【国際NGO CARE】女性の経済的エンパワメントと農業の多様化を通じて、東ティモールの貧困削減を目指す

寄付受付開始日:2024/08/07

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生業手段の多様化に向け、乾期の野菜栽培と、農民を市場につなぐ環境を整備することにより、遠隔集落の農民世帯の生業状況と栄養と食習慣の改善を目指し、女性の経済的エンパワメントを促進します。

公益財団法人ケア・インターナショナル ジャパン

プロジェクト概要

更新日:2025/04/08

女性の経済的エンパワメントと農業の多様化を通じて、貧困削減を目指す

首都ディリから南西45キロに位置するエルメラ県アッサベ郡は、県の中心部からさらに離れた山岳遠隔地にあります。住民の大多数が零細農家で、貧困に苦しむ農村地域です。同地の農業は、自給自足に留まり、また、近年の気候変動とそれに伴う災害の多発により農業生産性は安定せず、農民世帯の生業も安定していません。

そのため、雨期の天水に頼った穀物の生産だけではなく、農業を多様化し、年間を通じ作物が収穫できる環境への改善が求められています。

また、東ティモールは、栄養失調の割合が世界で最も高い国の一つとされ、食料不足や食料の入手困難さ、栄養や衛生に関する知識の欠如、安全な水の不備、そして、女性や子どもへの配慮の欠如などの問題を抱えています。

農民グループの女性たち
首都ディリから南西45キロに位置するエルメラ県アッサベ郡
VSLAとは、Village Savings and Loan Associationの略。村落貯蓄貸付組合を表す

【具体的な活動内容】
<生業支援>
天水頼りの自給自足農業から乾期には野菜を取り入れた農業に転換することで、年間を通して収穫が得られるようにします。そのうえで、農民を市場につなぎ、収入創出の機会を拡大します。具体的には、農業用水設備の維持管理、道路や橋の改修等、生業活動の土台となるインフラを整備し、野菜栽培の技術やビジネス研修、販路拡大支援等の活動を実施します。

<女性の経済的エンパワメント>
生業支援の取り組みにあたっては、女性の経済的エンパワメントを促進し、女性農民の家計に関する意思決定への影響力を高めます。具体的には、女性農民への村落貯蓄貸付組合(VSLA)の金融サービスの提供や、野菜販売グループ活動による収入の創出支援、配偶者を巻き込んだジェンダー平等研修等の活動を実施します。

<食の支援(栄養と食習慣の改善)>
野菜の栄養価を活かし適切に栄養が摂取できる食事について、農民および授乳期にある女性や妊婦を含む集落住民に、栄養啓発や調理実演等の活動を実施します。

【世界60カ国以上に広がったVSLAとは】
1991年に⻄アフリカのニジェールでCAREが初めて立ち上げた貯蓄貸付の仕組み。1グループは15~25人で構成され、メンバーは貯金をするだけではなく貸付も行い、返済金の利息がもたらす収益はメンバー間で分け合います。VSLAは、従来型の銀行には融資してもらえず、マイクロファイナンス機関も利用できないほどのへき地では、現地の銀行として機能しています。

【農民グループの会計を務めるオデテさん】

農民グループの施設管理委員会の会計を務めるオデテさん

竹など地元でとれる建材を利用し、グループで作った苗畑でポーズをとる一児の母であるオデテさん。CAREの研修で帳簿の付け方を学び、ポエプソ農民グループの施設管理委員会の会計を務め、グループで得た収益を管理しています。オデテさんのグループは、収益でこれまで栽培したことのない野菜の種を買い、苗を育てて、収穫した野菜を地元の学校に給食用の食材として販売したり、市場への販路を拡げたりなど、さまざまな挑戦を計画しています。

寄付金の使いみち

東ティモールにおいて実施している「遠隔集落における生業改善事業」の活動費として使用させていただきます。

活動報告

更新日:2026/04/21

給水設備の保守にかかる研修を行いました(2026年4月21日更新)

給水設備の保守にかかる研修のようす(2026年4月 東ティモール)(C)CARE

2026年4月7日から4月10日にかけて、当財団が「遠隔集落における生業と食の改善事業」を行う東ティモールの山岳部アッサベのアタラ、ラサウン、バボエ・レテン、マラベの4つの村において、村人たちが毎日利用する給水設備を管理するグループを対象に、修理や点検の方法を学ぶ研修を行いました。研修には、女性15名、男性16名、合計31名が参加しました。

