【国際NGO CARE】学習雑誌で東ティモールの人々に生きるチカラを!

寄付受付開始日:2017/12/15

  • 領収書なし
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自分の教科書を持たない子どもたちにとって、ラファエックは宝物。届くのを皆楽しみにしています。

公益財団法人ケア・インターナショナル ジャパン

プロジェクト概要

更新日:2024/10/28

アジアで一番新しい国の人たちへ、現地語で書かれた教育雑誌で、生きるチカラを届けたい

2002年に独立したアジアで一番新しい国である東ティモールは、国民の約22%が1日1.9ドル以下で暮らすアジア最貧国の一つ。
特に、農村地域の貧困は顕著で、市場へのアクセス、教育や医療など生活に必要なサービスへのアクセスが限られ、子どもの栄養状態が悪く、ジェンダーに基づく暴力も問題となっています。識字率は、近年増加傾向にあるものの、67%にとどまっており、女性の3人に1人しか字を読むことができません。

親の識字能力の低さは、その子どもの栄養・健康状態、そして就学率にも悪影響となって現れ、貧困の連鎖につながってしまいます。子どもだけではなく、学校の教師や、その家族にもアプローチすることで、世帯全体の生活向上を促す必要があります。

視覚的にわかりやすいラファエックを使った授業で子どもたちも笑顔がこぼれます

そこで、この事業では、東ティモール13県に、この国で最も多くの人々が理解する言語「テトゥン語」で書かれた学習雑誌「ラファエック」を作成、配布します。

成人向け、未就学児~小学校2年生向け、小学3~4年生向け、教員向けの4種類があり、読み書き・計算に加え、生活に必要な情報について、イラストやクイズとともに、分かりやすく紹介しています。
子どもの教育や発育、健康についての知識の習得や、小規模ビジネス、農業、健康、識字と計算の4分野の知識を身に付けることを目指します。

成人向けラファエックには、栄養、農業、読み書きなど生活に役立つ情報を掲載しています
成人向けラファエックに掲載された有機殺虫剤づくりを実演する講習会

また、成人向けには、実生活の中での活用を促すために、同誌を使った住民参加型ワークショップも開催します。

さらに、紙媒体としての「ラファエック」に加えて、デジタル版についてもラファエックの公式ウェブサイトで公開します。また、主に都市部の若年層(13歳~34歳)向けに、日々の生活に必要な情報などをテトゥン語で伝える公式Facebookページも運用していきます。(既に14万人ものフォロワーを擁し、417万人にリーチするなど、人気を博しています)

今日はラファエックが学校に届いた日。みんな大喜び!

【現地の人々からのメッセージ】
ローデスちゃん 12歳
私は12歳です。でも、学校に入れたのが遅かったから、まだ4年生。みんなより遅れているけど、CAREが配布してくれる教育雑誌「ラファエック」を読んで勉強するのが大好きです。大きくなったらラファエックで見たパイロットか警察官になりたいです。

ローデスちゃんは、ラファエックで見た警察官かパイロットが夢です

【寄付によって達成できること】
2,000円のご寄付で、子ども向けの学習雑誌を100冊作成できます。

学習雑誌「ラファエック」が届くまで

寄付金の使いみち

東ティモールにおいて実施している、「学習教材『ラファエック』を通じた自立支援事業」の活動費として使用させていただきます。

活動報告

更新日:2026/06/04

2025年度の「学習教材『ラファエック』を通じた自立支援事業」の活動を報告します(後編)(2026年6月4日更新)

プリマ誌を愛読している子ども(左)、キイク誌に掲載された実験をする子ども(右)

※前編は5月28日の活動報告をご覧ください。

当財団は、CARE東ティモール事務所とともに「学習教材『ラファエック』を通じた自立支援事業」を実施しています。長年にわたる皆さまからのご支援に、改めてお礼申し上げます。

学習雑誌「ラファエック」は、都心から離れた地域も含めた、全ての幼稚園・小学校、そしてコミュニティーに届いている唯一の読み物です。現地の言葉である「テトゥン語」で書かれた定期刊行物がほとんどない中、学校や家庭での学習を助けるだけではなく、読み書き計算が難しい大人たちにとっても貴重な情報源となっています。

この度、本事業の2025年1月から12月までの活動報告書が完成いたしました。ぜひ、ご一読いただき、アジアで一番若い国「東ティモール」の子どもたちの学び、そして未来へとお心をお寄せいただけましたら幸いです。

