寄付受付開始日:2014/04/14
更新日:2024/11/21
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日本では悲しいことに、いまだに年間2,739頭もの犬が人の手で「殺処分」されています。(2021年度、環境省)
1日あたり約7頭以上の犬たちが日本のどこかで人間の手によって殺されています。
私たちは広島県を拠点に、殺処分対象となった犬を引き取り、人に馴れるためのトレーニングを行って、ともに生きてくださる里親を探して送り出しています。さまざまな困難もありましたが、年間延べ約8万人の方々にご支援をいただき、その皆さまとともに日本から殺処分を無くすために活動続けています。
これまでに命を救ってきた犬は7,000頭以上。 広島県の殺処分機は6年前から一度も稼働していません。日本では前例のない取り組みとなっています。
現在、私たちのシェルターには2,600頭あまりの犬が暮らしています。日々、必要な医療的ケアと人馴れトレーニングをしながら、新しい家族を探しています。全ての犬たちが安心して暮らしていくためには、十分なフードや医療ケア、スタッフや獣医師などの人件費など、その運営費用は全体で10億円以上になります。
また、新しい家族に巡り合える犬がいる一方で、高齢の犬、簡単に治らない病気がある犬、障害を持った犬たちがいます。その数は、活動の年数を重ねるとともに増えています。彼らの毎日には、お薬や点滴などの処置、病気に合わせた療法食、体に負担のかからない環境の整備など、元気な保護犬たちに比べはるかに多くのお金がかかります。
例えば手術1回に100万円ほどかかることもあり、ピースワンコの医療費は年間1億円を超えます。
特別なお世話が必要な犬たちは「オレンジ犬舎」で暮らしています。ここではスタッフたちが一頭一頭の健康状態に合わせて、手厚いケアを行っています。薬を混ぜたフードを手で食べさせたり、排せつの介助をしたりと、根気のいる仕事ですが、犬たちが穏やかに暮らしていけるように日々努力を続けています。
ここで暮らす犬たちのほとんどが飼育放棄された「捨て犬」です。人間の身勝手な都合で殺処分寸前だった犬たちの、人に対する恐怖は簡単には消えません。スタッフはたくさんの時間と愛情をかけて犬たちの心に寄り添い、少しずつ信頼関係を築いています。
私たちのプロジェクトは「犬たちの日常」のためであり、達成したときにはっきりと形が見えるわけではありません。
しかし「どんな犬でも幸せに生きてほしい」というのは、人間の身勝手で殺処分対象となった犬たちのおびえる姿をたくさん目にしてきた私たちの、心からの願いです。
日本の犬の「殺処分ゼロ」をめざして
日本ではまだ多くの人が安易な考えで犬や猫を飼い、捨てて、ほぼ毎日殺処分機を動かし、毎年犬猫合わせて何万頭もの命を奪っています。
私たちは、この異常な状態を変えたいと思っています。これまで長年変わらなかった意識を変えるのは、とても難しいことです。
それでも、譲渡の仕組みづくりや啓発活動を含め、いろいろな方法を試行錯誤することにより、欧州の動物福祉先進国と同じように、やがて日本の犬や猫の殺処分をなくすことができるはずです。
その希望を、支援者のみなさまと一緒に実現したいと思います。
■領収書の発行について
・2020年9月14日(月)12時以降の新規ご寄付分より、領収書の発行が可能です。
・1回3,000円以上のクレジットカードによるご寄付で、領収書の発行を希望して寄付された方に、領収書を発行いたします。
・手続き完了後の発行や再発行はできません。
詳しくはヘルプページをご参照ください。
領収書に関するお問い合わせは、下記までご連絡ください。
<お問い合わせ先>
認定特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン・Yahoo!ネット募金係
メールアドレス:support@peace-winds.org
お問い合わせフォーム
皆さまからのご寄付は、保護犬の食費や医療費、高齢・病気・障害などで譲渡が難しい保護犬たちの飼育費(医療費・環境の整備費など)、犬舎や譲渡センターの維持・建築費、スタッフ人件費、災害救助犬・セラピー犬などの育成、正しい犬の飼い方や動物福祉の考え方を広めるための活動などに使わせていただきます。
【3,000円】保護犬1頭の血液検査ができます
【10,000円】保護犬1頭に混合ワクチンを接種できます
【15,000円】保護犬3頭分のドッグフード約1カ月分の支援になります
