パレスチナ緊急支援 「天井のない監獄」にいるガザ地区の人々のために(ピースウィンズ・ジャパン)

寄付受付開始日:2023/10/09

  • 領収書あり
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空爆されたパレスチナ・ガザ地区の街の様子(2023年5月)

認定特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン

プロジェクト概要

更新日:2024/03/22

ガザ地区では空爆で多くの一般市民が犠牲になっています

2023年10月7日現地時間の朝7時前(日本時間13時前)、パレスチナのガザ地区からイスラエルに向けて大量のロケット弾が発射されました。イスラエル軍は、これに応戦してガザ地区を空爆し、双方に死傷者が出ています。パレスチナ側の武装勢力がイスラエル側に侵入し、各地で戦闘が続いている状況です。

パレスチナ・ガザ地区内の状況
ガザ地区では16年間イスラエル政府による封鎖で人や物の出入りが厳しく制限され、「天井のない監獄」と言われています。
その結果、経済状況は悪化の一途を辿(たど)っており、人口の約半数にあたる若年層の約7割が失業状態にあるなどガザ地区の人道状況は極めて劣悪な状況です。

また、毎年のようにイスラエルによる大規模な空爆が行われ、市民が居住するビルや商業ビルなどにも被害がおよび、空爆の度に子どもを含む民間人が犠牲になってきました。ガザ地区沿岸やイスラエルとの境界付近では、ガザの漁師や農夫がイスラエル兵に銃撃されるなどの事案も日常的に起こっています。このような状況下で、人々は疲弊し、希望を失いつつあります。

2023年9月中旬から連日行われていた数百人の若者も参加するイスラエルとの境界地域での抗議運動にイスラエル軍が発砲して犠牲者が出る等、イスラエルとガザ地区の間の緊張は今までになく高まっていました。

パレスチナのその他の地域の状況
今回の攻撃の背景には、こうしたガザ地区内の緊張の高まりに加え、聖地エルサレムやヨルダン川西岸地区の状況も含まれます。
今年に入ってからはヨルダン川西岸地区の各都市で、イスラエル軍の攻撃が激化していました。2023年8月末時点でのパレスチナ人の犠牲者は167人[1]に上り、「テロ行為を行った、もしくは計画した」と見なされた多くの人が拘束されています。

国際法で不法とされる「行政拘禁」が予防的懲罰的目的で常態化し、その措置に抗議するパレスチナ囚人によるハンガーストライキにより、2023年5月には西岸地区での政治的指導者が亡くなりました。現在も何度目かの長期ハンストを続ける囚人がおり、絶命の危機にあります。

また、2023年10月上旬、ユダヤ教の祝祭であるスコット(仮庵の祭り)の期間中に、数千人のユダヤ教徒がイスラム教の聖地であるエルサレムのアル・アクサー・モスクの敷地内に入るという事案がありました。アル・アクサ―・モスクの敷地は(モスク建造時から)継続してイスラム教の第3の聖地です。その歴史的な事実を尊重して、日本も含め国際的にも「現状維持」が合意されています。

合意では、このイスラム教の聖地に他の宗教の信者が自由に入域すること、また敷地内で礼拝行為を行うことは禁じられています。特に、紛争が続くイスラエルとパレスチナにとっては、この聖地の問題は極めて重要で、イスラエル建国によって郷土を奪われ、難民やイスラエル占領下での不当な境遇を強いられているパレスチナ人にとって、死守すべき最後の砦(とりで)とも言えます。

しかし、この敷地内にかつてのイスラエル王国の神殿があったと主張し、神殿の再建を目指すユダヤ教過激派が、近年はより組織的にイスラエル軍の護衛のもとに入域し、さらにはユダヤ教の礼拝行為を実行し、イスラエル国旗をかざすなど、この聖域を奪取する目的が顕著な行為が繰り返されています。それに抗議するイスラム教徒(パレスチナ人)をイスラエル軍が武力鎮圧し、モスク内を破壊するなど聖地への冒涜も繰り返されてきました。

国際社会が有効な介入をしないまま、現在の極めて右派のイスラエル政権のもとで着々と目的の実行が目指されており、パレスチナ人ひいては世界のムスリムにとっても聖地が奪われる危機的な状況に直面しています。
西岸でもエルサレムでも、イスラエルとパレスチナの緊張は非常に高まっていました。

