寄付受付開始日:2024/02/01
更新日:2024/08/01
2024年1月1日に石川県能登地方で発生した地震は、マグニチュード7.6、最大震度7の大きな揺れを観測し、能登地方に甚大な被害をもたらしています。この度の発災を受け、日本全国の「殺処分ゼロ」を目指し活動をしているピースワンコ・ジャパンは、2024年1月8日からペット緊急支援チームを現地に派遣し、避難所を回りながら物資支援や預かり支援、現状の調査を行いました。
これまでは特に被害の大きかった珠洲市や輪島市を中心に、自治体や他団体と連携した犬や猫のペットの捜索や健康状態の確認、二次避難を検討されている方へのペット一時預かりなどを実施しました。
また、2024年1月27日には珠洲市と以前から調整していた同伴避難所が開設され、他団体と共に運営支援を行っています。まだまだ先が見えない不安を抱えた避難生活の中でも、ペットという大切な「家族」を一番に思う飼い主さまが非常に多くおられました。
発災から1カ月がたちました。別の地域への二次避難も進み始めている中で、「ペットと共にどう生きていくか」ということが、いま一人一人に問われているようにも感じます。ピースワンコでは、ペットの日中一時預かり支援、同伴避難支援など被災地で飼い主様が安心してペットと暮らせる支援、その他現地で必要とされる支援をおこなう予定です。
これからも被災されたご家族に寄り添い、大切な命を守るために必要な支援を届けてまいります。
令和6年能登半島地震 ペット支援へのご寄付に、どうかご協力のほどよろしくお願いいたします。
皆様からいただいたご寄付は、令和6年能登半島地震の被災地でペットと暮らす人々とそのペット・動物を支援するために、大切に活用させていただきます。
・ペット同伴家族避難支援
※まずは、能登地方珠洲市のペット同伴避難所運営を支援。その後も必要に応じて支援地、施設環境を拡充予定。
・ペットの一時預かり支援・避難先の紹介
・ペット同伴に関する物資支援
・預け先のない犬の引き取り
・その他、必要に応じた支援
※本災害の緊急支援活動に必要な資金が集まり、もし剰余資金が発生した場合は、被災動物に関連した支援、今後の災害に備えたペット支援関連備品の購入にも活用させていただきます。
ピースウィンズ・ジャパンの寄付金の取扱規程は下記をご参照ください。
特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン寄付金等取扱規程(PDF)
"#2024notopeninsulaearthquake"
更新日:2024/08/01
このたびは、ピースワンコの「令和6年能登半島地震 ペット緊急支援」にご寄付くださり、本当にありがとうございます。スタッフ一同、心から感謝御礼申し上げます。
2024年1月1日に石川県能登地方で発生したマグニチュード7.6、最大震度7の大きな地震は、人間だけではなく犬や猫、鳥などの動物たちにも大きな被害をもたらしました。
ピースワンコは2024年1月8日からペット緊急支援チームを現地に派遣し、皆さまからのご寄付をもとに、ペットと共に被災した皆様が必要としているさまざまな支援を展開することができました。心からの感謝御礼を申し上げるとともに、これまでの活動のご報告をさせていただきます。
●令和6年能登半島地震で行った主なペット支援
▼調査・捜索活動
▼物資支援
▼一時預かり支援
▼猫の捜索と預かり支援(ピースワンコ×ネコリパブリック)
▼ペット同伴避難所の開設運営支援
▼ペット日中預かり「わんにゃんデイケアハウス珠洲」開設運営支援
▼トリミング支援(ピースワンコ×THE DOG COMPANY)
<支援内容>
▼調査・捜索活動
「日本レスキュー協会」様と連携し、能登半島各地域のエリアを手分けして回りながら、犬猫その他を問わずペットの捜索活動を行いました。
▼物資支援
