• 概要
  • 活動情報 2018年8月15日 更新

被災した子どもたちへのご支援にご協力をお願いします。

被災した子どもたちの、緊急支援活動に取り組みます

2018年(平成30年)6月28日から7月8日ごろにかけて降り続いた豪雨は、西日本を中心に甚大な被害をもたらしました。被害に遭われた皆様には心よりお見舞い申し上げます。
認定NPO法人カタリバは、西日本豪雨緊急支援チームを編成。子どもたちの状況や教育ニーズを把握するため、2018年7月15日からこれまでも連携のあった岡山県井原市の高校生を中心とする町おこし団体「チーム夢源」さん、同県矢掛町の小中高生らでつくる地域活動グループ「YKG60」さんと共同で、岡山県倉敷市真備町で避難生活を送る子どもたちの状況調査を始めました。

岡山県倉敷市真備町、7月16日撮影

学校は休校のまま夏休みに

真備町では川の堤防の決壊が相次ぎ、国土交通省の調査では町の3割近くに当たるおよそ1,200万平方メートルが浸水したといいます。
町内の死者数は51人(岡山県全体で61人)。また、全壊した住宅数は、県合計2,529棟のうち倉敷市が2,506棟にのぼります。(岡山県災害本部7月19日発表資料より)
6つある小学校のうち3つ、中学校は2校とも床上浸水などの被害を受け、無事だった3つの小学校に避難所が開設されています。そのため、そのまま夏休みに。子どもたちは避難所で「やることが他にないから」と1日中スマートフォンでゲームや動画を見続ける生活を送っていました。勉強、部活、お祭りや花火、友だちとのキャンプなど、たくさんのイベントがあったはずの夏休み。
「夏休みの宿題とか、今までは嫌だったけれど、今は勉強したい」
「テニス部だったけれど、最後の引退試合の練習ができないのが一番残念」
「進学したいから、勉強が不安」
子どもたちからは、不安の声が聞こえてきました。

浸水し、泥が堆積したままの学校のグラウンド
浸水被害にあった学校の昇降口

こうした調査結果を踏まえ、私たちは「ユースサポートコーディネーター」の緊急チームを配置し、子どもたちをサポートすることにしました。
刻一刻と変わる現地の状況に迅速に対応しながら、学校や行政さまざまな支援団体やボランティアの方々と連携し、子どもたちに必要な支援や機会が届くように現地でコーディネートを行います。

避難生活をしている子どもたちの課題

私たちがとらえた、子どもたちの課題は、大きく以下の3つです。

(1)学習の遅れ
避難場所が体育館・知人や親戚の家などに分散しているため、行政や学校が子どもたちの居住場所・状況をなかなか把握ができていません。宿題の配布、塾の無償支援、学習室の開設予定など、さまざまな支援策が予定されていますが、その情報を保護者や子どもたちに届けることが困難な状況にあり、学習の遅れが懸念されます。必要な学習機会をマッチングしてつなげることが必要です。

(2)安心できる居場所の少なさ
家族が家の復旧作業で忙しく、友だちと避難先も分かれてしまっていることで、遊んだり、悩みをそっと打ち明け合える相手がいない状況で子どもたちは過ごしています。東北や熊本の被災地でも、直後には見られなかった子どもたちの心の不安定さが、時間がたってから顕在化してきています。自分の気持ちを気を遣わずに吐露できる存在や、安心して過ごせる居場所が必要です。

(3)スマートフォンを見て過ごす時間の増加
学校も部活もなく、友だちとも遊べず、家族の手伝いも、熱中症や感染症の恐れがあることから参加しづらい。避難所でやることがない子どもたちは、スマートフォンを見ることに多くの時間を費やしています。ゲームや動画を見る以外何もせずに1日を終えることも……。ただでさえ、心が不安定になっている子どもたち。これをきっかけにゲームやネット依存に陥ってしまう可能性もあります。ネットに閉じた世界から誘いだし、さまざまな体験機会や必要な支援につなげることが必要です。

避難所で1日中スマートフォンを見て過ごす中学生たち(本人たちの許可を得て撮影しています)

具体的な活動内容

「ユースサポートコーディネーター」の緊急チームを現地に配置し、子どもたちをサポートします。
刻一刻と変わる避難所の状況に迅速に対応しながら、学校や行政やさまざまな支援団体、ボランティアの方々と連携し、子どもたちに必要な支援や機会が届くように現地でコーディネートを行います。

