寄付受付開始日:2021/08/17
更新日:2021/10/05
2021年8月12日から活発な前線が停滞し、西日本から東日本の広範囲で記録的な大雨となっています。気象庁は広島県、福岡県、佐賀県、長崎県で大雨特別警報を発表し、複数の自治体では、命を守るための行動を促す緊急安全確保(警戒レベル5)を発令されました。特に九州北部では、8月11日から15日の降水量が1,000ミリを超えるなど、激しい雨が続きました。
この大雨により、九州はじめとした西日本を中心に、河川の氾濫や浸水被害、土砂災害が広範囲で発生しています。まだ被害の全容は分かっていませんが、各地で甚大な被害が予想されます。ピースボート災害支援センター(PBV)では、関係機関や支援団体と連携し、被害状況などの情報収集を開始しています。
また、新型コロナウイルスはこれまでにない感染拡大が続いています。PBVでは、昨年のコロナ禍での2020年7月豪雨支援の経験や知見を生かし、感染拡大予防に努めながら、支援活動を実施していきます。コロナ禍での災害支援のノウハウの提供や支援調整、関係機関の連携調整、物資・備品提供、食事支援、避難所運営サポート、災害ボランティアセンター運営サポート、コミュニティーへの支援など現地の状況やニースにあわせて、被災された方々の生活再建に向けて必要な支援活動を実施していきます。
新型コロナの状況下においても、支援の手が止まらないよう被害を受けた方たちを支援していくために、「2021年8月豪雨 緊急支援募金」を立ち上げました。どうぞ、皆さまのあたたかいご寄付、ご協力をお願いいたします。活動の様子は、随時公式ホームページやSNSなどでお知らせしていきます。
災害支援活動は、現地自治体や関係機関からの要請を受けて、感染症対策を徹底したうえでPBVやJVOAD、JPFが作成しているガイドラインなどを参考に実施していきます。
・PBV 新型コロナウイルス影響下に災害支援ガイドライン Ver.2(PDF)
・JVOAD「新型コロナウイルスの感染が懸念される状況におけるボランティア・NPO等の災害対応ガイドライン」(PDF)
・JPF「新型コロナウイルスの感染が懸念される状況における 被災地入りする際の守るべき事項 Ver.2」(PDF)
皆さまからのご支援は、コロナ禍での災害支援のノウハウ提供や支援調整、関係機関の連携調整、物資・備品提供、運営支援などを通じて被災された方たちの生活再建に使用させていただきます。
1.専門スタッフ派遣
災害時の支援調整や避難所運営、災害ボランティアセンター運営、家屋の補修・保全などの専門的なスキルを持つスタッフを派遣します。コロナ禍でスタッフを派遣するための宿泊交通費、PCR検査、人件費など。
2.備品・資機材購入
避難所や活動拠点、活動現場で支援活動に必要な備品・資機材の購入。新型コロナ対応のための衛生管理用品など。
3.被災者の生活再建の支援
関係機関や現地支援団体などの要請を受けて、支援物資の提供や食事支援、避難所の環境整備・運営サポート、災害ボランティアセンター運営支援、被災家屋の清掃活動、写真洗浄、コミュニティーへの支援など、現地ニーズに即した活動を行います。
※災害支援活動は、被災地の状況やニーズにそって、活動内容を決定してきます。なお、ご寄付のうち最大15%は管理運営費として活用させていただきます。活動に必要な費用をご寄付が上回った場合には、次の支援活動に活用させていただきます。あらかじめご了承ください。
最新情報は公式SNSでいち早く発信しています。
・Facebook
・Twitter
・LINE
PBVの運営を継続的に支えてくださる「お互いさまサポーター(月額寄付)」を随時募集中です。
#令和3年8月豪雨災害
更新日:2021/10/05
現在、地域の支援交流拠点になっている下潟公民分館、中島公民分館、Peri.(ペリドット)に、浸水してしまった家屋の壁や床を剥がしたりといった技術系支援の専門ボランティアスタッフが入れ替わりで常駐しています。
発生から1カ月が経過しましたが、浸水被害を受けた家屋の多くは、まだ乾燥しきっていません。床下を乾燥させるのには1~3カ月ほどの長い時間がかかります。家屋に水分が多く含んだ状態で放置してしまうと、カビが発生したり家屋の資材が傷んだり、カビや悪臭が健康被害や生活への支障をきたします。各支援交流拠点では、乾燥のスピードをあげるために送風機やサーキュレーターなど、資機材の貸し出しを行っています。現在はこの貸出しを希望する声がとても多い状態です。