フードやペットシート、ウェットティッシュなどの衛生用品、首輪やリードの基本的な物資から、ちゅーるなどのおやつや介護・療法食、シャンプーやタオル・毛布などのペット生活用品、新聞紙やレジ袋などの避難所で必要となる消耗品、ケージやクレート、サークルなどを配布しました。
▼一時預かり支援
何らかの事情があり、どうしてもペットと共に避難生活を送ることが難しい飼い主様とペットのために、一時預かり支援を実施。ピースワンコでは、持病のあるワンコや環境整理などのためにしばらく飼い主様と一緒に暮らすのが難しいワンコたちをお預かりし、スタッフが大切にお世話をしました。
▼猫の捜索と預かり支援(ピースワンコ×ネコリパブリック)
「ネコリパブリック」様と連携し、被災時に行方が分からなくなってしまった猫の捜索や、一時預かり支援を実施しました。
▼ペット同伴避難所の開設運営支援
珠洲市と調整・準備を進めていたペット専用の同伴避難所を飯田公民館に開設し、段ボールベッドと共に、ペットの大きさにあったクレートをテント内に設置。飼い主様とペットが同じ空間で、安心して一緒に生活していただける場所を提供しました。
また、犬猫のフードやトイレシートなどの物資を取りそろえ、避難所内で過ごされる方だけでなく、自宅や車中でペットと共に避難生活を送っている方々にも自由にお持ち帰りいただきました。
▼ペット日中預かり「わんにゃんデイケアハウス珠洲」開設運営支援
同伴避難所横に日中の一時預かりコンテナを2つ設置し、「わんにゃんデイケアハウス珠洲」を設置してピースワンコスタッフが常駐し、健康管理や必要なサポートを行う日中のペット預かり支援を行いました。飼い主様は、お預かりしている間はがれきの撤去やご自宅の掃除、お仕事に行くことができます。
▼トリミング支援(ピースワンコ×THE DOG COMPANY)
人間用の給水・入浴支援は行われているものの、断水状態が続いている被災地で、ペットのケアが行えず、清潔な状態を保つことができずに悩みを抱えている飼い主様のために、「THE DOG COMPANY」様にご協力いただき、移動型トリミングワゴンとトリマーを派遣しました。シャンプー、カットやブラッシング、耳そうじ、爪切りなどのトリミング支援を実施し、たくさんの愛犬愛猫のケアを行い、多くの飼い主様に喜んでいただきました。
発災から半年以上たちましたが、被害の傷跡はまだまだ残ったままです。それでも、発災直後から今日に至るまで現地の方々とペットに寄り添った支援を続けていられますのも、Yahoo!ネット募金を通じて、ご支援やご協力くださった皆さまのおかげです。
これからも現地での復興を目指して、私たちの支援活動は続いていきます。皆さまには引き続き活動へご関心をお寄せいただき、見守っていただけますと幸いです。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
ピースワンコ スタッフ一同
ピースワンコ公式ホームページ
2024年元日に発生した令和6年能登半島地震。もう間もなく、発災から5カ月が経過しようとしています。
ピースワンコが活動拠点とする石川県珠洲市では、約30カ所の避難所で500名弱の方々が避難生活をしています。在宅避難の家庭でも、宅内配管の損壊によりいまだに断水している世帯が多くを占めており、通水エリアでも建物内の水道やトイレが使用できない状況が続いています。
各家庭の住まいや生活の状況はさまざまで、他県・地域に引っ越された方もいれば、ご家族の事情などでこれからも珠洲に留まる方もおられます。ご自宅に戻ることができた方、仮設住宅に入居され住居の再建を待つ方、その中にはもちろん、ペットと共に暮らしておられるご家族もおられます。
ピースワンコはこれまで、ペット専用の同伴避難所や日中の一時預かりデイケアハウスなどを運営し、ペットと共に暮らすご家族を支援してきました。また、断水が続く地域では給排水に問題があり、ペットのシャンプーができず清潔に保つことが難しくなっていました。
