寄付受付開始日:2016/03/04
更新日:2023/12/27
はじめまして、私たちは、岩手県大槌町吉里吉里で、森林業を行っている「吉里吉里国」という団体です。
「吉里吉里国」の原点は、震災から立ちあがるために、がれき廃材から薪(まき)を生産し、販売した活動が始まりです。
震災の翌年からは、森林の間伐材から薪(まき)の生産を始めました。
森林の現状を目のあたりにしていた時に、今私たちだけが手がけられるだけでいいのか、自己満足だけで終わっていいのか? と思うようになりました。
自分や今の仲間たちがこの世を去ったら終わる活動ではなく、もっと未来を見据えて引き継いでいくことも必要だと感じ、次世代を担う人材の育成事業が始まりました。
「森林教室」の運営を継続するために支援してください。
大槌町は、震災後初めての国勢調査で、岩手県で一番人口減少率(23%)が大きい町という結果となりました。前回の調査から、約1/4の人口が減ったことになります。
大槌町は、現在人口10,700人の小さな町ですが、大槌町に住んでいる私たちは、大きな夢と希望をもって、大槌町を震災前よりも、もっと、美しい町にするために頑張っています。
地域の子どもは地域の大人が育てる。
子どもたちは、美しい町を取り戻すための宝です。
東日本大震災の津波が、町をのみこむ姿をこの子どもたちは知っています。黒い泥水と化した津波が、道路を、畑を、車を、家をのみこんでいく様を目のあたりにして、心の底にみんな、言い知れない恐怖を感じたり、これからまたいつかくるであろう津波に向け、防災・減災の取組みも始められています。
自然は到底太刀打ちできない脅威をもたらしますが、同時にさまざまな恵みや楽しくワクワクできる発見や学びを得られる場所でもあります。
森の中で、海を見つめ、自然と触れあい、心も癒やされていく体験を通して、地域の魅力を五感で感じ、自分の一部として糧にしていく学びの場が私たちが行う「森林教室」です。今、ここで暮らす子どもたちに必要です。
私たちはこれからも提供していきます。
これからも継続して子どもたちに提供していくために、みなさまのご支援をお願いします。
皆さまからいただきましたご寄付は、主に以下の目的にて活用させていただきます。
・講師への謝礼と交通費
・森林教室のための森林整備の人件費
・森林整備機材の維持費
"#2023.311"
#311寄付はチカラになる
#311企画これからもできること
更新日:2023/12/27
例年の夏とは違い、2023年はここ大槌・吉里吉里でも猛暑の夏となりました。そんな中、夏休み恒例となった「地域で育てる子ども教室」で、木工作&薪わり体験会を吉里吉里国で担当し、元気いっぱいの子どもたち約40人が集まりました。
室内で木工作体験
今回はトンカチとくぎを使って組み立てる本棚や引き出しを作りました。トンカチを初めて使う子が多くいましたが、丁寧に一つずつくぎを打ち込んでいき、少しずつ形が見えてくる楽しさを感じながら製作しました。
屋外では薪(まき)わり体験
涼しい室内の一方、炎天下の庭では、薪(まき)わり体験が行われました。暑さ対策や水分補給を十分に取りながら、数人ずつ屋外へ。ドキドキ体験のスタートです。
。吉里吉里国では薪(まき)わり体験を始める前に、必ず安全講習を行います。
斧(おの)の持ち方や安全な振り下ろし方など、気を付けることを説明し、プロ仕様の重い斧(おの)を一人ずつ持ち、いよいよ丸太に向き合います。
そもそも、この薪(まき)わり体験は、震災後のがれき廃材を薪(まき)にすることで生業の創出につなげ、心も立ち上がることができたきっかけでもある、当法人の根幹にある活動です。
「震災直後、多くの悲しみに押しつぶされそうになった時、斧(おの)を振り下ろす瞬間は何もかも忘れ"無"の心になった。"無心"になることができて、前を向こうと思えるようになった」体験です。
この体験は、吉里吉里国の定番メニューとして老若男女に提供しています。"斧(おの)を振り下ろす"という単純な動きをすることで、"割れた"か"割れなかった"か、という短時間で結果が目に見えて明確です。実にシンプルな体験なだけに、面白い奥深さもあり、ハマるのは子どもだけではありません。
時間を忘れ、木と向き合う面白さを体感した時間になりました。
できることが一つ増えると"自信"になり、また次のチャレンジへと広がっていきます。自然を受け入れること、向き合うことで、また一つ成長した1日となりました。
2022年夏、吉里吉里公民館にて木工教室を開催し、約25名の子どもたちが集まりました。
吉里吉里国では森林保全整備活動も手がけており、その作業から産出された枝や木の実などを材料にした木工作体験を開催し、森の魅力を引き継いでいく取組を行っています。
木材と言っても、さまざまな個性があり、針葉樹の杉と広葉樹のケヤキでは、手触りや密度、硬さが違います。削ると独特の匂いがして、いろいろな個性を目で、手で、鼻で感じとることができます。
たくさんの中から、自分が「これだ!」と感じた木片を選び、どんな絵を描こうか、どうやって形を作っていくか、想像力を働かせ、作りあげていきます。この作業は、子どもの好奇心を刺激し、心の成長はもちろん、周りの大人にもたくさんの驚きをくれます。
