未曽有の危機に瀕するハイチへ緊急支援
(ピースウィンズ・ジャパン)

寄付受付開始日:2022/11/14

  • 領収書あり
[未曽有の危機に瀕するハイチへ緊急支援 (ピースウィンズ・ジャパン)]の画像
人々が抗議デモの中、タイヤを燃やし道路封鎖する様子

認定特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン

プロジェクト概要

更新日:2023/10/02

武装集団による犯罪、抗議デモ、燃料不足、食糧危機、コレラ……全てが重なり、ハイチは史上最悪の事態に直面しています

カリブ海のイスパニョル島に位置するハイチは、現在、未曽有の危機に瀕しています。略奪、道路封鎖、武装集団同士の衝突や物価上昇への暴力的な抗議デモなどが首都圏ポルトープランスを中心として全国規模で発生しており、社会情勢が不安定になっています。

主要な国道や燃料基地は武装集団に占拠され、食料や燃料の安定的な供給を妨げており、国全体で食料不足や燃料不足につながっています。食料の価格上昇とインフレの悪化も著しく、人々に混乱が広がる中、政府は燃料費の値上げを実施しました。複数の地域で燃料の配給が完全に停止し、病院や学校も閉鎖され、給水ポンプが停止し、安全な水の供給にも影響が出ています。

燃料不足になり人々が給油所に押し寄せる様子

こうした中、ハイチでは3年以上コレラ患者が報告されていませんでしたが、2022年10月2日に2件確認されて以降、現時点(2022年10月13日)では350人を超えるコレラの疑い例が報告されています。ハイチ全土の主要な病院の4分の3が、燃料危機、治安の悪化、略奪により、通常のサービスを提供できない状況に陥ってる中、コレラの発生は保健システムの対応能力をさらに圧迫しています。

首都ポルトープランスで、人々がタイヤを燃やすなどして道路封鎖をする様子

また、国連の最近の食糧分析によると、ハイチの人口の約半数、470万人が深刻な飢餓に直面しています。このうち180万人近くが緊急レベルの飢餓に陥っており、多くの人が一日に十分な食料を確保できない状況にあります。援助団体が運営する食糧倉庫の在庫は略奪され、最も弱い立場にある人々は食料や飲料水の支援もなく、手に入れることができない状態になっています。

首都ポルトープランスでの抗議デモの後、車が激しく燃える様子

こうした事態を受けて、抗議デモが頻発しており、複数の光ファイバーケーブルが切断され、インターネットサービスが不通になる事件も起きています。企業や緊急支援倉庫、政府所有のテレビ局などが攻撃されており、国全体の接続レベルは通常の34%程度となっています。

私たちピースウィンズは、2010年1月に発生したハイチ大地震の被災者支援をきっかけに、ハイチでの支援を開始し、2021年8月に発生したM7.2の地震でも緊急支援を実施してまいりました。
今回の未曽有の危機を受け、困窮する人々に対する緊急支援のため準備を開始しています。特に、障害者やお年寄り、女性や子どもなど弱い立場にある人々が少しでも安心して生活できるような活動を計画しています。皆様の暖かいご支援をお待ちしております。

寄付金の使いみち

皆様からいただいたご寄付は、史上最悪の危機により困窮するハイチの人々を支援するために、以下の活動などに大切に活用させていただきます。

・食糧、シェルター、衣類、寝具、生活用品などの物資支援
・水・衛生環境の改善および感染症対策に係る支援
・その他避難民のニーズに応じた支援
・支援活動に伴う事務局運営費

※ピースウィンズ・ジャパンの寄付金の取扱規程は下記をご参照ください。
特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン寄付金等取扱規程(PDF)

活動情報

更新日:2023/10/02

女性や若者への支援を継続しています(2023年7月25日更新)

