災害で失われる命を救うために(空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”)
寄付受付開始日:2023/10/27
寄付受付開始日:2023/10/27
更新日:2024/04/10
詳細はこちら
ピースウィンズ・ジャパンが運営する空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”は、大規模災害の被災地で医療支援を行う災害緊急支援プロジェクトです。
「一秒でも早く、一人でも多く」被災者を助けたい。その想いを胸に、被災地にいち早く駆けつけます。
航空機やヘリコプター、医療船などを駆使して、医師や看護師、レスキュー隊員、災害救助犬などの救助チームを現地へ派遣。捜索から野外病院運営まで、医療を軸とした救助・救命活動を行います。
また、自治体・自衛隊・消防などと連携することで、物資支援や避難所運営など被災者に寄り添った活動をスピーディーに実施しています。
●大規模災害「未治療死」をなくしたい
首都直下型地震では、発災後8日間で、約6,500人が病院に搬送されても治療を受けられずに死亡する可能性があるという試算があります。<防災科学技術研究所/日本医科大学の研究グループ>
約10万5,000人の死者・行方不明者を出した関東大震災から2023年9月で100年になりました。この間、私たちは自然の猛威による「想定外」に繰り返し翻弄(ほんろう)されてきました。
阪神大震災(1995年)や東日本大震災(2011年)では多くの医療機関が機能不全に陥り、大勢の人が適切な治療を受けられずに亡くなっています。
発生が見込まれる首都直下地震で約6,200人、南海トラフ巨大地震では約8万人もの「未治療死」が出るとの試算もあります。
●「フィールドホスピタル(野営病院)」の整備・運営事業
私たちが運営を目指しているフィールドホスピタル(野営病院)では、診療所レベルの医療体制に併せ、ヘリコプターなどのロジスティクスを活用した患者搬送機能をもちます。
特に大規模な災害が発生した際、多くの医療機関では体制がひっ迫し、本来受けられるはずの治療が受けられず亡くなってしまう「未治療死」による犠牲を減らすことを目的としています。
このフィールドホスピタルを展開できることで、被災地域でひっ迫する医療機関の能力をサポートすることが可能となります。
●民間支援団体による災害医療支援船の運用を開始
大規模災害への備えとして、ヘリパッド付きの災害医療支援船の運用を開始、民間支援団体による3,500トン級の災害医療支援船の運用は、国内初となる取組みです。
今後起こると予想される南海トラフ地震や首都直下地震などの大規模地震では、陸路が寸断されるため、空と海の活用が災害対応の肝になるとされています。
●これまでの支援活動
東日本大震災以降、空飛ぶ捜索医療団の前進となる災害支援チームから、私たちはほぼ全ての激甚災害に出動し、民間組織として支援活動を実施してきました。
災害発生が予測される場合に、発生前から対象地域に入って備えることや、声が届きにくい被災者に寄り添い、行政の支援が行き届かない地域や自主避難所などにも支援を行うことは、民間ならではの強みです。
【これまで行ってきた支援活動】※一部抜粋
・2019年9月 九州北部での豪雨災害、台風被害への支援活動
・2020年1月 コロナウイルス感染拡大時の物資提供
・2022年2月 コロナウイルス罹患(りかん)者が急増したパラオでの医療支援
・2022年3月 ウクライナ危機における避難民支援
・2023年2月 トルコ・シリア地震での被災地支援
・2023年5月 石川県能登地方地震での被災地支援
・2023年9月 ハワイ・マウイ島山火事被災地支援
地震や豪雨、台風などの災害発生時には、被災地に医師や看護師・薬剤師を即時派遣。医療活動のほか、避難民の捜索や高齢者家庭への戸別訪問も実施しました。
2020年1月、新型コロナウイルスの感染が広がりパンデミック(世界的大流行)が始まって以来、2023年現在に至るまで、全国各地への医療支援および不足している医療物品の物資支援を継続してまいりました。その数は4,300カ所以上にのぼります。
ロシアからのウクライナ侵攻では隣国モルドバに仮設診療所を設置し、医師・看護師・薬剤師などによる医療支援や物資支援、避難所整備を行いました。
また、ハワイ・マウイ島での山火事発生時には、日本の団体としていち早く、現地へのスタッフ派遣を行い、支援活動を行いました。
被災者の皆様の声を聞きながら、私たちだからこそできる支援を継続しています。引き続き安全を第一に活動していきますので、皆さまのあたたかいご支援をお願いいたします。
