寄付受付開始日:2023/02/06
更新日:2024/07/12
2023年2月6日、トルコ南部でマグニチュード7.8の大規模な地震が発生しました。
震源は内陸のトルコ中央部で、深さはおよそ18kmと推定されています。現地ではその後も強い余震が続いています。
これを受け、ピースウィンズは発災直後から情報収集を開始、2023年2月6日、緊急支援チームの派遣を決定しました。
支援チームは医師・看護師やレスキュー隊員からなり、被災状況や支援ニーズの調査および捜索・救助支援、医療支援、緊急物資支援などを実施する予定です。
皆さまのあたたかいご支援をお願いいたします。
<寄付受付期間延長のお知らせ>
地震発生から1年半経過した現在もまだ多くの被災者がコンテナハウスでの生活を余儀なくされています。コンテナハウスが複数たてられた避難民キャンプでは、頻発する共同トイレの故障や街灯不足による夜間の不安があり、狭い空間での不便な暮らしが長引くにつれて、被災者には疲れとストレスがたまってきています。ピースウィンズは、避難民キャンプにて子どもや保護者を対象とした心理社会的支援を行っています。未だ新しい住居へ移れるめどが立たない中、被災者の方が心身の健康を保てるよう、引き続き支援を行うため、寄付受付期間を延長いたします。(2024年7月12日更新)
■領収書の発行について
・1回3,000円以上のクレジットカードによるご寄付で、領収書の発行を希望して寄付された方に、領収書を発行いたします。
※寄付手続きの際「領収書を希望する」にチェックを忘れて寄付された場合は、発行できませんのでご注意ください。
・手続き完了後の発行や再発行はできません。
・領収書の日付は、お客様の寄付手続き日ではなく、当団体への入金が完了した日(原則として寄付手続き日の翌月末日頃)です。
詳しくはヘルプページをご参照ください。
皆さまからいただいたご寄付は、このたびの大地震で被害を受けたトルコ・シリアの被災地・被災者支援活動に、大切に活用させていただきます。
・医療支援
・捜索・救助活動
・緊急物資支援
・その他被災地のニーズに応じた支援
・支援に伴う事務局運営費
※ピースウィンズ・ジャパンの寄付金の取扱規程は下記をご参照ください。
特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン寄付金等取扱規程(PDF)
更新日:2024/07/12
2023年2月6日早朝に発生したマグニチュード7.8のトルコ・シリア大地震は、1939年以来トルコで記録された最大の地震でした。多くの死傷者を出し、52万の建物が崩壊したなか甚大な被害を受け、避難者は300万人を超えました。
この地震では、広い範囲で教育施設も大きな被害を受け、推定400万の子どもの教育が中断されてしまいました 。地震被害のひどかったハタイ県の教育局によると、ハタイ県内には1,170校(小学校・中学校・高校)があり、2023年6月までに半数近くは再開しましたが、残りの半数は、校舎の建替えや修繕が必要で、すべての学校の再開には長い時間がかかります。その間はプレハブ校舎で学習を続けられるように計画されていますが、2023年の夏の段階でプレハブ校舎の建設もなかなか進んでいない状況にありました。
ピースウィンズは、そのうちの1校、ハタイ県イスケンデルン市のカライラン・サラッチ学校にプレハブ校舎を建設し、2024年5月31日に落成式が開かれました。このプレハブ校舎の耐久年数は4年間で、地震による損傷がひどく取り壊しの決まっている小学校と修繕が予定されている中学校のそれぞれの工事の間に利用されます。
5つの教室と職員室と校長室、男女別のトイレのほかバリアフリーのトイレ、入り口にはスロープも備えられています。夏は40度近くまで暑くなり、冬は氷点下になるイスケンデルンには空調が必須ですから、エアコンも取り付けました。
落成式の直前まで、先生たちは廊下に子どもたちの絵を飾ったり、入り口に風船のアーチを取り付けたり、大忙しでした。式典では、在トルコ日本国大使館、ハタイ県庁、ハタイ市、イスケンデルン市、ハタイ教育省からの来賓の方々からご挨拶をいただきました。
