寄付受付開始日:2020/04/03
更新日:2021/12/14
世界中で感染が広がっている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、特に保健医療システムが整備されていない貧困諸国においては、壊滅的な被害をもたらすだろうと予測されています。
私たちADRAが事業を行っているネパール連邦民主共和国も医療体制が整っておらず危機的な状況に置かれています。
現在確認できている感染者数は少ないものの、ネパール国内で新型コロナウイルスの感染検査ができる場所は首都カトマンズにある1施設だけ。感染症に対応できるだけの医療体制が整っているとはいえません。国全体の感染状況が把握できないうえに、拡大してしまうとネパールの医療システムが崩壊する恐れがあります。
ADRA Japanは1989年からネパールで形成外科医療チーム派遣事業やお産センターの建設などさまざまな支援活動を実施してきました。現在は、ネパール西部のバンケ郡で新生児・小児保健環境の改善事業を行っています。
バンケ郡には約56万人が住んでいます。医療インフラや物資の不足はもちろん、基本的な感染防止行為である手洗いやうがい、咳(せき)エチケットなどの普及が不十分で、郡全体が感染リスクの高い地域です。
郡には48カ所の公立保健医療施設(ヘルスポスト)がありますが、設備・物資ともに十分とはいえず、保健医療施設にもかかわらず手洗い用の石鹸(せっけん)さえ足りていません。バンケ郡の中心にある州病院であっても、保健医療従事者らに必要な防護服が不足しており、大きな袋をかぶって代用しています。
このような状況の中、ADRAはまず感染予防のための啓発活動、そして保健医療施設への感染症対策のための物資支援、医療従事者への研修を検討しています。
具体的には以下の事業を計画しています。
1.感染予防のための啓発活動
ネパールでは情報伝達の手段としてラジオが一番多く利用されています。しかしながら、ラジオを通して、『手洗い、うがい、咳(せき)エチケット』といった感染予防についての情報が伝えられることはありません。
集まった資金をもとに、これらの基本的な予防行為の重要性を知らせるメッセージをバンケ郡全体に流します。
さらに、保健医療施設を通して、感染予防の啓発教材を配布します。
※約45,000円で啓発メッセージをバンケ郡全体に流すことができます。
※約50,000円で啓発教材を1,000部印刷できます。
2.48カ所の保健医療施設への感染症対策のための物資支援
石鹸(せっけん)、マスク、手袋、非接触体温計といった必要物資を支援します。
※約65,000円で、530個の石鹸(せっけん)を配布できます。
※約300,000円で、7,400個の保健医療従事者用マスクを配布できます。
※約310,000円で、692箱の医療従事者用手袋を配布できます。
※約320,000円で、820個のN95マスクを配布できます。
※約510,000円で、68個の感染症を拡大させるリスクの少ない非接触体温計を配布できます。
3.保健医療従事者への研修
新型コロナウイルス感染を調べるためには採取した検体をカトマンズに輸送する必要がありますが、多くの保健医療従事者は検体の採取方法も知りません。感染症対応に必要な基本的な研修も必要です。
皆さまのご支援により多くの人々を感染から救うことができます。事態は一刻を争います。
ご協力をよろしくお願いします。
募金受付期間延長のお知らせ
現地での支援ニーズが強いこと、また募金が目標金額に達していないため、募金受付期間を延長いたします。
(2020年9月18日更新)
支援中のネパールは感染拡大が続き、日本よりもはるかに悪い感染率となっている。現地からの支援ニーズは常にあり、また弊団体の活動は現地メディアからも注目されているため、募金受付期間を延長いたします。
(2020年12月17日更新)
ネパール国内の感染状況が急激に悪化し、医療システムが正常に機能していない状況です。病院が新型コロナウイルス感染者で埋まり、熱中症などの軽症の患者が死亡してしまうような事態が発生しています。引き続き、皆さまのご支援を賜りたく、募金受付期間を延長いたします。
(2021年5月12日更新)
いただいたご寄付はネパールにおける新型コロナウイルス対応の支援活動に必要となる費用に使わせていただきます。
なお、ご寄付のうち最大20%を運営費(事務所の管理運営費、調査活動のための費用など)として活用させていただきます。
#新型コロナウイルス緊急支援
#新型コロナウイルス支援_医療福祉
#新型コロナウイルス支援_海外
更新日:2021/12/14
ネパールではさまざまな努力により、子どもの死産率(流産や出生時の死亡)が、1,000人中14人まで改善していました。ところが、新型コロナウイルスの感染拡大とロックダウンの影響により、この数字は1,000人中21人まで増えてしまっています。
7月7日の新型コロナウイルスの新規感染者数は、2週間ぶりに2000人を超え、保健医療のひっ迫状態も続いており、支援が必要とされています。
ADRA(アドラ)ではこの状況を受けて、保健医療施設への支援や、隔離施設・自宅療養者への支援、ネパールの保健医療サービスにおいて重要な役割を果たしている女性地域ヘルスボランティアさんへの支援に向けて、準備を進めています。
