寄付受付開始日:2024/03/11
更新日:2024/09/11
2024年1月1日、新しい1年の始まりに起こった能登半島地震。
セーブ・ザ・チルドレンは被災地で支援活動を行っています。初動調査チームは2024年1月3日夜から石川県に入り、2024年1月4日より県内の行政や避難所を回り、子どもたちが必要としている支援を届け続けています。
被害は極めて甚大かつ広範です。長期にわたって子どもたちに寄り添った支援活動が必要な見通しです。一人でも多くの方の力が必要です。
私たちは活動において中心となるのは常に子どもたちであるということを大切にしています。物的支援だけでなく子どもたち一人ひとりのこころにも寄り添い、耳を傾けています。
私たちは活動において中心となるのは常に子どもたちであるということを大切にしています。物的支援だけでなく子どもたち一人ひとりのこころにも寄り添い、耳を傾けています。
<主な支援内容>
・行政機関や避難所において被災状況などでの情報収集
・避難所や子ども関連施設における衛生用品や子ども特有のニーズに対応した物品提供
・緊急時の子どもたちの安心・安全な居場所「こどもひろば」の設置
・緊急下の子どものこころのケア「子どものための心理的応急処置」に関する研修・情報提供
・学校給食の補食支援
・学校・子ども関連施設への物資・備品提供など
今後も、さらに各被災地域の避難所や、行政の子ども関係諸課、学校や放課後児童クラブ(学童保育)などの子ども関連施設を訪問し、子どもたちのニーズを把握し、必要な支援を届ける予定です。
▼「こどもひろば」とは
災害などの緊急時に、子どもたちが安心・安全に遊んだり、自分自身の時間を過ごしたりできる空間です。子どもたちは自然に感情を表現したり、共有していくことで、少しずつ災害のことを自分のなかで整理したり、理解していき、こころの安定につながると言われています。
2024年1月1日に発生した能登半島地震の影響を受ける子どもたちと家族への緊急・復興支援活動に活用させていただきます。
<想定している支援活動>
・子どもたちの安心安全な居場所「こどもひろば」の設置
・緊急下における子どものこころのケア「子どものための心理的応急処置(子どものためのPFA)」の情報提供
・子どもや子ども関連施設が必要としている物品・備品提供
・その他、学校での勉強や部活動など子どものまなびを支える活動 など
※支援活動は、被災地の状況に応じて変わる場合があります。
すべての支援プログラムにおいて、私たちは地域の関連団体や自治体と協力し、子どもたちが日常を一日も早く取り戻せるよう活動しています。
(当団体については、ホームページをご覧ください)
"#2024notopeninsulaearthquake"
更新日:2024/09/11
〇クローズアップレポート1 「能登半島地震」被災地の小中高生世代2,053人のアンケート調査を実施しました
2024年7月、被災地域の子どもたちに地震や復興についての思いを聴くため、小中高生世代を対象にしたアンケートを実施しました。
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「なぜ地震発生から半年もたっているのに水道が使えない所があるのか。」(能登町、高1、男)
「グラウンドや体育館が使えないから、小学校最後の年に、スポーツ少年団の活動ができなくて悲しいです。」(無回答、小6、男)
「まだまだ未来を担う若者は輪島に居ます。故郷を無くさないでください。お願いします。」(輪島市、高3、その他)
「どれだけ時間がたっても、何度も地震のことを思い出してしまいます。」(輪島市、中1、女)
「今、ぼくにできることはありませんか?」(珠洲市、小5、男)
※アンケート自由記述から一部を抜粋
※( )内は地域、学年、性別
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2,053人から回答があり、災害時に感じたことや、地域の状況、復興についての想いなどが寄せられました。「何を話したらいいかわからない」という声もありましたが、その理由のひとつは、子どもの声を聴く環境が整っていないことだと私たちは考えます。
私たちは今回のアンケート結果の速報版を、石川県知事、教育委員会、アンケートにご協力いただいた自治体などに提出し、今後の復興計画や防災計画に子どもたちの意見を反映したり、より積極的に子どもの声を聴く機会を設けることを提案しました。報告書を受け取った石川県の馳浩知事は「今後の県の取り組みの参考にしたい」と話しました。
今後、関係省庁や国会議員などにも報告する予定です。
地震の発生から8カ月以上が経過しました。
セーブ・ザ・チルドレンは今後も、支援活動を継続するとともに、子どもたちの声を社会に広く伝え、災害時における子どもの意見表明の取り組みを促進するよう働きかけます。
