原発による避難を経た南相馬市小高区に、ビジネスを創り出す!

寄付受付開始日:2016/03/04

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避難区域のJR小高駅前にある「小高ワーカーズベース」に立つ和田さん

株式会社小高ワーカーズベース

プロジェクト概要

更新日:2021/02/24

原発事故避難区域の「100の課題」から「100の事業の創出」することで、帰還住民の生活再建を目指す南相馬市小高区の社会起業家

(株)小高ワーカーズベースが拠点を置く南相馬市小高区は、東日本大震災に伴う原発事故により全域が避難区域に指定され、全住民が今もなお避難生活を送っています。2016年4月の避難指示解除を目指し、国も行政も除染や復旧作業に取り組んではいるものの、解除後の小高区での暮らしに対して多くの住民は悲観的に考えています。

その理由のひとつは住民帰還の見通しにあります。平成27年1月~3月に南相馬市が実施した住民意向調査によると、小高区への帰還を決めている住民は全体の約14%であり、そのうち一人世帯または高齢者(65歳以上)が約55%となっています。「近所が誰も戻らない」「利便性が著しく落ちる地域に高齢者だけで暮らせない」といった状況や考え方が、帰還率をさらに下げるという悪循環に陥っています。
この悪循環を断ち切るためには、住民の暮らしを支えるサービスの再開、あるいは創出が不可欠だと考えております。しかし事業再開の意欲のある事業者は早々に避難先に移転してしまっており、残る事業者も、顧客となる住民や働き手が不在の町で事業を再開しようと考えている者はほとんどいないというのが実情です。5年にも及ぶ避難により、地域を支えるサービスや活動を生み出し地域を盛り上げるべきプレイヤーが流出してしまい、あとは賠償金や補償金に頼って静かに余生を過ごしたいと考える高齢者ばかりが地域に残ることになります。

除染作業が続くが、「除染が不十分」との声も

このような状況を打破すべく、2014年5月に「小高ワーカーズベース」という事業を立ち上げました。目指しているのは、小高区に帰還する、または帰還を検討している住民の暮らしを支えるビジネスの創出です。
そのためにまず始めたのがコワーキングスペースの運営を通じた住民や来訪者の拠点づくりです。JR小高駅前に電源やWi-Fiが使えるオフィススペースを設置し、作業やミーティングができる環境を整備することにより、事業や活動を生み出す拠点として住民だけでなく来訪者にも活用していただけるようになりました。

食堂「おだかのひるごはん」は3月で「卒業」

拠点を置くことで、現場の課題やニーズが見えるようになりました。小高には数千人の除染者復旧作業員がいるものの、地域の飲食店やスーパーなどが再開されておらず、昼食の調達が困難な状況にありました。その課題を解決すべく、2014年12月、震災後は小高初となる食堂『おだかのひるごはん』をオープンしました。
作業員の食事環境を改善するだけでなく、住民が避難先から集うことによってコミュニティ再生の場としての役割も果たすようになりました。また、再開の意思がなかった他の飲食店が再開を目指して準備を始めるなど、事業者の帰還の呼び水としても機能しました。居抜きでお借りしていた店舗のオーナーも帰還を決めましたので、『おだかのひるごはん』は役割を終えたとして3月11日をもって閉店することにしました。

仮設スーパー「東町エンガワ商店」で元気に働いています

2015年9月には南相馬市からの業務委託を受けて仮設スーパー『東町エンガワ商店』を開設しました。再開のめどが立っていない地域のスーパーやコンビニエンスストアに代わって日用品や食料品を販売するのが目的です。現在は復旧工事や除染作業に従事されている方の利用が多いのですが、生鮮食品や酒類など品ぞろえを充実させるとともに帰還準備を進める住民の利用も増えつつあります。

「小高ワーカーズベース」の仮設作業所で、地元の女性がHARIO社ガラスアクセサリーを制作

2015年11月には、ガラスメーカー『HARIOランプワークファクトリー』社の協力を得て『HARIOランプワークファクトリー小高』としてガラスアクセサリーの生産・販売を始めました。避難区域に若者が戻らない本質的な理由は、彼らにとって魅力的な仕事・職場・働く環境がもともと少ないというのが大きいと考えています。
この事業を通じ、特に女性にとって魅力的な仕事・職場・働く環境を創出することで、女性が集まって働く風景を避難区域に生みだし、それにより「小高に若者は戻れない」という諦めの気持ちを覆し、住民に希望を持ってもらうことを目指しています。

工事が進むJR小高駅前

以上のように、これから避難指示解除を迎える小高区に、人が暮らすために障害となる課題が仮に100あるとするならば、それらを解決するビジネスも100件創出していきたいと考えております。そして世界史上、誰も成し遂げていない原発事故避難区域の再生を果たすことで、日本人の底力とこれからの社会の在り方を世界に示したいです。

寄付金の使いみち

「HARIOランプワークファクトリー小高」は現在、小高ワーカーズベースの一室で、仮工房として運営しています。今後は、工房兼ショップ設立にかかる設備費や、ガラス制作に関する教育研修費に使わせていただきます。

活動情報

更新日:2021/02/24

有名ガラスブランドHARIOと、小高オリジナルアクセサリーを制作。福島ガイナックスとのコラボも計画中。

集中力を生かし、国産手作りの貴重なアクセサリーを制作

老舗ガラスメーカーHARIOは、米西海岸のコーヒーの潮流「サードウェーブ」に欠かせない器具を提供しています。そうした世界的に有名なHARIO社との連携が実現しました。

デザイン3種類の小高オリジナルアクセサリーを制作。ネックレスとピアスの計6商

小高の女性が手作りで、オリジナルガラスアクセサリーを制作。ひとしずくに思いを込めた「ティアーズ」、都会的なニュアンスを楽しむ「カナデ」、四季折々の自然をモチーフにした「サクラ」の3種類を制作。しかもそれぞれ、ネックレスとピアスを作り、計6商品を販売します。

オリジナルボックスとラッピングでお届けします。

人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」を手がけたガイナックスは、廃校に開設した「福島ガイナックス」とのコラボも実施しています。

「エヴァ」が設立したアニメ制作会社「福島ガイナックス」との夏祭り。今年も計画中。

昨年8月は、「オカエリ夏祭り」でコスプレ祭りを実施! 今年は、よりパワーアップした福島の未来へつながるイベントを計画中です。広く実施するためには、多くの方の支援が必要です。

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プロジェクトオーナー

株式会社小高ワーカーズベース

代表 和田智行福島県南相馬市小高区生まれ。大学入学を機に上京し、卒業後はITベンチャーに就職。2005年、東京のITベンチャーの役員に就任すると同時に故郷にUターン。以降、南相馬の自宅に居ながら東京の仕事をこなすワークスタイルを確立する。東日本大震災では自宅が警戒区域に指定され、家族とともに会津若松市に避難。2013年に同市に新設されたインキュベーションオフィスでの勤務を経て、2014年5月、避難区域初のシェアオフィス「小高ワーカーズベース」事業を開始。その後、震災後では小高区初となる食堂「おだかのひるごはん」や仮設スーパー「東町エンガワ商店」をオープンするなど、住民帰還の呼び水となる事業に取り組む。

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