空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”ホームページ
空飛ぶ捜索医療団 災害時に本当に現場に届く支援を ふるさと納税で応援
災害発生時から復興まで、空飛ぶ捜索医療団の支援活動は多岐にわたります。
みなさまからのご寄付は、災害支援に必要な人や資機材の準備・維持およびそれらを活用した支援活動、現地での医療支援、地域住民の方々のための避難所設営、備蓄品では賄えない医療や衛生用品、食料などの物資購入等に使わせていただきます。
●皆様のご寄付が、次なる災害支援に役立てられます。
1. 緊急時、本当に現場に届く支援を
国内外における災害発生時に「一秒でも早く、一人でも多く」救うため、いち早く現場に駆け付け、レスキュー、医療、物資など、必要とされる支援を届けます。
2. あらゆる場面に適応した資機材や物資の調達を
必要な機材や物資を日ごろから準備・メンテナンスを実施。船舶や野営病院における実際の支援を想定した体制を強化し、被災地域の人々に貢献してまいります。
3. 医療を通じ、安心して住み続けられる地域づくりを
へき地の病院・クリニックの応援を継続。オンライン診療・オンライン面会、訪問看護などにも取り組み、地域の人々の健康を守ります。
●ご寄付の活用例
【1,000円】避難所生活にかかせない衛生キット2箱分になります
【3,000円】薬の継続が必要な方の緊急処方7日分になります
【10,000円】体ひとつで避難した人が3日間過ごせる避難セットになります
【50,000円】ヘリで患者1名を搬送した場合の平均費用7日分になります
※ピースウィンズ・ジャパンへの寄付は、寄付金控除の対象となります。
詳しくはこちら
※ピースウィンズ・ジャパン寄付金など取扱規程は下記をご参照ください。
特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン寄付金等取扱規程(PDF)
更新日:2024/04/10
空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”は、「令和6年能登半島地震」発災の翌朝に現地入りして以降、珠洲市を拠点に現在も支援活動を続けています。支援を続けている中で、避難所での被災者の方々の様子にも、徐々に変化がみられてきました。
【令和6年能登半島地震】避難所での小さな変化をご紹介します
発災以降、珠洲市では停電が続き、余震が続くなか寒く暗い避難所での生活が強いられてきましたが、電気の復旧や道路状況の改善がなされ、少しずつ日常が戻ってきています。子どもたちのために小学校が再開され、複数のお店も営業をはじめたほか、仮設住宅への入居もはじまりました。
珠洲市では全壊した家屋も多いなか、避難所もいつ閉鎖されるか分からないという状況が続き、不安を感じている被災者の方が多くいらっしゃいました。
しかし現在、空飛ぶ捜索医療団が立ち上げた「生涯学習センター(旧飯田保育所)避難所」では、長引く避難所生活を少しでも良いものにしようと、被災者の方々が積極的に避難所の運営に携わっている様子が見られました。
「これからどうなるか分からない・不安でたまらないと仰っていた被災者の方々が、避難所のリーダーになってくれている。その様子が本当に嬉しい、すごいなと思っている」
と、現地で避難所支援を行っている橋本笙子スタッフは話します。
被災者の方々の前向きな姿が見られる一方、空飛ぶ捜索医療団の避難所支援チームが継続して向き合っている大きなテーマが「災害関連死」です。
災害関連死とは、地震発生時に起きた家屋の倒壊や津波などの直接的な被害で死亡したのではなく、長引く避難生活における負担が原因で死亡に至ってしまうケースを指します。
例えば、精神的・肉体的な疲労が積み重なったことで高血圧になったり、それによって脳卒中や心筋梗塞、心不全を引き起こすような場合があります。
看護師を含む避難所支援チームの主な活動目的は、避難所の生活環境を整え、ストレスなども含めた疾病につながる要素をできる限りなくしていき、避難者の方々の健康を守ることにあります。
そのなかで支援活動を開始してから現在まで特に注力してきたのが、トイレの衛生管理です。
被災地で断水が発生した場合、トイレで用を足しても水で流せないことから不衛生な状態となり、感染拡大の温床となってしまう可能性があります。そのため各避難所では、使用する度にトイレに袋を設置して汚物ごと取り除く「簡易トイレ」が使用されていますが、簡易トイレの使い方が分からない方や、「汚い」「さわりたくない」と、処理をためらう方が多くみられました。
避難所支援チームは、こうした感染対策の重要な施策としてトイレ環境の改善に取り組み、エプロンと手袋を配布したり、簡易トイレの使い方やトイレ掃除の指導などを行ったりしてきました。