続いて、ピースウィンズから、山本理夏海外事業部長がお祝いのスピーチを現場のたっての希望により日本語で、また岩野奈緒現地事業責任者がトルコ語でピースウィンズの活動を紹介して、大いに喜ばれました。トルコ人スタッフのメルべさんによると、トルコの人たちは、日本人の話す日本語を聞くのが大好きで、次に、トルコ語を話す日本人が好きなのだそうです。
大人たちのスピーチの後は、この学校に通う子どもたちがパフォーマンスを披露してくれました。真剣な表情の先生が見守る中、おそろいの衣装に身を包んでダンスする子どもたちの表情は誇らしく、たくさん練習したことがうかがえました。
新しい教室を見た子どもたちからは「とても奇麗!」、「気に入った! ここで勉強するのが楽しみ!」といった言葉が聞かれました。2024年6月の第2週目には、学年末テストがこのプレハブ校舎で行われました。まずは、学年末テストで子どもたちが最大限の力を発揮してくれたことを期待します。
地震からの復興にはとても時間がかかっており、震源地から少し離れている学校のあるイスケンデルンでも半壊の建物がそのまま残されている状態で、避難民キャンプから一般の住宅に戻れない人たちがたくさん暮らしています。
ピースウィンズは、これからも被災者の必要に応えるべく、活動を続けてまいります。
この事業は、皆様からのご寄付とジャパンプラットフォームの助成により実施されました。
2023年2月に起きた大地震で家をなくした人たちが暮らすトルコ・ハタイ県のコンテナハウス・キャンプの子どもたちに、精神保健・心理社会的支援(MHPSS)を提供するプロジェクトを始めました。ガジアンテプを拠点とするトルコのNGOであるソリダリティ・リスペクト&プロジェクト(Solidarity Respect&Project=SRP「連帯の尊重とプロジェクト」)とともに行っており、支援を行うチームは心理社会支援や子どもの発達分野における専門家で構成されています。
対象者は2つのキャンプで生活する子どもたち675人とその親です。プロジェクトでは、子どもたちがMHPSSの活動に専念できるよう、キャンプ内にチャイルド・フレンドリー・スペースを設置しました。そこでは週末以外ほぼ毎日、大地震の影響で親子が抱えるさまざまな課題に対処するため、心のケアを提供しています。
●言葉を取り戻したラドワンくんの物語
6歳の少年ラドワン・ムアトラマウィ君は恥ずかしがり屋で、もともと人と話すことが得意ではありませんでしたが、大地震のショックでさらに人と接することが苦手になっていました。でもピースウィンズとSRPがキャンプ内で行っている活動に参加するうちに、変化がおきました。
体操、創造的な活動、視覚芸術との接触、そして感覚刺激などさまざまな活動を行った結果、両親や、活動に参加する他の子どもたちと積極的にコミュニケーションできるようになったのです。今や、日々の活動はラドワンにとって楽しみのひとつであり、欠かせないものになりました。
MHPSSの活動を通じて、「ここは安心できる場所だ」と思ってもらえたことに始まって、徐々に友達と関わりを持てるようになり、「友達と話したい」「お母さんと会話したい」というラドワンくんの気持ちが強くなっていったようです。
これからも、コンテナハウス・キャンプで暮らす子どもたちの心の荷を軽くし、心も体も健康な暮らしが送れるよう、プロジェクトを続けてまいります。ご支援をよろしくお願いいたします。
※このプロジェクトは、みなさまからのご支援とジャパンプラットフォームからの助成金により実施しています。
5万人以上を犠牲にしたマグニチュード7.8の大地震が2023年2月6日にトルコ南東部で発生してから4カ月がたちました。2023年5月末に発表されたOCHA(国際連合人道問題調整事務所)の報告によると、この地震で約50万棟の建物が破壊・損傷し、数十万人が家を失いました。
ピースウィンズが活動するハタイ州では、2023年3月末時点で45,687人が約9,150張りのテントで生活しています(AFAD=災害緊急事態対策庁=調べ)。政府はテントで暮らす人々を順に仮設住宅に移し始めていますが、仮設住宅となるコンテナの到着が遅れており、未だ多くの人々が不便なテントでの生活を続けています。
