寄付の受付は終了しました。
合計で4,901,260円のご支援をいただきました。多くのご支援、ありがとうございました。

令和8年岩手県大槌町 山林火災(ピースウィンズ・ジャパン)

寄付受付開始日:2026/04/24

  • 領収書あり
[令和8年岩手県大槌町 山林火災(ピースウィンズ・ジャパン)]の画像
(2026年4月23日 岩手県大槌町)

認定特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン

プロジェクト概要

更新日:2026/04/24

【岩手県大槌町山林火災】被災地へ出動決定、緊急支援を開始します

2026年4月22日に岩手県大槌町で発生した山林火災は、24時間経過後も延焼が続いています。大槌町が4月23日に開いた会見によると、火災による焼失面積は約200ヘクタールに拡大し、一部では住宅まで約100メートルのところに火が迫っていることを明らかにしました。また、町は避難指示の対象を拡大し、およそ1,200世帯の2,500人余りに避難を呼びかけています。(出典:NHK

これを受けて、空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”は被災地への出動を決定、緊急支援を開始します。既に現地へ調査メンバーを派遣し、刻一刻と変わる状況の把握に努めています。

火災の様子(2026年4月23日 岩手県)

被災地で予定している支援活動
・避難所での聞き取り、支援ニーズ調査
・物資支援
・そのほか被災地で必要とされている支援

被災地への緊急支援に、皆さまのご支援をよろしくお願いいたします。

■領収書の発行について
ピースウィンズ・ジャパンは広島県の認定を受けた「認定NPO法人」です。そのため、当団体へのご寄付は税制上の優遇措置(寄付控除)の対象です。

1回3,000円以上のクレジットカードによるご寄付で、領収書の発行を希望して寄付された方に、領収書を発行いたします。

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寄付金の使いみち

皆様からいただいたご寄付は、2026年に岩手県大槌町で発生した山林火災の被災地・被災者支援活動に大切に活用させていただきます。

・人や動物に対する食料および救急医療用品等の物資支援
・避難所への緊急物資支援
・被災地の復旧・復興支援
・その他被災地のニーズに応じた支援
・支援に伴う事務局運営費

※ピースウィンズ・ジャパン寄付金など取扱規程は下記をご参照ください。
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活動報告

更新日:2026/05/11

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「岩手県大槌町山林火災 緊急支援」活動終了のご報告(2026年5月11日更新)

この度は、「岩手県大槌町山林火災 緊急支援」プロジェクトへ温かいご支援をいただき、誠にありがとうございました。

空飛ぶ捜索医療団"ARROWS"は2026年4月24日(金)早朝、本部のある広島県神石高原町から看護師2名が岩手県大槌町に向けて出動し、被災された方々のニーズに寄り添った支援活動を続けてまいりました。2026年5月2日に鎮圧宣言が発表されたことを受け、一定の区切りがついたと判断し、現地での緊急支援活動を終了するとともに、ご寄付の受付を締め切らせていただきます。

[現地での活動について]
現地では「保健医療福祉調整本部」に参画し、他の医療・福祉関係の団体とともに保健師・看護師が手分けしてすべての避難所に常駐し、避難された方々の健康管理や避難環境の改善に全力を尽くしました。

また、空飛ぶ捜索医療団"ARROWS"は通常の常駐・巡回支援に加え、民間組織ならではの機動力と柔軟性を活かした「緊急対応」の役割も担いました。急きょ避難指示が発令された現場への出動要請にも即座に対応するなど、刻一刻と変化する現場のニーズに合わせた支援を展開し、行政や他団体からも高い評価をいただきました。

▶詳細はこちらから活動内容についてご確認ください

[これからも大槌町を支える支援を考え続ける]
火災が収束し、表面上の日常が戻ったとしても、深い悲しみや不安から「心のケア」を必要としている方々がいらっしゃいます。また、焼失した森林の再生も、これから向き合うべき大きな課題です。

災害が人々に与えた影響を重く受け止め、私たちは今後も、目に見えない部分でのサポートを含め、大槌町のために何ができるのかを考え続けていきます。現地のニーズを丁寧に調査しながら、次なる支援の形を模索してまいります。