主な成果
◆モニタリング結果

□キイク誌
未就学児、小学1,2年生計321名の児童を対象に、インタビューを実施しました。
質問内容と結果は以下のとおりです。

・年3回雑誌を受領している(96.26%)
・雑誌を自宅に持ち帰り、保護者や兄弟姉妹とともに読んでいる(98.44%)
・雑誌により授業が楽しくなった(95.95%)
・家庭と学校の両方で雑誌を利用している(97.51%)

さらに識字能力への影響として、小学2年生の単語読解能力の習得率がラファエック誌使用者は45.3%と非使用者と比較して30%程高いことが判明しました。また、読解力スコアにおいてラファエック誌使用者は、非使用者と比較して10%以上スコアが高いことが判明しました。

□プリマ誌
全国でプリマ誌を受け取った小学3-6年生計313名を対象に、インタビューを実施しました。
質問内容と結果は以下のとおりです。

・年3回雑誌を受領し、自宅に持ち帰っている(98.72%)
・学校と自宅の両方で使用している(98.04%)
・保護者がコミュニティー誌を自宅で読んでいる(84.66%)
・学校内外の学習においてリーダーの役割を担うことができる(99.35%)

□教員版
全国183校199名の教員を対象に調査を実施しました。
調査内容と結果は以下のとおりです。

・教室で教員向け雑誌を利用している(95.98%)
・雑誌が自身の教育実践の改善に寄与した(95.48%)
・体罰が有益ではないことに同意し、雑誌のメッセージから子どもにやさしい肯定的指導法への理解が深まった(94.97%)

教員たちは学校で定期的に入手することができるラファエック誌に対して高い満足度を示しており、雑誌が授業計画と授業実施を強化する貴重な補助資源であると指摘しています。

さらに調査結果から、教員が広く採用する実践的・学習者中心の教授法の促進に同誌が活用されていることもわかりました。

□コミュニティー誌
ラファエックの定期モニタリングにおいて合計296名の保護者回答者にインタビューを行いました。質問内容と結果は以下のとおりです。

・家庭での実践的で楽しい学習活動を支援するため、ラファエック誌を読み活用している(91.22%)
・雑誌を使って物語を読んでいる(24%)
・子どもが自主的に雑誌を読んでいる(98.65%)

さらに調査から、保護者が同誌に掲載されている「健康と栄養」に関する家庭の衛生改善や疫病予防といった内容を内面化し、日常の習慣に適用していることが示されました。

また、「農業と生計」に関する有機肥料の作り方や地元のレシピの作り方といった掲載内容からは、家庭の食料安全保障を向上させるだけではなく、雑誌で学んだ製品を販売することで収入創出の機会を生み出していることもわかりました。

今後に向けて
CARE東ティモールは、旗艦事業である「ラファエック」を持続可能な地域主導の組織へと変革するため、「ラファエック」を独立財団へと移行する準備が進められています。

この過程の一環として、事業計画と10年間の財務分析(2024-2034年)が作成され、CAREオーストラリアの経営陣および理事会に提出されました。さらにこの財務分析は、東ティモールとニュージーランド両国の外務貿易省(MFAT)にも共有されました。これは現行協定が2027年6月に終了した後の「ラファエック」に対する将来の資金支援に関する両国のMFATの意思決定を支援するためです。そして新財団の草案となる定款も完成し、現在審査中です。

※報告書の全編は以下からご確認いただけます。
2025年「学習教材『ラファエック』を通じた自立支援事業」活動報告(4.18 MB)(PDF)

2025年度の「学習教材『ラファエック』を通じた自立支援事業」の活動を報告します(前編)(2026年5月28日更新)

ラファエックを手にする学校の子どもたち。

当財団は、CARE東ティモール事務所とともに「学習教材『ラファエック』を通じた自立支援事業」を実施しています。長年にわたる皆さまからのご支援に、改めてお礼申し上げます。

学習雑誌「ラファエック」は、都心から離れた地域も含めた、全ての幼稚園・小学校、そしてコミュニティーに届いている唯一の読み物です。現地の言葉である「テトゥン語」で書かれた定期刊行物がほとんどない中、学校や家庭での学習を助けるだけではなく、読み書き計算が難しい大人たちにとっても貴重な情報源となっています。

