寄付受付開始日:2023/06/27
更新日:2025/01/29
ラオス北部の山岳地域にあるウドムサイ県では、貧困率の高さに加え、安全な水を利用できないことが大きな課題となっています。特にラー郡とナモー郡では、多くの学校に子どもたちが安心して使える給水・衛生設備が備わっていません。子どもたちは清潔な水を飲むことや、安心して手洗いや用を足すことが困難な状況です。また、月経に対処するための設備や、月経衛生管理について学ぶ機会も限られています。
このプロジェクトでは、小中学校における水へのアクセスの改善、男女別・バリアフリートイレなどの衛生設備の建設や修繕、保健衛生や月経衛生管理に関する啓発活動を通して、子どもたち、特に女の子たちが正しい衛生習慣や身体の変化などへの理解を深め、健康に関する課題に対応できるようになることを目指します。
ラオスでの「女の子の衛生改善」プロジェクトの活動のために大切に活用させていただきます。
活動内容(支援策)
・小中学校における給水システムの設置、衛生設備(男女別トイレ、バリアフリートイレ、手洗い場)の建設および修理
・月経衛生管理に関する生徒クラブの活動
・教師や郡職員を対象とした衛生改善や月経衛生管理、「包括的性教育」に関する研修
・村落教育開発委員会および政府関係者を対象とした衛生管理に関する啓発活動
対象者
・小中学校に在籍する児童・生徒(約9,000人)
・小中学校教師(約350人)
・コミュニティ住民(約2,700人)
・政府職員(約100人)
※「包括的性教育」とは:
包括的性教育とは、妊娠、避妊、性感染症という限定的な生殖教育だけでなく、人間の尊厳や他人を尊重すること、ジェンダー、セクシュアリティ、人権などを網羅的に学習するための教育を指します。
更新日:2025/01/29
学校で月経衛生管理の対応のキーパーソンとなっている小中学校の教師に対して、月経衛生管理に関する研修を行いました。プロジェクトの対象地域では、女性教師が不足しており、男性教師が生理について子どもたちに教えることが困難な背景があります。
研修では、生理ナプキンの使用方法を実演したほか、繰り返し使える布製生理ナプキンの作り方を教えるなど、実践的な取り組みを行いました。また、各校で月経衛生管理の担当教師を配置し、困っている子どもがいるときに児童・生徒代表が先生に相談することで、生理に関するサポートをタイムリーに提供する仕組みがつくられました。
「生理は恥ずかしいことでも、怖がることでもない」ということを教師から伝えることで、子どもたちは以前より安心して周りにサポートを求めることができるようになっています。
現地の声:スゥクさん、40歳、小学校教師
私の学校では、女の子が生理になったとき、教師から生理用ナプキンをもらうことを怖がるという課題があります。プロジェクトの1年目に、5年生の女の子が教室の外に一人で座っているのを見かけました。彼女にどうしたのかと尋ねると、「生理が来てショックで教室に入りたくない」と答えました。彼女はクラスメートに生理が理由でいじめられるのではないかと心配だったのです。
私は彼女に月経について説明し、月経は悪いことではなく、女の子なら誰でも経験することだと言いました。月経衛生管理の担当として、彼女に生理用ナプキンを渡し、自分の体を清潔にした後のナプキンの使い方を教えました。
2024年度主な支援内容と対象
・小中学校における給水システムの設置、衛生設備(男女別トイレ、バリアフリートイレ、手洗い場)の建設および修理(7校)
・衛生設備の維持管理トレーニング(30校、教師、住民等490人、うち女性200人)
・小学校における学校衛生環境評価に関する教師トレーニング(24校、校長と教師92人、うち女性32人)
・中学校における月経衛生管理に関する教師トレーニング(6校、校長と教師24人、うち女性6人)
・衛生教育、月経衛生管理に関する補助教材の作成と配布(30校)
・月経衛生管理に関する生徒クラブの活動の教師トレーニング(6校、校長と教師15人、うち女性2人)
・月経衛生管理に関する生徒クラブの活動(生徒86人)
・コミュニティー代表者を対象とする衛生啓発活動(30村、住民、学校関係者810人、うち女性389人)
・保護者を対象とする衛生啓発活動(30村、保護者、学校関係者702人、うち女性375人)
【経過報告】ラオス「女の子の衛生改善」プロジェクト
ラオスの山岳地域が抱えるSRHRに関する課題
プロジェクトの対象地域では、多くの学校が年間を通して十分な水を確保することができません。女子生徒が生理のとき、学校にトイレがないために生理ナプキンを替えられなかったり、トイレに水やゴミ箱がないので適切な対処ができなかったり、貧困で生理ナプキンを十分に買えず、経血漏れが心配で学校を休んでしまったりする状況です。
また、望まない妊娠は早すぎる結婚(児童婚)や中途退学の要因のひとつですが、学校では避妊や性感染症に対する正しい知識を教えておらず、避妊具は限られた人しか入手することができません。
プロジェクトの一環として行ったSRHRに関する意識調査では、例えば「女の子は生理中でも学校に行くことができるべき」、「避妊は女の子だけの責任だ」、「妻がセックスをしたくないときは拒否する権利がある」という質問への回答を通して、特に男の子の意識改善が必要なことが分かりました。
トレーニングを通してSRHRを学ぶ教師たち
プロジェクトでは教員研修も行いました。ユネスコが提唱しラオス政府が実施の方針を掲げている「包括的性教育」に基づき、プラン・インターナショナルとUNFPA(国際連合人口基金)などが共同開発した教員用マニュアルのほか、プランが開発した生徒クラブ向けの教材を用いました。
思春期の子どもたちの健康を守るために
子どもたちは自分の身体や、自分を守る方法について知る権利があり、大人には子どもに知識を伝え、環境を整える責任があります。特に思春期の子どもたちは身体や心の変化が大きいため、より一層、正しい知識を身につけ、子ども同士で学び合うことができ、相談できる大人のいる安全な環境が必要です。
プロジェクトの1年目の活動は土台づくりが主でした。2年目も、衛生環境の改善や啓発活動を通して、特に女の子のSRHRを取り巻く環境を向上させるために、引き続き関係者の能力強化、子どものエンパワーメントや持続可能な活動を目指していきます。
なお、現地で研修を受けた教育局の職員ブーシーさん、生徒クラブリーダーのノイさんの声を、プラン公式ウェブサイトでご紹介しています。ぜひお読みください。
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国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに世界80カ国以上で活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。
このプロジェクトでは領収書の発行をおこなっておりません。
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