• 概要
  • 活動情報 2018年6月01日 更新

被災地の子どもたちに心のケアと学習支援を提供

「生き抜く力を、子ども・若者へ」を理念に活動している教育NPOカタリバが、東日本大震災の被災地の子どもたちのために運営しているのが、放課後学校「コラボ・スクール」です。

2011年に宮城県女川町と岩手県大槌町で、そして2017年には福島県双葉郡広野町で、震災後に新設された「福島県立ふたば未来学園高校」の全校生徒を対象にした「双葉みらいラボ」がスタートしました。

「コラボ・スクール」の目的は、仮設住宅などで落ち着いて過ごす場所がない子どもたちに、安心できる場所を用意し、放課後の学習支援、そして心のケアを行うこと。スタッフや学生ボランティアが子どもたちの勉強のサポートもしますが、まずは子どもたちの話に耳を傾け、寄り添います。また、子どもたちの可能性を広げるための、さまざまな体験やチャレンジの機会も提供しています。

福島の復興のため、そして故郷に戻って学びたいと願う子どもたちのために

「双葉みらいラボ」のある広野町を含む双葉郡では、2011年の原発事故により、一時は全町民が避難を余儀なくされました。現在では、避難指示が解除された地域も多々ありますが、住民の多くが長期間にわたり町外で暮らさざるをえない経験をしました。「双葉みらいラボ」拠点長の長谷川勇紀さんは、「“曖昧な喪失”ともいわれるのですが、津波で家が流出したわけでもないのに、家には帰れない。そしていつ戻ることができるのかもわからない。そんな曖昧な状況の中で、精神的負荷がどんどんかかっていきやすいのが、この地域なのです」と話します。

双葉みらいラボ拠点長 長谷川さん

また双葉郡では、震災後、5つあった全ての高校が避難先でのサテライト運営となり(2017年4月より、全ての高校が休校)、帰還しても双葉郡内で通うことができる高校がないという状態が続いていました。そのような状況を打開するために国や地域が一体となって、新しい高校「県立ふたば未来学園」が創設されました。認定NPO法人カタリバは、地域に戻ってきた子どもたちを全力でサポートするために、ふたば未来学園高校とコラボレーション。「子どもたちの学びを保障し、そして、福島・日本・世界の未来に貢献する人材となってほしい」と、未来創造型教育の運営をサポートしています。

双葉みらいラボスタッフの皆さん

復興の担い手は、ここから

未来創造型教育の代表的なカリキュラムが「未来創造探究」という授業で、「双葉みらいラボ」のスタッフは、先生と共に授業づくりを協働し、また、生徒のメンターの役割も務めています。「地域が抱える課題、例えばそれは外からみた福島の誤ったイメージの改善であったり、失われた地域コミュニティーの再生であったりするのですが、そうした課題の解決にはどうすればいいのかを考える授業です。時には、子どもたちは学校の外に出て、地域の大人たちと交流したり、実際に自分たちの目で地域の課題を探しに行ったりします。つらい思いを経験したからこその強さを持っている彼らの姿から、地域の未来を感じ取ることができます。」と、長谷川さんは話します。

放課後の学習支援や居場所づくりだけでなく、日本の、そして世界のリーダーを育てるべく走り出した「県立ふたば未来学園高校」と協働しながら、未来創造型教育を実現していこうとしている「双葉みらいラボ」。
復興の担い手は、ここから生まれていきます。

気軽に話せる大人が、ここにはいる

富岡町出身の関根颯姫さんと双葉町出身の石井美有さんは、現在いわき市で家族と暮らし、ふたば未来学園に通う高校2年生。高校では念願だった演劇の世界へと足を踏み入れ、部活終わりには、「ほぼ毎日のように双葉みらいラボに通っている」というふたり。 はじけるような笑顔が印象的ですが、避難生活の中ではつらい思いも経験したといいます。

避難経験についてかたる関根さんと石井さん

「小学校5年生のとき、福島から来たという理由で、転校先で心ない言葉を浴びせられることがありました。その時は、ひたすら“福島に帰りたい”って思っていました」(関根)
「私もいろいろな場所を転々としたので、似たような経験をしました。福島から避難した子は、多かれ少なかれ同じなんじゃないかな」(石井)
そんな彼女たちが、いきいきと輝く場所が、ふたば未来学園であり、双葉みらいラボです。
「私は、みらいラボの職員さんと話をするのが楽しみ。親でも先生でもない大人と話すのって、すごく大事だと思います」(石井)

およそ300人の子どもたちの“心のよりどころ”となっている双葉みらいラボ。これからも、多くの子どもたちの笑顔が生まれる場所であるよう、みなさまのご協力をお願いします。

2011年~2016年までの活動報告

2011年7月に宮城県女川町に「女川向学館」を、同年12月には岩手県大槌町に「大槌臨学舎」を開校し、これまでに約2,300人の子どもたちに安心して学び、集える居場所の提供を行ってきました。

寄付金の使いみち

みなさんからの寄付は、コラボ・スクール事業の運営費全般として活用されます。

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