この度、本事業の2025年1月から12月までの活動報告書が完成いたしました。ぜひ、ご一読いただき、アジアで一番若い国「東ティモール」の子どもたちの学び、そして未来へとお心をお寄せいただけましたら幸いです。

主な成果
配布実績(年3回)

■ラファエック・キイク誌
対象:未就学児~小学1‐2年生
配布数(3回合計):345,252部

■ラファエック・プリマ誌
対象:小学校3年~6年生
配布数(3回合計):413,703部

■ラファエック・バ・マノリン誌
対象:就学前教育機関・教員
配布数(3回合計):36,688部

■教員向けテーマ別誌
対象:教員(年1回のみ)
配布数(3回合計):9,721部

■コミュニティー誌
対象:コミュニティー・保護者
配布数(3回合計):328,849部

ラファエック配布校の位置を示す地図。視認性向上のためオエクセが右下に表示されていますが、相対的な位置関係は地理的に正確ではありません。

学習雑誌「ラファエック」は2025年1月1日から12月31日までに全国的な普及を達成し、就学前教育機関・ユニセフ支援のコミュニティーベース保育園・公立私立小学校の1,791校に導入されました。
また、ラファエック誌を活用した教室学習を補強するための教育ポスターは25,643枚制作・配布されました。

コミュニティーとのかかわり

◆コミュニティー対話
全自治体の14の村において、計14回のコミュニティー対話セッションが実施され、障がい者の方を含む男性284名、女性369名が参加しました。

このセッションでは、コミュニティー誌の主要メッセージと内容を普及させるだけではなく、地域共通の課題を特定し、潜在的な解決策を議論し、直接的なフィードバックを収集することが目的とされました。
そして、オープンで参加型の対話の場を創出することによって、コミュニティーメンバーはラファエック誌の内容が日常生活にどの程度関連しているかを振り返り、将来の課題の優先順位を特定することができました。

2025年7月25日、エルメラ県ハトリア地区レイメア・ソリン・バルにて、コミュニティー対話を開催。

◆ラファエック・ジャーナリズム活動
この活動では、小学生と若者に対し、大統領や国連機関、コミュニティーリーダーといった幅広い影響力のあるステークホルダーと直接交流する機会を提供しました。
構造化されたインタビューセッションによって、参加者は自信、リーダーシップスキル、批判的思考力、コミュニケーション能力を高めることができました。

ラファエック若手ジャーナリストは、ジェンダーに基づく暴力(GBV)撲滅に向け男性・男子層の関与促進に関する知見を得るため、AJAR所長へのインタビューを実施。

さらに、これらの取り組みをラファエック誌やラファエックのデジタルソーシャルメディアチャンネル、国内主要メディアなどの複数のプラットフォームで特集されることにより、全国の子どもや若者に対し、自らの志を追い求めることやリーダーシップの役割を受け入れること、そして東ティモールの継続的な発展に有意義に貢献するよう動機づけることが目指されました。(つづく)

報告書の全編は以下からご確認いただけます。
2025年「学習教材『ラファエック』を通じた自立支援事業」活動報告(4.18 MB)(PDF)

子どもたちだけではなく、成人にとっても貴重な情報源に(2025年9月11日更新)

大人たちの識字問題も深刻です。特に農村地域などの遠隔地に住む人々は、生きていくために必要な情報へのアクセスも非常に限られています。

CAREは2024年、このような人々にも確実に情報を届けられるよう、学校やコミュニティーとも協力しながら、317,442部の成人向けの情報誌として「ラファエック・コミュニティ」を配布しました(参考:東ティモール国内世帯数は約250,000世帯)。

「ラファエック・コミュニティ」では、健康や栄養、農作業、女性のエンパワーメント、ジェンダー平等、ジェンダーに基づく暴力 (GBV)の防止などのトピックを繰り返し誌面に取り上げ、農村部を中心とした地域コミュニティーの人々にさまざまな働きかけを行っています。

さらに、対話型ワークショップを全国で14回開催し、計720人(うち女性445人)が参加しました。雑誌の掲載内容についての理解促進を目的として実施されたワークショップでは、意見交換や参加者の経験・知識の共有が行われ、さらに雑誌に掲載された技術について実演を通じて学びを深める機会となりました。

このように東ティモールで唯一テトゥン語の定期刊行物である「ラファエック」は、子どもたちの学習意欲を高め、親たちが家庭で子どもの学習をサポートし、生活に必要な情報を得るために欠かせない手段となっています。

