「ロヒンギャ難民の識字教育」プロジェクト

寄付受付開始日:2022/10/06

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若者の未来を変える「ロヒンギャ難民の識字教育」プロジェクトへのご協力をお願いします。

公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン

プロジェクト概要

更新日:2024/06/25

難民キャンプに暮らすロヒンギャの若者たちへの識字教育を強化し、ロヒンギャの人々自らが指導者となり、コミュニティ内で継続して識字教育を行える体制づくりを目指します


ミャンマー南西部のラカイン州に暮らすイスラム系少数民族ロヒンギャは、国籍を奪われ、長年教育を受ける権利や自由に移動する権利といったさまざまな権利が認められない生活を送ってきました。さらに、2017年8月に起きた暴動と軍の掃討作戦により、多くのロヒンギャがこれまで住んでいた土地を追われ、隣国のバングラデシュに逃れました。

現在、バングラデシュ南部コックスバザール県内にある難民キャンプに住むロヒンギャの若者のほとんどは、これまで読み書きや計算を学んだことがありません。そのため、薬や食品のラベルが読めない、キャンプ内の掲示板・配給情報を理解できない、詐欺や搾取に遭う危険が高いなど、日々多くの不都合やリスクに直面しています。

学習スペースで学ぶ女の子たち

このプロジェクトでは、難民キャンプに暮らすロヒンギャの若者たちへの識字教育を強化するとともに、ロヒンギャの人々自らが指導者となり、コミュニティ内で継続して識字教育を行うことができる体制づくりを目指します。

教師育成研修の様子

※本プロジェクトは、2021年8月~2022年8月に実施した「ロヒンギャの子どもの保護と教育」プロジェクトのうち、バングラデシュ国内の活動を継続して実施するものです。前プロジェクトと同様に、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の支援のもと行います。

寄付金の使いみち

ロヒンギャの人々自らがロヒンギャの若者に対する識字教育を継続することができる体制を構築します。

難民の若者、教師、近隣地域の学校関係者約900人を対象に、
●識字教育を行う学習スペースの開設(24カ所)
●15歳から24歳の若者を対象とした識字教育の実施(720人)
●コミュニティ・ボランティアを対象とした教師育成を含む研修の実施(受講者36人)
●過去の受講者に対する追加授業の実施(6回)

活動情報

更新日:2024/06/25

ロヒンギャの若者たちへの識字教育を実施するとともに、コミュニティ内で継続して識字教育を行うことができる体制づくりを目指して(2024年6月25日更新)

計算を学ぶ若者

識字教育の質を支える教師の学び合い
今期は15~24歳のロヒンギャの若者960人(うち女性480人)を識字クラスに迎え、2024年1月から授業を開始しました。

このプロジェクトでは教師の能力強化を通じて識字教育の質の向上に取り組んでおり、今期も定期的に研修を開催し、教師たちに模擬授業の実践とフィードバックを交代で行ってもらうことで、スキルを研さんする機会を提供しました。また、近隣の教師が毎週1カ所に集い、その週の授業の振り返りと翌週の授業計画や進行を確認する場も設け、教師間の学び合いを促進する仕組みも用意しました。

「配給の日や誕生日が分かるようになりました!」

学習者を見守る地域の人々
識字クラス開始前には、学習者の保護者への説明会を行うだけでなく、地域住民、とりわけ難民キャンプリーダーや宗教的リーダーを集めて説明会を開催しました。これまでの活動実績が実を結び、今では地域住民が若者向け識字教育の熱心な支援者となって若者たちの学びを見守ってくれています。

そんな彼らに、今期も識字教育が始まること、地区のどこに識字クラスが設置され、何人の若者が何を学ぶのか、女性が教育を受けることで家庭や地域がどう前向きに変化するのかなどを丁寧に説明し、理解と支援を求めました。キャンプ内の治安が悪化の一途をたどるなか、地域住民の温かいまなざしは学習者が学びを継続する力となっています。

課外活動の楽しみが学びを支える
ロヒンギャの若者たちに識字クラスの何が楽しいかと聞くと、多くが「課外活動で同世代の仲間と過ごす時間が楽しみ」だと答えます。今期も週一回は課外活動の日とし、学習者の関心に合わせてサッカーやミャンマーの伝統的なゲーム、手工芸や刺繍(ししゅう)などができるよう必要物資を支援しました。さらに、教育や国際女性デーの機を捉え、地域住民に向けてメッセージを発信するイベントも開催し、企画、開催は若者たちが主導的役割を果たすようプロジェクトスタッフは側面支援に徹しました。

手作りの防災啓発ポスターを掲げる男性学習者
女性ファシリテーターから刺繍(ししゅう)を学ぶ女性学習者

若者の要望を受けミャンマー語の学習も追加
いつの日かミャンマーに戻ることを心に描く若者たちは、キャンプ生活に必要な英語の習得が一段落すると、将来必要となるミャンマー語の勉強に目を向けるようになりました。その強い要望に応えて、2024年4月以降、ミャンマー語での基礎的な読み書き計算が本格的に始まりました。今後も、ロヒンギャの若者の声を取り入れ、改善のために不断の見直しをしながらプロジェクトを実施していきます。

「いつか戻る日が来るから、ミャンマー語を学ぶことができてとても幸せ」と語る女性学習者

ロヒンギャの若者たちの学びを支える仕組み~ロヒンギャ難民の識字教育プロジェクト~

2022年9月からバングラデシュで実施している「ロヒンギャ難民の識字教育」プロジェクト。現在までの活動をご報告します。(2023年12月11日更新)