また、トイレ問題は感染拡大のリスクだけでなく、健康被害につながる可能性もあるといわれています。例えば、トイレの処理が面倒だからと水分をとらなくなった結果、脱水症を発症。その状況が続くことで血行不良が起こり、エコノミークラス症候群や脳梗塞、心筋梗塞を誘発してしまうおそれがあります。
それらを防ぐため、避難所支援チームは定期的に避難所を巡回し、血圧を測定するなど、避難者の健康状態を随時確認。高血圧が確認された方は医師につなぎ、診療してもらう仕組みも確立しています。
また、日常的なコミュニケーションを通して日々の不安やストレスを少しでも和らげながら、水分補給の重要性や、避難所にある食料で栄養を取る工夫の仕方なども伝え、自身の健康管理を意識してもらう啓蒙(けいもう)活動も行っています。
こうした健康を守る支援は物資支援とも連動しており、空飛ぶ捜索医療団が多くの企業と連携して提供している物資のなかには、避難者の健康を守る支援物資も多く含まれています。
例えば、皮膚の乾燥を防ぐためのボディクリームや、水分補給の不足から懸念される便秘対策として乳酸菌入りの飲料などを配布。また、体育館などで床にじかに寝ることでほこりを吸ってしまい、呼吸器感染症を発症する可能性があるため、底上げのための段ボールベッドも導入しました。
衛生管理や診療、健康相談だけでは、災害関連死を効果的に防ぐことはできません。空飛ぶ捜索医療団では、医療支援、物資支援を個別に機能させるのではなく、避難所支援を軸にそれぞれの支援を有機的に連動させることで、最大限に災害関連死を防ぐ対策を行ってきました。
避難所生活において健康を維持することは決して容易なことではなく、感染拡大や災害関連死を防ぐためには、避難者とともにできることを一つひとつ継続して実施していくしかありません。そのためには、長期的な支援が必要です。
引き続き、必要な人々に必要な支援を届け続けるために、皆様のあたたかいご支援をお願いいたします。
令和6年能登半島地震発生から26日がたちました。ピースウィンズが運営する災害緊急支援プロジェクト「空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”」は、皆様のご支援のおかげで多様な支援を行うことができました。
空飛ぶ捜索医療団のプロジェクトリーダー稲葉医師は、発災から1週間の想いを語ります。
2024年1月1日16時10分、令和6年能登半島地震が発生。同日、緊急支援チームは被災地域の一つである現地、石川県珠洲市に向け出発しました。
珠洲市の避難所に到着したのは、発災から約24時間後。その避難所に最初に到着した私たちに、ご自身も被災者でありながら調整本部長として現場を任されていた女性は「先生たちが来てくれて、涙が出た」と話してくれました。
今回の緊急支援では、「陸」「海」「空」全方向からの支援が行われました。
【陸の支援】
空飛ぶ捜索医療団は、発災2日目から未治療死を防ぐために、珠洲市総合病院と連携し、周囲の電気もトイレもない避難所にて診療にあたりました。
2024年1月6日、倒壊した家屋から90代の女性が救出され、救急車で搬送されました。地震発生からおよそ124時間がたった出来事で、この奇跡ともいえる救出において救助医療処置を担ったのが、稲葉医師です。その奇跡の瞬間を、稲葉医師が振り返りました。
「いろいろな災害医療を続けてきたけれど、ここまで完璧に処置ができた上で救出できたのははじめて。ほかでもあまり聞いたことがない。警察、消防、医療が連携して、いろいろな奇跡が重なった結果です」
医療支援と並行して、捜索活動も進められました。
現場に入った災害救助犬「ロジャー」はハンドラーとともに倒壊した家屋で捜索活動を行いました。
ロジャーは人の気配に反応し、レスキュー隊が懸命の救助にあたりました。
残念ながら、発見されたはじめの1名は既に息を引き取られていた状態でした。その後も捜索を続け、女性1名を無事に発見・保護し、病院に搬送することができました。
【海の支援】
大きな被害のあった珠洲市内には、いまだ大型トラックによる陸路でのアクセスが難しい状況です。
そこで、空飛ぶ捜索医療団の船舶「豊島丸」は、家屋の倒壊や土砂災害が激しい沿岸部のエリアを中心に、水や食料をはじめ、生活用品を届けました。
冷たい雨と雪が降り続き、寒さが一段と厳しくなっている現地でニーズの高い、灯油やカイロなども運びました。
「豊島丸」は、ピースウィンズが所有する前、阪神淡路大震災の被災地支援の救援航海や西日本豪雨災害支援活動などを行った実績がある船です。
【空の支援】
空飛ぶ捜索医療団は、ヘリコプターを駆使して救急患者の搬送、被害状況が激しい北部沿岸を中心に調査を進め、孤立集落への医療支援も行いました。
