寄付の受付は終了しました。
合計で588,356円のご支援をいただきました。多くのご支援、ありがとうございました。

【国際NGO CARE】
水へのアクセス不足を解消して、
東ティモールの人々の農業の活性化を!

寄付受付開始日:2020/11/02

  • 領収書なし
[【国際NGO CARE】 水へのアクセス不足を解消して、 東ティモールの人々の農業の活性化を!]の画像
東ティモールエルメラ県アッサベ郡では、ほとんどの人々が農業を営み、家畜の世話をしながら暮らしています。

公益財団法人ケア・インターナショナル ジャパン

プロジェクト概要

更新日:2024/08/14

気候変動による天候不順、乾期の水不足で、貧困に苦しむ東ティモールの農村地域。私たちは、農業用水設備を整え、人々の水へのアクセス改善と農業の活性化を目指します。

アジアで一番新しい国である東ティモールは、国民の約4割が1日1.25ドル以下で暮らすアジア最貧国の一つ。貧困層の85%は農村部に暮らしています。

対象地域の村長さんは「コミュニティーの中で水の問題が一番大きな課題です」と言います。

首都ディリから南45キロに位置するエルメラ県アッサベ郡は、住民の大多数が零細農業に従事し貧困に苦しむ農村地域です。農業生産性は低く、その暮らしは脆弱(ぜいじゃく)です。気候変動に伴う天候不順などとともに、乾期の水不足が、この地域の農業活動を妨げる大きな要因となっています。雨期の天水に頼った穀物の生産だけではなく、なりわい手段を多様化し生計を向上をしていくためには、農業用水設備の整備を進め、乾期の水不足を解決することが重要です。

このような脆弱(ぜいじゃく)な生活基盤に加え、事業対象地の男性と女性の農業従事者の生産性には31%の差があることが報告されています。多大な労力を必要とする水くみと農作物への水やりは女性が主に担っているため、乾期の水不足は、女性たちの農業生産性が上がらない要因にもなっています。

水を畑へ引くことで、女性の役割とされる水くみや水やり作業が不要になり、農作業負担も軽減ができます。

そこで、同地域の4村落内11集落村の12の農民グループ(女性グループ4つ、男女混合グループ8つ、計約200人)に対し、貯水タンクや点滴灌漑(かんがい)(*)設備などを設置し、山間部の水源から村、そして畑へと水を引くことで、安定的な農作物の収穫を目指します。さらに、主に女性や子どもたちの役割とされる水くみや水まき作業を不要にすることで、女性の農作業負担を軽減します。

貯水タンクの設置により、農業用水の確保だけでなく、対象地域の人々の生活用水にも利用できるようになります。

主な活動:
1.水源を保全し、貯水タンクおよび水路を造ります。
2.点滴灌漑(かんがい)を設置することによって、農地で水を効果的に利用します。
3.点滴灌漑(かんがい)設備を維持管理するための水管理委員会を農民グループ内に設置し、能力強化を図ります。
4.水管理委員会およびコミュニティの人々を対象にジェンダー平等研修などを行います。

*「点滴灌漑(かんがい)」とは……農地に張り巡らされたチューブ内に水を流し、等間隔に開けられたチューブの穴から水が染み出して、作物の根周辺に直接水やりをする方法のこと。より適切に根に水が与えられるため、スプリンクラーなどに比べて、点滴灌漑(かんがい)は蒸発と深部への排水を減らすことで水の節約となる。世界の水消費の70%が食糧生産に使われている中、点滴灌漑(かんがい)の最大の強みは、節水と省エネ性。また、高低差を利用するため、低コストで省労力なシステムで、水くみや水やりなどの労働から女性農民を解放することが可能となる。

【受益者からのメッセージ】

計画的な農業で未来への投資を夢見るパウリーナさん

二人の息子の母親、農民グループのリーダー、村の女性グループのリーダーと3役をこなすパウリ―ナさん。先行事業の「農村地域の生計向上事業」を通じて、財務研修を受けました。
「農業での売り上げの半分を将来の農業に投資し、残りの半分を私生活への投資に回すと教わりました。最近、息子が学校で使う筆記用具やコーヒーを買うことができた他、やっと自分用の携帯電話を買うことができてうれしかったです。さらなる農業の拡大には、水不足がネックになっています。より効率的に多くの水を運ぶことができるようになれば、作物の栽培量を増やすことができます」とこの事業に期待を寄せています。