現在、こちらのYahoo!ネット募金でいただいている資金約48万円は、すでに支援活動に活用させていただき、2021年7月8日は、ネパール南部ネパールガンジ市の保健所に以下の物資を届けることができました。
・マスク2箱
・手袋(5箱)
・体温計 10本
・パルスオキシメーター 1つ
ネパールガンジ市ではマスクは20箱、体温計は50本など、まだ多くの物資を必要としていましたが、そのうちの一部を今回届けられましたことを、心より感謝申し上げます。
現地駐在員の大西は今日も別の地域に、同様の物資を運び届けていますが、大西は元看護師ということもあり、その物資がどれほどの命を守ることになるか身をもって知っています。
『救える命は救いたい。コロナ禍で死産が増加するネパールで奮闘する元看護師・駐在員の想い|認定特定非営利活動法人ADRA Japanのストーリー・ナラティブ|PR TIMES STORY 』
こちらの記事もぜひ合わせて
お読みいただけましたら幸いです。
ADRA Japanは昨年、Yahoo!ネット募金を通して皆さまからいただいたご寄付と、ADRAへ直接いただいたご寄付を、ネパールにおける新型コロナウイルス対策の支援活動に使わせていただきました。
少し落ち着いたかに見えたネパールでの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行でしたが、インドでの爆発的な感染拡大に連動するようか動きで、今年4月半ば以降は急激に感染者数が増えています。その勢いは驚異的で、5月1日から6日までの期間で、1日あたりの新規感染者数が平均12倍以上の増加が見られています。(CNN.co.jpより)
日本でもさかんに報道されているように、隣国インドは新型コロナウイルスの感染急拡大に歯止めが利かずり、ネパールでも特にインドとの国境に位置する地域や首都周辺での感染例が増えています。
ネパール国内において、インド国内で確認されているウイルス変異株の出現も既に確認されております。途上国の医療体制は脆弱(ぜいじゃく)であるにもかかわらず、コロナ禍により医療崩壊に近い状態にあります。
ADRAが活動しているバンケ郡のベリ病院では、新型コロナ感染者により治療スペースがなくなり、熱中症などの軽症者が死亡してしまう事故も起こっています。
医療物資なども大変不足しています。感染拡大を一刻も早く収束させることが急務です。
新型コロナウイルス軽症者用の療養施設の開設が各地方自治体で進められてはいますが、血中酸素飽和度を測定するためのパルスオキシメーターや酸素吸入器が圧倒的に不足しています。
バンケ郡で新型コロナウイルス重症者が入院するベリ病院では、新型コロナウイルス病棟やICUが満床の状態が続き、個人用防護具(PPE)も不足していることから多くの病院職員も感染してしまっています。
引き続き、ネパールでの新型コロナウイルス対策の支援活動にご協力をよろしくお願いいたします。
ネパールでの感染状況が急激に悪化しています(2020年10月16日時点)
ネパールでの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行は急速に拡大を続けており、10月15日時点での累計新型コロナウイルス感染者数は121,745人に達しました。
これは、日本の感染者数90,710人(10月15日時点)を大幅に上回る数値です。人口が日本の4分の1を下回るネパールで日本以上の感染者を出していることや、感染者の増加ペースが増していることから事態は非常に深刻であることが分かります。
日本の外務省による感染症危険情報においても、7月21日付でレベル3(渡航中止勧告)に引き上げられ、現在に至ります。
医療体制が脆弱(ぜいじゃく)なネパールでは、感染症の流行を最小限に留めるために3月23日以降、全土で厳しいロックダウン(外出禁止)措置が取られていました。
しかし、長らく続くロックダウンによる経済的な打撃もあり、段階的に規制措置が緩められました。その結果、今では特に首都カトマンズで感染症が広がっています。
8月より、外出する際はマスク着用が義務付けられるようになり、着用していない者は100ネパールルピー(約90円)が課されることになりました。
新型コロナウイルス感染症の疑いのある人々は、地方自治体により運営される隔離施設に収容されますが、医療物資の不足に加え、食料供給や生活必需品についても十分に整備されていません。
また、婦人用衛生用品も備えておらず、女性や女児の尊厳を守るための環境にありません。
隔離施設では感染防止策が不十分であり、隔離施設内で感染してしまう可能性も否めません。
ネパールにおける新型コロナウイルス感染による死亡者数は694人であり、累計感染者数と比較して特に多いわけではありません。
しかしネパールでの現在の医療体制では、人工呼吸器を必要とする重症例になると救命率が大変低くなるとの意見もあります。
新型コロナウイルス感染症は、ネパール経済だけではなく幅広い分野に影響を及ぼしています。
教育機関の施設や校舎などは隔離施設として使用され、ネパールの子どもたちは3月から通学できていません。妊産婦健診も含めた保健医療施設への受診者数も減少しており、施設出産ではなく家庭分娩が増え、死産も増えたと報告されています。