ピースウィンズのこれまでの支援と今後行う緊急支援
ピースウィンズは、これまでガザ地区にて子どもや若者への支援、また、空爆後には被害を受けた市民への緊急食糧配付などを行ってきました。
今回も、安全に活動できることが確認でき次第、被害者への支援活動を直ちに実施できるよう、準備を進めています。

ピースウィンズは、いかなる理由があっても武力による暴力には賛同しません
ガザ地区からのロケット弾発射とイスラエルによるガザ地区の空爆は、これまでも繰り返されてきましたが、今回はこれまでと規模が違います。ハマス戦闘員がイスラエル側に侵入し、イスラエル兵士を人質にとっていることに対し、イスラエルは「戦争状態にある」と宣言し、状況のさらなる悪化が懸念されます。

ピースウィンズは、いかなる理由があっても武力による暴力には賛同しません。人々の安全が一日も早く確保されるよう、武力攻撃の停止を求めます。

<寄付受付期間延長のお知らせ>
2023年10月にガザ地区への空爆が開始されて以来、ピースウィンズは避難を強いられた人々をはじめとする被害者への食料や衛生用品、温かい食事の提供を続けています。今もなお空爆と地上侵攻は激しさを増す一方で、ガザの人口約220万人のうちほぼ全員が飢餓リスクにさらされており、既に170万人が住む家を追われています。武力攻撃が終わるまで市民の命をつなぐための支援が必要です。そのため、寄付受付期間を延長いたします。(2024年3月4日更新)

寄付金の使いみち

皆様からいただいたご寄付は、パレスチナ緊急支援活動に使用します。

(想定される支援例)
・被害を受けた方への緊急支援
・食料支援
・緊急物資支援
・その他被災地のニーズに応じた支援
・支援に伴う事務局運営費

※現地の状況によって支援内容・活動内容が変更・追加となる場合があります。
※ピースウィンズ・ジャパン寄付金など取扱規程は下記をご参照ください。
特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン寄付金等取扱規程(PDF)

活動情報

更新日:2024/03/22

非常に厳しい状況が日々悪化しているガザの人々に食料を届けています(2024年3月22日更新)

ガザ地区の情勢が著しく悪化してから、5カ月以上が経過しました。
イスラエル軍による攻撃の犠牲となる市民は後を絶たず、2024年3月20日現在で既に31,000人以上が殺害され、73,000人以上が負傷しました。

ガザ市の破壊された住居 スタッフ撮影(2024年1月29日 パレスチナ・ガザ)

2023年10月7日以前から人口の約半数が貧困状態にあったガザ地区では、長期化する軍事攻撃と封鎖の影響で人道危機が一層深刻になっています。
食料や飲み水の不足は一刻の猶予もない状況です。国連によると、ガザの人口約220万人のほぼ全員が飢餓のリスクに直面しており、うち約190万人以上が「緊急の」もしくは「破滅的な」栄養失調の状態にあります。

ガザの外から搬入される食料には限りがある中、支援物資を輸送するトラックや配布場所への攻撃も相次いでおり、食料が絶対的に足りません。特に南部ラファでは、150万人以上の人々が避難してきているために、食料などの物資の入手は極めて困難になっています。

テントが密集する南部ラファの様子。提携団体スタッフ撮影(2024年2月29日 パレスチナ・ガザ)

こうした危機的状況に対処するべく、ピースウィンズはジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成を受けて、食料を中心とした物資配布の事業を引き続き実施しています。

2024年2月末までに、ガザ地区南部のラファで785世帯、中部デール・アル・バラハで500世帯に野菜を配布しました。封鎖に伴う物資不足の影響で、ガザ地区内部で食料や衛生用品を調達するのは極めて困難ですが、農地の野菜は辛うじて手に入る状態です。

受け取った人々からは、「飢えが満たされ、家族の笑顔を久しぶりに見ることができた」「ぜひこの支援を続けてほしい」という声が寄せられました。また、1,176世帯分の食料パッケージ(豆やツナの缶詰、米、小麦粉、粉ミルク、チーズ、食用油など)を積み込んだトラックが2024年3月2日にエジプト国境を越えてガザ地区中部に到着し、配布が完了しました。