2024年3月11日にはTHE DOG COMPANY様にご協力いただき、トリミングワゴンとトリマーを派遣してシャンプー、カットやブラッシング、耳そうじ、爪切りなどのトリミング支援を実施しました。今月、2024年5月になっても断水状態が続いていたため、2024年5月11日、12日と二日間にわたり第二弾の派遣を行いました。今回は、犬14頭・猫3頭の施術を行うことができ、このうちの半数ほどは、前回もトリミングを受けた子たちでした。
そのなかの一頭、ミニチュアダックスのレオくんの自宅は、地震のあとの調査で「要注意」と書かれた黄色の張り紙が貼られました。飼い主様にうかがうと、外壁などの問題はなかったものの、家の中がぐちゃぐちゃになってしまい片付けも大変で、とても住めるような状態にはないとのこと。
しかし、身寄りの親戚もおらずご家族の介護もあり、これからもずっと珠洲での暮らしを続けることを決意しておられました。今は仮設住宅の入居の順番を待ちながら、避難生活を送っています。
それでも飼い主様いわく、発災直後と比べると、はじめは二週間お風呂に入れなかったが、自衛隊風呂ができてとても助かったこと。毎日給水に2時間待ちで並んだり、週に一度は金沢まで車で何時間もかけて出て洗濯していたが、今は近くで水が通るようになったこと。吹雪のなかの車中泊ではオイルを節約して暖房を付けず過ごしていたが、気候も良くなったり支援物資などにも支えられたこと。
そして何より、心配だったレオくんの健康を気遣ったり、奇麗にシャンプーしてケアしてくれるスタッフやトリマーが来てくれて、自分のことよりも嬉しかったこと。まだまだ大変な状況ではありますが、少しずつ前向きに捉え、私たちにも感謝を伝えてくださいました。
「前にしてくださった、しっぽが奇麗なライオンカットがみんなに評判でね。またやってもらえると思って楽しみにしてたんよ! また来てくれてありがとうね」と、嬉しそうにトリミング終了まで見守っておられました。
また、こちらも前回施術を受けていた、雑種のバズちゃんです。バズちゃんは元保護犬でかなりのビビり犬。飼い主様でも足先を触ることが難しく、前回のトリミング以来、体を洗うことができていなかったとのこと。
ビビりの雑種犬……まるでうちにも居そうなワンコ! と、ピースワンコのスタッフは深く共感していました。日頃から元野犬ワンコの人馴れトレーニングに従事しているスタッフは、さまざまな性格やタイプを見てきています。また、トリマーさんもこれまで幅広い犬種のワンコに触れてきていたため、今回も安心してお預けすることができました。
トリマーさんはゆっくりとバズちゃんとの距離を縮めながら、何回か少し吠えられつつながらも、無事に施術が終わりました。2カ月ぶりにまた奇麗な毛並みになり、飼い主様もとても喜んでおられました。
お話をうかがうと、実は、バズちゃんは野良犬だった時代から、おうちによく顔をのぞかせてご飯をもらいに来ていたそうです。次第にこの子が気になって、時々来るのを楽しみにしていたところ、やはり「野犬」ということで殺処分の対象となってしまい、居てもたってもいられず、家族として引き取ることを決めたのだそう。まだまだ子犬ですが、今ではお父さん、お母さん、そしてご家族の一員として、大切に育てられています。
地震が起きてしまって、環境や生活が一変してしまったご家庭も少なくありません。しかし、ワンコやニャンコが家族の大切な一員であり、中心でもあり励みになる存在であることが、どのご家庭のお話をうかがってもよく分かります。
ピースワンコはこれから生活を再建されていく皆さまに今後も寄り添いつつ、ペットと家族を守っていけるよう、引き続き支援を続けてまいります。
2024年1月28日、珠洲市に開設されたペット専用同伴避難所にやってきたラブラドールのメイちゃんとご家族。2024年4月に入り避難所を訪ねると「家に戻ることになりました」との報告がありました。わが家への“引っ越し”は、桜が満開を迎えた2024年4月13日。少しずつ家を片づけながら準備を進め、避難所での最後の掃除を終えた飼い主さまに、メイちゃんと離れることなく一緒に暮らした避難所生活について、お話を伺いました。