改めまして、今回の緊急支援を支えてくださったすべての皆様に、心より感謝申し上げます。

【岩手県大槌町 山林火災緊急支援】全域で避難指示は解除。鎮圧・鎮火に向けて山林火災は収束へ(2026年5月1日更新)

2026年4月27日、待望の雨。翌4月28日にもまとまった雨が降ったことで、山林火災は収束の兆しを見せ始めました。地上からは釜石大槌消防、県内応援隊、緊急消防援助隊に、釜石・大槌消防団を含め、総勢およそ1,400人が消火活動にあたり、さらに自衛隊、防災ヘリが空中からも散水を続け、民家のある集落や地区までの延焼を食い止めてきました。

2026年4月22日の発災から連日連夜続けられてきたこの消火活動に加えて2日連続での降雨によって火の勢いは止まり、災害対策本部では民家まで延焼が及ぶ可能性は極めて低いと判断。4月29日には一部を除く地域の避難指示が解除され、翌4月30日には最後に残った長井地区も安全と判断されて、午後4時30分、全域で避難指示解除が発表されました。

火災現場の様子(2026年4月30日 岩手県大槌町)

建物被害は、住家1棟を含む8件の全焼が確認されましたが、人的被害はゼロ。「健康被害を防ぐ」をモットーに活動を続けてきた保健医療福祉調整本部は、大きな健康被害の報告はなく、すべての避難所も閉鎖されたことで、2026年4月30日に解散しました。

日常に戻る幸せ、生きる力に
空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”は、2026年4月24日に看護師2名が現地入りし、保健医療福祉調整本部の指揮下で支援活動を開始。主に避難所で生活を余儀なくされた方々の健康を日々チェックし、慣れない環境下で少しでもストレスを減らし、快適に過ごしてもらえるように、避難所内やトイレ掃除をはじめとする環境改善にも努めてきました。

避難生活はいつまで続くのか、家は大丈夫だろうか、不安が募るなか、特に高齢者にとって避難生活は精神的にも肉体的にもとても厳しいものです。避難所を訪れると、「いつもありがとうございます」とニコニコと答えてくれますが、胸中は常に不安に支配されています。

2026年4月28日の一部避難解除を受け、夕方にご家族が迎えに来て家に戻るという、ひとりで避難されていた80代の方が、その胸中を語ってくれました。

「ここにいると、震災とかの悪い思い出ばかりを考えてしまってね、家族とも離れてひとりぽっちで寂しかったけれど、でもようやく帰れる。これから家に帰って孫とかも戻ってくれば9人家族の生活。またにぎやかな暮らしが始まると思うと本当にうれしいね。私はお花がとても好きで、家に帰ったらおうちで好きなお花を育てたり、散歩しながら公園のお花を見るのが楽しみ。家が通学路の前なので、朝学校に通う子どもたちの『おはようございます!』という元気な声がまた聞けるのも楽しみだね」

ある方は、避難指示解除が発表されると、すぐに帰る準備を始め、支度を終えると避難所の入口の前でウロウロしながらお迎えを待っていたといいます。

空飛ぶ捜索医療団では、少しでも早く避難者が家に帰れるように、市と連携して移動手段のない避難者1名をご自宅まで移送、また避難所の集約にともない、ひとり別の避難所へ移動しなければならなくなった方の移送を担当しました。

車が避難所に到着すると、帰宅するおばあさんは急いで車に乗り込み、車中、看護師とうれしそうに話をしながら家に戻られたと報告がありました。

すべての避難者が帰宅し閉鎖された避難所(2026年4月30日 岩手県大槌町)

うれしい反面、不安も
一方で、日常が戻ることがうれしい反面、今後の不安の声も聞かれました。

「家に帰れるのはとてもうれしいけれど、やっぱり不安もあるね。津波に地震に、今回は山火事に遭って。お父さんの体も心配だし、またいつくるかわからないからね」

避難したご家族のなかには、お父さんが詰所で消火活動にあたっていた消防団員で1週間ほど会えず、不安と寂しさを抱えたという子どもがいます。また、一部地区では自宅や避難所から見えるところまで火の手は狭まり、それを目の当たりにした子どものなかには、山火事の恐さが心の中に深く残ることもあります。そして――

吉里吉里に建てられた石碑(2026年4月30日 岩手県大槌町)