混乱の歴史の中で生まれた「ラファエック」

東ティモールは、インドネシアの隣に位置し、海に囲まれた島には美しい自然が残されています。また、アジアで一番新しい国で、国民の4割が1日1.5ドル以下で暮らすアジアで最も貧しい国のひとつと言われています。

2002年にインドネシアからの独立を勝ち取るまでは、16世紀から続く諸外国からの支配により、子どもたちは自国の文化、歴史、そして地理さえも学ぶことが禁じられていました。そして、独立をめぐる戦争では、95%もの学校が消失してしまい、インドネシア人教師の大半が離職し、インドネシアに帰国してしまいました。また、多くの尊い命が失われ、独立後、人口の半数以上が就学年齢の子どもたちとなりました。

このような混乱の中で学習雑誌「ラファエック」は生まれ、東ティモールで暮らす人々に学びと生きるチカラを届けてきました。

ラファエックを読む学生(東ティモール 2025年2月)

CAREは2001年より本事業を開始し、最初は成人向け「ラファエック」が刊行され、徐々に子ども向けの学習雑誌へと支援を拡大してきました。

このような活動を続けることにより、東ティモールの成人識字率に少しずつ改善が見られてきましたが、依然として子どもたちの就学率や退学率においては課題が残っており、特に農村地域における状況は深刻です。親世代の貧困からの脱却も含め、より包括的な支援の継続がこれからも求められています。

「ラファエック」を届ける活動を応援してください!
例えば、5,000円のご寄付で、約30人の子どもたちに学習雑誌「ラファエック」を届けることができます。

貧困のない未来に向けて、東ティモールの農村部で暮らす人たちに生きるチカラを届ける活動を応援くださいますようお願いいたします。

【ラファエック・キーク】
“ラファエックが届くのを、毎学期心待ちにしています。家に持ち帰り、兄弟たちと読み書きや数を数える練習をしています”
(エディガルさん、小学2年生)

ラファエック・キークを読んでいるエディガルさん(東ティモール、学習教材「ラファエック」を通した自立支援事業報告(2024年)より)

(2023年度3月版で)一番興味を持ったのは“時間について学ぼう”という記事でした。短い針が「時」を、2本の長い針が「分」と「秒」を示すことなど、私に時間の読み方を教えてくれました。また、ラファエックを読むと、文字を読んだり、絵を描いたり、文字を覚えられるので楽しいし、読むことに自信が持てるようになりました。

ラファエックは私にとって、読み書きや数字を覚えるだけでなく、創造性や好奇心を広げてくれる、「直感的なひらめき」の源です。毎学期届くラファエックのおかげで、もっと学びたい! とやる気が出てきます。

【ラファエック・プリマ】
“ラファエックは私に、身近な素材や廃棄物を利用した創造的な活動に取組む意欲を与えてくれました”
(シルヴィアさん、小学6年生)

ラファエック・プリマを読んでいるシルヴィアさん(東ティモール、学習教材「ラファエック」を通した自立支援事業報告(2024年)より)

ラファエックは、近くで手に入る身近な材料を使って、最小限のコストでおもちゃを作る方法を教えてくれます。プラスチックや棒、糸を使ってタコを作ったり、プラスチックや紙、輪ゴムを使ってボールを投げてみたりと、幼い弟や妹、近所の子どもたちを集め、ラファエックに掲載されているステップ・バイ・ステップの説明をみて実際に作ってみました。

また、ごみ問題をテーマにしたページでは、「分別して適切に処理をすることが大事」だということを教わりました。私は創作活動によって、ごみを減らして遊べるおもちゃに変えることができました。これは環境に良いだけでなく、リユースや素材のリサイクルを促進することにもつながります。

【ラファエック・コミュニティ】
“村の指導者チームのメンバーとして、「ラファエック・コミュニティ」から情報を得て、男女平等を積極的に推進しています”
(オルランドさん・ホホラウ村長)

ラファエック・コミュニティを活用する、ホラウ村長・オルランドさん(東ティモール学習教材「ラファエック」を通した自立支援事業報告(2024年)より)

プロジェクトチームが「ラファエック・コミュニティ」の配布に来た時、私は大喜びしました。家庭での役割と責任、困難な状況での十分な情報に基づいた判断、家庭や村での男女平等のバランスについてなど、この雑誌は大切な情報源であり、私の生活に欠かせない参考書となっています。

