寄付受付開始日:2022/07/14
更新日:2023/10/02
スリランカは未曽有の経済危機に直面しています。
ガソリン、石油やガス、医薬品、食料品などの日常生活に欠かせない物資不足が深刻化し、人々の生活は急激に悪化しています。燃料を求めて、連日ガソリンスタンドには長蛇の列ができ、時には4、5日夜通し待ち続けることもあります。
この経済危機は、内戦の復興を名目に外貨建の対外債務が膨んで財政を圧迫していたところ、2019年の同時多発爆破テロや2020年の新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、外国人観光客が激減したことにより外貨収入を失い、さらに政府が大規模な減税による国家収入の減少、加えて有機農業への極端な政策変更によるお茶など輸出作物を含む農作物の収穫量の減少などにより、外貨準備高が大幅に減少したことによるものです。
結果、対外債務返済が不可能となり、南アジアで初のデフォルトを起こすこととなりました。そのため、ガソリン、軽油、ガスなどの燃料の輸入ができなくなり、最低限の日常生活をも送れなくなった国民の政府に対する不満は募り、長期間にわたり、スリランカ全土で抗議デモが起きています。
燃料が手に入らないため、小さな飲食店は閉店に追い込まれ、漁師は漁に出ることができず、農家は揚水ポンプなどが使えないため作物が枯れてしまうなど、多くの人々が収入源を断たれ、経済的苦境に立たされています。
さらに、干ばつの影響もあり水力発電からの電力供給も減り、燃料による火力発電に頼らざるを得ない状態となりましたが、経済危機により火力発電に使用する燃料も不足しているため、2022年3月から現在まで、1日最長13時間の停電も発生しました。
【急激なインフレおよび生活必需品の不足により、生活が困窮する人々】
外貨不足の影響で生活必需品が輸入できず、国内のインフレは急速に進み、2022年6月の物価上昇率前年同月比54.6%、中でも食料品は80.1%に上昇しています。その結果、約490万人もの人々が十分な食料を得られていません。
また、医薬品のほとんどを外国からの輸入に頼っているため、医薬品不足は深刻です。安定した電力も供給できないため、人々は適切な治療や手術を受けることもできません。
アベイワルデナ国会議長は、『現状が最悪の危機だというが、始まりにすぎない。食料、ガス、電気の不足はより深刻化するだろう。これから重大な飢餓が起きる恐れがある。』と警鐘を鳴らしています。
そこでピースウィンズ・ジャパンは経済危機により苦しむスリランカの人々に対して、今後食料品などの配付を行う緊急支援を検討していますが、支援金が不足しています。
皆様のご支援がスリランカの人々を救います。ご支援をどうかよろしくお願いします。
皆様からいただいたご寄付は、経済危機により生活に苦しむスリランカの人々を支援するために、大切に活用させていただきます。
・食料の提供
・その他現地ニーズに応じた支援など
毎月10,000円のご支援で、1人に1カ月分の食料を届けられます。
皆さまからの温かいご支援がスリランカの方々の人々の生きる力になります。
※ピースウィンズ・ジャパンの寄付金の取扱規程は下記をご参照ください。
特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン寄付金等取扱規程(PDF)
活動報告
更新日:2023/10/02
皆様からの温かいご寄付により、2022年11月に経済危機に苦しむ人々への食料配布の第2回目を実施することができました。今回は前回にひきつづきトリンコマリー市内のピーリヤーディ集落の生活保護対象家庭に食料配布を行いました。ピーリヤーディ集落には約200世帯が住んでおり、そのうち生活保護を受けている人が9割以上で、前回食料支援を実施したマンガイユットゥ村と比べて母子家庭が多い地域です。
今回の食料支援も前回同様に、米、小麦粉、砂糖、紅茶、豆、ソヤミート、乾麺、干し魚、栄養補助食品などの乾物類を配布しました。ある家庭では、母親が子どもたちを残し中東に出稼ぎに行ったあと連絡がとれなくなり、祖母と孫が家庭に取り残されてしまったため、今回の食料配布を喜んでいました。
彼女たちの家庭は、不定期の家政婦(1日約160円~220円)の仕事があるだけで、農地もなく、毎日の食事を切り詰めて生活をしのいでいます。今回皆様のご寄付で実施できた食料支援は、彼女たちの収入を考えると、1カ月近く当面の飢えをしのぐことができます。
終わりの見えないスリランカの経済危機の渦中で、少ない収入で家計を支えている多くの人々は大変厳しい生活を強いられています。
食料支援の譲渡式に参加したトリンコマリー市長は、「本当に情けない話ですが、政府からは国民にまだほとんど支援が支給されていません。食料支援は、日々の食事を減らして飢えをしのいでいる貧しい人たちにとって大きな助けとなります。ご寄付をいただいた皆様、本当にありがとうございました。」と述べられていました。