※PWJへの寄付は、寄付金控除の対象となります。
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※PWJ寄付金等取扱規程(2021年3月19日適用開始)
詳しくはこちら(PDF)
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更新日:2024/11/21
2024年10月8日、広島県からの要請を受けて、動物愛護センターから行き場のないワンコたちを助け出しました。野犬の子や、病気やけがをしている子、老犬や野犬の子犬たちがいました。その中に、肋骨(ろっこつ)が見えるほどガリガリに痩せていて、全身の毛を刈られている白いワンコがいました。
動物愛護センターで一定期間、飼い主を探しましたが見つからなかったそうです。ご飯を食べさせてもらえず、虐待のような環境だったのかもしれません。人が近寄ると身を守ろうとして、ずっと威嚇してほえ続けていました。
あまりに痩せていたため、動物愛護センターの職員さんは少しでも太らせようと、オヤツをあげながらお世話してくれていました。ピースワンコ・ジャパン プロジェクトリーダーの安倍 誠が犬舎に入ると、とても怖がってほえて威嚇していましたが、怖くないと分かったのかすぐにおとなしくなりました。職員さんからだけでなく、安倍の手からもオヤツを食べることができました。
「この子は人間が大好きになってくれそう。初めはすごく怖がっていたけれど、すぐに懐いてくれる。すごくいい子。次は最後まで、幸せにしてくれる人につなげたい」安倍は、ワンコにオヤツをあげながら、優しい口調で語りました。
ガリガリのワンコは、ピースワンコに保護されて「ダダ」と名付けられました。推定5歳の男の子です。ドライフードは消化できずに吐いてしまうので、朝夕2回、ふやかしたフ―ドとミルクを食べさせながら、お世話をしています。ようやく最近、少しふっくらしてお肉が付いてきました。幸せな第2の犬生を送れるように、大切にお世話を続けます。「ダダ」の引き出しの様子、ぜひ動画からご覧ください。
ピースワンコのオレンジ犬舎で暮らしているワンコの中に、12歳のおじいちゃん犬「レジェンド」がいます。「レジェンド」は2020年9月8日、推定8歳の時に保護されてピースワンコへやってきました。高齢で心臓病や気管支炎などの持病があるため、「ワンだふるファミリー」で皆さまに支えていただいています。
「レジェンド」は毎日の投薬と、バイタル検査が欠かせません。検査は、体温測定から始まります。体温計を肛門(こうもん)から入れて計測するので、違和感を軽減するためにキシロカインゼリーという表面麻酔剤を使います。
次に、血中の酸素濃度を調べるために、パルスオキシメーターという機器を使用してSpO2という値を測定します。機器につないだクリップを上唇につけるとき「レジェンド」は嫌がりますが、血中の酸素濃度が低い時はすぐ酸素吸入をしなければなりません。スタッフは「レジェンド」に優しく声をかけてなでながら、検査を頑張ってもらっています。
検査はさらに、心電図測定、血圧測定と続いていき、1日分の全検査が終わりました。「レジェンド」の少しの変化も見逃さないように、スタッフは「レジェンド」と一緒に毎日、この検査を繰り返しています。
寝たきりになって同じ姿勢が続くと、体が汚れたり床ずれができやすいので、スタッフは寝ている態勢を変えてあげたり車椅子に乗せたり、定期的にシャンプーやトリミングも行っています。
「一頭一頭にできることはすごく少ないと思うけれど、この一瞬一瞬が幸せだなって感じてもらえたらいいなと思ってお世話をしています」
「苦しい病気と闘っているので、いつまで生きていられるかわからないけれど、穏やかにずっと元気で過ごしてくれたらいいなと思います」
スタッフは「レジェンド」をなでながらそう語ってくれました。「レジェンド」が笑顔で暮らせるのは、皆さまのご支援と、限りない愛と真心のおかげです。本当にどうもありがとうございます。「レジェンド」の様子、ぜひ動画からご覧ください。
ピースワンコは広島県の要請を受けて、8年以上ずっと定期的に県内の動物愛護センターから殺処分予定の保護犬を引き出しています。譲渡につながりやすい小型犬や純血種のワンコは、他団体さんや個人で活動をしている方たちが引き出してくださるので、ピースワンコは、譲渡に時間がかかる野犬や、病気やけが、咬傷(こうしょう)犬など問題があってどこにも行き場がないワンコを保護しています。
2024年9月10日の引き出しの日、動物愛護センターの職員から一頭のトイプードルの保護を依頼されました。