寄付金の使いみち

東ティモールにおいて実施している「農業用水改善事業」の活動費として使用させていただきます。

【あなたのご寄付でできること】
40,000円のご寄付で、1つのコミュニティーで、水源から貯水タンクまで水を引くためのパイプを購入できます。パイプを引くことにより、コミュニティーに暮らす約200人が、農業のための水や、洗濯、水浴びなどの生活用水へアクセスできます。

活動情報

更新日:2024/08/14

終了報告とこれからの事業について

エルメラ県アッサベ郡農業用水改善事業は2024年2月をもって終了しました。これまで温かいご支援いただき誠にありがとうございました。

およそ3年間にわたり、農業用水設備の設置を進め、同時に設備を維持管理し野菜栽培に有効に裨益(ひえき)するため、さまざまな技術研修や実演活動を実施し、対象農民グループの能力を高める支援を行ってきました。

農園で野菜を手に笑顔を見せるフィロメナさん

【事業概要】

事業概要

【女性農民の水くみ水やり労働からの解放】
プロジェクト対象の12の集落で設置した農業用水設備によって、雨期乾期の季節に左右されず水が得られるようになりました。また、女性農民に負担が偏りがちであった水くみや水やり労働に費やす時間(1日の労働時間13.75時間のうち平均3時間)をゼロにすることができました。農業用水設備は現在、12農民グループ全てで点滴灌漑(かんがい)設備を整備した農地計2,700平方メートルにおいて、通年で98.5%の農民グループメンバーが野菜栽培に取り組めている状況です。

【点滴灌漑(かんがい)や貯水タンクの維持管理】
農民グループ、農業普及員およびコミュニティー(村落または集落村)の3者合同の設備維持管理委員会(FMC:Facility Management Committee)を発足。点滴灌漑(かんがい)設備および貯水タンクの保守点検と不具合があった時の修理の仕方などの研修を開催しました。

また、FMC定例会合を実施しています。定例会合の場を利用して、農業用水設備や農業全般に関するトピックだけでなく、地域淳民の生活向上につながる情報発信やジェンダー平等やジェンダーに基づく暴力(GBV)の予防啓発を実施しました。3年次では延べ978名が参加し、参加者全体に地域住民が占める割合は55%(534人)となっています。

【女性の参画とリーダーシップ強化】
ジェンダー平等を促進のため、ジェンダー分析ワークショップを実施し、農業および家庭内において当然と捉えられがちな男女の役割分担や力関係について男女の意識と行動の変革を促すとともに、女性農民メンバーのリーダーシップの醸成を図ってきました。リーダーシップ醸成を後押しするため、グループ活動において女性メンバーの比率を一定以上にするべくクオータ制を取り入れ、また、農民グループリーダーや集落長、村落長などのコミュニティーのリーダーにクオータ制の意義について理解を促進しました。

その結果、3年次終了時に開催したフォローアップ計画策定のワークショップでは、女性の参加が53%と、2年次での同様のワークショップでの54%に続き、2年間続けて女性の参加者が半数以上を占めました。コミュニティーにおいて、重要な会合への女性の参加について自然と受け入れている姿勢が見受けられます。さらに、メンバー間での会合や研修への女性の参加率だけを見ると、女性の参加が60%と男性の40%を大きく上回りました。

また、単に参加を促すだけでなく、参加の結果としてさまざまな話し合いや決定の場において、女性が自らの意見を自信を持って表明できるよう、グループディスカッションでは、男女別々のグループで話し合う措置を取るなど女性が発言しやすい環境を作ったり、パブリックスピーキング研修や発表会を通して女性に経験を積む機会を提供しました。3年次終了時には、女性メンバーの64%以上が自分の意見を発言できるようになりました。

さらに、成果が現れたのには、男性メンバーの意識と行動の変化が大きな役割を果たしていることが挙げられます。当初は女性メンバーだけの参加を想定していたパブリックスピーキング研修では1年次から男性メンバーの希望で男性も女性と一緒に参加してきました。その結果、女性の公の場での発言や、意思決定の場に女性が参加することへの男性側の理解が深まる効果となりました。