南部ラファでの食料配布の様子。提携団体スタッフ撮影(2024年2月16日 パレスチナ・ガザ)

今後は、提携団体と共に新たに約3,000世帯分(トラック3台分)の食料をエジプトから搬入する他、ガザ地区内で現地業者から買い取った食料を南部ラファで約1,250世帯分、北部のガザ市で400人分ずつ配布する予定です。また、ガザ市では飲料水の支援も行う予定です。

中部デール・アル・バラハでの食料配布の様子。提携団体スタッフ撮影(2024年2月29日 パレスチナ・ガザ)

ピースウィンズの2人の現地スタッフは、いずれも肉親や友人をイスラエル軍の銃撃により亡くす等、数々の筆舌に尽くしがたい経験をしています。それにもかかわらず、提携団体との調整や現地の情勢の報告等を通じてわれわれの活動を支えてくれています。

しかし、長期化する避難生活は厳しさを増す一方です。「妻が精神的に参ってしまって何も食べられなくなってしまった」、「兄が殺害されてから、私の娘はずっとおじを失った悲しみに暮れている」「父が拘束された」などの悲痛なメッセージが頻繁に届きます。

イスラエル軍による無慈悲な軍事攻撃が収まる気配が未だ見えない中、今後の支援活動は一層困難になることが予想されますが、今後もピースウィンズはあらゆる手段を用いて支援活動を継続していきます。

南部ラファで配布する食料を準備する様子。提携団体スタッフ撮影(2024年2月19日 パレスチナ・ガザ)

他方、改めてここで強調したいのは、ガザ地区の人々が最も求めているのは、恒久的な停戦の実現だという事です。
市民の殺りくが止まない限り、いくら食料や衛生用品を確保できても、人々が日常を取り戻すのは不可能です。
イスラエル・パレスチナ双方の市民がこれ以上犠牲にならないために、一刻も早い停戦を訴えてまいります。

支援者の皆様のお力添えを、何卒よろしくお願い申し上げます。

長期化する情勢悪化。追いつめられるガザ。(2024年3月4日更新)

ガザ市の破壊された住居、スタッフ撮影(2024年1月6日 パレスチナ・ガザ)

空爆と地上侵攻、物資の封鎖が長期化した影響で、ガザ地区における人道危機は一層深刻化しています。
国連によると人口の約85%にあたる190万人以上が家を追われており、食料、飲料水、医薬品などあらゆる物資が不足しています。

ピースウィンズのスタッフによると、特にエジプト国境の検問所から離れたガザ地区北部に入ってくる援助物資は非常に限られており、飲料水と食料の不足が極めて深刻だとのことです。

ガザ市に留まる彼は親戚の家の井戸から塩分の混じった水をくみ上げて飲んでいますが、それでも水の絶対量が不足しているため、求めて来る人が後を絶たないようです。

「井戸水をくみ上げるには発電機でポンプを動かす必要があるが、ガソリンが手に入らないので代わりにガスを使っている。このやり方はとても危険で、手をやけどしてしまったが仕方ない。」との事でした。
水を十分に飲めない事による脱水症状や、塩分を含んだ水を飲み続けることによる健康被害も多く報告されています。

井戸水を運ぶためのポリ容器、スタッフ撮影(2024年1月 パレスチナ・ガザ)

また、飢餓も深刻化しています。国連によると、ガザの人口ほぼ全員に相当する220万人が飢餓のリスクに直面しており、うち約38万人が「破滅的な」栄養失調の状態にあります。
スタッフの話によると、「主食のパンを作る小麦粉は長い間手に入らず、たまに流通しても2023年10月7日以前は1袋40シェケル(約1,600円)だったものが、今は700シェケル(約28,000円)する」とのことでした。

こうした危機的状況を受けて、ピースウィンズはジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成により、新たに食料を中心とした物資配付の事業を開始しました。
現在、提携団体と共に1,200世帯分の食料をエジプトから搬入する準備を行っております。また、ガザ地区内で現地業者から野菜を買い取り、中部・南部でそれぞれ500世帯分ずつ配付する予定です。

提携団体の担当者の中には、家をイスラエル軍の戦車に包囲された方、家族や親戚、同僚が死傷した方、自身も避難民となっている方が大勢います。自身と家族の安全を守るのに精いっぱいな状況の中でも「自分たちよりももっと苦しんでいる人がいる」と、支援活動に取り組む彼らには頭が上がりません。