未曽有の危機に瀕するハイチにおいて、ピースウィンズ・ジャパン(以下、ピースウィンズ)は、女性や若者への支援を続けています。昨年度は、2021年8月のハイチ地震で被災した女性グループ(NAPB:Nouvelle Association Paysanne de Balix)に対して、地元で採れるカシューナッツとピーナッツの加工技術の向上と販売促進の支援をしました。

2022年5月~8月にかけては、食品の品質と安全性や高品質のローストナッツを製造するため加工工程・技術、加工における適切な衛生管理について扱う研修を行いました。また、実際に、殻つきカシューナッツを天日干しで乾燥させ、ロースト処理をし、オリジナルの瓶に詰めたものを地元の集会場で販売する研修も行いました。

NAPBグループがナッツの殻を取る様子
集会所でのNAPBグループ

2022年9月から2023年2月までは、ビジネスプラン・マーケティング能力強化を目的とした研修を実施しました。研修では、1年、2年、3年間のビジネスプランを設計・作成し、その期間の必要な材料と原価の計算を行うなどしました。

また、顧客データベースを作成したり、顧客の購買行動や動機を分析し、顧客にとって魅力的な製品やパッケージを考えました。また、マーケティングの一環として、より多くの人に活動と商品を知ってもらうため、NAPBがFacebookとInstagramのページを作成しました。
Facebook
Instagram

NAPBのFacebookとInstagramのアカウント

こうした活動を経て、NAPBの女性たちは、必要な知識やスキルを学んでいきました。実際に、製造したローストナッツは30個、ピーナッツバターは32個販売することができ、NAPBは収益を得ることもできました!

販売した商品とNAPB

以下は、事業終了後のNAPBメンバーへのインタビューです。

NAPBメンバー、フレランヴィル・マリー・ワニカ

マーケティング研修では、製品の流通経路のことを学びました。その中で、競合する店に近すぎない場所に出店できるか、適切な価格や賃料をはじめとするコストで商品を販売できるかどうかをNAPBのメンバーと話し合いました。また価格設定の考え方も、短期的な利益最大化を優先すべきか、それとも長期的な利益最大化を求めるのか、みんなで話すことができ、とても良い学びになりました。

研修の中で、競争相手と同等に価格を設定したとき、品質などはより優れているか、ラベルのデザインなどは魅力的か? 考えれば考える程、私たちの活動は楽しくなっていきました。今までメンバーとこのように深く話し合いをしていなかったのですが、これから、私たちの作った商品が少しでも多く販売できるよう継続して話し合いをしていければと思っています。

本事業を通して、NAPBは今後の販売方法や顧客対象に関する方向性を決定することができました。本事業終了後も、収益を得て、ひいては今後も地元の経済発展に貢献してくことが期待されます。未曽有の危機にあるハイチですが、SNSをご覧頂いてわかる通り、そのような中でも女性たちは地元に貢献するべく精力的に活動を続けています。ハイチの女性や若者たちへの応援を、引き続きよろしくお願いいたします。

悪化する情勢不安―記念日を祝うことさえ難しくなっています(2023年5月18日更新)

5月18日はハイチの国旗制定記念日、通称、旗の日です。ハイチの国旗は1803年5月18日に作成されました。ハイチにおいて、この日は重要視されており、パレードが伝統的に全国で開催されるなど、毎年祝われています。

旗の日に住民が音楽やダンスを披露して祝う様子

しかし、2023年はギャング組織などが発端となっている情勢不安により、首都ポルトープランスや周辺の比較的安全とされていた地域でさえ、過去3カ月間に暴力犯罪が衝撃的なペースで増加しており、祝うことが難しくなっています。

ハイチ警察と国連の統計によると、2023年1~3月の殺人、レイプ、誘拐、リンチなどの暴力犯罪の件数は1,647件と、前年同時期(692件)の2倍以上になっています。また、2023年3月中に起きた件数は、2005年以降で過去最多ともなっています。情勢不安により、食料不足が起こり、住民は極度の貧困に襲われ、コレラが発生するような状況が、過去1年余にわたって続いています。