3年次に改訂した設備管理委員会の規定においては、女性の参加を促す取り決めが明確に含まれるようになったが、これは、主に男性メンバーが主導してのことであった。これらの事例は、ジェンダー平等や女性の参画の促進には、男性の巻き込みが重要であることを示唆しています。

【活動写真】

2023年度(三年次)完了報告書より

【遠くまで水をくみに行く必要がありません】

農民グループの畑に立つBeatrisさん 2023年度(三年次)完了報告書より

「以前、私たちのコミュニティーは、農業活動のために遠方の川まで水をくみに歩いていかなければなりませんでした。私は、水でいっぱいの重いバケツを農場まで運ばなければなりませんでした。土地を耕し、苗を植え、その上さらに、作物に水をやるために長い距離を歩かなければならず、大変な労働でした。このプロジェクトのおかげで、一年を通して作物を植えることができるようになりました。農地には点滴灌漑(かんがい)システムが設置されており、作物を植えるために遠くまで水をくみに行く必要がありません。

また、ビニールハウスが豪雨から作物を守ってくれます。私は、グループリーダーに選出され、現在は12人の女性と6人の男性で構成されるグループを率いています。私たちのグループでは、女性と男性に均等に責任が割り当てられています。女性が畑を耕すとき、男性は農場を守るための柵を建てます。私たち全員がこのグループで重要なメンバーです。プロジェクトを通じて、私とグループメンバーは、家庭内での公平な責任分担の重要性について学びました。

女性が家の外で仕事をする必要がある場合、配偶者は家事を手伝います。これには料理、子どもの世話、学校への準備が含まれます。私は、男性が家庭や農家グループで公平な責任を分担すると、女性が通常担っている重い負担が軽減されると信じています。私はこのプロジェクトに本当に感謝しています。野菜を栽培することで、子どもの教育を支援し、食料を手に入れ、市場で売ることができるようになりました。」

【これからの事業について】

農民グループの女性たち

当プロジェクトに引継ぎ、2024年3月、東ティモールのエルメラ県アッサベ郡において、「遠隔集落における生業改善事業」を開始しました。
この新しい事業は、先般終了した「農業用水改善事業」をさらに発展させ、残された課題の解決を目指し、同郡の農民とその地域への支援を継続するものです。具体的には、生業支援を行い、女性の経済的エンパワメントに取り組みます。

CAREはこれからも、女性の社会的、経済的エンパワメントにより、女性の意思決定の場への参画を促し、経済的な自立を支援してまいります。

※当募金ページに記載の内容については、プロジェクトオーナーが責任を負っており、LINEヤフー株式会社が責任を負うものではありません。詳しくは免責事項をご覧ください。
※本ページの「プロジェクト概要」「活動情報」「寄付金の使いみち」に掲載のリンクは、外部サイトに移動します。

寄付総額
588,356
目標金額
3,500,000
達成率16%
寄付人数
1,500
毎月の継続的な応援が大きな支えになります。

※寄付をするには Yahoo! JAPAN IDの取得(無料)が必要です。

  • PayPay
    PayPay残高(PayPayマネー)で1円から寄付できます。
  • Yahoo!ウォレット
    クレジットカードで100円から寄付できます。
  • Vポイント
    Vポイントを使って1ポイントから寄付できます。

プロジェクトオーナー

[公益財団法人ケア・インターナショナル ジャパン]の画像
公益財団法人ケア・インターナショナル ジャパン

公益財団法人ケア・インターナショナル ジャパンは、世界100カ国で人道支援活動を行う国際NGOケア・インターナショナルの一員です。災害時の緊急・復興支援や「女性と女子」の自立支援を通して、貧困のない社会を目指しています。

この団体に関連するプロジェクトはこちら

領収書発行について

このプロジェクトでは領収書の発行をおこなっておりません。

Facebookコメントで寄付先への応援をお願いします

記入された応援のコメントは、寄付先団体およびYahoo!ネット募金の広報・宣伝活動(記者会見やプレスリリースでのご紹介等を含む)に 使用させていただく場合がございます。
ご了承の上、コメントを記載いただきますようお願いいたします。(2020年9月23日追記)

※本コメント機能はMeta Platforms Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対してLINEヤフー株式会社は一切の責任を負いません。

  • Facebookでシェアする
  • X(旧Twitter)でシェアする

注目のプロジェクト