どの団体からも引き取ってもらえなかったその子は、ケージ越しに触ることはできるけど、ケージの上から手を伸ばして触ろうとすると、本気でかみついてくる「咬傷(こうしょう)犬」でした。マイクロチップが入っていたため調べたところ、元の飼い主さんはすでに亡くなっていました。
ケージの上から手を差し入れたピースワンコ・プロジェクト リーダーの安倍誠は、どんなにかまれても決して動じずに、「大丈夫だよ。怖くないよ」と優しく声をかけ続けました。
「かむのはね、怖いから。人間だって初対面でこんな大柄な男性が近寄ってきたら、怖いよね」
安倍はそう語りながら、誰も触れなかったトイプードルにリードをつけて、ケージから出して動物愛護センター内を歩かせ、抱き上げます。抱っこも怖かったのでしょう、安倍の腕の中でブルブルと震えておびていました。
「全然触られてなかったのかな。なんか距離が遠い。はっきり言って、虐待みたいな環境だったんだろうね。かみ癖があるから、なるべくトラウマを与えないようにお世話して、これから人間を大好きになってもらおうと思います」
広島県内の動物愛護センターに入る犬のほとんどは野犬ですが、この子のようにもともと人に飼われていて何らかの事情で捨てられた犬たちもいます。どんなワンコも愛護センターに来る可能性はあります。
急に飼い主が亡くなって、気が付いたらおりの中にいて殺処分されてしまうなんて……。そんな出来事が決して起こらないようにしなければなりません。これからもどこかにワンコを救える場所がなくてはいけません。
「咬傷(こうしょう)犬」と呼ばれてどこにも行き場がなかったトイプードルは、ピースワンコの神石高原シェルターに迎えられ「旭(あさひ)」と名付けられました。「旭(あさひ)」は5歳3カ月、犬生はまだまだこれからです。
「旭(あさひ)」のように行き場がない犬たちもピースワンコに連れ帰り、愛情を込めて接して人を好きになってもらいます。どんな子の命もあきらめず、幸せな第2の犬生を過ごしてらえるように、私たちはこれからも活動を続けます。「旭(あさひ)」の様子、ぜひ動画からご覧ください。
ピースワンコで暮らす保護犬たちは、さまざまなトレーニングをしています。家族ができたときのために、実際にスタッフと一緒に暮らしてみることも大切な訓練です。
2024年8月のある日、1頭のワンコがお泊まりトレーニングをすることになりました。愛玩動物看護師の資格を持つスタッフ、石橋のおうちに泊まることになったのは、2019年11月26日に推定3歳でピースワンコに保護された、白いモフモフの男の子「アビゲイル」です。
ピースワンコ閉館の19時。犬舎にいる「アビゲイル」を石橋が迎えに来ました。「アビゲイル」は先日行ったばかりの病院へまた連れていかれると思ったのか、なかなか自分の部屋から出ようとしません。なんとか部屋の外へ連れ出して、クレートに入れて車に乗せ、石橋の自宅へ向かいます。
到着後、クレートを空けると「アビゲイル」は周りのにおいを嗅ぎながら、パッと出てきました。けれど、階段を前にして動かなくなってしまいました。野生で暮らしていた元野犬の保護犬にとって、階段はなじみがない異質な物体。警戒して怖がってしまう子が多いです。石橋は、体重約14キロの「アビゲイル」を抱っこして階段を上がりました。
部屋に入った「アビゲイル」は、初めての環境の中でソワソワしながらも、好奇心旺盛にあちこちを観察していました。「アビゲイル」は人懐こくて、お散歩もシャンプーも上手にできます。すぐにでも譲渡できる状態なのですが、右眼のけがのせいか、ピースワンコに来て約5年、まだ家族とのご縁がつながっていません。
石橋は「アビゲイル」のためにお水やごはんを用意して、部屋に設置しました。食べるのが大好きなのにもかかわらず「アビゲイル」は何も口にせず、隣で石橋が食事をしていい匂いがしても、全く動きません。
保護犬は警戒心が強いので、新しい環境に行くと、この場所が安全かどうか? 危険はないのか? など不安と緊張で、ごはんやお水を口にできず、トイレも我慢する子が多いです。そんな時に大切なのは、この場所は安全で怖くないことをワンコが分かってくれるまで「待つ」こと。
石橋はこの場所が怖くないことを分かってもらうために、無理に食べさせようとしたり構ったりせず、「アビゲイル」が慣れるまでそっと見守りました。
保護犬は、人に見られていると気になって食べられないけれど、人の目がないと食べられる子が多いです。「アビゲイル」も石橋がベッドに入った瞬間に一口食べ、石橋が寝ている間に、ごはんを食べていました!
