忘れられた紛争イエメン 子どもの未来と生活を取り戻すために
(日本国際ボランティアセンター)

寄付受付開始日:2023/03/23

  • 領収書なし
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現地のパートナーNGOが補修支援した教室では、今、多くの子どもたちが学んでいます。

特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター(JVC)

プロジェクト概要

更新日:2024/06/12

長引く紛争の影響を受ける子どもたちの未来を守る活動を応援してください

イエメンでは首都サナアを含め北部を制圧しイランが支援するアンサールッラー(フーシー)派と南東部を治めサウジアラビアを中心とする連合軍が支援する暫定政府との内戦が2015年から継続しています。水面下で紛争解決に向けた交渉は継続されていますが、ウクライナ戦争の陰で国際社会に「忘れられた紛争」。国民の3分の2以上の2,160万人が支援を必要としている「世界最悪の人道危機」と言われています。

砲撃を受けた後に倒壊した南部の都市アデン市内の建物

人々の生活はすでに8年にわたる紛争、経済崩壊、電気や安全な水の不足、コレラのまん延に新型コロナウイルス感染拡大などが重なる厳しい環境の影響を受けてきました。前線から逃げてきた国内避難民は身分証明書を紛失した人も多く、大人は農地や職を失い、子どもは学校への登録もままなりません。日々の食事の確保が精一杯で、医療費、教育費も支払えず、不就学の子どもが270万人以上いると言われています。

紛争によって逃れてきた国内避難民が住むキャンプの住居

子どもたちは生まれたときから戦争状態や武器の氾濫が当前の環境下に置かれ、青年は家族のために兵士になることを選ばざるを得ない状況に置かれています。多くの子どもたちが、創造性、協調性、情緒の育成のために欠かせない「子どもらしい時間」を過ごせないでいます。

2022年、JVCは職員を派遣し現地NGOのNahda Makers Organization(NMO)と連携して南部で現地調査を実施。紛争の影響を受ける人々への支援を開始しました。「援助への依存ではなく生活を築きたい」という声を受け、国内避難民が多い地域で子どもたちの将来につながる幼稚園の園舎建設、教育関連施設へのソーラーパネルの設置を行いました。

2022年にJVCが建設支援した幼稚園の教室
笑顔を見せる幼稚園の園児

今後は、出生証明書を持たない避難民児童への証明書取得サポート、子どもが安心して過ごせる場づくりなどを行っていく予定です。また、避難民たちの生計手段は限られるため、若者を対象とした職業訓練も視野に活動を行います。

活動の現場から

寄付金の使いみち

紛争下にあるイエメンの子どもたちの生活環境と教育環境の改善を支援するために、大切に活用させていただきます。パートナーの現地NGOのNahda Makers Organization(NMO)とともに、以下の活動を実施します。

・人々が生活を営んでいくために必要最低限の権利(教育、診療、就労、支援物資の受取り)を享受する手段を確保するために、出生証明書などの身分証明証の取得をサポートします。

・子どもが安心して子どもらしい時間を過ごせるよう、学習や遊びなどの日常を過ごせる場を提供します。

・避難民の若者の生計向上につながる活動の可能性を模索します。

活動については、定期的なモニタリングおよび必要なフォローアップを行います。

活動情報

更新日:2024/06/12

現地から届いた喜びの声(2024年6月12日更新)

JVCと現地NGOのNahda Makers Organization (NMO)の支援によって、タイズ県マクバナ郡の避難民地区で、400人の児童が出生登録証を、16歳以上の150人が身分証明書を取得することができました。さらに、法的な権利、子どもの保護、身分証明や教育の重要性などに啓発活動を実施し、425人が参加しました。

身分証明書を取得した対象者からは、「身分を証明するものがないことで、援助機関からの現金給付を受けられない心細さや疎外感を感じていましたが、これからは支援が受けられます」といった安堵(あんど)の声や、子どもが出生登録証を受け取った保護者からは、「子どもたちが出生登録証を取得して、学校での勉強を継続できるようになるのがうれしいです」といった声があがっています。

出生登録書を手に笑顔を見せる女の子(個人情報部分は編集済)

また、子どもたちが安全に過ごせる場所として、「子どもに優しい空間(Child Friendly Space:CFS)」を設置し、200人以上の避難民児童および地域の児童が参加しています。日曜から木曜まで日替わりで、絵本の読み聞かせ、お絵かき、人形劇、伝統的なボードゲームやレクリレーションを行います。さらに、テントの室内で行うアクティビティ以外にも、外遊び用の遊具も設置し、子どもたちがのびのびと過ごせる場となりました。

子ども広場での読み聞かせの様子

子どもたちは「毎日、子ども広場に来ています。とても楽しいです」と話してくれました。保護者からは、「以前はどこに行っているか分からなかったけど、今は子ども広場で遊んでいるので安心しています」「とても内向的だった子どもが、自分の気持ちを表現できるようになりました」と、子どもたちの居場所ができ、心身ともに成長している子どもたちの様子がうかがえました。

子ども広場で玩具を使って遊ぶ子どもたち

2024年度も引き続き、戦闘地域に近いタイズ県内の避難民地域を対象に「子ども広場」の運営支援をしていきます。

国内避難民の身分証明書取得と教育支援を開始します(2023年7月12日更新)

避難の際に身分証明書を喪失した人々や、避難先で産まれ出生証明書を持たない子どもが多くいます。出生証明書の発行費用は高額ではありませんが、行政機関での発行となり、親の身分証明書も必要とされます。身分証明書がないと携帯電話を買えない、医療サービスを受けられない、検問所の通過ができない、就業できないなど、人間らしい生活を送る上でさまざまな困難に直面します。

また、多くの国内避難民の児童が、相次ぐ避難で学校に通えなくなるなどして不就学となっています。紛争が8年目に入り、空爆・砲撃などによる心理的な影響や困難な経済状況の中で、多くの子どもが創造性、協調性、情緒などの育成のために欠かせない「子どもらしい時間」を過ごせないでいます。

紛争により破壊されたタイズ県の学校。紛争下で教育の機会が奪われている子どもは絶えない

そこで、私たちは現地NGOのNahda Makers Organization (NMO)とのパートナーシップのもと、タイズ県またはホデイダ県にて国内避難民キャンプの住民を対象に、児童の出生登録証の取得や身分証明書(16歳以上)の取得をサポートします。また、子どもたちを暴力や搾取から守り、安全に安心して過ごせる居場所として「子どもに優しい空間(Child Friendly Space: CFS)」の設置と運営を行います。CFSを運営するファシリテーターへの研修を実施したうえで、心理的ケアやレクリエーションのためのキットを提供するなどして、子どもが子どもらしく過ごせる居場所を提供します。

タイズ県の避難民キャンプの子ども達

活動の進捗(しんちょく)については、定期的なモニタリングなどを行い、最新情報はウェブサイトにも掲載していきます。

以前にNMOが実施した「子どもにやさしい空間(CFS)」の様子

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プロジェクトオーナー

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特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター(JVC)

JVCは、1980年の設立以来、アジア、アフリカ、中東、日本で、その地に生きる人たちとともに活動を続けてきました。現地で当事者が発する声を大切に聴きながら、歩みを進めています。
目の前の課題を解決するだけでなく、上下や貧富をつくる社会構造をこの世界からなくすために、志を同じくする人々の力、思いを結束し活動しています。

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