【アフガニスタン】紛争、干ばつ、洪水の多重災害の被災地を支援する(ピースウィンズ・ジャパン)

寄付受付開始日:2019/07/19

  • 領収書なし
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現金給付チケット配布の順番を待つ女性たちと女の子

認定特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン

プロジェクト概要

更新日:2024/07/23

ピースウィンズは、アフガニスタン国内で紛争、災害、不安定な情勢などにより厳しい生活を強いられている人々の命と尊厳を守るため、支援を続けています。

アフガニスタンでは長年にわたって紛争・テロにより、多くの民間人が犠牲になり、また避難を余儀なくされてきました。加えて頻発する干ばつや洪水など大規模な自然災害にも相次いで見舞われ、社会も人々も疲弊しています。

このアフガニスタンに2021年8月、衝撃が走りました。武力によって国内各地で攻勢を強めていたタリバンによる首都カブールの制圧、政権の掌握です。タリバンは1996年から2001年の間、急進的な思想に基づきアフガニスタンを統治していた勢力です。人々は、当時のタリバン政権によって行われた苛烈な人権侵害の再来をおそれ、国外脱出を求めて空港や滑走路にまで詰めかけました。その数は1万人を超えました。しかし、ほとんどの人々は脱出がかなわず、アフガニスタンに残らざるを得ませんでした。

現在、アフガニスタンでは女性の教育や移動が著しく制限され、男女平等の度合いを示すジェンダー・ギャップ指数は2年連続、世界最下位を記録しています。また、タリバンの復権以降、国際社会による経済制裁の影響で、経済状況がより一層悪化するとともに、各国から国際機関への支援も減り、食料不足が深刻化しています。

総合的食糧安全保障レベル分類(Integrated Food Security Phase Classification: IPC)報告書によると、2023年10月、この時期は収穫期のすぐ後で、年間を通して最も食糧が豊富な時期になりますが、この時期でさえ、全人口の29%にあたる1,310万人が急性食糧不安レベル以上の食糧危機に直面しています。飢餓が増え、子どもたちが命を落としています。

さらに、同年(2023年)には帰還民の危機も加わりました。パキスタンには1970年代のソ連侵攻の時代より、激しい戦闘状態から避難した多くのアフガニスタン難民が居住しており、今ではパキスタンで生まれ育ったアフガニスタン難民も大勢います。彼らは2023年の10月以降、パキスタン政府の方針によりアフガニスタン側に強制的に戻ることを余儀なくされ、UNHCRの2023年11月30日の発表ではすでに、帰還民は42万人を超え、現在もその数は増え続けています。多くの人々が住む場所を失い、迫害の危険にさらされながら、日々の生活に苦しんでいます。

ピースウィンズは、今、人道危機の真っただ中にあるアフガニスタンの人々の命と尊厳を守るため、支援を続けています。

ピースウィンズは2001年の9.11直後の緊急支援をきっかけに、これまで学校建設や道路の修復、井戸の掘削、女性の収入向上や水資源調査などさまざまな分野でアフガニスタンでの支援に携わってきました。

井戸の支援

2019年からは、南部のカンダハル県で、紛争・干ばつ・洪水によって生み出された避難民や、難民として逃れていた隣国からの帰還者が滞在するコミュニティーにて、質・量ともに十分な水を入手できるよう井戸を建設し、またコミュニティーの衛生状況の向上を図るため、衛生普及講習を開催するとともに衛生用品セットを配布しました。

地域の衛生向上を目指して

2020年以降、新型コロナウイルスの影響は医療面にとどまらず、経済活動の大幅な縮小などにより、人々の生活をさらに圧迫しています。職を失った労働者が最低限の食糧ですら確保できない事態が起きていることを受け、私たちは9月、東部ナンガルハル県で上記のように複合的な災害、紛争、経済的打撃の影響を受けている農村部を対象に、新たに緊急支援を開始しました。

この地域は近年まで武装勢力の支配下にあり、国内でも非常に危険な地域として知られ、国際支援や政府の公共サービスが最も届きにくい地域でした。地域ボランティアの協力を得ながら現地提携団体とともに食糧支援を行っています。

活動地の村で家庭訪問し、生活状況を把握

さらに、2022年6月アフガニスタン南東部で発生したM5.9の地震では5,000人以上の死傷者が出ました。また、多くの家屋が全壊あるいは半壊したことで被災者は最低限の生活を確保することすらままならなくなりました。それを受け、ピースウィンズは震源地に近いパクティカ県にて食糧と生活物資を実施しています。

地震被災418世帯に食糧と生活物資の配布

2024年3月から、ナンガルハル県内の困窮度が高い農村地域にて、困窮する脆弱(ぜいじゃく)な世帯に対し、現金給付による食糧支援と養鶏支援を実施しています。人々が日々の食糧を得て、かつ将来的にも自立していけるように支援しています。

アフガニスタンでの養鶏の様子

長期的に続く紛争やテロやさまざまな災害により、アフガニスタンの多くの人々が疲弊しています。彼らを支えるため、皆さまのご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。