15年前、大槌町は東日本大震災による津波で、壊滅的な被害を受けました。多くの人が、その忘れられない記憶を抱えながら、今回の山林火災でまた大きな災害を体験しました。

これからも大槌町を支える支援を考え続ける

2026年4月30日、吉里吉里地区。火災のあった森林には木が焼け焦げた炭のようなにおいがあたり一面に漂っている(2026年4月30日 岩手県大槌町)

山林火災は、表面が消火されたとしても地中に熱源が残っていれば、それがなくなるまで鎮火には至りません。そのため2026年4月30日、全域での避難指示解除に伴い、消火部隊も少しずつ縮小されていきますが、避難指示が解除された後も熱源調査は続き、もしも火種があれば消火剤などで一つひとつ消していく地道な作業がこれからも続きます。

2026年4月30日、吉里吉里地区。斜面一帯は黒く焼け焦げ、木の上のほうまで焼け焦げたエリアもある。この光景が何キロにもわたって続く(2026年4月30日 岩手県大槌町)

2026年4月30日、災害対策本部からの発表によると、焼損面積は小鎚、吉里吉里地区合わせて1,633haにも及びます。住民にとって、憩いの場だった森林は黒く焼け焦げてしまい、また美しい森林が再生されるには長い年月と多くの労力が必要になってきます。

避難指示が解除されたことで、住民は9日間続いた避難生活を終えました。これで一時的に閉店していたお店なども再開し、町には平穏な日常が戻ってきます。

空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”の緊急支援活動も2026年5月1日を持って一旦終了しますが、火災が収束し日常が戻ってきたとしても、心のケアを必要とする人がいます。災害が人々に与えた影響は大きく、空飛ぶ捜索医療団は目に見えない部分でのサポートも含め、今後も大槌町のために何ができるのか、求められるニーズを調査しながらできる支援を考えていきます。

【岩手県大槌町 山林火災緊急支援】柔軟に、迅速に。空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”だからできることを(2026年5月1日更新)

以前、空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”のプロジェクトリーダー稲葉医師にこれからのチームの在り方について尋ねると、こう答えてくれました。

「自分たちにしかできないところを突き詰めながら、被災地で柔軟に、なんでもできるチームでありたい。これができれば欠けたピースが埋まったり、ここにこういう組織がいると全体がうまくいくような、誰も担えない役割を埋めていくようなチームでありたいと思っています」

2026年4月26日、大規模山林火災の発災から5日目。岩手県大槌町で発災した山林火災の緊急支援で、この言葉を体現する出来事がありました。

緊急避難指示が発令された現場へ出動要請

くすぶっていた火種が乾燥と強風で再燃(2026年4月29日 岩手県大槌町)

大槌町小鎚地区の山林で、消火されたと思われた場所にまだくすぶっていた火種が乾燥と強風で再燃。さらに風向きが変わって延焼が民家に向かったため、小鎚地区に住む15世帯24名に緊急避難指示が発表されました。

同地区は、山間部にある小さな集落で高齢者が多く、現場では消防と警察が救助にあたっていましたが、なかには要配慮者がいることから医療従事者が求められていました。そのピースとして保健医療福祉調整本部から空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”に出動の要請がありました。

「今朝、小鎚の一番奥の長井地区に避難指示が出て、警察と消防で避難させていますが、高齢者の多い場所なんです、自分で動ける人もいれば動けない人もいて、でもその把握がきちんとできていない状況のなかで、避難者の要配慮者の介護や介助と、そのまま移送するお手伝いをお願いできませんか」

今回の緊急支援チームリーダーの新谷看護師はふたつ返事で任務を引き受け、急遽市の職員と一緒に宮内看護師とともに小鎚に向かいました。

めまぐるしく状況が変わるなかで情報は錯綜(さくそう)

狭い道に消防車と多くの隊員が集まる(2026年4月29日 岩手県大槌町)

現場は物々しい雰囲気で、狭い道に消防車と多くの隊員が集まり、どこからか情報を得た報道カメラマンの姿も見られます。消防と連絡を取りながら現場に向かいましたが、空飛ぶ捜索医療団の看護師ふたりが到着した頃にはすでに避難者は近くの集会所に移送したのでそちらに向かってほしいとの連絡。救助された避難者はどこにいるのか、めまぐるしく状況が変わるなかで情報は錯綜(さくそう)しました。

