• 元気いっぱい戸倉かき生産部会の面々

  • 概要
  • 活動情報 2019年1月15日 更新

返礼品付き募金実施中

寄付額に応じて選べる、返礼品付き募金を実施しています。

東日本大震災を乗り越え、養殖の国際認証を日本で初めて取得し、環境負荷の削減や働き方改革にチャレンジする宮城県南三陸町戸倉のカキ養殖を支援するプロジェクトです。

日本有数のカキの産地として知られる宮城県。2011年の東日本大震災では、津波によってほぼすべての養殖施設が失われました。南三陸町の戸倉地域もそのような地域のひとつです。

津波ですべての養殖施設や船が失われてしまいました

しかし戸倉のカキ漁師たちは、震災後の行く末の見えない中、養殖再開にあたり大胆な改革を行います。それは養殖施設を震災以前の3分の1まで減らすこと。実は以前は湾内に所狭しと養殖施設が並んでいたと言います。その過密な養殖のために、海の環境が悪化しただけでなく、カキの成長や品質も低下してしまったのです。

震災前の戸倉の海(左)と現在の様子(右)

養殖施設を3分の1に減らすということは収入を減らすことになるかもしれないため、彼らにとってこの決断は決して簡単なものではありませんでした。しかし、彼らの英断は早くに成果を出します。それまでは、収穫まで2年、3年とかかっていたのが、なんと驚くべきことに震災のあったその年の冬には、出荷できるサイズまで大きく育ったのです。

養殖開始からわずか半年足らずで大きく育った戸倉のカキ(2011年12月)

WWFジャパンは震災直後から戸倉かき生産部会の取組みをサポートし、さらなる彼らの挑戦を後押ししました。それは、この教訓を忘れずに海の環境に合わせたカキ養殖を続けていくために、第三者の目で取り組みを厳しくチェックをする国際的な養殖認証制度、ASC認証の取得です。さまざまな関係者の協力を得て、戸倉かき生産部会は、2016年3月に日本で初めてこのASC認証の取得に成功し、「南三陸戸倉っこかき」として全国販売が開始されました。

「戸倉」の名前を付けたカキが2016年4月に全国販売されました

ASC認証とは、自然環境と人権に配慮した養殖に与える国際認証です。戸倉のカキ養殖の事例のように、養殖は時として自然環境を汚染したり生態系のバランスを崩したりします。さらには海外などでは労働者や地域住民の人権侵害などのトラブルも報告され、大きな社会問題となっています。WWFではこれらの問題を解決するためのひとつの手段として、ASC認証の普及拡大をサポートしています。

被災地の海から日本初の「ASC認証」漁業が誕生

認証取得から3年がたち、創造的な復興の取り組みとして多くの注目や評価を得た「南三陸戸倉っこかき」ですが、課題もまだ残っています。それは、この取り組みを継続していくためのブランド化と審査費用の確保です。
国際的な養殖認証といっても国内での知名度と需要はまだ低く、高値で取引されるわけではありません。いっぽう認証取得の手続きには毎年多くの手間と費用がかかります。

WWFジャパンは、認証取得をゴールとするのではなく、養殖に取り組む地域が主体となって認証取得を継続できる体制作りまでサポートすることを目標としています。震災を乗り越え、世界に通じる国際認証を取得し、環境負荷に配慮した養殖にチャレンジし続ける戸倉のカキ養殖をぜひ支援してください。皆様のご支援をお願いします。

WWFの「南三陸町・責任ある養殖推進プロジェクト」の概要
ASC認証について

■本プロジェクトに関する問い合わせ先
WWFジャパン 海洋水産グループ fish@wwf.or.jp

パートナーからのメッセージ

津波の前には1,000台以上のいかだがあり、過密状態でした。生育が遅くなり、品質も悪くなり、それを補おうとして、新たにいかだを増やした結果、悪循環になっていました。
私たちは自然に生かされ、その恵みで生活をしてきましたが、そのことを私たち自身が忘れていました。自然に負荷をかけてしまったので、これからはASC認証を取得することで、自然の恵みを忘れないようにしたいと思います。
今の生産を減らした漁場改革を続けることで、10年、20年と将来、持続的に安定した生産ができる漁業を目指しています。「さすがASC認証のカキだ!」と言われるよういいものを作っていきますので、応援よろしくお願いします。(戸倉かき生産部会長 後藤清広)

