寄付受付開始日:2022/09/06
更新日:2024/02/21
世界最貧国の一つであるソマリアでは、内戦や相次ぐ干ばつにより国土が荒廃し、多くの人々が困難に直面しています。特にここ数年は、雨期に十分な降雨量を得られない状況が続いたことから、干ばつが深刻化。水源は枯れ、家畜は息絶え、放牧をおもな生計手段としていた多くの人々が生活の糧を失いました。食料や燃料価格の世界的な高騰も、厳しい暮らしにさらなる追い打ちをかけています。
プラン・インターナショナルでは、給水車による水の供給や現金給付などを通じ、困窮する家庭への緊急支援を続けています。一方で、中長期的な影響として、子どもたちの教育機会の損失がさらに加速することを危惧しています。
国連の調査によると、この干ばつの影響で推定40万8,000人の生徒が就学困難な状況に陥っています(※)。教育は後回しにされ、長期間学校に通えず、学習面で大きく遅れをとってしまっている子どもたちが大勢います。特に女の子の間では、家計の負担を減らすために早すぎる結婚(児童婚)を強いられる事例も報告されています。教育機会の損失は、子どもたちがもつ可能性や将来の選択肢を狭めることにつながります。
(※)Humanitarian Needs Overview Somalia 2022
このプロジェクトでは、干ばつの影響を受けている地域において、子どもたちが安全な環境で教育を継続できるよう支援します。教育の遅れを取り戻すための補習授業のほか、学校施設の整備や男女別トイレの設置、早すぎる結婚のリスクや性と生殖に関する健康と権利についての意識啓発にも取り組みます。
干ばつの影響を受けた子どもたちが、安全で保護された環境のもとで、ジェンダーに対応したインクルーシブな質の高い教育を受けられるようになることを目指します。
●干ばつの影響を受けている児童への学用品の支給
●学習の遅れを取り戻すための補習授業の実施
●学校の給水施設、男女別トイレの修繕・設置
●子どもの保護、思春期の子どもたちへの性と生殖に関する健康と権利についての意識啓発および心理社会的支援
●女の子が安心して通学するための月経衛生キットの支給
●水と衛生、栄養などの政策、ガイドラインの策定支援
更新日:2024/02/21
学用品や生理用品の支給、教員研修を通じて子どもの教育継続をサポート
長引く干ばつによって生計手段である家畜を失い、収入が途絶えた家族を助けるため、学校を休んで働き始めた男の子。近くの井戸が枯れ、遠くの井戸まで水くみに行くため学校に通うのをあきらめた女の子。干ばつの影響で子どもたちは学校を休みがちになり、なかには1年以上も欠席している子どももいました。
プロジェクトでは、子どもたちが学校に通い続けることができるよう、学用品の支給、学校での給水施設やトイレなどの環境整備、特に貧しい世帯には6カ月間限定の現金給付を行いました。また、頻繁な欠席などによって学習に遅れがでている子どもたちに対する補習授業を実施。遅れを取り戻すことで、子どもたちは「学校に通い続けよう」、「また学校に行こう」といった気持ちも取り戻すことができました。
プロジェクト実施地域では、教壇に立つ先生のうち24%が正規の教員養成課程を修了しておらず、また教員資格を持っていません。そこで、教員資格を持たない先生20人に対して研修を実施し、研修後のフォローアップとして補習授業を担当してもらいました。この補習授業には394人の子どもが参加し、その全員が学年末テストで平均点以上の点数を取ることができました。
また、女の子が生理中も学校に通い続けられるよう、繰り返し使える布ナプキンを学校で配るとともに、生理や第二次性徴などの体の仕組みについて理解を深めるための学びの機会も提供しました。ソマリアの多くの地域では月経はタブー視され、話題にすべきではないものとされています。「干ばつ」と「生理」という二重の課題を乗り越えるための取り組みを行いました。
プロジェクトの活動地域:ソマリア・トグデール州
プロジェクトの活動期間:1年(2022年7月~2023年6月)
