寄付受付開始日:2015/09/09
更新日:2024/05/31
2011年3月にシリア紛争が勃発してから10年以上がたちますが、情勢が安定する見通しは立たっていません。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、2023年12月時点でシリアから国外に逃れた人々は約512万人、シリア国内で人道支援を必要とする人々は約1,530万人にのぼります。これは日本の人口の約1/6に相当し、シリア危機が過去のものではなく、解決されないまま現在も続く人道危機であることを物語っています。
AAR Japan[難民を助ける会]は、2012年にトルコへ逃れたシリア難民への支援を開始し、これまでに食料や生活必需品の配布、障がい者支援、教育支援、コミュニティーセンターの運営などさまざまな活動を行ってきました。2014年にはシリア国内でも避難民への支援を始め、現地協力団体と連携して食料配布や地雷・不発弾対策などを行ってきました。
紛争により故郷を追われ、帰還のめどがまったく立たない中、子どもたちが将来に希望をもって安心して暮らせるよう、皆さまのご協力をお願いいたします。
例えば1万円で、1カ月分の生活手当を提供しながら親の就労促進などにより持続的な解決策を探し、シリア難民の子ども1人が学校に通えるようになります。
最新の活動情報は随時AAR公式ウェブサイトで更新してまいります。ぜひご覧ください。
シリア難民の方々のため、皆さまのご協力を心よりお願い申し上げます。
"#世界難民の日"
更新日:2024/05/31
トルコでの難民支援活動では、現地団体に対して難民保護や個別支援などを自分たちの力で実施していけるようにトレーニングをしています。
「病気やケガをしても病院に行けない」「子どもが教育を受けられない」「トルコ語が分からない」など、難民は多くの悩みを抱えています。
カイセリ県にある現地団体The Afghan Refugees Solidarity Association (ARSA)では、そのような人々に母国語のアラビア語やペルシャ語で必要な情報を提供しています。地域の難民コミュニティーからは多くの相談が寄せられており、法的支援や医療支援などにつなげています。
シリア紛争が2011年3月に勃発してから13年がたちます。世界各地で次々と起こる人道危機に注目が集まる中、シリア危機がメディアに取り上げられる機会は減少しています。しかし、シリアの人々を取り巻く困難な状況は依然として続いています。
AARは2014年からシリア国内で小麦粉や食用油などの食料を配布する支援を実施しており、2022年からは避難民キャンプの約2,000世帯(約1万人)にパンを届けています。現地協力団体を通じてトルコから小麦を運び、契約業者が製造したパンを配布しています。
避難民キャンプで暮らすビラルさん一家も配布対象となっており、家族全員分のパンを受け取っています。
「毎日パンを配布してもらえることは本当にありがたいです。子どもたちがパンを手にして嬉しそうに笑う姿を見ると、パンは日々の糧として空腹を満たすだけでなく、心にも栄養を与えてくれているのだと実感します」。とビラルさんは話します。
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「ちゃんと治療を受けて、歩くことができるようになったことをとても誇りに思うよ。将来は学校の先生になりたいな」
友だちと並んで歩き、笑顔で会話するマフムードさん(11歳)。シリア北西部イドリブ県で生まれましたが、すでに激化していた内戦の影響で出産時に適切な医療サービスを受けられず、脳性まひになってしまいました。家族とともに2016年に村を離れ、現在は同県北部の避難民キャンプで暮らしています。
AARは現地協力団体と連携し、避難民キャンプで理学療法、心理面の支援、看護・介護者支援、補装具を提供してきました。現地の支援チームはマフムードさんを診察し、痙性まひ(脳やせき髄の問題で手足が突っ張ることによる運動障害)と筋力低下を確認。自宅でできる理学療法(体操やマッサージ、温熱・電気療法によって運動機能の維持・改善を図る療法)を伝え、家族と一緒に継続的に行いました。
担当の理学療法士は「マムフードさんとても熱心に取り組み、12回の治療後、身体の動きが著しく改善しました。継続的な治療は彼の精神状態の改善や運動能力の向上に大きく貢献しています」と報告します。
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新型コロナウイルス感染の影響で2020年は厳しい行動制限が敷かれ、休校やオンライン授業を経て2021年から段階的に学校が再開しましたが、多くのシリア難民の子どもたちが取り残されていました。