どうか、引き続き、地震の影響を受けている子どもたち、そして私たちの活動に関心をお寄せくださいますようお願い申し上げます。
●「2024 年能登半島地震子どもアンケート~震災から半年 いま伝えたい子どもたちの声~」アンケート結果報告書(速報版)はこちら(PDF)
〇クローズアップレポート2 輪島市で学校給食用・簡易食器支援
輪島市では、能登半島地震により小中学校の校舎や給食調理場なども被害を受けました。輪島市は大きく3つの地区(東部、中部、西部)に分かれますが、4月に輪島市教育委員会から、セーブ・ザ・チルドレンに中部地区と西部地区の小中学校へ給食用の簡易食器(使い捨て食器)の支援要請があり、1学期の給食提供に対応できる分の簡易食器の支援を行いました。
2024年5月から7月にかけて、毎回の給食で使うおかず皿、汁椀(しるわん)、割り箸などを子どもの人数分届けることができました。セーブ・ザ・チルドレンが給食の様子を見学に行ったところ、子どもからは、「(使い捨て容器について)厚手で持ちやすい、食べやすい」先生からは、「小学校が6校も入っているので、おぼんだけでも洗うのが手一杯な中、本当にありがたい」という声が聞かれました。
当初は迅速に手配するため、石川県外から食器を調達していましたが、2024年6月分からは地域経済活性化を考慮し、地元の業者から手配しています。教育委員会や学校と密に調整することで、今回のように、提供数が多くスピードも求められる場合であっても、迅速かつ臨機応変に支援を行うことができました。
私たちは引き続き、活動の中で聞いた声をもとに、子どもたちにとって必要な支援を、必要なタイミングで迅速に届けられるよう活動していきます。
〇数字で見る支援活動
・緊急子ども用キットなどの提供:のべ793人
・「こどもひろば」の実施:19回のべ200人
・屋外での「子どもの遊び場」の実施:9回のべ368人
・備品支援:32カ所3,084人
・給食補食支援:33カ所2,615人のべ30,934食
・給食簡易食器(使い捨て食器)支援:11カ所826人
・「子どものための心理的応急処置(PFA)」研修:4回のべ339人
※2024年1月~6月10日時点の実績
皆さまのご寄付が、子どもたちへの支援へと着実につながっています。
〇クローズアップレポート(1)屋外での子どもの遊び場を実施しました
・能登町での活動
2024年4月28日と5月5日の2日間、災害時の遊び場支援で連携している一般社団法人プレーワーカーズや地域で活動に協力してくれている方々とともに、能登町の公園で「子どもの遊び場」を実施しました。
子どもたちに人気だった遊びは、段ボールソリでの芝生滑りでした。「今日一番楽しかったのは、芝滑り!」と話す子もいるほど、たくさんの子どもたちが大きな公園にある坂を利用して何度も繰り返し滑っていました。
参加した子どもたちの保護者からは、「子どもは前日から楽しみにしていた。当日の朝も早く行く、絶対に4時まで遊ぶ! と張り切っていた」、「震災前から遊ぶ場所が少なかったが、ますますなくなった。本当にこういう場があって助かる」、「(外遊びから帰った夕飯は)いつもと何ら変わりない食事だったのですが、『今日のご飯、めっちゃおいしかった!』と。やっぱり、しっかり体を動かして遊ぶって大事なんだなと痛感しました。夜は想像に容易く、ぐっすり寝てしまいました。」などの声を聞くことができました。
大人が手を貸しすぎず、子どもたちが主体性を発揮し、思いきり遊ぶことができる場は、子どもたちとその保護者にとって、何物にも代えがたい、自分らしくいられる居場所となったようです。特に震災によって子どもたちが安心して過ごせる場所や時間がなくなった今、その機会を保障することの重要性が改めて感じられました。
・輪島市での活動
2024年3月31日と4月1日の2日間、災害時の遊び場支援で連携している一般社団法人プレーワーカーズや地域で活動に協力してくれる方とともに、輪島市の公園で「子どもの遊び場」を実施しました。
木にロープをつるして作ったブランコは子どもたちに大人気で、交代で押し合いながら、何回も楽しんでいました。ある子は、松ぼっくり拾いをしたり、小さなバッタを捕まえたり、虫の卵を発見したり、公園内の自然をめいっぱい楽しんでいました。
保護者からは、「仮設住宅の建設などで子どもの遊び場が限られているので、本当にありがたい」、「普段はこうしたら良いよと、道筋や答えを子どもに教えがちだった。子どもなりに工夫しながらどうやったらブランコを作れるか試行錯誤する姿をみて、自分も子ども時代にはむちゃなやり方でもこうやって遊んだことが楽しかったことを思い出した」などの声がありました。
〇クローズアップレポート(2)給食の備品を支援しました
能登町の共同調理場は全部で5カ所ありますが、そのうち4カ所では地震の影響により冷蔵庫や冷凍庫、回転窯、保管庫などが破損し、再開のためには、それらの備品の整備が急務とされていました。そこで私たちは、町内4つの小中学校に、共同調理場用の冷凍庫や食器棚を支援しました。