●本当は長い夢の中にいて、いつか目が覚めたら全部夢なのではないか
「これまで災害のニュースをみても、どこかひとごとで、自分には起きないことだと思っていました。起きてほしくないからこそ、そうした考えになるのでしょうけれど、でも本当にこんなことが現実に起きるなんて……本当は長い夢の中にいて、いつか目が覚めたら全部夢なのではないかと、いまだにそう思っています」
震災を振り返り、飼い主さまはそう話してくれました。
ペット同伴の避難所に来る前は、小学校の避難所で生活。明確にペット禁止といわれたわけではなく、ただ「犬が苦手な人もいるのではないか」「アレルギーの人がいたらどうしよう」と想像してしまって避難所に入ることができず、周囲の目を気にしながらも玄関先の隅っこに場所を借りて暮らしていました。
特に発災直後はどの避難所も混乱し、常に人が行き交う玄関先で、ご家族もメイちゃんも落ち着いて寝ることはほとんどできなかったといいます。その後、学校も再開して子どもたちも頻繁に通る玄関先はいづらくなり、空き家を探しても「ペットはだめ」と断られ、どうすればよいか、途方に暮れていたときにこのペット同伴避難所が開設されました。
断水は続き、ほかの避難者の方々との共同生活など、多くの不自由があることに変わりはありません。しかし、同じ悩みを抱えていた仲間が集まるペット同伴避難所の生活は心地よく、少しずつご家族もメイちゃんも安心して眠れるようになったといいます。
飼い主さまのご自宅は「半壊」。全壊は免れたものの2階は雨漏りするため、屋根にはブルーシートを敷き、必要なものはすべて1階に避難。1階の床も所々損傷して不安定なため、修理する必要があります。
週末の時間を利用して少しずつ家のなかを片づけるたびに、「家を建て直すか、修理して家に戻るべきか」悩み続けましたが、2024年4月に入ってようやく水が通るようになったことを機に、家族でじっくり話し合った結果、家に戻ることを決めました。
●メイにとってもいろいろなことがあったこの避難所には、たくさんの思い出が詰まっている
「ワンコ仲間同士、気兼ねなく、いろいろ情報交換などもしながらお互いに助けあって生活してきました。メイが手術したときにも、いろいろな方が一緒に心配してくれて支えていただき……家でひとりでいたらどうしていいか分からず、ただオロオロしていたと思うので、この環境にめぐり合えたことに、本当に感謝しています」
飼い主さまがいなくなると鳴いていたメイは、避難生活中なかなか入ることができなかったゲージにも入れるようになり、「わんにゃんデイケアハウス珠洲」でお留守番もできるように。
このとき、ピースワンコスタッフがメイの体に“しこり”があることを発見。念のため検査をするために腫瘍部分を病院で摘出する手術をしてもらったことがありました。
お母さんは、涙が止まらないほど心配で仕方がなかったのですが、避難所のペット仲間をはじめ、いろいろな方から励まされ、「麻酔から起きたらおしっこをもらすかもしれないから、タオルを敷いておいたほうがいいよ」「手術したところをメイはなめたりかいたりしてしまうかもしれないから、いらなくなったTシャツを着せてあげるといいよ」など、術後のアドバイスもたくさんもらいながら、気持ちを落ち着かせることができたそうです。
「メイもこの3カ月でだいぶ変わりました。トレーナーの方にみていただいて無駄吠えが減ったり、言うことをきくようにもなったり、なによりいろいろな人にかわいがっていただいて、社交的になりましたね。メイにとっても、本当にいろいろなことがあったので、家に帰れるのは嬉しい反面、離れるのが少し寂しい気もしています。ここには、本当にたくさんの思い出が詰まっています」
メイちゃんは、発災当時パニックに陥ったため、息子が抱きかかえて避難。そのトラウマが残っていたのか、最初は家に入りたがらず、ちゅうちょしていました。しかし、足の踏み場もないほど散乱していた部屋は片づけられ、恐る恐るにおいをかぎながら思い出したのか、少しずつ、ゆっくりと我が家に入っていったそうです。
