寄付受付開始日:2022/02/10
更新日:2022/04/20
西太平洋の島国パラオで新型コロナウイルス感染者が急増、パラオ保健省からの要請を受け、認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパンが運営する空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”は2月7日、緊急医療支援を開始しました。
パラオでは、2022年に入り、新型コロナウイルスの感染者数が急激に増加し、2月6日時点の現感染者数は1,439名に達しており、これは全人口の12.5人に1人が感染している状況です。
こうした急激な感染者数の増加に伴い、パラオでは対応に当たる医療従事者が不足するとともに、検査キットなど感染拡大への対応に不可欠な資材がひっ迫しています。
これを受け、空飛ぶ捜索医療団では、2月6日、医師2名・看護師1名・調整員2名をパラオ共和国に派遣しました。メディカルチームは医療支援をはじめ、航空機にてPCR検査機器などの支援物資を現地へ輸送します。
ピースウィンズ・ジャパンは、2021年にパラオに検診船を派遣、離島部を中心とした巡回健診・診療と非感染性疾患の予防体制の強化を開始しました。本巡回事業の実施に当たり提携協定を結んでいるパラオ保健・福祉省およびベラウ国立病院より、コロナ対応への支援要請があったことを踏まえ、在パラオ日本大使館とも協力しながら支援にあたります。
■現地に入った稲葉医師のコメント
パラオは糖尿病や高血圧などの生活習慣病が多い国です。また、医学部がなく、医療人材が少ないため、医療がひっ迫しやすい状況でした。ピースウィンズ・ジャパンは、病気が深刻化を防ぐために日本の「検診制度」をパラオに根付かせるため、昨年からパラオで事業を実施していました。
これまでパラオでは新型コロナの感染は落ち着いていましたが、今年の1月から急激に感染者が増えました。検査を受けていない人を含めると、さらに多くの人々の感染が予想されます。
私が2021年9月に検診事業で訪問した時に出会った方々から大変な状況を聞き、「助けに来てほしい」というパラオ政府の要請を受けて、緊急支援を決めました。
年明けから日本でも新型コロナの感染者数が増え、ピースウィンズの緊急支援チームは北海道、沖縄、宮城などにも医療スタッフを派遣していますが、さらに日本だけではなく国際的な支援もできればと考えています。
■今後の支援について
空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”の医師及び看護師は、約2週間にわたりパラオに滞在し、パラオ保健当局の新型コロナウイルス対応を支援する予定です。また、併せて到着した救援医療物資も新型コロナウイルス検査センターでの抗原検査などに活用される予定です。
■支援物資一覧
・PCR検査機器
・N95マスク・サージカルマスク20,860枚
・フェイスシールド1,650個
・抗原検査キット3,800個
■日本とパラオの関係
パラオと日本の友好関係の基盤には、深い経済的な結びつきと、長い歴史的な絆があります。日本は独立以前から今日まで、パラオの経済発展のために無償資金援助での開発協力を行ってきました。過去には、国際空港ターミナルや、日・パラオ友好橋、コロール市内の主要な道路などインフラ整備に貢献しています。また観光業においても、年間約2万人の日本人観光客がパラオを訪れていました。(2020年4月以降、コロナ禍により観光客の受入は停止)
第一次世界大戦後、日本はドイツから南洋群島を引き継ぎ、第二次世界大戦の終わりまで統治していました。この時代に、南洋庁が設置されたのがパラオのコロールです。南洋群島には、数万人の日本人が生活し、農業や漁業、養殖業などを営んでいました。
このため、現在に至るまでパラオの言語や文化には日本の影響が見られます。また、終戦後も、独立時の大統領である故クニオ・ナカムラ氏など多数の日系人が活躍してきました。(在パラオ日本大使館サイトより抜粋)
■在パラオ日本大使館プレスリリースより
「当館は、ピースウィンズ・ジャパンによる迅速かつ効果的な支援に感謝するとともに、日本とパラオの友好関係が本支援を通じて一層深まることを期待します。」
詳細はこちらをご覧ください。
皆様からいただいたご寄付は、パラオ保健当局およびパラオ国内での新型コロナウイルス医療支援に使用します。
・医療従事者のコロナ陽性による人員不足の人的支援
・医療物資支援(PCR検査機器、N95マスクなど感染防護具)
・PCR検査体制の確立など
・遠隔地(離島)を中心としたコロナ検査の人的支援
・医療物資支援(抗原検査キットなど)
※ピースウィンズ・ジャパン寄付金など取扱規程は下記をご参照ください。
特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン寄付金等取扱規程(PDF)
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認定NPO法人ピースウィンズ ・ジャパンは、日本に本部を置き、国内外で自然災害、あるいは紛争や貧困など人為的な要因による人道危機や生活の危機にさらされた人々を支援する国際協力NGOです。
これまでに世界34の国と地域で活動してきました。日本国内での社会問題の解決を目的とした活動にも力を入れており、地域活性化や犬や猫の殺処分ゼロを目指した動物の保護・譲渡活動などに取り組んでいます。
医療を軸とした災害緊急支援プロジェクト「空飛ぶ捜索医療団"ARROWS"」を運営し、国内外の災害被災地で支援活動を行っています。
このプロジェクトでは1回3,000円以上の寄付から領収書の発行が可能です。
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