今回の公的支援金は、2年前の水害時と比べて受け取る金額が少なくなっている方も多く見受けられます。その理由の一つは、2年前は大雨の影響で地域の鉄工場から大量の油が流出してしまい、浸水被害に加えて油による汚染被害も重なったため、支援金額が上がったためです。
もう一つの理由としては、浸水被害を受け、新築やリフォームを行った際に次の水害に備えようと考えて、床の高さをかさ上げしたお宅が多かったためです。しかしながら、前回よりもより高い水位を記録した今回の水害で、「今年のほうがもらえなかった」と、落ち込んでいる住民さんが多くいらっしゃいます。度重なる被災によって費用面の負担も大きく、「業者にどこまで依頼すればいいのか」と不安に感じている住民さんもいらっしゃいます。
不安を抱えている住民さんのお宅へ、技術系スタッフが訪問し、床下の様子や家屋の様子を一緒に確認します。これから何が必要なのか、どんな選択肢があるのか、どこまでボランティアに頼めるのかなどを丁寧にお話していきます。
現在大町町には、家屋の応急処置をサポートする支援団体が複数関わり、町や社協、地元NPOなどと連携して、一世帯ひと世帯丁寧な支援を行っています。
■技術系支援を実施する団体
風組関東、災害NGO結、オープンジャパン、め組JAPAN、レスキューアシスト、ピースボート災害支援センター
技術系スタッフが訪問したお宅の住民さんは、なかなか業者に話せない困りごとから生活の不安まで、さまざまなことを少しずつ言葉にしてくれています。そのお話のおかげで、技術面だけではなく、生活面や精神面での支援を町の保健師さんや福祉課等につなげていくケースも増えてきています。
さまざまな視点から、住民さん一人ひとりに寄り添った支援とは何かを常に考え、できるだけ元気になって暮らしていけるように、技術スタッフと一緒に連携しながら今後も支援を続けていきます。
地区住民の集い場所である中島区公民分館(以下、公民館)を朝早くから開館する鵜池さん。訪れる住民一人ひとりに「元気しよった? 今どうしよっと?」と気さくに声を掛けていらっしゃいます。
被災前までは月に2〜3回開けていた公民館を、被災してさまざまな困りごとを抱えてやってくる地区住民の方々が寄り合える場所として毎日開くことを決め、早くも1カ月以上がたちました。
「2年前に浸かった人がほとんどで新規が30軒くらい。前よりも水位は高いし。『(水害が)またきちゃったよ…』という諦めでいっぱい。ここのあたりは高齢者が多いし、体力もそうだけれど、何より精神的に参ってしまっている」
3年の区長の任期のうち、一昨年2019年と今年で2回の大規模水害を経験した鵜池さん。自身の平家も、地区の中でも特に浸水被害が大きい地域に建っています。
公民館を休まず切り盛りするパートナーを支えながら、家屋修繕のために来訪した大工の方々と復旧作業を進めている妻・美樹(みき)さんが、発災当初の様子を携帯で撮影したビデオを見せてくださいました。
「ここで生まれ育って、結婚をして、子を育てて。今までずっと子どもに『家を建てるときは(大町町に)帰ってこい』と話していたけれど、今回、2年足らずで水害がまたあって、『もうここには住まない方がいい。ここ(大町町)から少し離れた佐賀市とかがいい』って話すようになったんです。子どもに『出ていけ』って伝えるのは、本人は本当につらいんじゃないのかな」
高額なリフォーム代を掛け、やっとの思いで修復させた家屋が、数年足らずで再度被災してしまいました。やり場のない気持ちや疲弊感を抱えながら、パートナーである弘文さんの体や心情の変化を心配なさっています。
自身の自宅の再建も進めながら、それでも鵜池さんが毎日公民館を開館するのは「地域の人がいることで、被災した地区住民が少しでも安心してくれる、心の支えになるため」だと言います。
中島区は大町町の地区の中でも新興住宅を中心とした地域で、人口も多く働き世帯が多いため、情報伝達や協力しあうには、地区の役員さんや班長さんなど多くの方々の協力が必要です。
大町町では、町、自治体、市民団体の三者連携による地域の支援交流拠点となる公民館を中心に、被災された住民の方々の支援をおこなっています。支え合いながら一歩一歩復旧に向けて進んでいる大町町のみなさん。鵜池さんのように、被災されながら、地域の復旧のためにひた走りしている方が多くいらっしゃいます。
心身のケアはもちろん、少しでも元気になってもらえるように、お一人ひとりに寄り添いながら一緒に乗りこえていくお手伝いをしていきたいと思います。