●この街は本当に復興できるのか、営みが消えてしまうのではないか
家に帰れることはとても幸せなことのはずですが、不安も大きいといいます。
「このペット同伴の避難所に来たとき、生活は劇的に変化しました。けれどそれからはというと、正直、ほとんど変わっていません。むしろ避難所を管理されていた行政の方も撤退して避難所は自分たちで運用することになったり、自衛隊の支援も含めて炊き出しなども少しずつ回数が減ってきたり、どちらかというとマイナスの変化のほうが大きかったかなという印象です」
主要な道路は修復された一方で、大きな道路から少し横に入るとマンホールは地面から飛び出したように隆起し、倒壊した家屋の多くはそのままの状態で、まるで時が止まったかのように震災の傷跡が残っています。何よりも水道インフラの被害は壊滅的で、2024年4月に入ってもほとんどの家で水がまだ使えない状況が続いています。ご家族は、破壊された街の光景を見ると、「もし時間を戻せるのならば戻ってほしい、戻りたい」と、今でも願うそうです。
しかし、失ったものがたくさんある一方で、被災したことで知り得た良いこともあったといいます。
「家族だけだったら悲しくてつらくて、露頭に迷っていたかもしれません。この3カ月を振り返って一番に思うのは、本当にいろいろな方に助けられたこと。人って本当に温かいなとさまざまな場面で感じました。もうひとつ、自然から怖い思いはしましたけれど、ふと海を見ても山を見ても、珠洲は美しいところだということに、あらためて気づきました。おだやかな空気がながれ、四季のうつろいがあります。被災して、普通ではなくなったからこそ、ゆっくり考えたり、まわりを見たりすることができ、珠洲の良さを再発見できたように思います」
この街は、本当に復興できるのか。人がいなくなって、営みがなくなってしまうときが来るのではないか。次、地震が起きたら、わが家は耐えられるのだろうか。不安は尽きません。それでもメイちゃんのご家族は、この愛おしい故郷で生活を再建していく「覚悟」を決めました。
「メイと一緒に過ごせる場所があったことで、私たち家族は本当に救われました。この3カ月間は、震災のショックから立ち直り、生活を再建するための準備期間だったような気がします。その立ち直るきっかけと、前を向く覚悟を、周囲の人々とこの避難所がやさしく支えてくれました。メイと一緒にわが家に帰って、少しずつ、ゆっくり、日常を取り戻していきたいと思います」
最後に、飼い主さまはこう話してくれました。
幸いメイちゃん一家はご自宅に戻ることができましたが、家が全壊してしまい、避難所生活が続く方もいます。ペット専用避難所は、そうした被災者の生活の場としてこれからも提供され、ピースワンコが運営するわんにゃんデイケアハウスの支援も、もうしばらく継続することになりました。ピースワンコは、これからも被災者に寄り添い、できる限りの支援を続けていきます。
ピースワンコは2024年元日に発生した令和6年能登半島地震を受け、2024年1月8日からペット支援チームを派遣し、被災された方々とペットへの物資支援や預かり支援などを行ってきました。
現在も石川県北部・珠洲市に拠点を置き活動を続けていますが、被災から2カ月以上がたった現在もなお、市内のほとんどの地域ではいまだに断水状態が続いています。人間用の給水・入浴支援は行われているものの、ペットと共に暮らす被災者はなかなかペットのシャンプーができず、爪切りや毛のカットなどケアができるトリマーも居ないため、不衛生な状態が続き多くの飼い主が悩みを抱えていました。
そこで、移動型トリミングサロン「THE DOG Salon Trimming Wagon」事業を運営する「株式会社THE DOG COMPANY」とコラボレーションし、2024年3月11日(月)に施術に必要な水・発電機を完備した移動型トリミングワゴン2台とトリマー2名を派遣して支援を実施いたしました!
