寄付受付開始日:2024/04/18
更新日:2024/04/18
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所(NIBIOHN)の国際栄養情報センターの取組にご関心をいただき、厚く御礼申し上げます。
わが国は、世界の中でも自然災害によるリスクが高い国です。
地震や水害などによる大規模災害時、避難所生活が長期化すると、低栄養や栄養の偏りなどさまざまな栄養・食生活上の問題が浮上してきます。また、乳児や高齢者、食物アレルギーを持つ方などでは配食された食事が食べられないこともあります。
しかし、災害発生直後では傷病者の治療が優先され、食事・栄養の問題は後回しにされることが多いのが現状です。せっかく助かった命を、避難所で健康を損ねいわゆる災害関連死を招いてしまうことなど、あってはならないことです。命をつなぎ健康を維持する根本である食事に、目を向ける事が重要です。
災害に伴うこのような栄養問題や健康被害に対処するために、国際栄養情報センターは、「日本初の災害と栄養を専門に研究する政府関連組織」として、国際災害栄養研究室を2018年4月に発足させました。
災害多発国としての経験や、そこから得られた教訓からエビデンス(研究)の構築を行い、それを基にガイドラインや政策提言につなげ、災害時の後方支援などのアクション(社会実装)を実施する、“エビデンス to アクション”を目指しています。
私たちは、災害時に繰り返される低栄養・栄養格差・健康被害を減らし、日本の災害だけではなく、世界の災害支援にまで及ぶグローバルヘルスへ貢献することをミッションとして研究を進めて参ります。
日本国内での研究成果を発信するために、国立の機関として私たちは国からの運営交付金や公的な競争資金を活用しています。いずれも年度単位や期限付きの予算となっており、安定的・継続的に優秀な人材と研究開発資金を確保するためには、このような国からの資金だけでは賄いきれない現状があります。
そこで、皆様からのご寄付が当研究室の維持管理や研究開発の大きな支えとなります。
私たちは、日本国内のみならず、世界へ日本の知見を発信するため、食・栄養に関する課題に取り組むべく日々、研究や開発職務に全力を尽くしております。この研究が安定して続けられる様、ご支援のほど、何卒よろしくお願いいたします。
国立健康・栄養研究所 所長 瀧本秀美
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所
災害時の栄養問題とは?
災害時の食の問題には、「量」の不足と「質」の問題があります。
急性期の避難所では食事が足りないことも多く、食事は炭水化物に偏りがちで、魚介類や肉類、乳製品などのたんぱく質や野菜が不足しがちなのです。
さらに、高齢者や乳児、妊産授乳婦、食物アレルギーや慢性疾患を患っている方など「要配慮者」と呼ばれる方は、このような配られた食事すら食べられないという問題もおこります。その他、被災した外国人や障がい者などへの対応も被災時には問題となってきます。
しかし、家庭備蓄はなかなか増えません。家庭備蓄を増やすための方法も研究を行っています。
10年の研究で行き着いた場所
東日本大震災の避難所で、ご高齢の男性が疲れ切った顔で炊き出しを受け取り、地べたに座って一人でうつむきながら食べる様子を見たとき、「これは、食事とは言えない」と感じました。
食事が栄養素を満たしているのは当然のこととしても、メニューが豊富で食べる楽しみがあったり、食卓を囲んで会話をしながら楽しく食べたりという側面は、食事におけるプラスαの要素ではなく、生きるうえで欠かせない要素なのです。避難所だからといって諦めて良いものではありません。
私たちは10年ほど災害と栄養というテーマで調査研究を続けてきましたが、10年を経て、災害と栄養というのは特殊なテーマではなく、私たちの日常的な食の問題がぎゅっと詰まっていることが見えてきました。
海外に学びたい避難所の風景
イタリアの避難所は、1~2家族で入る個別のテントが用意され、ザコ寝をしないようにベッドも設置されます。これとセットで、トイレ、シャワー、それにキッチンカーのコンテナも配置され、早い段階である程度の生活ができるようになります。
その日のうちに温かいパスタが提供され、場所によってはワインを出す避難所もあるそうです。食堂も設置されて、被災した方も、行政やボランティアのスタッフも、誰もが一緒に食事をとることができるのです。
日本では、今後30年以内に70%~80%の確率で南海トラフ地震など巨大地震が発生するとされています。まず各家庭での備蓄は必ずしていただきたい。そして、私たちは、イタリアも参考にしつつ、日本の経験を踏まえ、災害時に適切な食の支援が迅速にできるよう、災害時用のメニューの普及や食品の開発、食の支援の仕組みを整えることにも着手しています。
日本から世界へ 社会実装
災害時の栄養問題ゼロに。日常を奪われた方々が、せめて食事だけでも美味しいと感じられる状況を作りたい。地域密着型の研究を重ねて、社会実装へつなげることが私たちの使命だと考えています。