地震、津波の影響で道が寸断され、車両が入れない孤立集落、馬緤町(まつなぎ町)へ訪れた時には、高齢者が多く、体調不良や、常備薬の不足といった健康に関する不安を持つ方が多くいらっしゃいました。
そこで、その場で急きょ、段ボールを積み上げて臨時診療所を開設し健康相談にあたることにしました。
診療所を訪れた80代の女性は、「常備薬も少なくなってきて、本当は今日病院に行く予定でしたが行けなくて、どうなるのだろうと心配していました。そこに先生が来ていただけて……本当にほっとしています。ありがとうございます」と笑顔で話してくれました。
2023年5月に能登半島で起きた地震の際にも、空飛ぶ捜索医療団は緊急支援チームを派遣、避難所支援や物資支援、部会立ち上げ支援なども行った経験があります。
その時の経験を活かし、すぐに珠洲生活サポート部会の運営支援を空飛ぶ捜索医療団の本部指揮所スタッフが担い、医療保健部門をサポートすることができました。
このような支援活動は、皆様から寄せられたご寄付、そして、現地でともに支援に携わっている方々の「一緒に頑張ろう」という協力があってこそ、できたことです。皆様の多大なるご支援に感謝いたします。
引き続き、必要な人々に必要な支援を届け続けるために、皆様のあたたかいご支援をお願いいたします。
2024年1月6日、午後8時30分頃、倒壊した家屋から90代の女性が救出され、救急車で搬送。珠洲市内の病院にて治療を受けています。地震発生からおよそ124時間がたった出来事で、この奇跡ともいえる救出において救助医療処置を担ったのが、空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”のプロジェクトリーダー、稲葉基高医師です。その奇跡の瞬間を、稲葉医師が振り返ってくれました。
2024年1月6日午後5時頃、緊急消防援助隊より本部に「珠洲市内にて倒壊した家屋に埋もれている女性あり」との連絡があり、ドクターの出動要請がなされました。
倒壊家屋のような狭く限られた空間で処置や救出を行うには、CSM(コンファインド・スペース・メディスン)と呼ばれる、特別な救助医療処置技術が必要で、その場にいたドクターの中でCSMの技術と知識を持ち合わせているのは、稲葉医師のみ。稲葉医師は、看護師1名とともに出動し、現場に急行しました。
本部には、必要な薬がなかったため、別の看護師に薬を調達し時間差で持ってくるように指示。現場には100名を超える消防と警察が集まる騒然とした雰囲気のなか、稲葉医師と看護師は倒壊した家屋のなかに入っていきます。
女性は、つぶれた家屋の中で顔と手は見えるものの、脚ががれきに挟まれて身動きがとれない状態。災害時における行方不明者は通常、72時間以内に救出できないと助かる確率は急激に落ちるといわれています。発見されたのは、被災してから約120時間。絶望的な状況でしたが、女性に稲葉医師が声をかけると、かすかなうめき声が聞こえ、さらに手をさわると軽く握り返したことから、稲葉医師は「いけるかもしれない」と希望を持ったといいます。
こうした状況で疑われるのが、クラッシュシンドロームです。クラッシュシンドロームとは、長時間、がれきなどに挟まれていた傷病者が何も処置をせずに救助されると、突然容態が悪化し体への急激なショックが生じて死亡してしまうという病状で、救出する前に適切な処置を施す必要があります。
稲葉医師は、見えていた左手と首の左側の2カ所から点滴を施し、さらに必要な薬を投与。クラッシュシンドロームの危険性を抑えるための医療処置を施していきました。
現場は滑りやすく、雨が降りしきるなか、さらに余震も発生。時折退避命令が出る状況で、安全を確保しながら処置できる時間は限られ、患者に寄り添えるのはほんのわずかな時間。レスキュー隊から患者の容態を随時確認しながら慎重に処置を続けるのと並行して、受け入れ先の準備も進めなければいけない。時間は慌ただしく過ぎながら一刻の猶予もない、逼迫(ひっぱく)した状況が続きます。
発見されてからおよそ3時間。処置をはじめた当初は脱水、低体温症の症状が見られ、体は冷え切ってかなり危険な状態でしたが、点滴や薬を施しながら体をあたため続け、クラッシュシンドロームの危険性を抑えられたことを確認してからレスキュー隊が救出。ABC(気道・呼吸・循環)が確認されると、女性は待っていた救急車に運び込まれ、病院に搬送されました。
処置中も周囲からは「がんばれ! がんばれ!」の励ましの声が絶えず、女性が救出された瞬間、現場には大きな歓声が上がったといいます。
救急車のなかで女性に付き添った稲葉医師が「お名前は?」と聞くと、女性はしっかりと答えたそうです。稲葉医師によると、まだ予断を許さない状況に変わりはありませんが、こうした救出劇は前例がないことだといいます。病院で患者を別の医師に引き継ぎ、病院のなかへと搬送される患者を見ながら、稲葉医師は「本当に心から嬉しい気持ちであふれた」と振り返りました。