【具体的な活動例】
・子どもたちの避難状況の把握
・学習機会や体験企画などの支援機会への誘い出し
・子どもの状態に不安のある家族のサポート
・学校や行政との情報連携

NPOカタリバからは、東日本大震災の後、子どもたちの心のケア・学習支援を行うために始めたコラボ・スクールで約5年間、被災地の子どもたちに関わってきたスタッフを配置。さらに地域団体の方々と、緊急チームを組んで活動します。

東日本大震災の被災地での活動の様子

しかし、現在、活動を始めるための資金が足りていません。
1人でも多くの子どもたちに1日でも早く支援を届けるために、皆様のご寄付が必要です。
ご支援、ご協力をなにとぞよろしくお願いいたします。

倉敷市真備町の様子(日常生活は一変し、今も復旧作業が続いています)

岡山県倉敷市真備町での活動報告

今回の災害では7月15日より現地調査を始め、これまでの災害同様に子どもたちが孤立し、多様な課題を抱えていることが見えてきました。そこで、真備町在住の生徒が多く通う高校と協働して、子どもたちの抱える課題に対する個別訪問支援(アウトリーチ) をスタートしました。カタリバがこれまで培った経験・ノウハウを生かし、課題が大きくなる前に早期に予防的対応をしていくことで、子どもたちの心身への負担軽減を目指していきます。


8月13日撮影。町中では瓦礫(がれき)の山が未だ散見されます

「雨が降るたびに不安になる」「自転車がないから学校に行けない」聞こえてくる子どもたちの声

カタリバが活動を通じて得ている子どもたちの悩みは、大きく4つに分類できます。(下記、子どもの声の例)

(1)不安感増大
「雨が降るたびに不安になる」
「祖父母のことが心配」
「母がショックを受けているから、自分がしっかりしないと」

(2)生活面の不便さ・生活リズムの崩れ
「ダンボールの上での食事」
「道の臭いと砂ぼこりで外出がつらい」
「あれからカップラーメンを食べることが増えている」
「気づくと朝起きてから18時間もスマホでゲームをしている」

(3)心身不調
「体重が5kg落ちた」
「朝早くに目が覚めて、その後眠れない」
「人と話していると涙が出る」

(4)居場所・学習面
「周りが気になり落ち着かない」
「家族に本音を話すことができない」
「全く勉強が手に付かない」
「部活の服もないので、練習に行けない」

子どもたちの避難先はバラバラで、保護者も今日、明日のことで手一杯で余裕はありません。仲の良かった友だちとも離ればなれで、気軽に遊んだり話をしたりする相手も見つけられず、子どもの心にどんどんとストレスがかかっていくことが心配されます。


現在の活動内容

そのような子どもたちの状況、そして学校や行政との情報共有、連携を通じて、カタリバは現在、下記の活動を現地で行っています。

【活動1】個別訪問と対話による心のケア
避難先が転々と変わるため、被災した子どもたちの情報やニーズを把握しにくい状況です。そのため、学校や避難先などに個別に訪問し、対話します。子どもたちはこの時期、周囲に気を使い自分の本音を隠しがちです。ゆっくり話を聞きながら対話することで、心のケアを目指します。

【活動2】子どもたちの困りごとを個別支援
個別相談から見えてきた情報を支援につなげます。例えば「通学手段が絶たれたため、学校に行けない」「運動靴がないので部活に参加できない」「学用品がたらない」「学習塾に通う資金を親に出してもらえない」などの声に対し、支援者に呼びかけ物資をマッチングします。
避難先が遠方に散らばり、公共交通機関がないため学校への移動手段を失っている生徒もいるため、行政に状況を伝え、8月22日より巡回バスが出るよう働きかけたりする取り組みもすすめています。

【活動3】SNSを活用した個別サポート
上記で挙げたように子どもたちの悩みは尽きません。避難生活の長期化する中、学校生活がスタートすることでまた悩みの質も変わることが予想されます。そこで、セキュアな環境でつながり、個別に支援する専用SNSでひとりひとりとつながることで、課題の早期発見をめざし、個別の悩み相談・メンタルケアをしています。

子どもたちへのヒアリングの様子

子どもたちを支えるために、ご支援をお願いします!

1人でも多くの子どもたちに1日でも早く支援を届けるために、活動資金となる皆様からのご寄付が必要です。ご支援、ご協力をなにとぞよろしくお願いいたします。

寄付金の使いみち

皆様からいただいたご寄付は、西日本豪雨の被災地で避難生活を送る子どもたちへの緊急支援のために、活用させていただきます。