首都ポルトープランスで住民が抗議する様子

また凶悪犯罪の犠牲者には子ども含まれ、過去3カ月の間には、学校の生徒が教室で座っていた際に銃弾で撃たれたり、学校への送迎の車から降りたところで誘拐されたりするような衝撃的な事件も起きているとのことです。さらに2023年4月下旬には、首都で、住民がギャング組織の構成員とみられる十数人に投石し、生きたまま焼く事件もありました。

警察がほとんど機能しない中で、住民が自分たちの手で問題解決を図ろうとし始めており、こうした動きは地域全体に予測不能な事態をもたらし、社会基盤の崩壊につながる恐れがあります。

首都ポルトープランスの朝方の様子

ハイチ問題に関する国連特使は、首都ポルトープランスで縄張り争いをめぐる武装ギャング同士の争いが増えているとし、自衛手段をとる住民が多くなってきていると指摘もしています。ハイチ政府と国連のグテーレス事務総長は2022年10月、国際社会に対してハイチの人道危機などに対処するため部隊を派遣する必要性を訴え、国連は2023年4月26日、ハイチでの未曽有の危機を受けて、秩序回復に向けた国際部隊の派遣を改めて呼び掛けましたが、残念ながら主導しようとする国がない状況です。

ピースウィンズスタッフのジャンブルノは首都ポルトープランスに在住しています。彼に状況や心境を伺いました。

ジャンブルノ

「このような深刻な危機に直面し、ギャング組織の圧力がかかる地域では、多くの住民は、安全を確保するために自宅などを離れて、他の場所に滞在することを余儀なくされています。また取り残された住民は自由に外出もできません。そのため特定の製品が不足し、生活必需品や石油製品の価格が不釣り合いに上昇しているのを目の当たりにもしています。首都の特定の地区では、武装集団が食料、飲料水、燃料、医療などへのアクセスを管理していることもあり、物資が不足している状態もあります。

また、首都へ入るための南北の入り口に武装ギャングの縄張りができており、車両の流通もまひしています。
複数の地域で武装集団の発生が定着しているため、住民は毎日ギャング組織を恐れ普通の暮らしができていません。ここ数日、私たちは今まで見たことのない危機を目の当たりにしており、絶望的な状況に至っています。一刻も早く政府や警察がこの壊滅的な状況を改善することを願っています。この状態が今後も続けば、国は最悪の事態に陥る可能性があります」

このような状況の中でも、わたしたちは、ハイチの若者たちや地域経済に少しでも貢献できるよう、2021年発生の大地震の被害を受けた南県において、人材育成や職業訓練の強化プログラムを実施するなど、支援を続けています。物資の調達や活動の進捗(しんちょく)に困難が伴い、ジャンブルノを含めスタッフも大変な状況ではありますが、協力し合いながらなんとか活動を継続しています。

職業訓練プログラムに参加する若者たち。職業訓練では、縫製技術の指導をしており、写真は指導員(最前列真ん中)と試し縫いのサンプルを試着している様子

未曽有の危機にあるハイチにおいて、人々が希望を失わないように、私たちは活動を続けて参ります。皆さまの引き続きのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

危機的な状況にあるハイチよりスタッフの声(2023年3月16日更新)

ハイチが危機的な状況に陥ってから、数カ月がたちました。一時より状況は落ち着いたものの、武装集団による犯罪、抗議デモ、燃料不足、食糧危機、コレラなどが改善されたとはいえず、人々は苦しい生活を強いられています。こうした状況を受けて、以下ピースウィンズ現地スタッフからの現状の心境です。

ピースウィンズプロジェクトマネージャー:ウィリアム

ウィリアム

ハイチは依然としてラテンアメリカとカリブ海で最も貧しい国です。4年連続のマイナス成長を経て、ハイチ経済は不況に突入し、2022年8月22日以降、デモ抗議、道路封鎖、社会政治的・経済的不安、武装集団による暴力、農業生産の低下、燃料不足、略奪が全国で起こっています。