避難者の健康状態を一人ひとり確認(2026年4月29日 岩手県大槌町)

新谷と宮内看護師は、慌ただしい現場から避難した人が集められていた集会所に移動。避難者の健康状態を一人ひとり確認したのち、市と連携して避難者1名をより安全な避難所に移送する役割まで担当。

集会所の周辺には避難者と周辺住民の方が集まり、もくもくとあがる煙を不安そうに見つめます。

「火が静まったように見えたんだけどね…10時くらいまでは静かだったんだけど、ちょっとずつまた燃えてきて、空がモヤっとなっていってね。もし火が来たら危ないと思って急いで避難してきました。今朝は全然こんな感じじゃなかったですよ」

消火活動を続けるヘリコプター(2026年4月29日 岩手県大槌町)

避難所からも見える距離に迫ったところで勢いよく煙はあがり、上空には消火活動を続けるヘリコプターが飛び交うなか、最終的に15世帯24名の無事を確認。当初の予定からは二転三転しながらも任務を無事完遂した新谷看護師は、この日の出来事をこう振り返りました。

「コミュニティーとか地域のつながりは、本当にすごく大事ですね。あの人いないよ、どこにいったよ、この方気にかけてあげたほうがいいよとか、いろいろな情報を共有してくれてありがたいなと。こっちの小鎚のほうはなかなか情報が入ってきてなかったので、今回初めて現場に入ってみて、今回の山林火災が同時多発的に起きているんだということをあらためて感じました」(新谷看護師)

空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”の役割

保健医療福祉調整本部(2026年4月29日 岩手県大槌町)

保健医療福祉調整本部には2026年4月26日時点で医療・福祉関係の10団体、41名が参画。空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”も含めた保健師・看護師が手分けしてすべての避難所に常駐し、連携しながら避難者の健康管理と環境改善に努めています。

そのなかで空飛ぶ捜索医療団は、他団体と同じように常駐・巡回要員として支援活動を行うとともに、民間ならではの柔軟性と機動力が評価され、なにかあったら柔軟にすぐに対応する“緊急対応”の役割も担っています。この日の活動はまさにその対応で、無事任務を終えたこと、なにより避難者を守れたことに、新谷、宮内はほっと胸をなでおろしました。

被災地の現場で、できることは限られているかもしれません。だからこそ、空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”としてできることはすべて考え、これからも被災者の安全と健康を守るために、柔軟に迅速に対応していきます。

【岩手県大槌町 山林火災緊急支援】避難生活の長期化が想定されるなか、避難者との“会話”に込められた想い(2026年4月27日更新)

消火活動中の様子(2026年4月25日 岩手県大槌町)

2026年4月25日、山林火災発生から4日目。岩手県大槌町では、自衛隊や緊急援助隊、周辺地域から参集した消防隊による懸命な消火活動が続けられています。地上では総勢1,329名の消防員が消火にあたり、さらに自衛隊の大型ヘリコプター5機、中型ヘリコプター2機に加え、宮城県、秋田県、新潟県、栃木県、茨城県、横浜市の防災ヘリが空中から連続的に散水。

大槌町一帯では、早朝から夕方までヘリコプターの音が途絶えることはなく、延焼が広がる不安の一方で、消防隊による懸命な活動が住民の希望と心の支えにもなっています。

火災の様子(2026年4月25日 岩手県大槌町)

こうした緊迫した状況が続くなか、現地入りしたのち保健医療福祉調整本部に参画した空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”の緊急支援メンバーは、ほかの支援団体と連携して新しく開設される避難所の環境調査と、要配慮者を確認する活動に従事しました。

「もうちょっとたくさんだね…」
2026年4月22日の火災発生後、延焼が続くなか、行政は4月25日時点で1,541世帯3,233名に避難指示を発令。町内7カ所に避難所が開設され、116世帯282名が避難しています。しばらくまとまった雨が降ることはなく、4月26日以降には風が強まる予報が出ていることから、延焼のさらなる加速も予想されています。こうした状況のなか、万が一緊急で避難しなければならなくなったときに、懸念されるのが要配慮者の把握です。