THE DOG COMPANY様はこれまでにも、犬猫に関わるさまざまな問題を解決するプロジェクト「SAVE THE DOG PROJECT」を通して、ピースワンコの活動を寄付や活動で支えてくださっています。今回は能登半島地震の被災状況を受けて、ニーズの高かったトリミングサービスの支援を決定し、まずは第一弾として2024年3月11日(月)に飯田公民館横で実施しました。
当日は、事前予約にてご相談をお受けしていた犬猫10頭分の施術を実施することができ、伸びていた爪や毛をカットし、シャンプーして体に着いた汚れをやっと洗い落とすことができました。
その中には、以前に三崎避難所で物資をお届けして以来、スタッフが連絡を取り合っていた飼い主様とシーズー「ゆうたくん」もいました。
ゆうたくんのようなシーズーは毛量が多い割に抜けにくい犬種なので、しばらくカットができなかったため毛が顔を覆ってしまい、口や足先も汚れが目立ってしまっていました。また、垂れ耳なので中が蒸れて汚れがたまりやすく、本当は耳掃除もこまめにしないといけません。
トリマーさんは飼い主からの要望やお困りごとをヒアリングしつつ、ゆうたくんの体の汚れや皮膚の状態などを入念にチェックして施術に臨みました。ゆうたくんに優しく声を掛け続けながら、トリミングのみならずドライヤーやブラッシングまで、1時間半ほど掛けてしっかりと全身のケアをしてくれました。
施術中はワゴンの窓から、ゆうたくんの様子を心配そうに見守っていた飼い主さんでしたが、すっかり別人(犬)になって出てきたゆうたくんを見て、飼い主様もとても喜んでくださいました!「うちの子を奇麗にしてくれて本当にありがとう。これからも頑張ってね」と感謝と励ましのお言葉をいただきました。
そして次々と、ヨーキー、ミニチュアダックス、トイプードル、柴犬、シェルティ、雑種、猫も含めてさまざまなペットのトリミングを2台のワゴンで日暮れまで行いました。
それぞれの飼い主様は「毛がツヤツヤになった!」「スッキリしたし良い匂いがする」などと、大切な家族であるペットの見違えた姿に喜び、とても大事そうになでておられました。
今回は1日で猫・犬10頭の施術を実施することができましたが、既に次回の支援を希望する声も上がっており、近いうちにまた第二弾を実施できればと思っております。引き続き断水状態が続いている珠洲市では、こうした現地の状況に合わせた支援を行う必要性を強く感じました。
被災したペットとその家族、子どもたちや地域の方々は、まだまだライフラインや生活環境が整わない中での暮らしが続いています。町やコミュニティーもこれから時間をかけて復興へと進んでいきます。ピースワンコはこれからも被災された皆さまとペットたちに寄り添い、必要な支援を引き続き届けてまいります。
2024年1月1日に発生し「奥能登」と呼ばれる半島の先端部を中心に甚大な被害をもたらした「令和6年能登半島地震」。発災から2カ月近くたった現在も広いエリアで断水状態が続き、先行きが見えない状況が続いています。
ピースワンコは、2024年1月29日にペット同伴専用の避難所を開設。学校や仕事が再開し、仮設住宅への入居なども始まる一方で、被災者の多くは帰る家の再建を考えなければなりません。
平日は仕事に出て、休む間もなく週末は自宅の掃除などをしなければならず、家を留守にする時間が多くなることから、ピースワンコでは安心してお留守番ができるペットたちの居場所として、「わんにゃんデイケアハウス珠洲」のペット預かり支援を実施しています。
●預かり支援がペットの健康をも守る場に
2月に入り、石川県獣医師会が、能登半島の被災地を巡回し、ペット無料診療と健康相談を行うなど、被災地にも少しずつペット支援の輪が広がっています。ペットの病気や健康管理は、ペット連れのご家族にとっては心配事のひとつ。公民館のペット同伴避難所でペットと暮らすご家族の方も、その不安をこう話していました。
「ペットと一緒に暮らせる居場所ができて私たちは本当に助かったけれど、いまワンコが病気になったらどうなるか。薬も手に入るか心配ですね……」
ペットも人と同じで、処方薬がなくなったり、もしものときに身近に診てもらえる環境がないという不安は大きなものです。
巡回する獣医師によると、ペットは地震などで経験した直接的な怖い体験だけではなく、飼い主の不安を敏感に感じ取って情緒不安定になったり、体調を崩してしまうケースもあるといいます。