ワンコは、人間と一緒に暮らすことで、少しずつ成長していきます。今年推定7歳の「アビゲイル」は、2024年8月31日、初めてお泊まりした石橋の元へ卒業していきました。「アビゲイル」のお泊まりの様子、ぜひ動画からもご覧ください。
2023年2月14日、一頭のトイプードルが殺処分寸前のところ、ピースワンコに保護されました。推定13歳のおじいちゃん犬「プラット」です。重度の歯周病で口の中がボロボロ。歯もありません。痛みはないようでしたが、歯周病の影響で下顎の骨が溶けて真っ二つに割れており、硬い物は食べられない状態。検査したところ、心拡大や僧帽弁閉鎖不全症、甲状腺機能低下症などさまざまな病気も抱えていました。
推測でしかありませんが、病気のせいで捨てられたのかもしれません。保護したその日から、スタッフの懸命な治療が始まりました。病気と高齢のせいか、里親希望のお声がかかることはなく、9カ月が過ぎようとしていたある時。「プラット」に新しい家族との運命的な出会いが起きました。
「プラット」に声をかけてくださったのは、北海道札幌市の動物病院。「プラット」が保護された7カ月後にピースワンコへやってきた、チワワの老犬「エア」に会いに広島まで来てくれた際、“2頭、家族に迎えたい”と「プラット」にもお申し出を頂戴したのです。「エア」も重度の腎不全や心臓病などさまざまな病気を抱えており、「プラット」と一緒に闘病生活を送っていました。
けれど、当時すでに「エア」の体は限界でした。それでもなぜか、この日だけは少し元気でした。「エア」はお申し出をいただいた直後、まるで「プラット」を託すことができて安心したかのように、虹の橋を渡っていきました。享年13歳でした。
2023年11月28日、「プラット」は「エア」がつないでくれた家族の元へ卒業していきました。現在「ぷー」と呼ばれて、とてもかわいがっていただいています。
『「エア」がいなかったら、この子と出会っていませんでした。きっとあの出会いはこの「ぷー」との出会いのためにあったんだなと。「エア」がつないでくれたご縁だと思っています』
『初めて保護犬と暮らして、犬との生活をイチから自分たちが作っていくというより、もともとあったものがどこかで崩れて保護犬になったワンちゃんがうちに来た時に、そこから新しい“犬生”が動き出すのを感じて感慨深かったです』
里親さまは、そう語ってくださいました。
『ベッドで「ぷー」が寝ている姿を見て、幸せが落ちてる、という気がしたんですよ。犬のカタチをした幸せがそこにいて。幸せって“感じるもの”だと思っていたけれど、カタチが存在するんですね。毎日が“特別”な感じです』
里親さまの深い愛情につつまれて、とても幸せそうな「プラット」。私たちはこれからも、一頭でも多くのワンコを「プラット」のように幸せにするために、活動を続けます。「プラット」の様子、ぜひ動画からもご覧ください。
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認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパンは、国際協力NGOとして多くの国や地域で難民や災害被災者などの支援に取り組み、国内でもさまざまな社会問題の解決に注力してきました。
中でも人と犬の助け合いを掲げて立ち上げた「ピースワンコ・ジャパン」事業では、2011年度に犬猫の殺処分数ワースト1を記録した広島県で、犬の「殺処分ゼロ」に向けた取り組みを続けてきました。殺処分対象の犬の保護・譲渡活動を通じ、これまでに2,200頭を超える保護犬を、里親様の元へ譲渡することができました(2020年6月末現在)。災害救助犬、セラピー犬、低血糖アラート犬などの育成にも力を入れています。
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