これを実現するため、災害食に関する国際規格化(ISO規格)をわれわれが中心となり進めています。日本には世界で類を見ない災害食の認証制度があります。この日本がリードする災害食を国際標準にすることで、いざという時に世界中で食に困る人を救うことができます。国際規格があれば、海外からの支援要請にも応えやすくなります。
2023年2月のトルコ・シリア地震でも協力要請がありました。例えば食事制限がある慢性疾患患者に対応したメニューをスピーディーに作成するなどし、海を渡って現地で日本の災害食が活用されました。日本と異なる食文化への対応は今後の課題のひとつとなる、と感じています。
また、この災害食は宇宙食と共通点が多いこともわれわれの研究からわかってきました。日本の災害食を国際規格にすることで、未来の宇宙での食を支えることにもつながると考えています。
日本で培った経験とデータに基づいたエビデンスを、海外にも発信する事。人と人による助け合いと相互理解が、始めは小さなアクションでも、未来の平和を作ると信じています。
ご支援、ご協力をお願いいたします
国立の機関として私たちは国からの運営交付金や公的な競争資金を活用していますが、いずれも年度単位や期限付きの予算となっており、安定的・継続的に優秀な人材と研究資金を確保するためには、このような国からの資金だけでは賄いきれない現状があります。
そのような中、皆様からの寄付が私たちの健康を守り、継続的な研究にとっての大きな支えとなります。
この機会に、国際栄養情報センターが日々行っている活動を知っていただき、募金という形で皆様にご支援をお願いしたいと思います。
■領収書(受領証)の発行について
当研究所への寄付金は、「特定公益増進法人」へのご寄付として、税制上の優遇措置が認められています。
なお、当研究所は「領収書」に代わる書類として「受領証」を発行しております。
1回3,000円以上のクレジットカードによるご寄付で、領収書の発行を希望して寄付された方に、受領証を発行いたします。
※お手続きの際に「領収書を希望する」のチェックボックスにチェックを入れてください。お手続きが完了した後での発行希望(再発行含む)への対応はできませんのでご注意ください。
※当研究所からの受領証発行時期:4半期に1回の頻度で発行いたします。
※受領証の日付は、お客様の寄付手続き日ではなく、当研究所への入金が完了した日(原則として寄付手続き日の翌月末日頃)です。
詳しくはヘルプページをご参照ください。
受領証に関するお問い合わせは、下記までご連絡ください。
<お問い合わせ先>
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 戦略企画部戦略企画課
電話:072-641-9832
メールアドレス:fundraising@nibiohn.go.jp
本プロジェクトに寄せられたご支援は、国際栄養情報センター 国際災害栄養研究室の維持管理や研究・開発、支援活動などのために、以下のような形で活用させていただきます。
1)社会実装に向けた研究費としての活用
災害時も含め日々の健康を維持するべく、社会実装に向けた研究を行っており、そのための研究費として活用いたします。
2)優秀な研究者、研究支援者の確保
センターの研究者・研究支援スタッフの雇用安定、新たな優秀な研究者の確保に活用いたします。
3)データ収集と、被災地への支援
災害時、被災地への効果的支援とデータの収集をするために活用いたします。
4)研究支援体制の充実、研究の情報発信・普及活動
当該研究への支援をより一層充実させるためのPR活動などに活用いたします。
更新日:2024/04/18
研究の進捗は、随時、弊所ホームページに掲載しています。
ご覧いただきながら、災害食や宇宙食研究の「育ての親」として応援いただければ幸いです。
国際栄養情報センター 国際災害栄養研究室
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国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所(NIBIOHN)は、『医薬品等に関する専門性(メディカル・サイエンス)』と『栄養・食生活及び身体活動等に関する専門性(ヘルス・サイエンス)』を融合した研究を行っており、国民の健康の保持増進に資する研究を行っています。
このプロジェクトでは1回3,000円以上の寄付から領収書の発行が可能です。
※クレジットカードでの寄付に限ります。詳しくはヘルプページをご参照ください。
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所のプライバシーポリシーは、https://www.nibiohn.go.jp/nibio/information/pdf/k_kojinjyouhoukanriR4_13.pdfをご覧ください。
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