この日、保健医療福祉調整本部に参画した各支援団体が手分けして避難所を訪問。空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”の看護師2名も避難者の方一人ひとりに声をかけ、健康状態だけではなく、さまざまなことに丁寧に、ゆっくりと耳を傾けます。

ある避難所で、以前、大きな地震があったときに家を離れ、その引っ越し先で2011年に津波被害に遭い、そして今回の山火事でまた、避難してきたというおばあさんは、今のやるせない胸中を話してくれました。

「大きな地震があって引っ越したらそこで津波にあって。それで今回は山火事で…もうちょっとたくさんだね。こんな何度も、まずまいっちゃうね」

こうした聞き取りの重要性について、空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”の宮内看護師はこう説明してくれました。

「今日の保健医療福祉調整本部のミッションは要配慮者の確認ですが、その情報を聞き取るだけでなく、日常のことや今の心境、困りごとなど、いろいろな話を聞くことが大切です。そのなかに見えない課題や隠れたニーズがあるかもしれないですし、何より話を聞くことが不安を少しでも和らげることにつながることもあるからです」(宮内看護師)

長期化も想定される避難生活。避難者の健康を守り、少しでも快適に過ごせるために何が必要で何ができるのか、その想いがこの“会話”には込められています。

地域コミュニティーの絆を尊重しつつ、命を守るために

街中の様子(2026年4月25日 岩手県大槌町)

吉里吉里地区では、小学校の裏山近くまで延焼が広がる可能性が出てきたことから急遽、避難所を移動。特別養護老人ホームを利用されていた方を少し離れたホテルに緊急避難させるなど、火災現場が近く、緊張した状態が続いています。

この地域住民の避難生活のよりどころとなっているのが、強固な地域コミュニティーです。吉里吉里地区は古くから地域住民の方々の結束が強く、そして深く、急遽開設された公民館の避難所には、周辺地区から49名の方が避難。食事は地域の婦人会が担い、自宅から食材を持ち寄って温かい料理をふるまっています。

「みんなで助け合って生きてきたところだから、こういう大変なときこそ食材なんかはみんなで分け合ってね。今から家にある畑から収穫した大根をとってくるね」

婦人会を率いる会長は笑いながらそう話して、小走りで車に向かい、自宅に戻っていきました。避難所となっている公民館の館長も周辺地域の方を快く受け入れ、特別養護老人ホームの方々を避難させるときは率先してバスなど手配し迅速に移動させるなど、地域の安全を守ってきました。

火災の様子(2026年4月25日 岩手県大槌町)

こうした地域の、日常から築き上げられてきた結束によって、吉里吉里地区は守られています。しかし、現実では避難所から見える近くの山林からは煙が勢いよくあがるのが見え、同地区には避難指示が出され、2026年4月25日夕方には消防が消火活動に集中できるように交通規制もひかれました。

山林火災は、風向きや風速によって延焼範囲や速度が一気に変わる危険性があるため、こうした地域に対し、各所ですぐに避難するように注意喚起を促す動きや声もあがっています。地域の絆、意思を最大限尊重しつつ、命を守るために何をするべきで何ができるのか。空飛ぶ捜索医療団は保健医療福祉調整本部の支援活動に従事しながら、関係各所と情報共有を行い、誰ひとり取りこぼさない支援をめざして避難者をサポートしていきます。

【岩手県大槌町 山林火災緊急支援】延焼は加速。焼損面積は1,176haに拡大(2026年4月27日更新)

火災の様子(2026年4月24日 岩手県大槌町)

2026年4月22日13時53分、岩手県大槌町小鎚地区にて山林火災が発生。そのおよそ2時間30分後に、同じ大槌町内の別の吉里吉里地区でも山林火災が確認され、2日たった現在もそれぞれ延焼は続き被害が広がっています。

この山林火災により、大槌町は4月24日15時の時点で1,541世帯3,233名に避難指示を発令。大槌町には、2026年4月20日に三陸沖を震源とするマグニチュード7.7の地震により、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表されたばかりで、その注意報がまだ解除されていないなかで今回の山林火災は起きました。地元の人々は深い不安のなか、避難生活を余儀なくされています。

出動時の様子(2026年4月23日 広島県)