このような状況では、自分たちの国を発展させたり、問題の解決策を見いだせないため、状況をさらに悪化させています。病院が営業するための燃料を確保できないため、医療サービスへのアクセスはさらに制限されています。また全国で飲料水やきれいな水が確保できないことで、急性栄養失調が悪化し、コレラや下痢性疾患が発生しています。不安と暴力は持続し、さまざまな基本的サービスへのアクセスに影響を及ぼしています。

特に、地震の被害を受けた南県、ニップス県、グランアンス県、ポルトープランス都市圏や食料不安の高い地域など、危機要因が重なる地域ではその傾向がさらにこの先強まると予想しています。こうした状況の中で、私たちピースウィンズも思うように動けず歯がゆい状態です。一日でも早く状況が良くなることを願います。安全を確保しつつ、早く、国のために貢献できる活動をしたいです。

ピースウィンズ会計マネージャー:ジャンブルノ

ジャンブルノ

ハイチは頻繁に自然災害に見舞われ、社会経済的・政治的に非常に不安定な状況を繰り返してます。この状況は、COVID-19の感染拡大によってさらに悪化し、さらに追い打ちをかけるように、2021年8月14日に南部深部で発生したマグニチュード7.2の地震では大きな被害がでました。加えて、2022年8月以降は、デモ、道路封鎖、武装集団による暴力、水と衛生へのアクセスの欠如などが報告されています。

また、このような現状を受けて、残念ながら多くの人々が略奪行為に走りました。今のところ、この状況に対する解決策がなく、政府の対応は事態をさらに悪化させています。燃料不足のため、医療へアクセスできず、国内に安全な飲み水もありません。コレラが再発生し、不安と暴力が続く中、食糧難が起こっています。私自身も、今後のハイチ、自分の家族がどうあるか不安です。

事業地南県周辺の様子。治安が悪い時間を避けるため日曜日の早朝にPWJスタッフが撮影してくれました。日曜日は礼拝などが行われるため比較的他の曜日よりは街は穏やかです。

当団体スタッフも、不安を抱えながらも、ハイチの人々の生活が少しでも良くなるよう、活動を懸命に行っております。皆さまのご支援を引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

ガソリンが首都圏においてやっと入手できるようになりました(2022年12月8日更新)

2022年11月12日、燃料の供給が、首都ポルトープランスのガソリンスタンドでやっと再開されました。燃料の供給は、石油製品に対する政府の国庫補助金が打ち切られて以降、停止しており、約3カ月ぶりの再開です。自動車やバイクの運転手が燃料をいれるための黄色いジェリ缶を手にして、満タンにしようと列をなしています。

住民がジェリ缶に燃料を供給する様子

しかし、燃料の価格は依然として高騰していることから、人々が殺到することはなく、ガソリンスタンドへ燃料を供給しに来れたのは、支払いができる人だけです。燃料の入手に苦労していた人々によると、この供給は一時的なもので、不足する可能性があります。そのため、ガソリンスタンドに駆けつけてきた人は、「今後に備えて補充しているんだ」と語りました。

首都ポルトープランスのガソリンスタンドの様子

2021年8月の地震で大打撃を受けた、南県レカイ市にも燃料が供給され始めてきましたが、多くの人々には燃料の価格は高すぎて入手できません。また、食料や生活用品の価格も上がっているため、引き続き人々は苦しい生活を強いられています。現在、私たちピースウィンズは、南県の方々、中でも障害者やお年寄り、子どもなどの弱い立場にある人々へ、一日でも早く支援ができるよう準備をしています。

住民が燃料を供給する様子

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認定特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン

認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、紛争や災害、貧困などの脅威にさらされている人々に対して支援活動を行うNGO (Non-Governmental Organization = 非政府組織)です。日本に本部を置き、これまで世界33の国と地域で活動してきました。また東日本大震災や熊本地震、西日本豪雨の際にも出動し、支援を行いました。

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