2023年11月に実施した食料配布の様子、提携団体スタッフ撮影(2023年11月2日 パレスチナ・ガザ)

イスラエル軍による無慈悲な軍事攻撃が収まる気配が未だ見えない中、今後の支援活動は一層困難になることが予想されますが、今後も「必要な人に必要な支援を」を合言葉に、あらゆる手段を用いて支援活動を継続してまいります。

また、イスラエル・パレスチナ双方で無辜(むこ)の市民がこれ以上犠牲にならないために、一刻も早い停戦を訴えてまいります。

支援者の皆様のお力添えを、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

トラックで2,000世帯分の支援物資をガザ地区内へ(2023年12月15日更新)

2023年12月5日、ピースウィンズは、ラファ検問所からトラックでガザ地区内に支援物資を運び込みました。

支援物資の説明をするピースウィンズのスタッフ(2023年12月 エジプト)

ガザ地区の状況は日に日に悪くなっており、わずかな食料も価格が高騰し、手に入りにくい状況です。そこで物資支援のパッケージには、牛乳、水、豆の缶詰、牛肉の缶詰、チーズ、はちみつ、デーツなど、5名の家族が7~8日食べられる量を入れています。乾物(米、小麦粉、パスタ)や油は調理が必要となってしまうことから、現在は入れていません。

ラファ検問所に到着したピースウィンズの支援物資(2023年12月5日 パレスチナ・ガザ)

2023年11月24日からの休戦中はガザに入るトラックの数は1日あたり200台前後に増加していましたが、戦闘再開後は1日あたりで多くて50台と、エジプト国境から運ばれる物資の数が極端に少なくなっています。
 
しかも、イスラエル当局による検査には時間を要し、蓄電池や太陽光パネルの搬入は禁止される等、物資の内容にも厳しい制限が設けられています。また、エジプトとガザの境界にあるラファ検問所はもともと人の出入りのために作られたもので、大量のトラックの通過に対応できる構造になっていません。結果的に待機をしているトラックが大量に渋滞し、ガザ内に物資を届けることが困難な状況でした。

ガザ入りを待つトラックの列(2023年12月 エジプト)

私たちはエジプトの協力団体とオンラインで協議を重ね、最後は日本人スタッフ2名も現地に派遣して、物資をガザ内へ運ぶための調整を何度も行いました。そして2023年12月5日、さまざまな問題を乗り越え、ついにトラックがガザ内に入り、2,000世帯分の支援物資を届けることができました。

エジプトNGO協力団体のAhmadさん(2023年12月 エジプト)

エジプトNGO協力団体のAhmadさんは「たくさんの学生や個人がボランティアに参加してくれている。ガザで現実に起きていることに対して、私たちができる事は支援物資を作り続けてガザに送り続けること」と話します。

ガザ入りを待つトラックの列とピースウィンズのスタッフ (2023年12月 エジプト)

しかし、今回のトラックで運べる支援物資では現地のニーズには追い付きません。
 
ピースウィンズの現地スタッフであるサミーラは「食べる量は最低限にとどめているので6kg痩せた」と話しました。彼女は4人の子どもを守るために、食料の確保などに奔走しています。ガザにいる人々は皆、彼女と同じように必死に命をつないでいます。
 
ガザの人々を支えるため、これからも継続的に支援を送り続けることが重要です。皆さんのあたたかいご支援を、よろしくお願いいたします。

ガザ地区空爆開始から2カ月。即時停戦を!(2023年12月8日更新)

2023年12月1日に休戦の期限が切れ、戦闘が再開してしまいました。イスラエル軍による空爆、地上侵攻は一層激しさを増し、避難所となっている学校や病院などへの容赦ない攻撃が今も続いています。
2023年12月5日現在で既に6,600人の子どもを含む15,899人以上が殺害されました。

破壊された街並み(2023年11月30日 パレスチナ・ガザ)

現在はガザ地区北部に加えて中部でも地上侵攻が行われており、パートナー団体のスタッフは「イスラエル軍の戦車が迫ってきたため避難した。明日自分が生きているかも分からない。飲み水を求めた人が殺到しているが、燃料不足で淡水化施設も稼働しておらず、状況は悪化する一方だ」と語ります。
 
