寄付受付開始日:2019/11/19
更新日:2025/07/07
エイズに影響を受ける子どもたちの未来を支えるために、シングルマザーの自立を応援してください。
エイズ孤児支援NGO・PLASは、「エイズに影響を受ける子どもたちが未来を切り開ける社会を実現する」ために2005年に設立された国際協力NGOです。アフリカのケニアとウガンダで活動しています。
エイズによって取り残された子どもたち
「エイズ孤児」とは、エイズによって片方の親もしくは両親を失った18歳未満の子どもです。世界のエイズ孤児は1220万人、PLASが活動するケニアとウガンダにはそれぞれ50万人を超えるエイズ孤児が暮らしています。
子どもたちは親をエイズで失い、家庭の貧困によって学校に通うことが難しくなります。さらに、周りからの差別や偏見によって、「自分には価値がない」と自己肯定感を持てずに大人になる子どもたちも多くいます。
近年では、エイズ治療薬の普及によって、両親ともにエイズで失う子どもたちは減ってきました。
けれども、夫をエイズで失い、HIVとともに生きながら子どもを育てるシングルマザー家庭の困窮が大きな課題です。
HIV陽性のシングルマザーたちは体調が安定せず、十分な収入を得られる仕事につくことは簡単ではありません。
そのため、子どもたちは学校に入学することはできても、卒業・進学することができずに中退を余儀なくされてしまいます。
また、ケニアとウガンダでは、ひとりひとりの子どもの状況に寄り添い、進学や人生の計画を立てる「キャリア教育」の機会が限られています。
そのため、子どもたちは将来を計画することが難しく、保護者は子どもの進学や成長発達のために必要なサポートができずにいます。
PLASは、こうした課題に直面する子どもたちが未来を切り開いていけるように、(1)「生計向上支援」と(2)子どもと保護者を対象とした「ライフプランニング支援」の2つの事業を柱に活動しています。
(1)生計向上支援: シングルマザーの「より良い暮らしをつくる力」を応援
生計向上支援では、シングルマザーたちがスモールビジネスを立ちあげ、安定した収入を得るための初期投資や研修プログラムを届けています。
その地域に合ったビジネスを考案し、シングルマザーたちのスキルアップと生計向上をめざしています。
ウガンダでは、野菜の栽培・販売と、カフェビジネスを、ケニアでは野菜と果樹を組み合わせた農業ビジネスを展開しています。
生計向上支援でカフェを開いたサリマさんは、3人の子どもを育てるHIV陽性のシングルマザー。
はじめは引っ込み思案で自信がない様子でしたが、おいしい料理が評判となり、やがて常連のお客さんも生まれ、少しずつ収入をのばしてきました。
そうして、彼女に笑顔と自信が生まれ、現在はPLASの支援から独立してお店を切り盛りしています。
(2)ライフプランニング支援: 子どもと保護者が「将来を計画する力」をつける
現地でカウンセラーを育成し、子どもと保護者それぞれにカウンセリングのセッション(全7回)を届けます。セッションでは、子どもたちはカウンセラーとともに将来の目標を具体的にし、そのための勉強や進学の準備を計画します。
また、地域で活躍する教師や看護師、警察官などさまざまな職業の大人の話を聴くことができる「キャリアトーク」も開催。子どもたちが将来のロールモデルをみつけるきっかけを作っています。
保護者には、子どもの成長・発達にあわせて必要となるサポートや、親子の関係性を育むコミュニケーションのしかたや、進学に向けた情報を届けています。
事業に参加した子どもたちは、保護者との関係が良くなり、成績が伸びたりキャリア設計力を身につけたりと、将来に向けたポジティブな変化が生まれています。
子どもたちが未来を切り開ける社会はつくることができる
生計向上支援とライフプランニング支援を届けることで、子どもたちが
(1)学校に通いつづける
(2)自分に価値があると感じる
(3)将来を前向きに計画できる
(4)より健康に生活できる
という4つの変化を目指しています。
こうした変化は、日本からのご支援によって実現できます。
みなさまのご支援をお待ちしています。