雑誌には、村の会議で地域住民に共有できるような、男女平等、農業、健康、教育などについての貴重な情報が掲載されており、例えば栄養のある食事の作り方など、遠隔地に住む私たちがより健康的な食習慣を取り入れるような情報なども掲載されています。また、記事を見てタオルから植木鉢を実際に作って事務所に飾り、それを住民にも勧めたり、家では子どもたちと雑誌を読み教材として活用したりしています。

「ラファエック・コミュニティ」は、男女平等やコミュニティー全体の発展において私たちをガイドしてきました。私たちが新しいやり方を取り入れ、コミュニティーの人々と貴重な知識を分かち合うきっかけを与えてくれました。今後も私たちのような家族を支援し、力を与えるために、ラファエックを配布し続けてくれることを強く願っています。

9月8日は「国際識字デー」~ 東ティモールの子どもたちに学習雑誌を届けよう!(2025年9月9日更新)

ラファエックを受け取る子どもたち(東ティモールマナトゥト地域 2025年4月)

9月8日は、UNESCO (国際連合教育科学文化機関)が制定した「国際識字デー」です。

日本では義務教育制度もあり、識字率は99%以上といわれていますが、世界を見渡すと、文字を読み書きできることは当たり前ではありません。

東ティモール|農村地域では5人に4人が、文字の読み書きができません
アジア最貧国のひとつとして挙げられる東ティモールも例外ではなく、教育言語であるポルトガル語の成人識字率は都市部で約40%、農村部では約18%ととても低い状況です。

農村部では、十分な識字能力や計算能力を身に付けることができないため、経済活動や家計の管理に支障をきたし、親の識字能力の低さが子どもの栄養・健康状態、そして就学率にも悪影響を及ぼしています。

そこで、私たちCAREは、学習雑誌「ラファエック」を制作・配布する活動を通じて、東ティモールの子どもたちの学び、そして農村地域の人々の自立を20年以上にわたり支援し続けています。

学習雑誌「ラファエック」とは
学習雑誌「ラファエック」には全部で5つの種類があります。
未就学児~小学校低学年向けの「ラファエック・キーク」、小学校3~6年生向けの「ラファエック・プリマ」、幼稚園と小学校教員を対象とした「ラファエック・バ・マノリン」「リヴル・セマティク・バ・マノリン」、そして成人向けの「ラファエック・コミュニティ」です。

ラファエックは、学校に通う子どもたちや教師の補助教材となり、そして特に農村地域に住むコミュニティーの人々にとって貴重な情報源となっています。

毎日の授業や家庭学習における重要な補助教材
2024年1月から12月の1年間で、全国1,769のすべての幼稚園や小学校に配布され、学校を通じて子どもたちや教師に届けられました。

ラファエックを読む子どもたち(東ティモールエルメラ地域 2025年3月)

モニタリングでは、「ラファエック・キーク」を受け取った生徒のうち、98.2%の生徒が家庭や学校でラファエックを利用していると回答しました。また、91.5%の生徒が保護者も一緒に雑誌を読んでいると答えました。

また、2024年には、生徒たちの自信を育み、将来の夢を思い描き明確な目標を設定させることを目的に、「ラファエック・ジャーナリスト」として、学生たちがロールモデルとなる人や政府関係者にインタビューするイベントを数多く企画しました。

そして、この様子は毎号のラファエックの誌面にも掲載されました。例えば、「女性のリーダーシップと意思決定の役割について」や、「東ティモールにおけるジェンダーに基づく暴力(GBV)の防止に男性や少年をどのように参加させるか」などをテーマに取り上げました。

「ラファエック・ジャーナリスト」として、学生たちがインタビューする様子(東ティモール 2024年4月30日)

2024年度の「学習教材『ラファエック』を通した自立支援事業」の活動を報告します(2025年5月12日更新)

ニュージーランド大使館のラファエック配布視察の様子(東ティモール 2024年7月)

当財団は、CARE東ティモール事務所とともに「学習教材『ラファエック』を通じた自立支援事業」を実施しています。長年にわたる皆さまからのご支援に、改めてお礼申し上げます。

学習雑誌「ラファエック」は、都心から離れた地域も含めた、全ての幼稚園・小学校、そしてコミュニティーに届いている唯一の読み物です。現地の言葉である「テトゥン語」で書かれた定期刊行物がほとんどない中、学校や家庭での学習を助けるだけではなく、読み書き計算が難しい大人たちにとっても貴重な情報源となっています。