この日は、屋外では、まき割り体験を行いました。斧(おの)を持つ前には、安全指導を行います。危険が伴う作業であること、斧(おの)の持ち方や振り下ろす方向、周りに気を使うことなど、しっかり子どもたちの目を見て伝えることで、子どもたちの背筋も伸び、緊張感に包まれました。
斧(おの)を振り下ろし、思ったように割る作業。子どもでもコツをつかむことができれば、割れるようになります。丸太の上下や節などを見ながら、自分の体と向き合いながら、試行錯誤を繰り返し、向き合います。
割れた時の快感、斧(おの)を使えたことの喜びは、学校の教室では得られない学びの場です。
「震災直後、がれきをまきにする作業があったことで、悲しみから立ち上がることができた方が多くいます。吉里吉里国は斧を振り下ろすまきづくりから始まりました。」という話もしながら、まき割り体験を進めていきました。
さまざまな活動を通して、震災というネガティブな印象の伝承に留まらず、そこからの復興の様子や立ち上がった思いとその行動も一緒に伝えていきます。豊かな自然とともに生きていくことの素晴らしさを体感できる場も続けていきたいと思っています。
講師の謝礼の他、森林内の整備や備品のメンテナンスなど、安全に運営するための活動費に活用させていただいています。
これからも続けていくために支援をお願いいたします。
世の中が少し落ち着いてきた2021年秋、岩手県大槌町の沿岸エリアに位置する吉里吉里にある海の見える森で、ツリークライミング体験会が開催されました。計45名の参加者が集まり、子どもたちの楽しむ声が響き渡る1日となりました。
森林に入ることが非日常な現代で、木にぶら下がっているロープに身を任せ、海からの潮風を感じ、木々が織りなす音と波の音を耳にする、豊かな自然資源が体感できる貴重な場所でした。見慣れた海も、木の上から眺めると格別な景色に見えるのです。
新型コロナウイルスはここ日本の片隅の集落にも、影響を及ぼしました。コロナ禍で移動が制限される中、屋外である森林で、密にならない距離が保て、安心して楽しむことができる、この地域ならではの「海が見えるツリークライミング」が注目されました。今まで続けてきた私たちの活動がすこしずつ地域に受け入れられ、認められるきっかけにもなったのです。
数年前に始まった新たな生活様式が定着しつつある今、全世界でおこっている災害に加え、これからも想像を超える壁が私たちの前に立ちはだかることがあると思うのです。そんな時、足元に目を配ってみると、そこには大地に根を張った草花が咲き誇っているかもしれません。そしてそれを愛でる心を持ち続けたいと強く願っています。
講師の謝礼の他、森林内の整備や備品のメンテナンスなど、安全に運営するための活動費に活用させていただいています。これからも続けていくために支援をお願いいたします。
2018年から、整備した森林を活用した森林教室のプログラムを追加しました。ツリークライミング(C)です。
三陸沿岸はリアス海岸で森と海が隣り合わせにあります。この場所では木に登って海が一望できる珍しいロケーションです。海風を感じながら木に登る体験は、子どもたちの心にしっかりと刻まれる体験になるでしょう。
ツリークライミングジャパンの提供するツリークライミング(C)は、木と友達になることを目的とした体験です。木を傷つけないようにロープシステムを設置し、木にあいさつをしてから、サドルとヘルメットを装備、結び方を教わって自分の力で登っていきます。森の中から海へ子どもたちの笑い声が響き渡り、最後にはありがとうと抱きしめて帰っていきます。
都会や内陸ではできない、この地域ならではの体験を通して、自然とともに生きていることを体感してもらうことで、これからもここで暮らしていきたいと思う子どもたちを増やしていきたい。震災があっても立ち上がる人の背中を見て、復興が進む町並みの中でたくましく育つ子どもたちの生きる力を伸ばす学びの場です。
講師の謝礼の他、森林内の整備や備品のメンテナンスなど、安全に運営するための活動費に活用させていただいています。これからも続けていくために支援をお願いいたします。
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代表:松永いづみ1979年生まれ。東京都出身。保育科を卒業後、高校から始めたダンスの世界へ入り、インストラクターを経て、2010年青年海外協力隊員としてアフリカマラウイに渡る。東日本大震災の1年後に帰国し、復興支援員として岩手県釜石市で支援活動後、地元の方と結婚し、大槌町に移住。2017年から吉里吉里国事務局に携わり、2023年夏、理事長に就任。NPO法人吉里吉里国は、震災後、森林の価値に気づき、林業を通じて地域復興を目指すため、初代理事長芳賀正彦が設立。現在は森林保全整備活動、間伐木材などの有効活用、薪(まき)の生産と普及、森林を取り巻く地域とその人材の育成、内外交流促進などを手がけている。
このプロジェクトでは領収書の発行をおこなっておりません。
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