エイズに影響を受ける子どもたちの未来を支えるために、ウガンダとケニアでの「生計向上事業」と「ライフプランニング事業」および地域のHIV陽性ユースや医療機関への支援事業に大切に使わせていただきます。
具体的には、受益者がスキルアップするための研修やワークショップの開催費、自立に必要な初期投資(機材などの購入費)、スタッフが活動するために必要な交通費や人件費などに充てさせていただきます。
●活動報告
更新日:2025/07/07
2022年の5月からおよそ2年間実施された養鶏による経済的自立と相談・カウンセリング支援、英語名HOPE(Household Improvement for Orphans by Poultry activity and career Empowerment support )プログラムが2024年6月に無事終了しました。
HOPEプログラムはケニアのホマベイ郡ビタ準区で、現地NGO団体ビアジェンコをパートナー団体として実施されました。
地域の中でも貧困にあるひとり親家庭から、小学校6年生を育てている家庭、鶏小屋と飼育スペースがある家庭、2年間の研修やモニタリング、カウンセリングに熱意をもって取り組める家庭など、複数の基準からビアジェンコがプログラムに参加する家庭を絞り込み、プログラム前調査、全体オリエンテーションを経て、2022年にプログラムがスタートしました。
カウンセリング、養鶏研修、会計研修、鶏育成ステップ、もりだくさんな2年間
PLASによるカウンセラー育成研修を経て、カウンセラーとなったビアジェンコスタッフたちは、まず各家庭の保護者と子どもたちとの関係性づくりを実施します。
全7回にわたる個別カウンセリングをはじめとし、2年間のプログラム期間中、ずっと継続して家庭訪問や養鶏のアドバイスなどを行うため、関係性がもっとも大切になってくるためです。
プログラム期間の前半は関係性づくりを含め、まず子どもたち、保護者への個別カウンセリングを月に1回ゆっくりすすめ、併せて、地域の中でさまざまな職業についている大人たちを紹介するキャリアトークを子どもたちに実施したり、中高等学校や技術学校の進学就学情報を保護者に提供したりと、精神面を含めて進学の準備を進めていきました。
中盤から後半にかけては、養鶏や会計の研修、鶏小屋の設置、そしていよいよひよこの搬入・育成・販売と、養鶏による経済的自立も実施していきました。
プログラム前後の比較調査
2年間のプログラムにより、見えてきた変化は大きく3つ。
一つ目は家庭の生計向上で、プログラム参加前に平均835シル(約986円)であった週の収入は、平均1,061シル(約1,253円)と1.27倍に増加しました。
また、プログラム開始時には半数しか貯蓄を行っていませんでしたが、プログラム後調査では有効回答者全員が貯蓄を実施できており、平均残高も増加傾向にありました。学費の支払い状況も改善傾向にあり、プログラム開始時には学費支払いを行えない人もいましたが、終了時には遅れつつも全プログラム参加家庭が学費を支払うことができていました。
二つ目は家族間でのコミュニケーションの向上です。プログラム終了後の調査では、より多くの子どもたちが保護者が学業面でのサポートをしてくれていると回答したり、心や体の相談を行いやすくなったと回答しています。
三つ目は自己肯定感の大幅な向上でした。保護者ではプログラム開始前の2.7(最大値5)から終了時には3.7、子どもでは2.0(最大値5)から4.2へ、2倍以上の違いが生まれました。
これは各カウンセリングや鶏の世話、さまざまなプログラム内アクティビティを通して、保護者や子どもたちが小さな成功大賢を重ねていった上に生まれてきた自信が大きく関係しているように思います。
例えば、子どもたちは他の子どもたちへの英語の絵本の読み聞かせを通して、人前での発表の苦手意識がなくなったり、英語の練習とともに使用することへの自信を持てたりしています。2年間、小さなことを積み上げてきた中で、最終的に大きな違いが生まれてきているのです。
「次の挑戦もしてみるつもり」プログラム終了後も自身で挑戦を続けるお母さん