この度、本事業の2024年1月から12月までの活動報告書が完成いたしました。ぜひ、ご一読いただき、アジアで一番若い国「東ティモール」の子どもたちの学び、そして未来へとお心をお寄せいただけましたら幸いです。

【主な成果】
<配布実績(年3回)>

学習雑誌「ラファエック」は、全国1,769校のすべての幼稚園および小学校に配布されており、ラファエックを効果的に活用するために手助けとなるラファエック・ポスターも各学校に25,000枚以上提供されました。

これに加えて、教育パートナーや、政府機関や自治体、市民社会組織などのステークスホルダーにも広く配布され、今後の参考教材や最新情報を得るためのリソースとして活用されました。

【コミュニティーとの連携】
◆対話型ワークショップ
全国で14の対話型ワークショップを開催し、計720人(うち女性445人)が参加しました。参加者に占める女性の割合は6割を超えます。

ワークショップでは、「ラファエック・コミュニティ」の掲載内容の理解促進を目的に、内容への質問や、経験や知識の共有、今後への提言がなされました。コンテンツとしても取り上げられているジェンダー平等、女性の経済的エンパワーメント、社会的包摂、ジェンダーに基づく暴力 (GBV)の防止についての啓発する機会ともなりました。

さらには、知識の共有だけでなく、料理実演も行い、食生活の改善や副収入を得るための手段として有効な技術を学びました。

料理実演の様子(2024年8月)

◆ラファエック・ジャーナリスト
学生たちがロールモデルとなる人や政府関係者にインタビューするイベントを数多く企画し、その様子がラファエックの誌面に掲載されました。

インタビューの様子(東ティモール 2024年8月)

その一つとして、「ラファエック・キーク・ジャーナリスト」として小学生の男女がロールモデルへのインタビューの機会を得ました。生徒たちの自信を育み、将来の夢を思い描き、明確な目標を設定させることを目的に、例えば、女性のリーダーシップと意思決定の役割について、ロールモデルにこれまでの経験や見解をインタビューしました。

こうした経験は、生徒たちのコミュニケーション能力を向上させることにもつながります。さらに、「ラファエック・ユース・ジャーナリスト」として4人の若者が著名なゲストへのインタビューを担当しました。

そのうちの一つには高名な枢機卿(すうききょう)との「東ティモールにおけるジェンダーに基づく暴力(GBV)の防止に男性や少年をどのように参加させるか」に焦点を当てたインタビューがあります。このインタビューには障がい者を支援する地元団体職員なども参加し、深い議論が行われました。

このほか、影響力のある人物との人脈形成や関係構築を目指し、主要な政府関係者や外交官へのインタビューを実施しました。若者の自信とスキルを強化し、彼ら、彼女らの将来のキャリアを志すきっかけを作りました。

【モニタリング結果】
本事業を効果的に実施するため、モニタリングを行いました。対象者は、「ラファエック・キーク」が全国の幼稚園と小学校1~2年生の生徒340人(うち女子173人)、「ラファエック・プリマ」が小学3~6年生の生徒409人(うち女子219人)、そして「ラファエック・バ・マノリン」が対象校161校の教員183人(うち女性104人)、「リヴル・セマティク・バ・マノリン」が「ラファエック・バ・マノリン」と同じ対象者のうち166名(うち女性99人)となりました。

また、「ラファエック・コミュニティ」は、特に農村地域を中心に161回もの現地訪問を経て、合計290人(うち女性199人)へのインタビューを実施しました。

さらに、74校での授業モニタリングも実施。教師の指導法、クラスマネージメント、子ども中心の教育実践、生徒の参加、教材へのアクセス、ジェンダーに配慮した実践、生徒を管理するための身体的・言語的手段の使用、試験などの評価を行いました。

97.8%の生徒が学校や家庭でラファエックを利用していると回答し、91.5%の生徒が保護者も一緒に雑誌を読んでいると答えました。この結果は、ラファエックが学校レベルでも家庭レベルでも適切かつ重要であり続け、親子での家庭学習において重要な役割を担っていることを示しています。

<生徒>
・年3回雑誌を受けとった:97.7%(キーク)、99.1%(プリマ)
・雑誌を学校や家庭でラファエックを利用している: 98.2%(キーク)、97.8%(プリマ)
・雑誌のおかげで学校に通うのが楽しい:99.8%(キーク)、98.1%(プリマ)
・家に持ち帰っている回答者のうち、自宅で親が一緒に雑誌を読んでいる:91.5%(キーク)
・親が「ラファエック・コミュニティー」を読んでいるところを見た:86.4%(プリマ)
・雑誌を読んでリーダーシップや意思決定能力が向上した:71.1%(プリマ)

