寄付受付開始日:2021/09/29
更新日:2023/04/11
2020年11月、エチオピア共和国北部のティグライ州において、エチオピア中央政府とティグライ州軍の武力抗争が勃発し、内戦が始まりました。
これにより数千人規模の死者が発生し、食糧を生産する農家が避難を強いられているため、現地での食糧受給ができず、深刻な食糧不足が発生しています。
The Integrated Food Security Phase Classification (IPC)による食糧状況の調査報告によると、ティグライ州および周辺地域では550万人以上が食糧の危機的状況にあり、そのうち現在約35万人の命が脅かされる飢餓状況にあるとされています。
さらに、紛争によるサプライチェーンへの影響や物資の略奪は、病院やクリニックの運営に必要な薬と物資を枯渇させてしまい、結果として7割の医療機関が稼働できていません。
このような状況に対応し、グッドネーバーズ・ジャパンは、2021年4月より、国内避難民が集中しているティグライ州の州都メケレ、そして隣接するウクロ郡を対象に、以下のような形で被災者緊急支援を展開してきました。
【食糧配付】
7つの避難所にて、1,550世帯に豆、小麦、クッキングオイルなどの食糧を支援。
また、将来的な脳や身長の発達や命にかかわるほどの栄養失調状態のリスクを減らすために、5歳以下の子どもや妊娠・授乳中の女性には、栄養価の高いコーンや大豆にビタミンなどの栄養を混ぜたものを配付。
【医薬品や医療物資の配付】
病院やクリニックへ、薬や物資(ブランケットやゴム手袋など)を提供。
連邦政府がティグライ州からの撤退と停戦を発表したものの、同州南部や隣接する州へ戦火が拡大し支援物資の輸送が滞ってしまうなど、活動は一筋縄ではいきません。
状況の改善にはまだまだ支援が不足しているという判断から、10月以降も継続してプロジェクトを実施していきます。
これに伴い、緊急支援募金の受け付けを開始しました。何の責任もない一般市民を飢餓から救うため、皆さまのご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。
Yahoo!ネット募金によるご寄付は、グッドネーバーズが行うエチオピアの紛争避難民支援のための活動に大切に使わせていただきます。
活動報告は随時当団体ウェブサイト上で報告いたします。
更新日:2023/04/11
これまでご支援くださったみなさまにスタッフ一同、心より感謝申し上げます。
当プロジェクトは終了となりますが、エチオピアは今でも国内各地で武力紛争や干ばつなど多くの困難を抱えており、国民の5人に1人が食糧をはじめとする緊急的な支援を必要としている危機的な状況です。
グッドネーバーズはこれからもエチオピアの人々のための活動を続けていきますので、弊団体のホームページやSNSから見守っていただき、引き続きご支援をいただけましたら幸いです。
2020年11月にティグライ州で勃発した内戦は、2021年の後半にかけて、周辺地域(アムハラ州、アファール州)へと拡大していきました。2022年11月、政府と反政府勢力との間で停戦合意が締結されたものの、この紛争により、多くの民間人が殺害され、深刻かつ広範な人権侵害を受けました。
グッドネーバーズ・ジャパンは、戦闘が行われた地域の一つアムハラ州南ウォロ県にて、(1)教育、(2)保健、(3)GBVのサバイバー支援という3つの分野において、復興のための支援を行っています。
GBVとは、紛争によるジェンダーに基づく暴力(英語名:Gender Based Violence)、すなわち性暴力・パートナー間暴力・児童婚・女性性器切除や虐待を含む、社会的性別に基づく暴力のことを指します。また、こうした被害を受けた方を、生き抜いた人という意味を込めて「サバイバー」と呼びます。
今回の紛争勃発後、武装勢力による民間人に対するレイプや集団レイプなどのGBVが多数報告されており、その結果、被害を受けた人は望まない妊娠やHIVを含む性感染症、心的ストレス、トラウマなど、長期的な影響をもたらす心身の被害を受けています。
さらにGBV被害により、それまでの社会的生活や仕事を続けることが難しくなるケースも多くあります。GBVをきっかけに仕事を失うなどして経済的困窮に陥った結果、児童婚や売春といった危険な手段に頼って生計を立てざるを得なくなるリスクもあります。
グッドネーバーズは南ウォロ県にて、GBVサバイバーへの生計向上支援として、40名を対象に起業サポートを実施しています。研修・ビジネスプラン作成・初期コストを賄うための資金提供などを通じて起業を支えます。
また、GBV予防やGBVサバイバーへの偏見の根絶のために、村レベルで日常的な啓発活動を行うGBV予防委員会に対する能力強化を行っています。
