寄付受付開始日:2025/02/13
更新日:2025/02/13
ハイチでは、2021年7月の大統領暗殺事件以降、政情不安が続いています。首都を中心に武装集団が支配地域を拡大し、一般市民への無差別な暴力、誘拐、殺人などが激増。104万1,000人以上が国内避難民となっており、その多くが何度も避難を繰り返し、深刻化する人道危機のなかで苦境に立たされています。
最大の犠牲を払っているのは、避難民の半数以上を占める子どもたちです※。国連もハイチの子どもたちが経験している過酷な状況に憂慮を表明しています。
増加する人道ニーズ、深刻な食料不足
2010年1月のハイチ地震から15年がたとうとする今、人道的ニーズはかつてないほど高まっており、食料、生活、保健、シェルター、水が緊急に必要とされています。特に食料不足は深刻で、武装集団の暴力が首都から地方に拡大したことで、人々は農地を放棄せざるをえず、食料生産は急激に減少しました。さらに、全国の食料供給網も混乱に陥っています。
ハイチの人口のほぼ半数にあたる540万人が急性の食料不安に直面しており、200万人が緊急事態にあります。子どもの栄養失調は2024年に20%急増し、12万5,000人の子どもが身体や脳の発育阻害の危機にあります。
強制送還の危機、国境地帯で支援を待つ子どもたち
命を守るため国境を越えドミニカ共和国へ避難した人々に対し、同国政府は2024年に計27万6,000人ものハイチ人を強制送還しました。さらに強制送還を加速する方針のもと、2025年1月の最初の半月だけで1万4,000人以上が送り返されており、国境地帯で人道支援を必要とする子どもやその家族が増え続けています。
子どもの徴兵や性暴力が急増、暴力の悪循環
ハイチでは人口の90%が貧困状態にあり、学校も閉鎖されるなか、子どもたちが武装集団に加わることを余儀なくされるケースが増えています。過去1年間で子どもの徴兵が70%も増加※、武装グループメンバーの最大50%が子どもであると推定されています。
子どもたちが直面している危険は想像を絶するほど深刻で、日々悪化の一途をたどっています。暴力の激化は人道支援活動にも大きな影響を与えており、移動の制限や活動の中断を余儀なくされています。
※ハイチ、8人に1人の子どもが避難民に 9月以降48%増加、50万人超え ユニセフ、増える子どもの徴兵と徴用にも危機感(ユニセフ)
このような状況を受け、プラン・インターナショナルはハイチでの人道支援活動を強化するため、日本での寄付募集を開始いたします。
皆さまの温かいご支援をよろしくお願いいたします。
「ハイチ危機緊急支援」へのご寄付をお願いいたします
皆さまからのご寄付は「ハイチ危機緊急支援」活動に大切に使わせていただきます。
予定している主な支援活動
・緊急支援:
国内避難民および強制送還された子どもたちとその家族への多目的現金支援、衛生キット、食料、水、衣類の提供
・心理社会的支援:
暴力や虐待、搾取の危険にさらされている、または被害を受けた子どもたちへの個別・グループ支援、女の子と若い女性の特定のニーズに焦点を当てたケースマネジメント
・家族の追跡と再会:
保護者のいない子どもの家族との再会支援
・地域における子どもの保護:
子どもの保護委員会設立、子どもの保護リスクに関する意識啓発
更新日:2025/04/28
容赦ない暴力や教育崩壊によって、ハイチの子どもたちは未来への希望を失いつつあります。武装集団に脅かされる日常のなかで、目の前で家族や友人を亡くすという過酷な体験を強いられる子どもたちも少なくありません。
子どもたちが語る生々しい証言(抜粋)から、今この瞬間に起きている深刻な現状と、なぜ迅速な支援が必要なのかをお伝えします。
“過去を思い出し、突然泣き出すこともあります”
武装集団による銃撃で、友人が殺害された日のことを15歳のイザベルさん(仮名)は忘れることができません。
夜遅くに武装集団が住宅への侵攻を始めたため、イザベルさん一家は荷物をカバンに詰める間もなく、急いで家から逃げ出しました。避難先を転々とした後にたどり着いた避難所の生活は、「ただ生きているだけ」と疲れたように話します。同じ避難所で暮らす友だちとジョークを言い合って笑うこともありますが、過去を思い出し、突然泣き出すこともあります。
学費が払えないので、兄と私は学校に通うことができません。プランが子どもたちのためのアクティビティや勉強会を行っているので、そこに参加しています。でも、いつか学校に戻りたいです。
“武装集団に入った友人もいます”
