未曽有の災害があった福島から変革者を育てる

寄付受付開始日:2017/03/01

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中高合同運動会

ふたば未来学園

プロジェクト概要

更新日:2023/12/28

地元の課題に向き合い、課題解決に向けた実践を通して自らの生き方を見いだします

開校後9年目になりますが、これまで本当にたくさんの皆様のご支援に支えられながら、教育活動を進めることができました。皆様のお気持ちに心より感謝申し上げます。卒業生も6期生が旅立っており、さまざまな分野で活躍しております。ひとえに皆様のおかげです。本当にありがとうございます。

少しずつ少しずつ復興が進んでいますが、福島県双葉郡は依然東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故による地域住民の避難が長期化する一方で、避難が解除された町でも若者の帰還が進まず少子高齢化が加速しているとも言えます。福島の復興には30~40年かかるとも言われる厳しい状況に変わりはありません。

「哲学対話」を通じて解のない問に向き合います。

このような中、ふたば未来学園では、震災と原発事故という、人類がこれまで経験したことのない災害を乗り越え、直面する「解のない課題」を解決し、新しい生き方、新しい地域、新しい価値を創れる「変革者」の育成を目指しています。そのため、高校生が地域課題解決の実践に取り組む「未来創造探究」という授業を柱とした、特色のある教育活動を実施しています。

生徒たちは、原子力災害の教訓を伝えていくツアーの企画や、地域の農家と連携した商品開発など、さまざまな実践に取り組みながら、課題を乗り越えていく力を磨き、自分が福島とどう向き合って生きていくか、考え続けています。

地域の課題を発見するためにフィールドワークを行います。
地元の良さに触れています。

開校以来仮校舎での学習が続いていましたが、2019年春にようやく校舎が完成し、同時に併設する中学校を開校して中高一貫教育校となりました。冒頭の写真は、中高合同運動会の時のもので、学年の枠を取り払って中学1年生から高校3年生までが分かれて実施した様子です。

今でも厳しい環境ではありますが、レスリング部の生徒が世界一になったり、バドミントン部がインターハイ全国大会で優勝したりするなど活躍しています。その一方で、大会などに参加する際の生徒の自己負担額は、他の高校に在籍する生徒に比べて著しく高額となってしまいます。卒業生も若く、地域の企業も復興途上である中、後援会による支援も難しい状況にあります。

全国中学校バドミントン大会(全中)で優勝しました。
全国高等学校総合体育大会バドミントン競技大会(インターハイ)で優勝しました。

寄付金の使いみち

新設校である本校は、通常の学校には整っている物品などが不足している上、立ち上げたばかりの同窓会や後援会からの財政的な支援は難しい状況にあります。
いただいたご支援は、書籍や実験・実習器具、部活動の備品類の整備に使わせていただきます。また、近隣の学校が原発事故後に休校となったため、試合の度に数10キロ離れた他校へ赴かなければならない部活動の活動費などに使わせていただきます。

 "#311企画これからもできること"
”#311いまわたしができること人材育成を支援”
”#311いまわたしができること子どもたちを応援”
#311寄付はチカラになる

活動情報

更新日:2023/12/28

未来創造探究発表会の進展(2023年12月28日更新)

ふたば未来学園では探究学習に力を入れています。
開講当初から演劇教育に力を入れている本校では、「ふたばの教育復興応援団」である演劇家平田オリザ先生のご指導をいただいています。

生徒は高校入学後、双葉郡の各町村でフィールドワークを行い、地元の方々の営みや困難な状況に触れ、インタビュー活動を通じて葛藤や悩みなどを知ります。その後、学んだことを生かした演劇を20の班に分かれて創作し発表します。中学生も双葉郡のフィールドワークや演劇ワークショップ、哲学対話などの特色ある教育により、地域や世界に貢献したいという志が育ってます。

20班全班がインタビューしています。
高校1年生全員が演じた後の記念写真です。

その後、これらの課題の解決のために、個人・グループで探究活動「未来創造探究」を行います。県内外、国内外の人との交流をしながら、地元の課題解決がさまざまなことにつながっていることに気づくことで、大きな学びが得られています。

また、先輩から後輩への教育効果も加わり、年を追うごとに内容が充実しています。今年も地域の方々や、保護者、教育関係者にもご来場いただく「未来創造探究発表会」を開催しました。

各分科会で発表しています。
全体会の様子です。

卒業生からは、このようなふたば未来学園での経験が、地元を大切にする気持ちにつながっているという言葉を多く聞きます。また、地元自治体や企業に就職するために戻ってくる卒業生が少なくありません。地元の方々の思いが未来の人材育成につながっていることを実感します。

生徒と対話いただいた後、講師の先生方との振り返りをしています。

活動報告(2022年2月22日更新)

▼「変化や交流が生まれるカフェ」立ち上げに挑戦
「地域を知る・伝える・盛り上げる」ことを目的として、生徒たちが校舎内に誰もが利用できるカフェを開店し、活動に取り組んでいます。コロナ禍で活動が大きく制限される中で、店舗名や店舗ロゴの開発、ケーキや焼き菓子の製造、子供たち向けのイベント開催など、生徒主体で活動しています

▼演劇部が作品のオンライン配信に挑戦
2016年に演劇部員が自分たちの震災体験を元に創作したオリジナルの舞台『数直線』を、震災から10年がたったことを踏まえて当時と現在の部員たちが協力しリメークしました。

しかしながら、新型コロナウイルスの猛威により上演を断念。「なんとか作品を完成させたい」という思いから、ミーティングを重ねて脚本を書き直し、オンライン演劇作品として配信しています。

部員たちは「東日本大震災をそばに感じている人にも、知らない人にも、知りたい人にも、いろいろな方々にご覧いただきたい」と話してくれました。

▼未来創造探究発表会の開催(2021年9月25日)
生徒たちが地域課題解決の実践に取り組んできたプロジェクトの成果を発表する「未来創造探究 生徒研究発表会」を今年も開催しました。

今年もさまざまな地域復興の実践が生まれ、高校3年生の全58プロジェクトの中から、最優秀発表賞には「鉄たまごという地域の可能性」と題して、原子力災害やコロナ禍で人の居なくなってしまった海岸の砂鉄を利用して、あえて福島県で古代に行われていた製鉄の手法で鉄たまごを作り出し、新たな特産物を作り出そうと挑戦した生徒たちが選ばれました。

試行錯誤しながら古代の製鉄炉を制作する過程で、地域復興に加え、CO2による環境負荷や鉄分補給による健康増進などさまざまなことを考えていました。

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プロジェクトオーナー

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ふたば未来学園

東日本大震災および東京電力福島第一原子力発電所の事故による避難から、12年が過ぎました。帰還する双葉郡の子供たちのために、2015年4月に開校しました。さまざまな困難を乗り越えるために、特色のある教育に挑戦しています。全生徒が地域の課題に向き合い、課題解決のための探究学習に力を入れています。

福島県広野町に本校が開校して今年で9年目です。2019年4月に新校舎が完成し、中学校が併設され中高一貫校となりました。

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