この地域では、この事業を始めるまでは、給水設備を日常的に管理する体制が十分ではなく、壊れたときに修理するための知識や技術が足りないという課題がありました。こうした状況のなか、いくつかの給水設備は長い間きちんと手入れされないまま壊れてしまい、特に乾期には水が不足することがありました。その影響で、乾期には農業ができず、収入が減ったり、食事の栄養が偏ってしまったりする問題にもつながっていました。

研修で、フィルター清掃や道具の使い方を学ぶようす(2026年4月 東ティモール)(C)CARE

施設を大切にすることは、未来を守ること
今回の研修は、こうした悪循環を少しずつ改善していくための大切な一歩です。研修では、参加者が熱心に質問をしたり、これまでの経験を話し合ったりしながら、実際に修理を行う練習をしました。また、昨2025年から水道料金の徴収を始め、集まった資金は、実際に壊れた設備の修理やバルブの交換にも使われています。研修を通して、「自分たちで直せる」という自信と、設備を大切に使い続ける意識が高まりました。

この事業では、今後も給水設備の管理グループを継続して支援し、安心して水を使い続けられる地域づくりを進めていきます。

日々の小さなメンテナンスの積み重ねが、コミュニティーの安心と幸せにつながります。

ジェンダー平等と性別に基づく暴力(GBV)防止研修を実施しました(2026年4月14日更新)

ジェンダー平等と性別に基づく暴力(GBV)防止研修に参加している女性たち(2026年3月 東ティモール)

日本NGO連携無償資金協力をうけて、当財団が東ティモールの山岳部で実施している「遠隔集落における生業と食の改善事業」。

2026年3月下旬の3日間、アッサベの4つの集落において、ジェンダー平等と性別に基づく暴力(GBV)防止研修を実施しました。

対象は村落貯蓄貸付組合のメンバーとその配偶者たち。50人以上が参加した集落もあるなど、どの集落でもとても熱心な議論が行われました。

ジェンダー平等と性別に基づく暴力(GBV)防止研修に参加している男性たち(2026年3月 東ティモール)

研修では、以下のトピックについて、男女別のグループで話し合い、その後発表を行いました。

・社会規範について
・1日の時間の使い方
・暴力を受けたときに心や体にどんな影響があるのか

・女性の経済的エンパワメントの促進

ジェンダー平等と性別に基づく暴力(GBV)防止研修で作成した資料(2026年3月 東ティモール)

話し合いをとおして、女性たちが多くの社会規範に縛られ、家事・育児・農作業・タイス(伝統的な布)織りなど、朝から晩まで長時間働いている現状が見えてきました。
家族で家事を分担すること、そして暴力について考える大切な気づきを得る研修となりました。

ジェンダー平等やGBV防止の実現には時間がかかります。
CAREは今後も、このような研修やワークショップを継続して実施していきます。

「遠隔集落における生業と食の改善事業」にかかる署名式が行われました(2026年4月9日更新)

「遠隔集落における生業と食の改善事業」にかかる贈与契約署名式の様子(2026年2月17日 東ティモール・在東ティモール日本国大使館)

日本NGO連携無償資金協力をうけて、当財団が東ティモールで実施している「遠隔集落における生業と食の改善事業」。

新年度を控えた2026年2月17日、在東ティモール日本国大使館において、本事業にかかる贈与契約署名が、山本恭司駐東ティモール日本国大使(上写真右)と児玉光也当財団事務局長(同左)によって行われました。

この事業は、女性の経済的エンパワメントと農業の多様化を通じて、貧困削減を目指すものです。

活動の詳細は以下からご覧いただけます。

女性の経済的エンパワメントと農業の多様化を通じて、貧困削減を目指す!(2026年3月作成 東ティモール)

2025年度は、生業手段の多様化と収入創出と女性の経済的エンパワメントの促進に向けて取り組みました。

・生業手段の多様化と収入創出

事業に参加している女性たちと畑(2024年2月 東ティモール)

貯水タンクの建設や点滴灌漑(かんがい)用水設備の敷設を通じて、雨期の天水頼りの自家消費用の穀物栽培中心の農業から、乾期の野菜栽培を可能とする農業への転換を促進しました。また、農民を市場につなぎ、マーケティング戦略の策定を支援し、野菜の収穫・販売が農民の生業手段の1つとして加わりました。

その一方で、域内での野菜販売が優先される傾向があります。今後の野菜の生産拡大を見据えれば、域内の市場規模は小さく、持続的な収益向上の面でも、より大きな市場へのアクセスが求められるため、改めて市場のニーズ調査・分析を行い、販売戦略を再構築していきます。

・女性の経済的エンパワメントの促進

事業に参加している女性たち(2024年2月 東ティモール)