こうした中、ピースウィンズはジャパン・プラットフォームからの資金援助を受けて、ハタイ州の最も被害が大きく、支援が行き届いていない地域で食料と生活用品の提供を続けています。
具体的には、地震で大きな被害を受けたタニシュマ村とマデンボユ村のふたつの村で支援物資を配布しました。タニシュマとマデンボユには合わせて約15,000人の住民がおり(タニシュマ8,000人、マデンボユ6,750人)、約2,200世帯のうち70~80%がテントなどの仮住まいをしています。このなかにはシリア難民や他の被災地から移住してきた人たちも含まれています。また、AFADによると、震源地域から逃れていた被災者がもともと暮らしていた地域に戻り始めています。
こうした流入人口もあることから、ピースウィンズでは当初の予定よりも配布数を増やして、2023年4月下旬から6月上旬にかけて、タニシュマ村では生活用品と食料品それぞれ1,000セット、マデンボユ村では、それぞれ800セットを配布することができました。
人口が流動的で把握できていない被災者もいる可能性があり、物資配布をもう一度行うことも検討中です。子供たちをはじめとして住民の中には配送トラックからの荷下ろしや配布の手伝いをしてくれる人がいて、満足度調査でも多くの住民が支援物資を喜んでくれていることがわかります。
また、地震で被害を受けた近隣のアヴスユ村など、別の自治体に配送を広げる可能性も検討しています。私たちが訪れた村はずれのテント村では基本的なインフラが不足しており、今後も村長さんら地域のリーダーたちと相談を重ねて、必要な支援を届けたいと考えています。
被災地の状況は少しずつ回復していますが、これから暑い夏の訪れが迫り、生活環境が変化する中で、さらなる支援が必要になります。皆様の継続的なご支援をお願いいたします。
■村の方々が通い慣れた元クリニックに診療場所を移転
トルコ・シリア地震発災から既に1カ月が経過。そんな中、嵐になる予報があり安全面を考慮してテントでの診療から、村にあった唯一のクリニックに場所を移しました。
被災前にこのクリニックを運営していた医師に、私たちがこの村で活動していることを話すと、「村の人のために尽くしてくれて本当にありがとう。ここにあるものは何でも使ってください」と話してくれました。
被災地域全体で医師が少なくなったいま、彼もいくつかの村を診療で駆け回っていて、なかなかタニシュマ村には帰ってこられない状況だということがわかりました。
彼は私たちにとても感謝し、快くクリニックを使わせてくれました。
また、クリニックへ荷物を運び込んでいると、どこからともなく近隣住民の方々が集まり、掃除・運搬などを手伝ってくれました。
ロスターの小里看護師は「私たちが助けに来たはずなのにトルコの人たちにいつも励まされている」とトルコの方々の人柄に感激していました。
彼らは、日頃からのかかりつけのクリニックが復旧することを知って感謝するとともにホッとした様子でした。
■子どもが多いタニシュマ村、リーダーの稲葉医師らが小児診療にあたる
医療支援を行っているトルコのタニシュマ村へ、空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”のプロジェクトリーダーである稲葉医師も派遣され、現地で診療にあたりました。
稲葉医師は「医療が十分届いていない地域があり、そういう小さなニーズにこそ応えるのがNGOとしてのわれわれの役目。確実に医療を届けるために来た。災害医療と空飛ぶ捜索医療団が日本で取り組むへき地診療は似ているが、実際現場に来て違うのは子どもが多いこと。小児医療も含めてさまざまな処置が必要になる。実際にテントでの避難生活が続き、風邪や寄生虫などの感染症で受診する子どもや家族が増えている。一人の医者として、困っている患者さんの役に立ちたい」と話しました。
また、次いで登録派遣隊員として派遣された山田医師は、自身のお子さんが数週間前に生まれたばかり。
「ここにはまだ小さい子どもや、生まれて数日の赤ちゃんもたくさんいる。寒暖差も激しくテントでの生活はかなり厳しい。父親だからこそできることをしたい」と語り、トルコに送り出してくれた日本で待つ家族にも感謝をしていました。
