寄付受付開始日:2023/04/17
更新日:2024/05/10
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所(NIBIOHN)の薬用植物資源研究センターの取組にご関心をいただき、厚く御礼申し上げます。
薬用植物と言っても皆様にはなじみがないと思われるかもしれませんが、薬用植物は、漢方薬に代表されるように、古来より医薬品などの原料として活用されてきました。また、漢方薬に限らず、西洋医薬品の研究・開発においても自然由来の薬用植物は創薬資源として現在も重要な役割を果たしています。
海外依存の影響
しかしながら、そのほとんどは、中国をはじめとする海外からの輸入に頼っており、薬用植物などから製造される生薬の国内自給率は10%程度となっています。
経済安全保障という言葉をお聞きしたことがあるかもしれませんが、今、国内に現存する薬用植物は資源としての重要性が高まってきています。私たちは、薬用植物を国内における大切な資源・財産ととらえ、自給率を高めつつ必要な時に活用できるようにするとともに、後世に伝えていくことが責務と考えています。薬用植物資源研究センターはそのために資源収集と研究に日々励んでおります。
一方、国立研究開発法人として、私たちは主に国からの運営交付金や公的な競争資金を研究費として利用していますが、いずれも年度単位や期限付きの予算となっており、安定的・継続的に優秀な人材と研究開発資金や施設維持費を確保するには、国からの資金だけでは十分でない現状があります。そのような中、皆様からの寄付が当センターの維持管理や研究開発の大きな支えとなります。
私たちは、薬用植物をとりまくさまざまな課題に取り組むべく日々、研究や開発職務に全力を尽くしております。この資源維持や研究が安定して続けられる様、ご支援のほど、なにとぞよろしくお願いいたします。
薬用植物とは?
薬用植物は、古くから「くすり」そのものとして、医薬品となる化合物や漢方の製造原料・創薬資源として、人々の健康に大きな役割を果たしてきています。そして現在では「くすり」以外でも機能性を有する食品、化粧品などの原料として、世界各国で活用されています。
世界中にはさまざまな植物があり、その中には薬としての潜在的な価値を持っているものがまだまだたくさんあると考えられます。これまでにもこのような未利用薬用植物資源の研究から、新しい抗がん剤などが見いだされており、漢方薬に限らず、今後も新しい薬が発見されることが期待されます。
さらに、組織培養、遺伝子組換えやゲノム編集などの新しい技術の発展によって、薬用植物自身に含まれる有効成分の量を増やしたり、新しい有効成分を作らせたりするなど、薬用植物の新しい利用の可能性も広がっています。
薬用植物資源研究センターはこんなところです。
薬用植物資源研究センターは、薬用植物に関する国内唯一の総合研究センターとして、薬用植物の栽培・育種に関する技術、化学的・生物学的評価に関する研究開発を行っています。
国内3カ所の研究部で植生に応じた4,000を超える種・系統の薬用植物を栽培・保存しており、各研究機関に種苗・植物エキスの供給や栽培技術の指導などを行っています。
北海道研究部(名寄市)
北方系薬用植物を中心に、栽培研究と優良品種の育成を推進しています。アイヌ民族が利用した植物も収集しています。
代表的植物は、ダイオウ、ゲンチアナ、カンゾウ、オウギ、モッコウなど。
筑波研究部(つくば市)
全研究部の中心的役割を担っており、主に応用研究やスクリーニングプロジェクトを行っています。
薬用植物資源(種子、生薬標本など)の保存、化学的、生物学的評価、バイオテクノロジーや遺伝子技術を用いた研究を推進し、センターの中心施設としての機能を果たしています。植物エキスライブラリーの作製と提供も実施しています。代表的植物はマオウ属、ミシマサイコ、シャクヤクなど。
種子島研究部(鹿児島県熊毛郡)
熱帯・亜熱帯植物の保存と栽培技術の研究を行っています。
南方系薬用植物を中心に、栽培研究と収集・保存を推進し、3拠点の中で最も多数の植物種・系統を保有しています。代表的植物はニッケイ属、ウコン属、インドジャボク、ホソバセンナなど。
さらに保有する重要薬用植物の生育特性、栽培法、関連生薬、漢方処方などを網羅した「薬用植物総合情報データベース」の一般公開を行っています。
薬用植物を取り巻く課題~もし薬用植物が自給できなくなると何が起きるのか~
薬の製造に欠かせない薬用植物。当センターは外国との種子交換業務(63カ国約400機関)を、1949年に開始し現在も継続しています。
しかし近年、国際情勢(名古屋議定書、植物防疫強化、ロシア・ウクライナ戦争など)の影響により導入数・提供数が激減。国際条約などにより、国外からの薬用植物種苗入手が困難となっています。
現在、薬用植物などから製造される生薬の国内自給率はわずか10%です。経済安全保障の上でも国内自給率上昇は製薬業界の大きな課題となっています。
昨今の不安定な国際状況を鑑みるに、仮に何らかの有事が発生し、その輸出が止まった場合、私たちが日々使う漢方や、病院で治療に使われる医薬品の製造が滞り、私たちの生活に大きな支障を来すことが想定され、救える命も救えなくなるという事態が生じ得ます。
植物の維持管理そのものが難しくなっています
1) 国内3研究部での4000系統以上の薬用植物の維持管理が大変
・熱帯〜亜寒帯原産のさまざまな薬用植物(草本、木本、1年生、多年生など形も栽培方法もさまざま)を少人数で維持管理しています。
・生物多様性条約などの国際条約により、海外から新たに薬用植物資源を導入するためには、政府間交渉が必要になり、費用も莫大(ばくだい)になる可能性があります。
2)光熱水費が上がり1.5〜2倍になっており、薬用植物資源研究センターの維持そのものが難しくなっている
・熱帯・亜熱帯植物は、温室で維持することが必須です。
・根や茎などいろいろな部位に分けて製造した植物エキスについては1万点以上をマイナス20℃にて保管管理することが必須です。
世界各地の薬用植物の試験管内での維持・増殖や植物エキスの保管、閉鎖型温室での薬用植物の育成には多額の光熱水費が必要であり、現在の光熱水費の急上昇がこれらの維持管理に大きな負担となっています。