「いろいろな災害医療を続けてきたけれど、ここまで完璧に処置ができた上で救出できたのははじめて。ほかでもあまり聞いたことがない。警察、消防、医療が連携して、いろいろな奇跡が重なった結果で、あとは本当に無事に元気になってくれることを祈るだけです」
女性の状態は安定しており、翌朝には会話ができるまで回復しました。この出来事によって稲葉医師は、「まだ救える命がある」という思いがあらためてこみ上げてきたといいます。その強い意志を持って空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”は、一秒でも早く、一人でも多くの被災者を救うために、支援活動を続けています。皆様のあたたかいご支援をよろしくお願いします。
2023年9月29日、30日に実施された令和5年度大規模地震時医療活動訓練に、空飛ぶ捜索医療団のメンバーがプレイヤー(訓練の中で、災害時の動きをシミュレーションする役割)として参加しました。
大規模地震時医療活動訓練は、国内では最も規模の大きな訓練の一つです。
今回は、南海トラフ巨大地震などの大規模災害を想定して、被災後の医療提供体制の確保に向けて、必要なことを確認する訓練として実施されました。本訓練は国が主催し、自治体や医療関係者などが参加して、四国4県などで一斉に行われました。
(参考: NHK)
空飛ぶ捜索医療団のメンバーはそれぞれ、災害対策本部として高知県庁に、ドクターヘリ調整本部として高知医療センターに、避難所として高知県南国市の大湊小学校に、指揮所として災害医療支援船(Power of change、以下、Poc)に分かれて活動を行いました。
訓練内では、ピースウィンズが運用するPocが、高知県DMAT調整本部直下の組織である指揮所の一つとして活用されました。
訓練の想定では、多くの訓練参加者とともに、連絡手段が途絶えた高知県室戸地域の病院調査や、空飛ぶ捜索医療団の機動力のひとつであるヘリコプターを用いた被災地からPocへの患者搬送・治療の手段・流れの確認などを実施しました。
■高知県庁災害対策本部にて活動を実施した稲葉医師のコメント
「実災害に向けて、関係者各位と支援体制に関して調整を行うことは必要不可欠です。訓練での経験を生かして、発災時に活動を実施することで、より多くの人を助けることができると考えます。」
活動訓練に参加する医師の様子を、ぜひ動画でご覧ください。
※当募金ページに記載の内容については、プロジェクトオーナーが責任を負っており、LINEヤフー株式会社が責任を負うものではありません。詳しくは免責事項をご覧ください。
※本ページの「プロジェクト概要」「活動情報」「寄付金の使いみち」に掲載のリンクは、外部サイトに移動します。
※寄付をするには Yahoo! JAPAN IDの取得(無料)が必要です。
認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、紛争や災害、貧困などの脅威にさらされている人々に対して支援活動を行うNGO (Non-Governmental Organization = 非政府組織)です。日本に本部を置き、これまで世界36の国と地域で活動してきました。また東日本大震災や熊本地震、西日本豪雨、2023年のトルコ地震へも出動し、支援を行いました。
このプロジェクトでは1回3,000円以上の寄付から領収書の発行が可能です。
※クレジットカードでの寄付に限ります。詳しくはヘルプページをご参照ください。
特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパンのプライバシーポリシーは、https://peace-winds.org/privacyをご覧ください。
なお、Yahoo!ネット募金に関し、LINEヤフー株式会社より提供を受けた個人情報については、次の目的の範囲においてのみ利用します。
・寄付金に関する領収書の送付(当団体がYahoo!ネット募金での寄付者に対して領収書発行を行う場合)
Facebookコメントで寄付先への応援をお願いします
記入された応援のコメントは、寄付先団体およびYahoo!ネット募金の広報・宣伝活動(記者会見やプレスリリースでのご紹介等を含む)に 使用させていただく場合がございます。
ご了承の上、コメントを記載いただきますようお願いいたします。(2020年9月23日追記)
※本コメント機能はMeta Platforms Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対してLINEヤフー株式会社は一切の責任を負いません。