これからも、医療が届かない地域の人々を支援するため、私たちは活動を続けていきます。
2023年2月6日にトルコ南部でマグニチュード7.8の大地震が発生してから、今日で1カ月。
ピースウィンズは、発災当日に日本から緊急支援チームを派遣し、捜索救助活動・物資支援活動・医療支援活動を行ってきました。
発災直後、混乱する現地での活動には、さまざまな障壁がありました。
壁にぶつかるたび、チームは「どうすれば一秒でも早く、一人でも多くの人を救えるのか」を考えて調整を続け、幾度となく壁を乗り越え、必要とする人たちに支援を届けてきました。
このような支援活動は、世界中の皆さまから寄せられたご寄付、そして、現地トルコの方々の「一緒に頑張ろう」という協力があってこそ、できたことです。
被災地ではまだまだ厳しい状況が続いています。
この地震で、およそ5万2,000人が死亡したといわれています。
大切な人を失くし、家を失くし、傷ついた人々はさらにたくさんいます。
私たちはこれからも、現地で必要な人に支援を届け続けます。
引き続き、皆さまのあたたかいご支援をお願いいたします。
■タニシュマ村で医療支援
2023年2月25日からはこれまで青空の下で行ってきた医療相談も、ついにタープが立ち診療を開始することができました。
当初はすでに大型のテントが完成する予定でしたが、予定通りに進まない状況を前に、調整員の矢加部は「(第一陣でリーダーを担った)坂田医師から『1日後のことは考えない』と教わった」と冷静でした。
この日でトルコでの活動が最終日となる長嶋医師は「毎日、患者数が増えている。最初は徒歩圏内の患者が多かったが車で訪れる人も多くなった。とにかく医者の数が足りないので、ぜひ医療資格を持つ方々は空飛ぶ捜索医療団のロスター隊員に登録して手を上げていただけると、住民の方々の力になれる」と語りました。
同じく最終日を迎えるロスター隊員の岡本看護師は「最初は町中がスクラップ工場のようで言葉が出ませんでした。私はレスキューはできないけれど、声を掛けることはできる。日本語の『お気の毒です』にあたる『Geçmiş olsun』の一言でも、せめて現地の言葉で伝えられるようにしました」と、地震で傷ついたトルコの人々への思いを語りました。
この後もピースウィンズの所属医師やロスター隊員などが入れ替わりで現地に入り、医療支援を続けていきます。
■子どもたちの“心を癒やす”メルさんのプレイルーム
多くの患者さんが訪れる診療テントの入口横に、子どもたちが集まっているスペースがあります。
私たちの活動を支えてくれている通訳のメルさんは、もともと幼稚園の園長さん。トルコ北部に住む彼女は、南東部での地震が起きてから職場を任せてすぐに支援に入りました。
メルさんが被災地支援に入ることを知った幼稚園の先生たちや友人は、「ぜひ被災した子どもたちに!」とおもちゃや机・椅子・滑り台などを届けてくれました。
診療には、体調を崩した子どもたちが親御さんに連れられてたくさんやってきます。そんな不安そうな子どもたちを少しでも笑顔にできたらと、メルさんの発案で、診療テント入口横のスペースをプレイルームにすることにしました。
お絵描き用紙やクレヨンを見つけた子どもたちは、それぞれ好きな色を使ってキャラクターを描いたり、自分の家族を描いたりして見せあいっこして遊んでいます。今では診療開始から終了の時間まで、絶えず子どもたちが遊びにくるようになりました。
メルさんは「このテントの白い壁が見えないくらい(子どもたちが避難所や仮設診療所であることを忘れるくらい)に、絵でいっぱいにしたいんです!」と語りました。
メルさんの幼稚園の先生方から寄せられたおもちゃは他にもいろいろ届いており、ゆくゆくはもう少し広いスペースで、村の子どもたちが安心して遊びに集まれる、不安を忘れられるような場所を作りたいと語っていました。
このような活動ができるのも、私たちの活動を支えてくださる皆さまのお力添えがあってこそです。
引き続き、あたたかいご支援をお願いいたします。
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