当団体のスタッフの一人は既に自宅が破壊され、一緒に避難生活を送っていた姉の夫と娘は、別の場所に避難しようとしたところをイスラエル軍に射殺されました。そのとき、娘はまだ息があったのですが、救出に向かう人々や救急車も銃撃されたため救助できず、失血で命を落としたとのことです。「2週間、彼らの遺体に近づく事もできず、2023年11月下旬の一時休戦でようやく埋葬できた」と聞きました。

無残に破壊されたスタッフの車(2023年11月30日 パレスチナ・ガザ)

もう一人のスタッフも「周囲の建物はほとんど破壊され、近くの総合病院も激しく攻撃された。飲み水は底をつきかけ、友人や親戚の安否確認もできない」と語っています。

破壊されたスタッフの家に残る不発弾(2023年11月30日 パレスチナ・ガザ)

以前からガザ地区は慢性的な物資・エネルギー不足の状態にありましたが、戦闘開始以降は支援物資をガザの外から入れることがまったくできなくなりました。2023年10月21日に人道目的の物資をエジプトから少しずつ入れられるようになり、2023年11月24日からの休戦中にガザに入るトラックの数は1日あたり200台前後に増加していました。

しかし、戦闘再開後は1日あたりで多くて50台と、エジプト国境から運ばれる物資の数が極端に少なくなっています。エジプトからガザに搬入される物資のイスラエル当局による検査には時間を要し、蓄電池や太陽光パネルの搬入は禁止される等、物資の内容にも厳しい制限が設けられています。

また、エジプトとガザの境界にあるラファハ検問所はもともと人の出入りのために作られたもので、大量のトラックの通過に対応できる構造になっていません。その結果、水、電気、燃料、食料、医薬品を始めとする物資はいよいよ底をつきかけ、飢餓や栄養失調が危惧されています。

また、数百人がいる避難所にトイレが一つしかなかったり、十分な広さがなく過密状態になっていることに加え、2023年11月にガザは雨期に入り、衛生面の懸念も高まっています。実際に感染症が急拡大しており、国連機関は「病気が空爆以上に人々の命の脅威となる可能性がある」と警鐘を鳴らしています。

ピースウィンズが支援する避難所で生活する人々。左から二番目が当団体スタッフ(2023年11月30日 パレスチナ・ガザ)

ピースウィンズは2023年10月7日の情勢悪化からこれまでに、ガザ地区内で調達した食料、水、衛生用品、温かい食べ物などを約1,500世帯、約10,000人に提供してきました。

また、エジプトで手配した2,000世帯分の食料が2023年12月5日にガザに入りましたので、直ちに配布に取り掛かります。

ガザのいたるところで展開される武力攻撃が止まらず、ガザの人道危機は日々「最悪」が更新されています。現地との通信も困難で、今後の支援活動は一層困難になることが予想されますが、今後も「必要な人に必要な支援を」を合言葉に、あらゆる手段を用いて支援活動を継続してまいります。
 
また、イスラエル・パレスチナ双方で無辜(むこ)の市民がこれ以上犠牲にならないために、一刻も早い停戦を訴えてまいります。
 
支援者の皆様のお力添えを、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

ガザ地区の避難所に温かい食事を提供しました(2023年11月20日更新)

パレスチナ・ガザ地区では、イスラエル軍の軍事侵攻により人道危機が悪化しています。2023年10月末に大規模な地上戦が展開されて以降、地域によっては2週間以上も物資支援が届いていません。空爆で多くの商店は破壊され、残った商店でも食料は底をつき、国連世界食糧計画(WFP)は飢餓や栄養失調に警鐘を鳴らしています。
各地の学校や福祉施設では大勢の人々が避難生活を送っていますが、膨れ上がる人数に対して物資不足は極めて深刻です。

(2023年11月 パレスチナ・ガザ)
(2023年11月 パレスチナ・ガザ)

2023年10月末、ガザ地区の市民団体が運営する特別支援学校の代表から、ガザにいるピースウィンズのスタッフに、「学校では約1,300名が避難生活を送っている。人々が飢えないよう何とか支援できないか」と支援の要請がありました。
そこでピースウィンズは、同校にて2023年10月31日から16日間、延べ19,000人に毎日温かい食事を提供しました。

(2023年11月 パレスチナ・ガザ)
(2023年11月 パレスチナ・ガザ)

