【新型コロナウイルス】感染症対策で途上国の子どもと家族を守る
（グッドネーバーズ・ジャパン）

世界中の子どもたちとその家族を守る、包括的な支援

グッドネーバーズは、世界39カ国において新型コロナウイルス感染症の影響が大きい貧困層など、特にぜい弱な人々を対象に生活に必要不可欠なサービスを提供し、感染リスクから人々を守り、安心・安全な生活を取り戻せるように支援しています。

新型コロナウイルス診断キットの提供、衛生分野の支援、予防啓発のほか、食糧キットの配布や子どもの保護、教育など、包括的な活動を行っています。

フィリピンでは、心と体のケアを行う、一対一のPSS（Psychosocial support：心理社会的支援）セッションを行いました。子どもたちは家からリモートで参加することができ、ストレスの大きいこの状況下で、自分の気持ちを言葉にして伝えることのできる機会を提供しています。

また、さまざまな地域で、子どもの権利や教育についてのキャンペーンを実施したり、国の教育機関と連携して代替のカリキュラムを考案したりするなど、教育分野にも力を入れています。現在は、世界中で4万以上の人々が子どもの権利教育やキャンペーンに参加し、5万人以上の子どもたちが代替教育を受けています。

グッドネーバーズの活動は、私たちだけで活動するのではなく、より大きな成果のために、さまざまな組織とのパートナーシップを重視しています。新型コロナウイルス感染症の対応においては、いくつかの国で国連機関や大使館と連携し、医療施設などを対象に診断キットや医療防護服、医療用マスクなどを提供しています。

休校中の子どもたちの「教育を受ける権利」を守るため、パラグアイで教育番組を制作（2020年6月25日更新）

南米パラグアイでは、新型コロナウイルスの感染拡大を受け4月に休校令が発令され、パラグアイ政府は「遠隔授業」を12月まで推進しました。
しかしパラグアイのインターネット普及率は10％未満と低く、多くの子どもたちはオンライン授業を受けるためのパソコンなどのデバイスもインターネットへのアクセスもありません。

一方、テレビの普及率は90％以上でほとんどの家庭が持っています。しかし、今まで子ども向けの教育番組はありませんでした。

そこでグッドネーバーズは、5月1日から国営放送局を通じて、毎日午後3時に教育番組「GoodKids」を制作・放送し始めました。「GoodKids」は小学生対象で公用語のスペイン語とグアラニー語教育が主なコンテンツです。

「GoodKids」を見て勉強しているミティカさん（10歳）とローザさん（5歳）の姉妹は、「学校に行けなくて毎日退屈だったけど、テレビで楽しく学べて良かったです。なぜ手を洗わなければならないかとか、知らなかった単語も覚えました」と話していました。

新型コロナウイルスの影響により、世界中でどもたちの「教育を受ける権利」が脅かされており、児童労働の数も増えると危惧されています。グッドネーバーズは、予防や医療支援と同様に、休校や保護者の収入減少により、子どもの教育が中断されないよう支援することも新型コロナウイルスの感染症対策のひとつとして位置づけ、活動を行っています。