2023年1月には、3地域のGBV予防委員会メンバーを対象に、GBVの概念、ガイドライン、予防・対応における課題などの点について、グループディスカッションやロールプレイングなどを交えた研修を実施。こうした活動を通して地域社会がGBVについて知り、サバイバーが支援を受けやすくなることが期待されています。
エチオピアでは全国各地で反政府勢力が活発化しており、兵士だけでなく多くの民間人も犠牲になっています。
グッドネーバーズ・ジャパンが行っている本支援事業のフェーズ3では、他の機関からの支援が入っていない3つの避難所に暮らす合計2,901人の避難民に対し、小麦粉、豆類、食塩、食用油などの食糧2カ月分を配付し、630人の妊婦・授乳中の女性と5歳以下の子どもに対して栄養補助食品を配付しました。
さらに食糧支援だけでなく、紛争により被災した医療施設のうち、現地行政との協議により優先度の高い5つの医療施設へ抗菌薬、抗炎症剤、解熱鎮痛剤など44種類の医療薬と、ブランケットや注射器などの物資、血液検査機、血圧計、パルスオキシメーターなどの医療機器を配付しました。
今回は、2022年9月まで食糧支援を行ったアムハラ州南ウォロ県の避難所で暮らしている方の声を紹介します。
【家族や親族、あらゆる資産を失った】(40代男性 アベバイヨさん(仮名))
「私は東部ウォレガ地域に生まれ、農家として一生懸命働いていました。きちんと税金を払って、ちゃんとした暮らしを送っていました。ある日、行政が突然、この地域からアムハラ族をすべて排除する、と宣言しました。それからすべての武器を奪われ、自衛もできず、私の家族や親族のうち11人は亡くなり、家や農地、家畜やすべての作物、なにもかもすべて焼き払われました。」
アベバイヨさんのように紛争の脅威からは逃れられたものの、避難所では援助団体から届くわずかな支援に頼らざるを得ない厳しい暮らしをしている人が多くいます。
今回インタビューに答えてくれた避難民の方々は、「グッドネーバーズ・ジャパンの食糧支援を受け、自分たちが生きていくために最低限の食糧を得ることができて感謝している。」と述べています。
グッドネーバーズ・ジャパンは、引き続き内戦により被害を受けた避難民への支援を継続してまいります。
本プロジェクトでは、これまでにフェーズ1, 2を終え、4月から新たにフェーズ3となる支援を開始しました。
<フェーズ1>
期間:2021年4月~2021年10月
対象地域:ティグライ州/Mekele,Wukro (2地域)
支援内容と受益者:食糧支援1,550世帯、栄養支援500世帯、医療支援7施設
<フェーズ2>
期間:2021年10月~2022年4月
対象地域:アムハラ州/Debre Birhan,Efratana,Shewa Robit,Ataye (4地域)
支援内容と受益者:食糧支援1,250世帯、栄養支援620世帯、医療支援7施設
<フェーズ3>予定
期間:2022年4月~
対象地域:アムハラ州/South Wello (1地域)
支援内容と受益者:食糧支援860世帯、栄養支援630人、医療支援5施設
グッドネーバーズ・ジャパンは、2021年12月から2022年1月にかけて、紛争拡大により避難民が多く生じているアムハラ州への現地調査を実施しました。現地政府や国内避難民避難所、被災医療施設への訪問を通して被災状況とニーズ情報を入手し、支援地域を見直しました。
現在、食糧支援として、アムハラ州Debre Birhan内の国内避難民1,150世帯への食糧配付を行っており、これまで対象世帯へ2回の配付を完了しました。また、幼児や妊娠・授乳中の母親に追加で栄養補助食品を配付しました。
また、医療支援として、州内7つの医療施設(2つのホスピタルと5つのヘルスセンター)への被災医療施設支援を行っています。
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グッドネーバーズ・ジャパンは、世界40カ国以上で活動する国際グッドネーバーズ・インターナショナルの一員です。グッドネーバーズは、1996年に国連経済社会理事会(UN ECOSOC)からNGO最高資格である総合協議資格を取得しています。
グッドネーバーズ・ジャパンは2004年に開設され、現在アジア・アフリカの7カ国で、子どもたちが笑顔で安心して暮らせるための支援活動を行っています。また、2013年より、公益性の高い団体である「認定NPO法人」として東京都から認可を受け、2017年からは新たに国内の子どもの貧困対策に取り組んでいます。
ビジョン
子どもの笑顔にあふれ、誰もが人間らしく生きられる社会
ミッション
国内外のパートナーとともに、貧困およびび差別の原因や災害・紛争による脅威を取り除く
このプロジェクトでは領収書の発行をおこなっておりません。
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