この事態を受け、空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”は、2名の看護師の出動を決定。2026年4月24日早朝に本部のある広島県神石高原町から大槌町に向け出発し夕方に現地入り。先遣隊とも合流し情報共有を行いながら、4月25日から支援活動を開始します。

1,541世帯3,233名に避難指示を発表
ここ数日間、大槌町には、乾燥注意報が継続して発表され、山林火災が発生した2026年4月22日は最小湿度が10%を下回るほど乾燥し、わずかな火種でも火災が起きやすい状況だったといいます。

2025年2月、隣接する大船渡市で起きた大規模な山林火災は、発災から一気に燃え広がり、短期間で広い範囲に甚大な被害をもたらしました。それに対し今回の大槌町の山林火災は初日こそ延焼は収まっていましたが、2026年4月23日から4月24日にかけては乾燥状態に加えて強風が加わり、4月23日朝の時点では201haだった焼損面積は、翌4月24日には1,176haまで一気に拡大しました。

火災範囲を地図上で確認(2026年4月24日 岩手県大槌町)

大槌町役場周辺の中心部にまで山林火災による煙が薄っすらと漂い、街中から山を望めば、山あいが燃えているのがわかります。山林火災の煙やすすまでが、町の日常に入り込んでいる状況です。

先に現地入りし視察していたメンバーによると、吉里吉里地区では民家のかなり近い所まで煙が立ち上っているにもかかわらず、そのなかで犬の散歩をしていたり、子どもが駆けまわっている様子が見られ、本当に近くまで脅威が忍び寄っているのに、いつもと変わらない平穏な日常があることに、大きな違和感と恐怖を感じたといいます。

「(1年前の)大船渡での経験から林野火災の火は風向きと風速次第で一気に事態は悪化する。今の吉里吉里は昨年(2025年)の3月4日未明に風向きが変わり一気に焼けてしまった外口(大船渡)のように、前日3月3日まで避難せず住み続けていた状況と同じ印象」と報告されました。

まとまった降雨の見込みはなく、延焼はさらに拡大予想

街中に煙が漂っている様子(2026年4月24日 岩手県大槌町)

2026年4月24日の時点で1,541世帯3,233名に避難指示が出されていますが、実際に町内に開設された7つの避難所には、93世帯255人の方しか避難していません。今後数日間はまとまった降雨の見込みはなく、風速が高まる予報で、延焼はさらに加速されることが予想されるなか、避難所支援のニーズも高まることが想定されます。

この日、空飛ぶ捜索医療団の看護師2名は、到着してすぐに地域保健医療福祉調整本部会議に参加。地域保健医療福祉調整本部と共同して避難所アセスメントを行い、要配慮者の実態把握の任務を担うとともに、引き続き被災地の情報収集に努めていきます。

現地到着後すぐに地域保健医療福祉調整本部会議へ参加(2026年4月24日 岩手県大槌町)

現地入りした新谷看護師からの報告
「現地に入ると、火災特有の匂いと煙が町全体に広がり、大槌町役場にも煙が薄っすら立ち込めている。その環境に強い違和感と危機感を覚えながらも、限られたリソースの中で、誰もが懸命に状況と向き合っています。現地の人たちとどのような距離感、どのようなスタンスで関わるべきか。じわじわと忍び寄る火の手を前に、今やるべきことを見極め、スピード感を持ちつつも、ミッションを一つひとつ着実に進めていきたいと思います。」

空飛ぶ捜索医療団では、今回の岩手県大槌町 山林火災にて被害を受けた方々を支援するために、緊急募金を開始しました。皆様の温かいご支援をよろしくお願いいたします。

【岩手県大槌町 山林火災緊急支援】焼失面積150ha超、240名以上が避難。強風と乾燥のなか、懸命の消火活動が続く(2026年4月24日更新)

2026年4月22日午後1時53分頃、岩手県大槌町小鎚地区にて山林火災が発生しました。その後、同日午後4時28分には吉里吉里地区でも別の火災が確認されています。

岩手県災害対策本部によると、今回の火災による焼失面積は、小鎚地区で約15ha、吉里吉里地区で約140haに達し、合わせて約155haに及んでいます。物的被害も深刻で、小鎚地区では住家1棟に加え、物置や牛舎、ビニールハウスといった非住家6棟の計7棟が全焼しており、吉里吉里地区については現在も被害の調査が進められています。