最近では日本のメディアで取り上げられる機会が少なくなったスリランカの経済危機ですが、いまだに先行きの見えない厳しい状況が続いています。
燃料については、1台あたり給油できる量を政府が二次元コードを発行して管理するようになり、給油のための長蛇の列というのはあまり見かけなくなりましたが、車両一台当たりもらえる燃料の量が制限されています。
停電も一日に数時間程度ですが続いています。ガスはいったん供給が開始され、ガスを待つ列もなくなりました。しかし、電気・水道代や燃料の値段はおおよそ2倍、食料品も2倍以上値上がりしており、特に都市部の貧困層は農地を所有していないため、自給自足ができず、生活は大打撃を受けています。
今回、話を聞いた家庭では、2世代にわたり旦那さんが失踪してしまったというお母さんに出会いました。
このお母さんは内戦中に何度かムラッティブ(スリランカの北部)に避難し、その間に当時5歳だった長女が撃たれてなくなり、次女も内戦中に足を撃たれて負傷しており障害を持ちました。内戦後、次女は結婚したそうなのですが、次女の旦那さんも3人の子供を残して失踪。次女は現在、負傷した傷の手術のために親戚を頼りインドに渡っており、現在は次女の残した3人の子どもたちの面倒を息子さん(23歳・日雇い労働)と彼女(日雇い家政婦)でどうにか生活をしているそうです。
今後も、ピースウィンズでは経済危機に苦しむ人々への支援を継続していきます。温かいご支援を引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
経済危機に苦しむスリランカの人々のために、温かいご支援をいただきまして、ありがとうございます。
ピースウィンズ・ジャパンでは、皆様からいただいたご寄付を活用させていただき、2022年9月13日にトリンコマリー県内でも特に貧しく脆弱(ぜいじゃく)なコミュニティーの一つ、マンガイユットゥ村に食料配布を実施しました。
マンガイユットゥ村で生活保護を受けている225世帯の村人に、米、小麦粉、砂糖、紅茶、ダール豆、大豆ミート、乾麺、干し魚、栄養補助食品などを含めた食料パッケージを配布しました。
生活保護担当の職員は、
「村の人の多くは日雇い労働で生計を立てており、経済危機の影響で多くの建設工事などが止まったことによって仕事数が激減、それに伴い収入も激減し、苦しい生活を余儀なくされています。
先月は村から3名の女性が子どもを残して中東へ出稼ぎに出てしまいました。今回のピースウィンズ・ジャパンの食料支援は大変ありがたいです。ご寄付いただいた日本の皆様には、本当に感謝しております。」と、話してくれました。
食料支援を受けたローヒニさん(39歳)の声をお届けします。
『私は、夫、4歳の娘と、8歳と13歳の息子の5人で生活をしています。夫は、日雇い労働で私たち家族を支えてくれています。以前は、夫の仕事は月に20日間ほどありましたが、経済危機に陥ってからは月に10日間ほどになりました。
収入も以前は30,000ルピーほどありましたが、今は18,000ルピーしかありません。物価は日に日に上がっていく一方で、最近はインゲンなどの安い野菜しか買えず、干した小魚を食べる程度で、最後に魚や肉を買ったのがいつだったかも思い出せません。
私たちは生活保護として月に現金3,500ルピーを政府からいただいていますが、物価が高騰している今、夫の収入と合わせても、生活は非常に苦しく、今回食料をいただけたことは、私たち家族にとっては、大変ありがたいことです。日本の皆様に感謝しています。』
政府が事実上の国家の破産を宣言してから、約半年がたちますが、いまだに燃料不足や停電が続き、さらに物価の上昇率は毎月最高記録を更新し、2022年8月は64.3%の上昇率となり、特に食料品は93.7%にまで上昇しました。
WEP(国際連合世界食糧計画)は「スリランカ国内では約630万人もの人が十分な食料を摂取できず、危険にさらされている状況である。今後援助がなければ、この状況はさらに悪化することが予想される。」と発表し、未だ国民生活の改善の兆しは見えないのが現状です。
今回支援を行ったマンガイユットゥ村の近隣にも多くの貧しい脆弱(ぜいじゃく)なコミュニティーがあります。
今後も、ピースウィンズ・ジャパンでは経済危機に苦しむ人々への支援を継続したいと思います。温かいご支援を引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
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日本国内での社会問題の解決を目的とした活動にも力を入れており、地域活性化や犬や猫の殺処分ゼロを目指した動物の保護・譲渡活動などに取り組んでいます。
医療を軸とした災害緊急支援プロジェクト「空飛ぶ捜索医療団"ARROWS"」を運営し、国内外の災害被災地で支援活動を行っています。
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