<教師>
「ラファエック・バ・マノリン」を活用した授業の実践
・教師用雑誌などの教材や地域のリソースを授業に活用している:82.0%
・ゲームなどを用いてより活発な教室環境作りに努めている:85.0%
・実習を交えながら授業を展開し、学習をより魅力的なものにしている:83.1%

「リヴル・セマティク・バ・マノリン」(ガイドブック)
・雑誌を受け取った:84.34%
・授業を進めるうえで改善に役立った:84.34%
・積極的に活用している:83.13%

<成人(コミュニティー・メンバー)>
・雑誌は健康・栄養習慣を改善するうえで貴重な情報源である:82.07%
・(手洗いやバランスのとれた食事の準備、家族計画、 清潔な環境の維持など)掲載された健康・栄養情報を実践している:71.72%
・(植物の栽培方法やレシピの使用など)掲載された農業の専門知識を活用している:61.72%

このほか、回答者の75%以上が、女性や女子が機械工や電気技師、溶接工、運転手といった従来の枠にとらわれない役割を担うことができると答え、性別役割分担について進歩的な見解を示しました。また、男女ともに80%以上の回答者が、無断で家を出る、子どもの世話をしない、性交渉を拒否するといった理由による女性への身体的暴力に反対していることが分かりました。

調査結果から、「ラファエック・コミュニティ」が健康や栄養、農作業、女性のエンパワーメント、あらゆるジェンダーに基づく暴力への反対という点において、大きなプラスの影響を与えていることが分かります。

【今後に向けて】
ラファエック事業の持続性を担保し、東ティモール国内の教育分野への長期的な効果を発揮していくため、現在、本事業の実施主体をCARE東ティモールから、独立した地元財団である「ラファエック財団」へと移行するための準備を進めています。

本件については、CARE東ティモールを管轄するCAREオーストラリアによる調査が完了し、承認が下り次第、東ティモール法務省に必要書類を提出し、審査と承認を得る予定です。すべての登録手続きは2025年9月までに完了し、その後「ラファエック財団」が正式に発足する見込みです。

教員用クラス運営ガイダンス本が仲間入り(2024年10月28日更新)

東ティモールで年に3回配布されている学習雑誌「ラファエック」に、今年(2024年)から、これまでの成人向け、未就学・小学校低学年向け、小学3~6年向け、教員向けの4種に加え、特別編として教員用クラス運営ガイダンス本が仲間入り。

効果調査の結果、「学習雑誌のおかげで学校に通うのが楽しくなった」と回答した生徒は、小学校の低学年で96パーセント、小学3年生~6年生で98パーセントとなりました。また、教員の97パーセントが、「教員用ラファエックが教室の教育実践の改善に役立っている」と回答しました。

CAREは、学習雑誌「ラファエック」を制作・配布する活動を通じて、東ティモールの子どもたちの学び、そして農村地域の人々の自立を20年以上にわたり支援し続けています。
詳細の活動内容は以下をご覧ください。

9月8日は「国際識字デー」~ 東ティモールの子どもたちに学習雑誌を届けよう!

9月8日は「国際識字デー」~東ティモールの子どもたちに学習雑誌を届けよう!(2024年9月9日更新)

私たちの活動をいつもお見守りいただき誠にありがとうございます。

9月8日は、UNESCO(国際連合教育科学文化機関)が制定した「国際識字デー」です。

日本では義務教育制度もあり、識字率は99%以上といわれていますが、世界を見渡すと、文字を読み書きできることは当たり前ではありません。

アジア最貧国のひとつとして挙げられる東ティモールも例外ではなく、教育言語であるポルトガル語の成人識字率は都市部で約40%、農村部では約18%ととても低い状況です。農村部では、十分な識字能力や計算能力を身に付けることができないため、経済活動や家計の管理に支障をきたし、親の識字能力の低さが子どもの栄養・健康状態、そして就学率にも悪影響を及ぼしています。

CAREは、学習雑誌「ラファエック」を制作・配布する活動を通じて、東ティモールの子どもたちの学び、そして農村地域の人々の自立を20年以上にわたり支援し続けています。