また、火災の発生した夜には一時103世帯247名が避難所への避難を余儀なくされるなど、多くの住民が不安な一夜を過ごしました。(参照:岩手県|第1回本部員会議資料(PDF)

この事態を受け、空飛ぶ捜索医療団"ARROWS"は緊急支援を決定。4月24日(金)早朝、本部のある広島県神石高原町から火災が発生した岩手県大槌町に向けて出動しました。

現地では既に調査メンバーが活動を開始しており、刻一刻と変化する被災状況の集約と、支援ニーズの把握に全力を挙げています。

「私たちにできる最善の支援を届けたい」派遣メンバーの声

出動メンバーの一人、空飛ぶ捜索医療団"ARROWS"の新谷看護師(2026年4月24日 広島県)

「火災発生から2日が経過しましたが、現場では依然として火の手が収まらず、連日規模が拡大しているという予断を許さない状況です。今後の天気予報でも雨の兆しはなく、乾燥と強風によるさらなる延焼が懸念されます。

何より、この地域は数日前に『北海道・三陸沖地震』を受け「後発地震注意情報」が発令されたばかりです。地震や津波への恐怖が癒えぬ間にこの大規模な火災が発生し、住民の方々の精神的な負担は計り知れません。私たちは、避難所での情報収集を急ぐとともに、すでに活動を開始しているメンバーや団体とも緊密に連携し、今の私たちにできる最善の支援を届けてまいります。」

重なる悪条件と、住民生活への深刻な影響
今回の火災は、「乾燥」と「強風」という、林野火災が拡大しやすい過酷な気象条件下で発生しました。大槌町には乾燥注意報が発表されており、最小湿度は35%まで低下。さらに、今後も高気圧に覆われ晴天が続く見込みであり、火勢の鎮圧には予断を許さない状況が続いています。

また火災の影響は、生活の足である交通網にも及んでいます。国道45号の一部通行止めや、三陸鉄道リアス線(釜石~岩手船越駅間)の終日運転見合わせが発生しているほか、大槌高等学校や吉里吉里小学校・中学校、大槌学園の計4校が休校となり、子供たちの学びの場も奪われています。

昨夜(2026年4月23日)、現地入りした調査メンバーが城山公園の高台から捉えた写真には、暗闇の中で山肌をはうように燃え広がる赤い火の手が鮮明に映し出されていました。一夜明けた今朝も、同じ場所から望む吉里吉里方面の山々は視界を遮るほどの濃い煙に包まれており、依然として火勢が衰えない緊迫した状況を物語っています。

吉里吉里方面の山々が濃い煙に包まれている様子(2026年4月24日 岩手県大槌町)

岩手県でのこれまでの災害支援
2025年駆けつけた岩手県大船渡市山林火災の現場では、看護師による健康チェックや、感染症防止のため避難所のレイアウトの改善、心身の健康維持のための体操・お茶会などを実施。また、その後も被災した地元産業の復旧を支えるための「なりわい支援」など、さまざまな支援を届けてきました。

2025年2月に岩手県大船渡市を襲った山林火災緊急支援時、避難所で健康チェックを行う宮内看護師(2025年3月 岩手県大船渡)

空飛ぶ捜索医療団では、今回の岩手県大槌町 山林火災にて被害を受けた方々を支援するために、緊急募金を開始しました。
皆様の温かいご支援をよろしくお願いいたします。

引き続き支援を求めています

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認定特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン

認定NPO法人ピースウィンズ ・ジャパンは、日本に本部を置き、国内外で紛争や災害、貧困など人為的な要因による人道危機や生活の危機にさらされた人々を支援する国際NGOです。大西健丞により1996年に設立され、世界各地に支援を届け続けています。
ピースウィンズが運営する、医療を軸とした災害緊急支援プロジェクト「空飛ぶ捜索医療団"ARROWS"」は、国内外の災害被災地にいち早く駆けつけ、専門的な支援活動を行っています。
日本国内での社会課題の解決を目的とした活動にも力を入れており、地域活性化や子ども支援、犬や猫の殺処分ゼロを目指した動物の保護・譲渡活動などに取り組んでいます。

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