※「戸倉っこかき」の特長について、活動情報欄に記載していますので、ぜひご覧ください。

「戸倉っこかき」の特長をご紹介します

「戸倉っこかき」のここがイイね(1)環境編

カキは海水中のプランクトンや有機物をエサとしているので、海水をきれいにする働きがあります。ところが「過密養殖」になると、エサの取り合いになり栄養不足となるだけでなく、大量の排せつ物によって海底のヘドロ化を引き起こします。
カキの養殖密度を3分の1に減らしたことで、カキの成長が早まるだけでなく、海を汚さないカキ養殖が実現したのです。

戸倉の海に広がる豊かな海藻の森は、国際的にも貴重であると評価されています

「戸倉っこかき」のここがイイね(2)経済編

生産量は3分の1になりましたが、養殖期間が3分の1に短縮されたので、損益はプラスマイナスゼロです。さらに、災害リスクを換算すると、経済メリットは大きく変わってきます。津波はともかく、台風や時化(しけ)による気象災害は毎年のようにあります。施設数が多いほど、長期間育てたかきであればあるほど、被害想定額は高くなります。短期間で収穫できるということは、それだけ災害リスクを低減させ、継続しておいしいカキを提供できるということです。

「戸倉っこかき」は広々とした環境で育てられています

「戸倉っこかき」のここがイイね(3)社会編

施設数が3分の1になれば、その分作業時間も減ります。以前は早朝から夕方近くまでカキの世話をしていたのが、今ではその半分程度で、週末にはお休みをとれるようになったのだとか。家族と過ごす時間も増えたのだそうです。まさに「養殖業界の働き方改革」ですね。こうした状況変化を受け、最近では若手生産者も増えて活気が戻ってきたと言います。

若手のカキ生産者も頑張っています

「戸倉っこかき」のここがイイね(4)おいしさ編

ASC認証はおいしさを保証する制度ではありません。しかし戸倉っこかきは食にこだわる人からも「おいしい」と評判です。実はカキは年をとると、えぐ味がましてくるのだとか。戸倉っこかきのおいしさの秘密は、たっぷりと栄養を与え、1年で収穫することにあるのです。このおいしさが一段と増すのが、実は、一般的には旬を過ぎたと思われがちな春先。今回ご寄付をいただいた皆様には、このおいしさ満載の戸倉っこかきをお届けします。

たくさんの栄養を詰め込んだ「戸倉っこかき」

寄付金の使いみち

南三陸戸倉っこかき応援プロジェクトでは、ご寄付いただいた募金の80%を戸倉のかき生産部会に送り、国際認証制度に基づいた海の環境を守りながらより良いカキ作りを行うための費用として、認証審査、環境調査、環境改善などにかかる費用に使わせていただきます。
残りの20%はWWFの海の環境を守り持続的な漁業・養殖業を応援するプロジェクトとして、認証制度の普及と推進、海洋環境の保全活動などに使用します。

返礼品付き募金へご寄付をいただいた場合、ご寄付をいただいた金額に応じて、戸倉かき生産部会より「南三陸戸倉っこかき」をお送りいたします(※)。震災を乗り越え、海を守りながら大切に育てられたカキをぜひご堪能いただき、南三陸戸倉っこかきの応援団になっていただければと思います。

※ 発送は2019年3月以降、プロジェクトパートナーである株式会社丸壽阿部商店より行います。返礼品付き募金へご寄付をいただいた場合は、事前に発送案内が届きますので、希望日をお知らせください。なお、漁獲状況等によっては、加熱用の生カキ、または加熱調理済みのカキなどに変更する場合がございますことをご了承ください。
■カキ発送に関するお問い合わせ:
株式会社丸壽阿部商店 info@maruju.co.jp