学習雑誌「ラファエック」

<「ラファエック」の成果>
学習雑誌「ラファエック」には全部で5つの種類があります。未就学児~小学校低学年向けの「ラファエック・キーク」、小学校3~6年生向けの「ラファエック・プリマ」、幼稚園と小学校教員を対象とした「ラファエック・バ・マノリン」「リヴル・セマティク・バ・マノリン」、そして成人向けの「ラファエック・コミュニティ」です。

ラファエックは、学校に通う子どもたちや教師、そして特に農村地域の人々にとって欠かせない補助学習教材となっています。2023年には、全国1,645のすべての学校に配布され、授業にラファエックが使用されています。また地域コミュニティでは、東ティモール全世帯の約半数を占める103,000世帯に307,247部が配布されました。

ラファエック最新号から抜粋

唯一のテトゥン語の学習雑誌である「ラファエック」は、子どもたちの学習意欲を高め、親たちが家庭で子どもの学習をサポートし生活に必要な情報を得るために欠かせない手段となっています。モニタリングの結果、「ラファエック・プリマ」を受け取った98.62%の生徒が「ラファエックのおかげで学校に通うのが楽しくなった」と回答し、「ラファエック・キーク」を受け取った96.55%の生徒は「家で親と一緒に雑誌を読んだことがある」と答えました。

<東ティモールの歴史と「ラファエック」>
東ティモールは、インドネシアの隣に位置し、海に囲まれた島には美しい自然が残されています。また、アジアで一番新しい国で、国民の4割が1日1.25ドル以下で暮らすアジアで最も貧しい国のひとつと言われています。

2002年にインドネシアからの独立を勝ち取るまでは、16世紀から続く諸外国からの支配により、子どもたちは自国の文化、歴史、そして地理さえも学ぶことが禁じられていました。

そして、独立をめぐる戦争では、95%もの学校が消失してしまい、インドネシア人教師の大半が離職し、インドネシアに帰国してしまいました。また、多くの尊い命が失われ、独立後、人口の半数以上が就学年齢の子どもたちとなりました。

このような混乱の中で学習雑誌「ラファエック」は生まれ、東ティモールで暮らす人々に学びと生きるチカラを届けてきました。

CAREがラファエックを創刊して20年以上がたち、東ティモールの成人識字率に少しずつ改善が見られてきましたが、依然として子どもたちの就学率や退学率においては課題が残っており、特に農村地域における状況は深刻です。
親世代の貧困からの脱却も含め、より包括的な支援の継続がこれからも求められています。

<ラファエックを通じたコミュニティへの働きかけ>
学習雑誌「ラファエック」を活用し、識字率向上や貧困削減、ジェンダー平等を促進するため、CAREでは、農村部を中心とした地域コミュニティのひとびとにさまざまな働きかけを行っています。

例えば「ラファエック・コミュニティ」には、親子でできる家庭学習方法の紹介や、農業、栄養、妊産婦の健康をテーマとした情報、さらには家庭での男女間の役割分担やジェンダーに基づく暴力の防止に関する内容などジェンダー平等を啓発する内容も掲載されています。

モニタリングの結果では、「ラファエック・コミュニティ」を受け取った83.84%の回答者が、「親が家庭で雑誌を活用して子どもに雑誌を使って教えたり、一緒にゲームしたりする」と答えました。また、ケーキを作る際にラファエックに掲載されているレシピを参考にする親子も。ラファエックは親子に楽しい交流をもたらし、家庭での学習を後押ししています。

成人向け「ラファエック・コミュニティ」最新号から抜粋

また、2023年には全国の14の地域コミュニティにおいて、住民が参加する対話型のワークショップを開催しました。ワークショップでは、ラファエックチームのメンバーが効果的な栄養の取り方を紹介するため調理実演をしたり、雑誌で取り上げた内容をテーマにして地域住民同士が活発に意見を交換し合いました。

なお、ワークショップには、CAREや関係パートナーの働きかけにより、参加者577人のうち、半数近くの287人の女性が参加することとなりました。CAREはこれまでも、男女間の不公平な家事分担、重要な意思決定プロセスからの女性の排除といった問題に取り組むため、男性を巻き込んださまざまな研修やワークショップ等を実施してきましたが、雑誌のコンテンツやワークショップ等を通じて、女性の発言力、リーダーシップ、意思決定、ジェンダー平等などに関連する重要なメッセージを伝えています。

<動画で見る「ラファエック」>

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