プログラム終了後3カ月たってから、参加者のベアトリスさんを訪ねました。
迎え入れてくれたおうちの居間のソファには、「ここを巣にしてしまったの。」と、鶏の卵が8個。ちょうど出かけていましたが、母鶏が家の中で卵を温めていました。
鶏販売もですが、卵の販売も軌道に乗ってきたベアトリスさん。近所にもベアトリスさんのおうちの地鶏とその卵は有名になってきており、今朝もすでに卵を買いに3人が訪れていました。
プログラム終了後に自分で活動を続けることは容易ではありません。
しかし、すでに生活の一部に養鶏がなじみ、ベアトリスさんは次の目標も持っています。
「HOPEプログラムで、子どもとのコミュニケーションと鶏について学びました。学んだことを使い続ける、ということも学びました。私は養鶏事業をもっと大きくしていくつもりです。」
次はBleeding potを購入し、生後1日のひなを購入し1カ月になるまで育ててから販売する、ひよこ販売に挑戦したいと言います。
「もっと(商売を)大きくできると思います」と静かに言い切るベアトリスさんのお顔は、きっぱりとした自信に満ちあふれていました。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
私たちがパートナー団体ヴィアジェンコとともに活動する、ケニア共国西部ホマベイ郡ビタ準郡ゲンベ地域。アフリカ最大の湖、ヴィクトリア湖に面した地域で、漁業が盛んな地域です。他にも農業や家畜飼育、まき・木炭売りなどの小規模ビジネスをして人々は暮らしています。
地域にはエイズで父親が亡くなった孤児とHIV陽性のシングルマザー家庭や貧困家庭がたくさんおり、経済的な理由、親の理解不足から小学校の留年や中退の課題を抱えています。小学校さえ卒業できず、「自分はなにものにもなれない」と考え、子どもも保護者も、将来のめどを立てることができないでいます。
そこでわたしたちは、2022年3月より新たな事業を開始しています。その名も「HOPE」。(英語表記ではHousehold Improvement for Orphans by Poultry activity and career Empowerment support (HOPE))
HOPEでは、二本柱でプロジェクトを実施します。一つは、ライフプランニングのためのカウンセリングなどを提供すること。二つ目は、養鶏ビジネスにより貧困家庭が収入を得て、自立することで、教育費をねん出し子どもが学校に通い続けることができるようにすることです。
私たちが支援を通じて実現したいのは、貧困などにより小学校さえ卒業できず、「なにものにもなれない」と将来を前向きに考えられない子どもたちや、子どものために何をしてあげればいいのか困っている保護者たちが、前向きに将来を考え、計画し未来を切り開けるようにすることです。
これまでもカフェ開業などさまざまなスモールビジネスやカウンセリングを通じて子どもたちとその保護者を支援してきました。
その中で、最初は自信を持てずにいる保護者が自信を得て、子どもに積極的にかかわれるようになり、子どもの教育や将来を前向きに考えられるようになってきました。そうした保護者の変化とカウンセリングの支援により、子どもたちも得意な教科を見つけたり、家で勉強をするようになったり、卒業までのイメージや進学の希望を持つことができるようになります。
HOPEでも、こうした変化をつくっていきたいです。
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エイズ孤児支援NGO・PLASは、アフリカのケニアとウガンダでエイズに影響を受ける子どもたちの支援に取り組んでいます。これまで1900名の子どもたちとシングルマザー260家庭に支援を届け、2万6000名の地域住民にエイズ教育を届けてきました。
第2回ジャパンSDGsアワード外務大臣賞(2018年)、エクセレントNPO課題解決賞(2019年)などを受賞。
このプロジェクトでは領収書の発行をおこなっておりません。
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