この間も学校のすぐ傍では大規模な空爆が相次いでいましたが、現場に残っている学校の職員やボランティアの多大なる協力により、その日に手に入った食材を使って、米料理、豆の煮込み、パスタなどを一日も中断することなく用意することができました。

学校を運営する市民団体の代表からは、通信が大変困難な中ほぼ毎日、支援の様子が写真付きで送られてきました。
ガザの人々の底力に圧倒されると同時に、一般市民が言葉に尽くせないほどの非常に厳しい現実にさらされている不条理を痛感します。

(2023年11月 パレスチナ・ガザ)

ピースウィンズは、今後もスタッフの安全確保に留意しつつ、一人でも多くの命を守るために支援活動を継続し、同時に停戦に向けた働きかけを行ってまいります。
 
引き続きのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

緊急支援の第3弾となる食料・衛生用品の配布を行いました(2023年11月14日更新)

2023年11月2日、ピースウィンズはガザへの緊急支援の第3弾となる食料・衛生用品の配布を行いました。

物資配布の様子(2023年11月2日 パレスチナ・ガザ)

今回の支援は、ガザ地区中部を拠点に活動するパレスチナのNGO「Unlimited Friends Association(UFA)」との協働で実施しました。UFAはピースウィンズが過去に実施した子どもの健康と栄養改善を目指す事業でも協働した信頼のおける団体です。2023年10月7日以降、激しい空爆にさらされて人道物資すら十分に入らない深刻な人道的危機に陥っているガザ地区で、国連機関や国際NGOと協働して、今も休むことなく、積極的にガザ地区中部の住民のために緊急支援活動を続けています。

ピースウィンズもUFAと協働して、ガザ地区中部の避難所にて避難生活を送る150世帯に食料や衛生用品をまとめた支援パッケージの配布を計画しました。2023年10月中の実施を目指して準備がほぼ整った矢先に、現地との通信手段が遮断されてUFAの担当者と連絡がとれなくなりました。しばらくは先方の安否が確認できない不安な日々を余儀なくされました。
幸いなことに2023年10月31日にはUFA担当者より連絡があり、支援パッケージ配布にかかる最終確認ができました。

UFAは2023年11月1日に支援パッケージの梱包(こんぽう)作業を行い、翌2日にはガザ地区中部デール・エル・バラハ県の避難所となっている学校にて、老人や障害者のいる家庭、母子家庭など、より困窮している150世帯への配布を完了しました。

物資をまとめて支援パッケージを作る(2023年11月1日 パレスチナ・ガザ)
物資配布の様子(2023年11月2日 パレスチナ・ガザ)

支援パッケージには、各種缶詰、チーズ、砂糖、紅茶、せっけん、生理用品、洗浄液、ウェットティッシュなどが入っています。当初、ペットボトル入りミネラルウォーターを数本入れる計画をしていましたが、市場で手に入らずあきらめました。しかし、UFAは給水車にて避難所施設の給水タンクへの給水を毎日実施しており、この緊急支援でも150世帯へのミネラルウォーター配布に代えて、避難所となっている6校への給水を行うことにしました。

既に2023年11月2日に1校、2023年11月3日にはさらにもう1校への給水を終えました。これにより、各学校に避難している数千人の人々の2~3日分に相当する水を届けることができます。

水支援の様子(2023年11月2日 パレスチナ・ガザ)
食料支援の様子(2023年11月2日 パレスチナ・ガザ)

支援を届けた人々からは、皆さまからの温かい心遣いとご支援に大きな喜びと感謝の声が届いています。引き続き、ガザ地区の人々の命を守る緊急支援へのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

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認定特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン

認定NPO法人ピースウィンズ ・ジャパンは、日本に本部を置き、国内外で自然災害、あるいは紛争や貧困など人為的な要因による人道危機や生活の危機にさらされた人びとを支援する国際協力NGOです。これまでに世界37の国と地域で活動してきました。日本国内での社会問題の解決を目的とした活動にも力を入れており、地域活性化や日本の犬の殺処分ゼロを目指した動物の保護・譲渡活動などに取り組んでいます。
医療を軸とした災害緊急支援プロジェクト「空飛ぶ捜索医療団"ARROWS"」を運営し、国内外の災害被災地で支援活動を行っています。

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