実際に給食が再開された学校に訪問した際、教頭先生からは、「初めて給食を出したときは歓声が上がっていました。温かい給食をみんなで食べられるだけで学校生活の楽しさが全然違います。」と、うれしい声を聞くことができました。
その他、栄養士の方からは、「大型の備品は倒れたり、足が折れたりしてダメになってしまいました。私たちも早くから給食をスタートできてうれしいです。」との声が聞かれました。
通常の給食が再開されることは子どもたちの栄養面はもとより、災害前の日常生活に戻るという点でも大きな意味があります。子どもたちにとって学校で温かい給食を食べる時間が、日常の中で、ふとリラックスできる時間となっていることを願います。
〇スタッフからのメッセージ
発災直後の2024年1月から現地に入り活動する中、いまだ倒壊した建物が残ってはいるものの、徐々に復旧・復興が進んできています。仮設住宅の建設や引っ越しも進む一方で、今までと違った環境やこれからの生活について子どもたちもそれぞれの不安や思いがあると感じています。そうした子どもたちのモヤモヤをくみ取り、今後の活動につなげていけるよう、引き続き地域に寄り添った支援を進めていきたいと思います。
私たちは引き続き、活動の中で聴いた声をもとに、子どもたちにとって必要な支援を、必要なタイミングで迅速に届けられるよう活動していきます。私たちとともに、地震の影響を受けている子どもたちを支えてください。
〇「こどもひろば」の開設
2024年1月7日から災害時の遊び場支援で連携している一般社団法人プレーワーカーズとともに、緊急時に子どもたちが安心・安全に過ごすことができる空間「こどもひろば」を実施しました。段ボールを何個もつなげて遊んだり、絵を描いてカルタを作ったり、粘土で好きなものを作ったり、ボールを投げたり、ゲームや輪投げをしたりして、思い思いの時間を過ごしていました。
2024年4月末までに、七尾市、珠洲市、穴水町、輪島市の避難所などでこどもひろばを19回実施し、のべ200人の子どもたちが参加しました。
<参加した子どもたちの声>
「今まで避難所でみんなで遊ぶことがなかったので楽しかった」
「久しぶりに会えていない友だちにも会えてうれしかった」
「またみんなと遊びたい」
<保護者の声>
「子どももストレスがたまっていたようだったので、走り回ったりできていて良かった」
「久しぶりに子どもたちが思いっきり遊ぶ機会ができて、うれしい」
「子どももずっと家にいるのも飽きていたようで、ここで来て友だちと遊べたのが良かった」
〇給食の補食支援
被災した地域では、学校再開後、徐々に簡易給食の提供なども始まりました。しかし、断水が続いていることに加えて、給食用の食材を準備することや調理場が被災し発災前と同じようなメニューを作ることが難しい地域もありました。
栄養バランスのとれた食事を子どもたちに提供したいという声を受け、各地域のニーズを確認しながら、牛乳やチーズ、ヨーグルト、ミックスナッツなどを穴水町、能登町、珠洲市、七尾市の小中学校や幼稚園・保育所へ提供しました。
牛乳とヨーグルトを届けた際には、「おいしい」「冷たい!」という声と一緒に、歓声もあがっていました。
〇その他子どもたちを支える活動
これまでに下記の支援を実施してきました。
・七尾市・穴水町・能登町・珠洲市・輪島市で子ども支援のニーズ調査を実施
・緊急下の子どものこころのケア「子どものための心理的応急処置(PFA)」に関する情報発信、研修の実施
・避難所などで緊急子ども用キット、ぬいぐるみ、衛生用品、衣料品などを提供
・小中学校、学童保育、幼稚園・保育所などに暖房器具やプリンター、学校給食の再開に必要な食器などの備品支援を実施
・放課後子ども教室、春休み一日保育で子どもを支える専門的人材サポートを実施
・子どもたちが屋外でのびのびと遊ぶことができる「子どもの遊び場」を実施
私たちは引き続き、活動の中で聞いた声をもとに、子どもたちにとって必要な支援を、必要なタイミングで迅速に届けられるよう活動していきます。私たちとともに、地震の影響を受けている子どもたちを支えてください。
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セーブ・ザ・チルドレンは、日本を含む約120カ国で子ども支援活動を行う、民間・非営利の国際組織です。1919年にイギリスで創設されて以来、100年にわたり、生きる・育つ・守られる・参加する「子どもの権利」が実現された世界を目指して活動しています。
このプロジェクトでは1回3,000円以上の寄付から領収書の発行が可能です。
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以上
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