皆様の寄付が大きな支えとなります。
上記のような事態を生じさせないためにも、当センターは入手が困難な多数の薬用植物種・系統を保有し、研究資源として広く提供してきました。また、栽培研究の成果を栽培指針として発刊し、情報を囲い込まず広く国内外に発信。栽培拡大に大きく貢献しています。
育種技術では、新旧技術による医薬品に適した薬用植物の品種育成を積極的に推進し、植物バイオを活用した優良株育成と新品質評価法で、新しい品種の産地育成や社会実装化を目指して取り組んでいます。
創薬資源としての植物エキスライブラリーからは、創薬候補の探索を主導し、産官学民の壁を越えた支援を行っています。
国立の機関として私たちは国からの運営交付金や公的な競争資金を活用していますが、いずれも年度単位や期限付きの予算となっており、安定的・継続的に優秀な人材と研究資金を確保するためには、このような国からの資金だけでは十分ではない現状があります。
そのような中、皆様からの寄付が私たちの資源/財産を守り、継続的な研究にとっての大きな支えとなります。
この機会に、薬用植物資源研究センターが日々行っている活動を知っていただき、募金という形で皆様にご支援をお願いしたいと思います。
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 薬用植物資源研究センター
■領収書(受領証)の発行について
当研究所への寄付金は、「特定公益増進法人」へのご寄付として、税制上の優遇措置が認められています。
なお、当研究所は「領収書」に代わる書類として「受領証」を発行しております。
1回3,000円以上のクレジットカードによるご寄付で、領収書の発行を希望して寄付された方に、受領証を発行いたします。
※手続き完了後の発行や再発行はできません。
※当研究所からの受領証発行時期:4半期に1回の頻度で発行いたします。
※受領証の日付は、お客様の寄付手続き日ではなく、当研究所への入金が完了した日(原則として寄付手続き日の翌月末日頃)です。
※Vポイントによるご寄付の場合は、受領証発行の対象外ですのでご留意ください。
詳しくはヘルプページをご参照ください。
受領証に関するお問い合わせは、下記までご連絡ください。
<お問い合わせ先>
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 戦略企画部戦略企画課
電話:072-641-9832
メールアドレス:fundraising@nibiohn.go.jp
本プロジェクトに寄せられたご支援は、薬用植物資源研究センターの維持管理や研究開発のために、以下のような形で活用させていただきます。
1)実用化に向けた研究費としての活用
薬用植物などを用いた新たな薬の開発や実用化に向けた研究を行っており、そのための研究費として活用いたします。
2)優秀な研究者、研究支援者の確保
センターの研究者・研究支援スタッフの雇用安定、新たな優秀な研究者の確保に活用いたします。
3)知的財産(特許など)の確保と維持
薬用植物品種や薬用成分に関する知的財産を確保・維持するために活用いたします。
4)研究支援体制の充実、研究の情報発信・普及活動
当該研究への支援をより一層充実させるためのPR活動などに活用いたします。
5)施設建物の維持・管理
敷地内の貴重な資源/財産を守るための、設備・システムなどに活用いたします。
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更新日:2024/05/10
【植物エキスの応用例】
1)京都大学CiRA(妻木研究室)・富山大学医学部との取り組み成果
「変形性膝関節症の治療薬」
わらびに含まれるpterosinBという化合物が変形性膝関節症の症状を緩和することを発見
2)国立感染症研究所との共同研究
「坑エンテロウイルス」
アボカドの果肉に含まれるAvoeninという化合物が小児のぜんそくや気管支炎を引き起こすエンテロウイルスの増殖を抑える作用があることを発見
3)神戸大学との共同研究
「抗C型肝炎ウイルス」
ノニの葉に含まれるpheophorbide aという化合物が肝臓がんの原因の一つであるC型肝炎ウイルスの侵入や増殖を抑える作用があることを発見
研究の進捗(しんちょく)は、薬用植物資源研究センターホームページでお知らせしています。
ご覧いただきながら、薬用植物研究の「育ての親」として応援いただければ幸いです。
※当募金ページに記載の内容については、プロジェクトオーナーが責任を負っており、LINEヤフー株式会社が責任を負うものではありません。詳しくは免責事項をご覧ください。
※本ページの「プロジェクト概要」「活動情報」「寄付金の使いみち」に掲載のリンクは、外部サイトに移動します。
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国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所(NIBIOHN)は、『医薬品等に関する専門性(メディカル・サイエンス)』と『栄養・食生活及び身体活動等に関する専門性(ヘルス・サイエンス)』を融合した研究を行っており、国民の健康の保持増進に資する研究を行っています。
このプロジェクトでは1回3,000円以上の寄付から領収書の発行が可能です。
※クレジットカードでの寄付に限ります。詳しくはヘルプページをご参照ください。
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所のプライバシーポリシーは、https://www.nibiohn.go.jp/nibio/information/pdf/k_kojinjyouhoukanriR4_13.pdfをご覧ください。
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以上
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