コロナ感染の影響を受けて子どもたちのトルコ語学習は危機的状況にありました。「収入が途絶えて家計が悪化し、子どもの教育にお金をかけられない」「オンライン授業を受けるための機器をそろえられない」――。トルコで暮らすシリア難民の多くの子どもたちはこの間、授業に参加できずにいたのです。
そこでAARは2023年4月、子どもたちが通学を再開・継続できるように、トルコ語教室や学用品提供などの支援プログラムを開始しました。子どもたちはとても意欲的で、「授業が楽しくて一生懸命勉強したいっていう気持ちになる」「トルコ語の単語をどんどん覚えてるよ」と話します。ここでの学習によって周囲とのコミュニケーションも改善しています。
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AARが支援するシリア国内の地域では、人口の約8割が人道支援に頼って暮らしていますが、物価の高騰や農業生産の減少などの影響で、人々の生活は厳しくなる一方です。さらに今年2月から続くウクライナ危機は、シリアを含む中東諸国に食料不足をもたらしています。
そこでAARは、小規模農家250人を対象として、小麦の収量向上のための農業支援を実施し、種子や肥料、農薬を提供するとともに、栽培方法や害虫駆除、収穫後の保存方法などについて専門家による研修を行いました。2022年6月の収穫では、農家1戸あたり平均3.5トンを収穫し、平均1,750ドルの収入につながりました。
AARの支援を受けて、農家としての知見が深まったというサットゥーフさん。「害虫やネズミの駆除、農業用肥料の使い方などの研修は非常に有益でした。おかげで良質な小麦を4トンも収穫し、家族のために少しばかりお金をためることができて、本当に感謝しています」と笑顔を見せました。
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AARはシリアで2014年から小麦粉、食用油など食料配布を実施し、2022年からは避難民キャンプの約2000世帯(約1万人)にパンを届けています。多くの世帯が女性と子どもだけで暮らし、働き手もおらず、AARが調査した世帯の半数が満足に食べていない状況でした。
パンを受け取ったオム・ラビさんは、こう話してくれました。
「6歳から11歳の子ども5人を育てています。夫は6年前、空襲で亡くなりました。不自由のない暮らしだったのに、それからはとても苦労し、今は避難民キャンプで暮らしています。
これまでは食料が買えず苦しい日々でした。私しか稼ぎ手がいないのに、信じられないほどの値上がりで、パンさえ手に入れるのが難しくなりました。店も遠くて大変でした。
パンの配布のおかげで、1日に大きなパンを2つ、週に6日受け取っています。子どもたちにちゃんと食べさせ、必要な物を買うお金をとっておくこともできて、本当に助かります。AARの支援は私たちだけでなく、避難民キャンプにいるすべての家族を助けてくれています。」
ウクライナ危機の影響で小麦の価格が上がり、シリアでも食料危機のリスクが高まっています。AARは生活用水の支援、地元農家への小麦栽培支援、新型コロナ感染予防のための衛生用品の配布などを通じて、シリアの人々を支えています。
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2021年の4月~7月、週に1度、11回に分けて、日々の食生活にさえ困窮する156人(26世帯)のシリア難民に食料を届けました。トルコでは、新型コロナウイルスの感染拡大により、飲食店(サービス業)に厳格な規制が敷かれ、そうした場所で働いていた多くの難民が収入源を失いました。そのため、十分な食料を得ることができずに、「市場に廃棄された野菜や果物を拾い集めてなんとかやりくりしている」、とシリア難民の窮状が聞かれたほどです。
低収入と栄養や健康に関する知識の不足は、栄養の不足や偏りを生み、健康上のリスクを難民にもたらしています。
そのため、AARは管理栄養士が作成した栄養バランスの取れた食材リストを食料とともに配布。リスト上の食材を使ったレシピも手渡しました。
配布前と後に行った調査では、食生活と子どもの栄養状況に改善がみられました。2022年は、約300人(50世帯)を対象に、10回(約3カ月分)の食料配布を予定しています。
「こういうものは手に入りにくいから本当に助かるよ。ありがとう」。今年8月、シリアの国内避難民キャンプで感染症対策となる衛生用品セット(マスク、石けん、洗剤、ウェットティッシュなど)を配布しました。
