• ミャンマーから隣国バングラデシュへ、命からがら逃げ延びてきた人々。逃れた先でも劣悪な環境で命の危機にさらされている。

  • 概要
  • 活動情報 2017年10月05日 更新

50万人を超える難民。命をつなぐ活動拡大が急務に。

「夫の兄弟は殺されました。姉妹も3人の子どもたちとトイレに隠れましたが、引っ張り出され、虐殺されました。一番下の子はまだ赤ちゃんでしたが、炎の中に投げ込まれました。みんなで遺体を埋めました。襲撃の後、夫は30人ほどの遺体を埋める手伝いをしましたが、それでも、まだ埋葬しきれませんでした」(あるロヒンギャ難民女性の証言)

雨の中、国境の川を歩いて渡り、バングラデシュへと避難してくる人々が続々と到着している。

ミャンマーから、国境を越えてバングラデシュに逃れてきたロヒンギャ難民の数は9月までに50万人を超えました。しかし、難民キャンプの環境は劣悪で、飲み水、食糧、トイレなどの設備も圧倒的に不足しています。援助の拡大が緊急に必要です。

ビニールなどありあわせの材料で作った仮設住居。難民キャンプの環境は劣悪だ。

「人々が到着し始める前は、この家に2家族で住んでいました。合計7人です。今は眠る場所が必要な人たちが多すぎて、家の全部の床を覆いました。女性たちは中で眠ります。男性はモスクで眠ります。私たち自身も働き口はありませんが、こうした人たちを助けなければ。何もかもが不足しています。それでも、新しく来た人たちとシェアしています。だから、もっと足りなくなって……」(以前からキャンプの仮設住居で暮らすロヒンギャ難民女性の証言)

水上に突き出るわずかな土地も仮設住居にうめつくされている。

バングラデシュに避難した人々は、多くがクトゥパロンとナヤパラという2つの難民キャンプに滞在しています。しかし、キャンプは人であふれかえり、スペースさえあれば小屋を作っている状況です。川岸にテントを張って眠る人、路傍にただ座り込む人……泥だらけで、雨露をしのぐことすらできない。地元のコミュニティに受け入れ先を見つける人、2つの国の間の無人地帯で立ち往生している人たちもいます。

国境なき医師団は難民キャンプ内に診療所を設置し、人々に命を守る医療を提供している。

<バングラデシュより:国境なき医師団日本会長・加藤寛幸医師のメッセージ>

国境なき医師団日本会長・加藤寛幸医師

「キャンプに逃れてきた人々は、着の身着のままで、何日も食べ物を口にしていない人も珍しくありません。キャンプ内の環境は劣悪で、地面がひどくぬかるんでいるだけでなく、トイレは圧倒的に不足しており、その多くはただ穴を掘っただけのようなものです。
そのため、数の限られた井戸水への汚染から深刻な感染症の流行を危惧しています。またロヒンギャの人たちの予防接種率はかなり低いと予想されるため、はしかなどの流行への対策も急がれます。小さな赤ちゃんを抱えた女性たちが不定期な配給を待つために路上にあふれています。病院に来る患者さんたちの表情や状態から、彼らの疲れが日に日に限界に近づいていると感じます。」

「未曽有の緊急事態を前に、人道援助活動は全然追いついていません。MSFは援助拡大に取り組んでいます。
日本からも私の他に、ロジスティシャン、緊急医療コーディネーターが現地入りしており、近日中に看護師や助産師が現地入りする予定です。この危機的な状況が取り返しのつかないことになってしまわないよう、皆さまの支援を強く心よりお願い申し上げます。」

ロヒンギャ危機援助活動の最新情報は公式サイト、Facebook、Twitterよりご覧いただけます。
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不足する援助、活動拡大が急務

国境なき医師団は現在、世界的にも最大級の難民受入施設となっているバングラデシュのクトゥパロンとバルカリ難民キャンプ内に入院病棟を持つ診療所を設置し、移動診療や救急搬送も行っている。

国境なき医師団がクトゥパロン難民キャンプに設置した診療所で治療を受ける子ども

銃で撃たれたりナイフで切られたりした負傷者への治療や、産科医療、心理ケアなどを行い、8月25日以降の約3週間で1万3,500人を超える患者の治療を行った。

診療所で治療を受ける人々。食糧も清潔な水も不足する中、難民の健康状態は危機的な状況。

また、清潔な水・衛生設備の供給、新たに到着する難民への生活必需品配布も行っている。

診療所では診察を待つ母子が列をなしている。医療活動の拡大が急務だ。

近日中にはスタッフを大幅増員し、両キャンプ内に新たに2カ所ずつ計4カ所の診療所を新たに開設する予定。

寄付金の使いみち

国境なき医師団の「ロヒンギャ難民緊急援助」への寄付は、使途を指定した寄付であり、すべてこの活動に使われるものです。活動に必要な金額を上回る支援が集まった際には、この寄付の受付を終了いたします。

支援でできること一例:
3,000円で基礎医療セット120人分を用意できます。
5,000円で栄養治療食150食分を用意できます。
10,000円で清潔な飲料水600人分を用意できます。
※外国為替により変動します。

国境なき医師団「ロヒンギャ難民緊急援助」について