主な活動の成果・支援内容と対象
・干ばつの影響を受けている児童1,350人(女の子636人、男の子714人)に学用品を支給
・20人の教員に対する教員研修を実施
・394人(女の子302人、男の子92人)が学習の遅れを取り戻すための補習授業に参加
・小学校5校にて給水施設と男女別トイレを修繕・設置
・水不足が最も深刻となる2022年9月~10月、5校にて給水車による給水を実施
・貧困により就学継続が困難な子どもがいる150世帯に対し、6カ月間の現金給付を実施
・子どもの保護、思春期の子どもたちへの性と生殖に関する健康と権利についての意識啓発を4回実施
・早すぎる結婚(児童婚)、女性性器切除(FGM)、レイプなどの被害にあった119人の女の子に対する個別支援の提供
・400人の女の子に月経衛生キットを支給
・小学校5校にて水と衛生、栄養などの政策、ガイドラインの見直しを支援
プランの公式ウェブサイトに、現地の女の子たちからの感謝の声、そして現地から日本の皆さまへのビデオメッセージを掲載しています。ぜひご高覧ください。
【完了報告】ソマリア「干ばつ危機下の子どもの教育」プロジェクト
中途退学リスクの高い女の子がいる家庭に現金を給付
コミュニティー委員会や学校の先生たちから構成される「選考委員会」を立ち上げ、干ばつや早すぎる結婚(児童婚)、家庭の事情などで中途退学リスクが高い女の子のいる世帯を対象として、女の子を学校に通わせること、就学を継続させることを給付の条件に、150世帯に現金給付を行いました。プロジェクトでは、6カ月目の現金給付の後に、お金の使い道やその後の家族の状況などを調査し、支援の有効性について確認する予定です。
就学継続の危機にあった子どもたちに学用品を支援
家計を助けるため働きながら学校に通っていることから進級が遅れている子どもたちがいます。干ばつ以前からノートやペンといった勉強に最低限必要な学用品を準備することすら難しい状況でしたが、干ばつ後はさらに苦労していることから、就学継続の危機にあった子どもたち250人に、読み書きや算数教材などの学用品を配布しました。
教室修繕や補習クラスの実施、先生への研修も
就学の遅れを取り戻すための補習クラスの実施や教員研修を行いました。また、子どもたちが少しでも学校に通いやすくなるよう、5つの小学校でトイレ10基を修繕、新規設置。給水タンクも設置して学校でも手洗いができ、水を飲めるようにしました。そして女の子たちが生理中でも遅刻や早退、欠席せずに学校に通えるよう、300人に生理用品キットを配布しました。
子どもが安心して教育を受けられるように
気候変動、干ばつ、食料危機が子どもたちに与える影響は教育問題だけではありません。不安やストレスによる家庭内暴力、口減らしのための早すぎる結婚(児童婚)、女性性器切除(FGM)を受けさせられるなど、女の子たちが直面する見えにくい暴力被害も報告されています。プロジェクトでは、子どもの権利や保護、問題がおこったときに通報する仕組みづくり、カウンセリングや治療などの支援もおこなっています。
募金の受付は終了しましたが、引き続き地域のさまざまな状況に目を配り、多様な視点からの取り組みを通じてより多くの女の子、男の子たちが健やかに成長できるよう活動を続けていきます。
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プラン・インターナショナルは、女の子が本来持つ力を引き出すことで地域社会に前向きな変化をもたらし、世界が直面している課題の解決に取り組む国際NGOです。世界75カ国以上で活動。世界規模のネットワークと長年の経験に基づく豊富な知見で、弱い立場に置かれがちな女の子が尊重され、自分の人生を主体的に選択できる世界の実現に取り組んでいます。
このプロジェクトでは領収書の発行をおこなっておりません。
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