配布した衛生用品は1世帯当たり30日分に限られますが、支援を実施した地域では昨年来、コロナ禍による行動制限や物資の移動規制などの影響もあって、70万人以上が衛生用品を入手できずにいました。シリア国内では安全上の理由で日本人職員が活動できないため、現地協力団体と連携して物資の調達・配布を進めています。
シリアには、空爆などで負傷した人が多く、12歳以上の避難民の4割が何らかの障がいで苦しんでいます。コロナ感染拡大以降、彼らは公共交通機関の停止で通院ができなくなったり、NGOなどによる支援活動が中断されたりと、より一層厳しい生活を余儀なくされています。
こうした状況が長引くと、健康状態がさらに悪化し、生活の質を低下させる深刻なリスクを招きます。そのため、AARは医療サービスにサクセスできない障がい当事者へ、理学療法士やカウンセラーの戸別訪問によるリハビリテーションや心理カウンセリングを行い、障がい当事者とその家族の生活改善を図っています。
シリア国内では泥沼の紛争に加え、コロナ禍が最も弱い立場にある避難民や障がい者をますます追い詰めています。さまざまな制約がある中、AARはこうした人々を最優先して人道支援活動に取り組んでいます。引き続き、皆さまのご理解・ご支援をよろしくお願い申し上げます。
11歳のムハンマドくん(仮名)は、2017年にシリアで跳弾を受けて右目を失明、左目を負傷しました。シリアで右目の摘出手術を受け、家族でトルコに避難してきました。学校に通い始めましたが、目について何か言われるのが嫌で行かなくなり、外に出ることもほとんどなくなってしまいました。何の手立てもなく途方に暮れてた両親に、近所の人が、AARが運営するコミュニティーセンターの利用を勧めました。
ムハンマドくんの利用登録を受け、AARは個別支援を開始。当初、ムハンマドくんは常に悲しそうでした。まず、心理的支援が必要と判断し、10度にわたり専門スタッフによるカウンセリングを実施。そして、右目用の義眼と左目用の医療用眼鏡を提供し、通院を続けるための送迎と通訳も手配しました。
義眼を付けたことで、ムハンマドくんは学校に戻ることができ、友達も3人できました。授業はすべてトルコ語ですが、困ったときにはトルコ人の友だちが助けてくれるそうです。一緒に登校する母親に、「早く行こう!」と言って急かすようになったと、ムハンマドくんのお父さんが笑いながら教えてくれました。ムハンマドくんは、「最近は授業が楽しくて、少しずつトルコ語が分かるようになってきた」と話してくれました。将来は、学校の先生かお医者さんになりたいそうです。また、日本に行ってみたいと楽しそうに話してくれました。
いまだにトルコに約361万9千人も暮らすシリア難民は、皆、ムハンマドくんのようにとても大事な何かを失っています。
危機勃発から9年がたっても、その傷が癒えずに苦しんでいたり、一見すると生活を取り戻せたような方たちであっても、多くの方が、母国にいればぶつからずに済んだ壁に日々直面しています。どう乗り越えられるのか、異国ではそれすらわかりません。AARは、難民の方のお宅を一軒一軒回って生活に必要な情報を伝えたり、ムハンマドくんのような方には個別の支援を提供してきました。
こうした支援に加え、難民の人たち同士をつなぐ活動にも力を入れています。私たち外部の支援者は、いずれトルコを去っていきます。その日に向けて、助け合える人間関係をつくり、異国にいながら自分たちの課題を自分たちで解決する方法を身に着けていきます。難民が集まる会合の場で、ある女性がこう声を上げました。「私たちはモノよりもこういう支援こそ必要としていたのよ!」
現在は、トルコ国内で新型コロナウイルスの影響が広がる中、言葉の壁による情報不足から大きな不安やストレスを抱え、また経済的にもひっ迫した生活をおくっているなど、難民の方たちはより一層困難な状況におかれています。電話やオンラインを含め多様な支援のあり方を模索しながら、日々変化するニーズに応じた個別の支援と、将来を見据えたコミュニティーづくりに引き続き力を入れ、人々の生活を支えていきます。
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AAR Japan[難民を助ける会]は1979年に日本で発足した国際NGOです。
現在、シリア難民支援をはじめ、ロヒンギャ難民支援や南スーダン難民支援などの難民支援や、障がい者支援、地雷対策などを、世界16カ国で実施しています。
「困ったときはお互いさま」の精神で、特に困難な状況にある方たちに迅速に支援を届けることをモットーとしています。世界各国での緊急支援の経験を生かし、いち早く現場に駆け付け活動しています。
このプロジェクトでは領収書の発行をおこなっておりません。
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