「生活が苦しいために、武装集団を頼る人もいます。僕の友人にも、武装集団に入った人がいますが、僕はそうしないと決めています。そんな自分を誇りに思っています」。プランが運営している「子どもひろば(Child friendly space)」に通う16歳のジュニアさん(仮名)
“毎晩のように母の夢を見ます”
プランから現金給付や尊厳キットを受け取り、子どもひろばに通う13歳のサンドラさん(仮名)は、避難所での生活を「落ち着かない。全然幸せじゃない。毎日目が覚めると泣きたくなる」と言います。
「プランの活動に参加するのは楽しいです。子どもひろばでは、ダンスを教わったり、いろいろな遊びをします。頭に嫌なことが思い浮かんだときも、スタッフがそばにいて、話を聞いてくれます。ここでなら、自分が話したいことを話すことができます」
公式ウェブサイトでは子どもたちの生の声の全文をご紹介しています。ぜひお読みください。
プランは3カ所の子どもひろばを設置し、子どもたちに心理社会的支援、レクリエーション活動、教育機会を提供する安全な居場所を提供しています。また、最も脆弱(ぜいじゃく)な立場にある子どもたちが必要な支援を受けられるよう、個別支援を行っています。
ジェンダーに基づく暴力の被害者への支援では、現金給付や衛生キット、尊厳キットの配布も行っています。絶望的な状況のなかで私たちにできることは限られていますが、困難な状況に置かれた子どもたちが少しでも希望を感じられるよう、引き続き支援を行っていきます。
ハイチを「見過ごされた人道危機」にしないために
ハイチでは現在、政情不安のさらなる激化や武装集団同士の抗争の深刻化により、「国家崩壊」とも表現されるほどの厳しい人道危機が続いています。しかし、残念ながら日本では、その実情が十分に報道されていないのが現状です。
ここでは、これまでにプランの支援を受けた現地の子どもたちの声をご紹介します。
カティアナさん(10歳、小学校3年生)
家に食べ物がなく、何も食べられないまま眠ることもあります。毎日川に水くみに行かなければならないので、宿題ができない日もあります。でも、コミュニティーに新しい給水ポンプができて助かっています。将来は医師になりたいです。
ナタリーさん(17歳、シングルマザー)
暴力を振るう元パートナーから逃れた後に、妊娠が分かりました。現在は6カ月になる娘と国内避難民キャンプに身を寄せています。今一番必要なのは、安心して暮らせる場所、それから赤ちゃんに食べさせるもの、そして仕事です。プランからベビーキット※をいただいたり、赤ちゃんの世話の仕方のアドバイスをもらったりしています。そういった支援は頼れる人がいない私にとってとても貴重です。
※ベビーキット(簡易ベッド、タオル、衛生用品、体温計など)。また、同行者のいない若い母親にはミルクやシリアルなどの食料品、おむつなども配布。
あなたの寄付が大きな力に
大きく報道されない今こそ、あなたの関心と寄付が、ハイチの子どもたちに穏やかな暮らしと未来への希望をもたらす大きな力となります。温かいご寄付をお待ちしております。
【第2報】ハイチでいま何が起きているのか?~ハイチ危機緊急支援~
※当募金ページに記載の内容については、プロジェクトオーナーが責任を負っており、LINEヤフー株式会社が責任を負うものではありません。詳しくは免責事項をご覧ください。
※本ページの「プロジェクト概要」「活動情報」「寄付金の使いみち」に掲載のリンクは、外部サイトに移動します。
※寄付をするには Yahoo! JAPAN IDの取得(無料)が必要です。
国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに世界80カ国以上で活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。
このプロジェクトでは領収書の発行をおこなっておりません。
Facebookコメントで寄付先への応援をお願いします
記入された応援のコメントは、寄付先団体およびYahoo!ネット募金の広報・宣伝活動(記者会見やプレスリリースでのご紹介等を含む)に 使用させていただく場合がございます。
ご了承の上、コメントを記載いただきますようお願いいたします。(2020年9月23日追記)
※本コメント機能はMeta Platforms Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対してLINEヤフー株式会社は一切の責任を負いません。