慣れない環境で不安になるのはペットも一緒です。ペットたちが少しでも安心して休める環境を提供することが、ペットたちの健康を守ることにもつながります。これからお留守番することが多くなるペットたちを救うためにも、ピースワンコでは環境省や県や市とも相談しながら「わんにゃんデイケアハウス珠洲」のペット預かり支援を実現させました。
●事情と思いは千差万別。それぞれのニーズに寄り添った支援を届ける
2024年2月12日から受け入れを開始した「わんにゃんデイケアハウス珠洲」には、2024年2月19日時点で犬6頭、猫1頭がやってきました。
「わんにゃんデイケアハウス珠洲」に初めてやってきたワンコは、ゴールデンリトリバーのきゅろくん。家族は在宅避難の方で、これまではおうちでお留守番させていたそうですが、仕事に行っている間の預かりを希望され、デイケアをご利用いただきました。
飼い主さんにとって、いつ余震がくるか分からない状況のなか、一人にさせるには不安もあったのでしょう。デイケアの情報をキャッチしたらすぐ相談にきたそうです。
2頭目は、人懐っこく、まだ生後10カ月の元気なポメラニアンのハッピーくん。自宅が地震と津波で半壊してしまい、ワンコと車中泊して過ごしているそうです。飯田公民館のペット同伴避難所も一度は見学されたものの、半壊していたとしても住み慣れたご自宅で暮らしたいとのことで、電気が通ってからはかろうじて使える一室で生活しているそう。
ハッピーくんの飼い主さんは、おうちの片付けをする際に日中の預かりをご希望。翌日以降もお願いしたいとのご依頼がありました。
また、ワンコだけでなく、猫預かりの依頼もありました。地震により、家は全壊。その際に家から飛び出してしまい、行方不明になっていたそうですが、約2週間後に帰ってきたそうです。現在は、車中泊を続けているそうですが、今回はお仕事の合間に預けに来られました。
被災者には、さまざまな思いと事情があります。ピースワンコでは、こうしたそれぞれの希望に寄り添った支援をできればと考えています。
●“できない”ではなく、できることを考える
水道の復旧が進まず、いまだ断水状態が続いているなか、ペットもお風呂に入れず困っているという相談もありました。ある日、シャワーを浴びさせることができず、毛がべたべたになって毛玉ができてしまっているヨークシャーテリア2頭が「わんにゃんデイケアハウス珠洲」に来訪。
残念ながら希望されたトリミングのご要望にお応えすることはできなかったのですが、ピースワンコスタッフがバリカンとハサミと、洗い流さなくてもよいシャンプーを使って毛玉になっていた部分をカットする応急処置で対応しました。
避難生活は、これから先も続き、長期化することが予想されます。ペット連れの被災者のなかには、「今は仕事先などにも連れて行って車のなかでお留守番させても大丈夫ですが、もう少し気温上がってくると車内に留守番させることはできないので、ぜひ利用したい」との声もありました。
家族の一員でもある大切なペットを預かる上で、少しでも安心していただくために、「わんにゃんデイケアハウス珠洲」にはピースワンコのスタッフが常駐しています。“できない”ではなく、常にできることを考える。普段から多くのワンコと接しているワンコスタッフが、こうした細かいニーズにも可能な限り、対応していきたいと考えています。
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認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパンは、国際協力NGOとして多くの国や地域で難民や災害被災者などの支援に取り組み、国内でもさまざまな社会問題の解決に注力してきました。
なかでも人と犬の助け合いを掲げて立ち上げた「ピースワンコ・ジャパン」事業では、2011年度に犬猫の殺処分数ワースト1を記録した広島県で、犬の「殺処分ゼロ」に向けた取り組みを続けてきました。殺処分対象の犬の保護・譲渡活動を通じ、これまでに4,100頭を超える保護犬を、里親様の元へ譲渡することができました(2024年1月末現在)。災害救助犬、セラピー犬、低血糖アラート犬などの育成にも力を入れています。
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