOと調整するJPFスタッフ ヨルダン ザータリ難民キャンプ(C)JPF

寄付金の使いみち

お預かりしたご寄付は、ジャパン・プラットフォームおよびJPF加盟NGOによる人道支援事業の活動資金として活用いたします。
各事業では、収束の見えないこの紛争の影響を受けている脆弱な人々のニーズを把握し、緊急で命を守り繋ぐライフセービング事業(越冬支援等の緊急物資配布事業、飲料水の提供や衛生的な環境の整備等を行う水衛生事業等)を実施するとともに、長引く避難生活に適応するための心のケアの提供や、中断してしまった子どもたちの教育にも力を入れてまいります。

詳細は下記ウェブサイトをご参照ください。
イラク・シリア人道危機対応