浸水したときの水位が高い地域では、成人の頭上を越し1階がまるまる水につかった場所も少なくありません。
床上浸水によって冷蔵庫やガスコンロ、電子レンジなど、毎日の料理に欠かせないキッチンの機具が使えなくなったり、終わりの見えない家屋の清掃や片付けが続く日々にだんだんと疲れもたまり、食事の支度をする気が起きなくなってしまったり、水害は被災した方々の食生活にも少なくない影響を及ぼしています。
PBVが支援活動を実施している大町町では、温かく美味しいごはんを届け、被災した住民の方々が少しでも元気になってもらえるように、さまざまな場所で食事・炊き出し支援が行われています。
PBVスタッフが常駐し地域の被災された住民の生活再建をサポートする拠点となっている大町町・中島区の公民館や、大黒区と恵比須区の方々が多く利用している大町町の防災交流拠点「フリースペースPeri.(ペリドット)」でも、東北関東大震災支援隊本部 BOND&JUSTICEさんや、NPO法人災害支援団Gorillaさんなどの支援団体と協働し、地区の被災者の方々に手作りごはんのお弁当をお配りしています。
炊き出しによって、地域の住民さんのおなかが栄養豊富でバランスのいい食事で満たされていきます。また、お弁当をお渡しする時に、地区の住民さん同士や、私たち支援者と顔を合わせることで、何気ない会話に顔をほころばせたり、お困りごとの相談で一緒に解決策を考えたり、少しずつまた頑張っていくための元気や安らぎを得られるきっかけが作られています。
こうした食事支援の実施には、自治体や地元団体を含む中間支援組織、有識者などさまざまな方の力添えのもと、コロナ感染対策を加味した炊き出しのガイドラインの作成・策定や、支援の申し出と地域でのニーズとのマッチング(世帯数、炊き出しの実施日時、配食する人員など)といったさまざまな連携と調整を経て、一つひとつ実施しています。
被災された住民の方々が1日でも早く元の生活が営めるように、引き続き、住民さんや自治体、企業、支援団体の方々とともに、漏れやムラのない心身のサポートを続けていきます。
2020年度から内閣府防災とJVOADが協働で実施している県域の避難所運営担い手育成事業の一環として、2021年8月豪雨で被災した佐賀県内の避難所の環境改善アセスメントが始まっています。
PBVスタッフがJVOAD避難生活改善専門委員として参画し、中長期的な避難生活のなかでリスクが高まる災害関連死や健康被害を防ぎ、命・生活・尊厳を守るための環境の整備や改善のサポートにあたります。
発災から約2週間がたち、8月28日は大町町で、8月29日は武雄市内で開設されている6カ所の避難所のアセスメントを行いました。アセスメントの項目は、避難所内の衛生環境や、寝食の環境、また懸念が広がるコロナ対策など、避難者の生活に関わる多様なポイントから成っています。
「コロナ対策をしつつ、避難所をどのように運営していけばよいか」「コロナ禍で在宅避難者が多い今回の被災で、地域として被災者をどのようにサポ―トしていけばよいか」など、アセスメントを実施する中で、避難所を運営する職員(その職員さんもまた被災された方がいます)の方々から、地域の避難生活を支える日々の悩みや葛藤をたくさん伺いました。
今回調査した結果をもとに、これから地元の行政・支援団体などと協働し、環境改善のためのアドバイスとサポートに着手し、9月には今回のアセスメントに関する報告を行います。
引き続き、被災者の方々の想いに寄り添いながら、これまでの災害対応の知見やノウハウを活かして被災地の復旧活動に尽力していきます。
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ピースボート災害支援センター(PBV)は、阪神淡路大震災以降、国際NGOピースボートが行ってきた災害支援のノウハウを引き継ぎ、2011年東日本大震災を契機に設立されました。毎年発生する国内外災害に対して、被災地での災害救援活動を実施しています。「人こそが人を支援できるということ」をテーマに、のべ10万人以上のボランティアとともに被災者への支援活動を行ってきました。
また、将来の災害に備えるため、全国規模での人材育成、防災・減災教育にも取り組んでいます。これらの活動は、皆さまからのご支援によって支えられています。
このプロジェクトでは領収書の発行をおこなっておりません。
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