学用品セットを受け取る女の子と女性たち

今期は720人のロヒンギャの若者たちが英語の読み書き・計算を学びました。クラスが始まった頃はアルファベットや数字を一つずつ指でたどりながら読み上げていた若者たちは、学び始めて6カ月がたつ頃には簡単な文章を書けるようになり、2桁の計算も習得しました。

2桁の足し算引き算を学ぶ男性たち

また、若者が中心となって防災をテーマとするコミュニティ啓発イベントを企画し、難民キャンプで頻発する火事への対策として、消火器を用いた初期消火の方法を実演しました。こうして変化のエージェント(主体)となってコミュニティをけん引する若者の姿は住民の信頼を集め、プロジェクトに対する住民の支持が広がりを見せています。

今期から若者リーダー育成の一環として始まった過去の受講者への追加授業では、144人の若者が4週間にわたって読み書き・計算を復習し、識字教育の教師となるための研修に参加しました。ロヒンギャの若者が識字教育をリードしていくための体制が着実に強化されています。

追加授業に参加するため一年ぶりに識字クラスに戻ってきた過去の受講生

現地の声:アレハさん、16歳、識字クラスに参加した女性
「識字クラスを修了した今日、喜びをかみしめています。ミャンマーでは教育を受けられず、識字クラスに参加する前は、計算どころか数字ひとつ書くこともできませんでした。私は識字クラスで多くのことを学び、家族や地域の子どもたちに読み書きや計算を教えられるようになりました。

将来生まれてくる私の子どもにも、教えてあげることができます。そのことを想うと、とても幸せです。プロジェクトは私にとって大きな助けとなりました。ロヒンギャのコミュニティでは女性が働くことはよいこととみなされてこなかったのですが、私は将来働くことを希望しています」

現地の声:ショヒッドさん、17歳、追加授業に参加した男性
「こうして追加授業に参加することができて、とても嬉しく、光栄に思っています。一年前に識字クラスを修了した後は、父が教育費を工面してくれて、家庭教師から学び続けることができました。難民キャンプでの暮らしを考えると決して小さくない出費です。それでも父は、教育を受け続けることを希望する自分を応援してくれました。

識字クラスに参加する前であれば、父が家庭教師代を用意することは考えられませんでした。父は教育の価値を知らなかったからです。識字クラスは私に読み書き・計算を教えてくれただけでなく、父の価値観も変えてくれました。今後は、識字教育の普及を担う若者リーダーとなってコミュニティに貢献したいと思います」

手作りのフォトフレームで国際女性デーを祝う女性たち

2022年9月~2023年6月主な活動の成果
・識字教育を行う学習スペースの開設(24カ所)
・15歳から24歳の若者を対象とした識字教育の実施(720人、うち女性360人)
・コミュニティ・ボランティアを対象とした教師育成を含む研修の実施(受講者36人、うち女性18人)
・過去の受講者に対する追加授業の実施(144人、うち女性72人)

識字クラスで真剣に学ぶ女性たち

2023年3月に難民キャンプを訪問したプロジェクト担当職員が、活動に参加する若者や女性たちに会って、「プロジェクトがもたらした前向きな変化」を感じてきました。(2023年6月5日更新)

現地で出会った女性たちの言葉に見る前向きな変化
「ロヒンギャ難民の識字教育」プロジェクトでは、15歳から24歳までの未就学の若者720人が、小人数の識字クラスで学んでいます。若者たちの学習意欲は非常に高く、前年度は98.9%の学習者が規定の出席率を達成しました。

活動に参加する女性の学習者や、学びをサポートするファシリテーターたちの声からは、知識を習得することへの純粋な喜びや、活動の継続がもたらしている変化が見てとれます。

「私はこれまで読み書きができなかったので、言語を学ぶのが楽しいです」(識字クラスで学ぶファリダさん(仮名))

目を輝かせて学ぶ喜びを語るファリダさん(仮名)

「彼女たちの成長を見守ることが、今の私の幸せです」(ファシリテーターのアブドゥルさん)

ファシリテーターのアブドゥルさん

「今では、ロヒンギャ難民と言葉を交わす度に、プロジェクトが生み出したインパクトを実感しています。彼らの言葉に、明日も頑張ろうと思えるのです」(バングラデシュ事務所のルマナ職員)

バングラデシュ事務所のルマナ職員

支援を通じ教育の重要性が浸透
担当職員は、「現地で出会った若者たちの、「もっと学びたい」「コミュニティをこうしていきたい」「そのために自分はこのスキルが欲しい」といった力強い言葉に、これまでの継続的な活動を通し、この地に基礎教育の重要性が驚くほど浸透していることを実感しました。」と話しています。

識字能力の定着にむけて
プロジェクトが対象とするすべての地域では、まもなく識字教育の全課程が終了し、学習者は期末テストを受ける予定です。その後は補習授業を行うとともに、前年の修了生を対象とする追加授業を実施し、識字能力の定着と維持を目指します。プロジェクトの残りの期間を通じて、基礎的な識字教育の質と効果を高める取り組みを続けていきます。

【経過報告】バングラデシュで出会った3人の女性たち~ロヒンギャ難民の識字教育プロジェクト~

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プロジェクトオーナー

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公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン

国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。

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