村落貯蓄貸付組合の活動を通じ、織物やコーヒー等の販売による小規模ビジネスの立ち上げ、子どもの学費や生活必需品の購入等、女性が家計に良い影響を与える機会を創出しました。その一方で、農民グループの活動においては、男女メンバー間の作業の役割分担や女性メンバーのリーダーシップの発揮等、人々の行動変容の面で課題が残りました。2026年度以降、女性がより積極的に活動できる環境作りを強化していきます。

東ティモールで「日本祭り2025」に参加しました(2025年10月15日更新)

「日本祭り」でアッサベの女性たちが販売している様子(2025年9月 東ティモール)

2025年9月、東ティモールの最大級の商業施設 Timor Plaza で開催された「日本祭り」において、当財団が実施している「遠隔集落における生業と食の改善事業」を紹介しつつ、事業地のアッサベの女性たちが生産した製品を販売しました。
また、木村駐東ティモール日本国大使がブースにお立ち寄りくださいました。

ご協力いただいたレストランと団体は以下のとおりです。

・Uma Saudavel:アッサベ産野菜を練りこんだヌードル(4集落の女性が生産、当日50パック完売しました!)
・Kafe Atsabe:アッサベ産コーヒー
・Tais Association Atsabe:アッサベで生産されたタイス製品

「日本祭り」でアッサベの女性たちが販売している様子(2025年9月 東ティモール)

今回の参加を通じて、日本とアッサベのつながり、そして私たちの活動を多くの方に知っていただくことができました。
ご協力いただいたレストランと団体の関係者の皆さまに、感謝申し上げます。ありがとうございました。

「日本祭り」の参加者と木村駐東ティモール日本国大使(2025年9月 東ティモール)
「日本祭り」のブースに立ち寄る木村駐東ティモール日本国大使(2025年9月 東ティモール)

東ティモールの「遠隔集落における生業と食の改善事業」の成果をお披露目しました(2025年10月8日更新)

東ティモール政府関係者が研修用農地を見学する様子

2025年9月、エルメラ県アッサベ郡マラベ村イラットコーラ集落にて、当財団が実施している「遠隔集落における生業と食の改善事業」の成果を、地域の皆さんとともにお祝いしました。

この事業は、日本政府の資金協力および民間ドナーの支援を受けて実施しているもので、農村の生計向上、ジェンダー平等の推進、栄養改善を目指しています。現在、村の女性たちが村落貯蓄貸付組合(VSLA)への参加や農業研修、栄養改善活動を通じて、収入を向上させ、リーダーシップを発揮できるよう取り組んでいます。

右奥に写る完成したコミュニティー道路(2025年9月15日 東ティモール)

今般、完成したコミュニティー道路のお披露目、女性のVSLAメンバーによる収入向上活動としてのお菓子づくりの視察、研修用農地の見学などを行い、事業の成果を木村駐東ティモール日本国大使、上田INPEX現地代表、オリヴェイラ・アッサベ郡長をはじめとする東ティモール政府関係者にご紹介しました。

東ティモール政府関係者が研修用農地を見学する様子(2025年9月15日 東ティモール)
東ティモール政府関係者が研修用農地を見学する様子(2025年9月15日 東ティモール)

今月から東ティモールで開始した「遠隔集落における生業と食の改善事業」(2025年4月8日更新)

今年度は、これまで行ってきた「生業支援」や「女性の経済的エンパワメント」に加え、「栄養と食習慣の改善」にも取り組みます。
具体的には、野菜の栄養価を活かし適切に栄養が摂取できる食事について、農民および授乳期にある女性や妊婦を含む集落住民に、栄養啓発や調理実演等の活動を実施します。

農民グループの会計を務めるオデテさん(2023年4月14日 東ティモール)

その背景には、東ティモールは、栄養失調の割合が世界で最も高い国の一つとされ、食料不足や食料の入手困難さ、栄養や衛生に関する知識の欠如、安全な水の不備、そして、女性や子どもへの配慮の欠如などの問題があるからです。

先般、本事業を開始するにあたり、贈与契約署名が、木村徹也駐東ティモール日本国大使と当財団現地統括である伊藤洋子によって行われました。

木村徹也駐東ティモール日本国大使と当財団現地統括である伊藤洋子によって贈与契約署名が行われた(2025年1月21日 東ティモール)
木村徹也駐東ティモール日本国大使と当財団現地統括である伊藤洋子によって贈与契約署名が行われた(2025年1月21日 東ティモール)

引き続き支援を求めています

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公益財団法人ケア・インターナショナル ジャパンは、世界100カ国で人道支援活動を行う国際NGOケア・インターナショナルの一員です。災害時の緊急・復興支援や「女性と女子」の自立支援を通して、貧困のない社会を目指しています。

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