このような状況を早急に改善するため、ネパールでの新型コロナウイルス感染症の流行を収束させる必要があります。
引き続き皆さまの温かいご支援をよろしくお願いいたします。
皆さまのご支援による活動が現地メディアでも報道されました(2020年9月12日)
ネパールでは新型コロナウイルス感染症対策として地域ごとにDCCMC(District COVID-19 Crisis Management Committee)が設置され、対策の中心的な役割を果たしており、検査所や隔離施設の監督指導を担っています。
検査キットの在庫が残り数個となってしまったとバンケ郡のDCCMCから急な要請を受け、検査キット・消毒液・陽性者隔離施設用デジタル体温計を支援しました。
支援活動は現地メディアにも取り上げられました。
詳細はこちら(記事はネパール語)
こちらの記事では、ADRAが医療機関に対して医療用品その他を提供したことが掲載されています。これまでは、医療従事者、公務員、セキュリティ担当者、および新型コロナウイルス感染症対応の最前線にいる人々を支援してきたこと、今回はより一般に近い人々への支援となることが説明されています。そして、ADRAネパールのプロジェクト責任者であるヤムラジカドカのコメントとともに、これまでの詳細な支援実績と物資提供先についての記載で締めくくられています。
皆さまのご寄付によるADRAの活動は、現地でも非常に頼りにされています。現地の物資不足は深刻で、今回提供された検査キットも引き渡し後すぐに検査待ちの人々に使用されました。
引き続き、ネパールでの感染拡大を抑えるための活動にご協力をよろしくお願いいたします。
新型コロナウイルス検体の採取に関する研修を実施しました(2020年6月1日)
ADRA Japanは、Yahoo Japan ネット募金を通して皆さまからいただいた寄付を、新型コロナウイルス対策の支援活動に使わせていただいております。
2020年6月8日時点でのネパール連邦民主共和国内の新型コロナウイルス陽性者数は3,448名となっています。
2020年6月1日には、バンケ郡の検査技師17名を対象に新型コロナウイルス検体の採取に関する研修を実施しました。
検査技師たちは、検体を採取する際に必須となる防護服の適切な着用方法について実習を行いました。
現地での医療資材などは不足しており、再利用できる防護服などを使用しなければならず、特別な配慮が必要です。
実際に検体採取キットを使用し、検体採取の方法や、検体を採取した後のキットの取り扱い方法、検査室への運搬方法についても学びました。
講師らは、特に検査技師自身を感染から守るために注意すべき点について、繰り返し説明しました。
研修の参加者らからは「これまで郡内に新型コロナウイルス感染症が流行してから、検体採取に不安があったが、今後は自信を持って取り組める」との声が聞かれました。
医療体制が整っていないコミュニティーでの感染拡大を一刻も早く収束させるため、引き続き皆さまの温かいご支援をよろしくお願いいたします。
ネパールでの活動および状況のご報告(2020年5月15日 時点)
当プロジェクトにご寄付いただいた皆さまに心から御礼申し上げます。
4月末に、ベリ州病院および隔離施設を運営する4カ所のヘルスポストに対して、ご寄付いただいた資金をもとに現地購入した医療資材を配布しました。
提供した物資は、サージカルマスク、石鹸(せっけん)、サニタイザー、手袋、ゴーグル、ガウン、N95マスクです。
5月14日時点で、ネパール全土で246名の陽性者が出ております。5月10日に活動規制が一度緩和されましたが、再び全国的に規制が厳しくかかりました。
ADRA Japanの事業地であるバンケ郡では、本日までに33名の陽性者が記録されています。同郡が隣接するインドの陽性者は8万人近くにのぼっており、緊迫した状況が続いております。
現地の医療機関では、まだまだあらゆる物資が不足しています。
引き続き、皆さまのご支援をよろしくお願いします。
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ADRA Japanは、人間の尊厳の回復と維持を実現します。
ADRA(アドラ)は、Adventist Development and Relief Agencyの略称で、途上国や災害被災地において開発支援や緊急支援活動をおこなう国際NGOです。世界最大規模の世界約130カ国に支部を持ち、人種・宗教・政治の区別なく、自然災害や紛争の被災者、医療を必要としている人々、教育を受けられない女性や子どもに対する緊急支援や自立を目指した活動をおこないます。
このプロジェクトでは領収書の発行をおこなっておりません。
Facebookコメントで寄付先への応援をお願いします
記入された応援のコメントは、寄付先団体およびYahoo!ネット募金の広報・宣伝活動(記者会見やプレスリリースでのご紹介等を含む)に 使用させていただく場合がございます。
ご了承の上、コメントを記載いただきますようお願いいたします。(2020年9月23日追記)
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