寄付金の使いみち

国内紛争に加え、干ばつや洪水、地震などの自然災害の影響に苦しむ被災者に対する支援のために使用させていただきます。

なお、本事業に対するさまざまなサポートをするためにご寄付のうち最大15%は運営費(事務所の管理運営費、調査・提言活動のための費用など)として活用させていただきます。

活動情報

更新日:2024/07/23

【アフガニスタン】食糧支援:現金給付による食糧支援:受益世帯の方々の様子(2024年7月23日更新)

YVOのスタッフが受益者から聞き取りをする様子

ピースウィンズは現在、現地NGOのYour Voice Organization(YVO)と提携し、現金給付による食糧支援を続けています。
長年つづく紛争や人道アクセスの制限、頻発する自然災害、コロナ禍などにより、アフガニスタンの人々は家族や友人、尊厳ある暮らしなど大切なものを失ってきました。

ピースウィンズは、脆弱(ぜいじゃく)な立場にある方々の声に耳を傾け、一人一人に寄り添いながら支援活動を続けています。今回、現金給付による食糧支援によって、ようやく家族そろって食事ができるようになった2組の受益世帯の様子を紹介します。

(1)パチェラガム郡に住むグラリさんは、2人の子どもを持つ寡婦です。彼女の夫は生前、日雇い労働者でしたが、仕事を求めてカンダハルに一人で出稼ぎに行きました。約1カ月半ほど働いた後、家族と一緒にアフガニスタンの祭(イード)を祝うために、他の労働者らとともに車に乗り込み、帰路の旅に出ました。しかし、彼らは、途中で事故に遭い、グラリさんの夫はそのまま帰らぬ人となりました。

突然、一家の大黒柱を失ったグラリさんは、他に頼るあてもなく、また、女性が仕事に就くことは非常に難しく、2人の子どもをかかえて日々の食事にも事欠いていました。そんな時、彼女は現金給付による食糧支援を受けました。村の長老や隣人たちも、グラリさんの家族が支援されたことを心から喜びました。

(2)目の不自由なシアー・アリさんは、妻と4人の子どもがいます。彼は目が見えず、仕事がないので、家族を養うだけの収入がありません。2021年8月に政権が変わり、タリバンになってから、暫定政権による障害者世帯への支援が打ち切られました。

その一方で、失業率はより一層高くなり、とりわけ目が不自由な方にとって、仕事に就くことは非常に難しくなりました。また、食糧価格は高騰し続け、アリさんの家族は大変困窮しました。今回、アリさんは現金給付による食糧支援を受け、近隣の店で必需品を購入することができ、安どのため息を漏らしました。

私たちピースウィンズは、これからもより多くの人々に必要な支援を届けられるよう、活動を引き続き行ってまいります。

【アフガニスタン】食糧支援:プロジェクト実施の中で、一番つらいこと(2023年1月23日更新)

子どもから聞き取り調査を行う提携団体現地スタッフ

ピースウィンズは現在、現地NGOのYour Voice Organization (YVO) と提携し、食糧支援を続けています。
20年もつづく紛争や人道アクセスの制限、頻発する自然災害、コロナ禍などにより、アフガニスタンの人々は家族や友人、尊厳ある暮らしなど大切なものを失ってきました。そんな中で活動を続け、誰よりも現場のリアルな状況や人々の声に触れてきた現地スタッフはこう語ります。

「話を聞く人ごとに、つらいストーリーがあります。この中から、基準に照らして、支援する人の優先順位を決めなければならないのが、一番つらく、大変なことなのです。」

少しでも現金を得るため自分の娘を望まない結婚に出させる親、紛争によりPTSD(心的外傷後ストレス)を発症した子ども、死去した父親、精神病を患う母親の元で常に食糧不足の子どもたち……

活動で出会う人みんながさまざまな苦しい状況にいることを知りながらも、限られた資金の中で支援対象者、つまり「最も脆弱(ぜいじゃく)な世帯」を選ばなければならないのです。

現場からのこういったリアルな声を聴けば聴くほど、行政がしっかりと機能していない場所で私たちNGOが担っている活動の重要性をひしひしと感じます。私たちピースウィンズは、これからもより多くの人々に支援を届けられるよう、活動を引き続き行ってまいります。

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プロジェクトオーナー

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認定特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン

認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパンは、紛争や災害、貧困などの脅威にさらされている人々に対して支援活動を行うNGO (Non-Governmental Organization = 非政府組織)です。
日本に本部を置き、これまで世界36の国と地域で活動してきました。

日本国内での社会問題の解決を目的とした活動にも力を入れており、地域活性化や犬や猫の殺処分ゼロを目指した動物の保護・譲渡活動などに取り組んでいます。

医療を軸とした災害緊急支援プロジェクト「空飛ぶ捜索医療団"ARROWS"」を運営し、国内外の災害被災地で支援活動を行っています。

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