寄付受付開始日:2018/05/31
更新日:2022/09/06
「あの子は今月でこの学校を中退するんだ。結婚するから」
これは、私(グッドネーバーズ・ジャパンのスタッフ飯島)が訪れたバングラデシュの、ローカルNGOが運営する小学校で聞いた話です。
上の画像は、そこで見せてもらった、入学申込書の一部です。母親が文字を書けなかったので、先生が代わりに書いていました。入学希望者は8歳の女の子。父親は40歳、母親は20歳で、さらに下に2人の子どももいました。私ははじめ、これは特殊な例なのかもしれないと思いました。しかし、他の入学申込書も同じような状況で、入学を希望する7~10歳の子どもの母親はほとんどが20歳前後でした。
バングラデシュは児童婚の割合が世界で最も高い国の一つで、59%の女性が18歳未満で結婚し、そのうちの3分の1以上は15歳未満で結婚しています。(UNICEF調べ)
娘を早く結婚させる理由として貧困や慣習などが考えられますが、父親は基本的には「娘の幸せのため」と考えています。
子どもの幸せを願う親の気持ちは世界共通です。しかし、娘を想っての行動だとしても、児童婚という選択は正しいのでしょうか。児童婚は、教育や社会参加の機会を奪います。彼女たちの嫁ぎ先での立場は低く、体と心の準備が整わないまま出産する子どもも少なくありません。
「貧しくて家に食べるものがないから」
「若い娘のほうが結婚持参金が少ないから」
「進学試験に合格しなかったから」
「11歳を過ぎたころから、周りからも娘を結婚させろとプレッシャーがかかる」
このような理由で本人の意志とは無関係に、結婚させられる少女たちがいます。
彼女たちの嫁ぎ先での立場は低く、体と心の準備が整わないまま出産する子どもも少なくありません。十分な教育を受けられなかった彼女たちは字も書けないまま、家や子ども、自分に関する意思決定もできずに夫や他の誰かに頼って生きていかざるを得ません。
このような児童婚は、私たちがお祝い事だと考える「結婚」とは別物で、少女の可能性・未来を永遠に奪うものです。
国際NGOグッドネーバーズはアジア・アフリカのさまざまな国で、子どもたちが児童婚・児童労働により教育の機会を奪われることなく、心身ともに健やかに成長できるよう、さまざまな活動をしています。教育支援や、女の子の権利啓発のほかにも、さまざまな方法で子どもを、地域全体をサポートしています。
女の子が教育を受けると、保健・衛生、栄養などの知識を得るため乳幼児死亡率やHIV感染率の減少に効果があることや、女子の就学率が高いほどGDP(国内総生産)も上がるということは、国連や世界銀行の調査でも報告されています。女の子への教育は個人の可能性を伸ばすだけでなく、地域や社会全体、そして彼女たちの子どもの世代にもその効果がつながるものなのです。
グッドネーバーズは、子どもたちが児童婚や児童労働、水くみなどの家事労働により教育の機会を奪われることなく、質の高い教育を受け心身ともに健やかに成長できるようさまざまな活動をしています。
家庭訪問やキャンペーンによる児童婚防止や子どもの権利啓発の他、教育や、医療保健、保護者の収入向上など、世界が抱えるさまざまな課題に多角的に取り組むことで、途上国の子どもが貧困の連鎖から抜け出すことができるよう支援しています。
本募金によるご寄付は、このような途上国の女の子を含む子どもたちの環境を改善するための事業に使わせていただきます。
※「つながる募金(ソフトバンク)」で寄付をいただいた場合、上記の記載にかかわらず、当団体の活動全般への寄付となります。
更新日:2022/09/06
ネパールでは、月経にまつわるタブーが存在する地域があることや、学校でもトイレが男女別に分かれていない、生理用品を捨てるゴミ箱がないなど、生理中に女子生徒が安心して通学できる環境になっておらず、学校を休むケースがみられます。
これによって女子生徒の学習に遅れが生じると、進学試験に受かることが男子生徒よりも難しくなったり、家庭によっては学校を辞めさせられて進学のレールから外れ、早婚を強制される可能性が高まる場合があります。
グッドネーバーズ・ジャパンは、生理中でも女子生徒が安心して通学し授業に集中できるよう、ネパールのカルナリ・プラデーシュ州ムグ郡にある小中学校全31校で、月経管理コーナーを設置しました。加えて、生徒や地域の大人たちが月経を正しく理解し、女性が生理期間を衛生的に過ごすことができるように、月経情報パンフレットを作成し、学校の生徒や地域の行政機関などに15,000部を配布しました。
これにより、学校の周辺地域の人々の月経への正しい理解を深め、女子生徒が学校に通いやすい環境を整備しました。
月経や自分の身体について正しい知識を持ち、月経中でも教育を受け続けることができるよう支援することで、早婚が問題となっている国の少女たちの精神的・身体的自立を助けることができます。
グッドネーバーズ・バングラデシュは、2012年から児童婚防止のキャンペーンを実施しています。児童婚の問題には、家庭内で決定権を持つ父親を巻き込むことが有効であると考え、2019年に9地域で「グッドダディ」キャンペーンを行いました。
キャンペーンの一環で行ったイベントでは、児童婚の悪影響について理解し、娘を子どものうちに結婚させないことを誓った1,673人の父親が「グッドダディ」として認定されました。
またグッドネーバーズは地域と協力し、児童婚の危機にある子どもの情報提供を受けています。2019年は情報提供を受けた子ども24人に対して、家族に面会して説得を試みた結果、6人の結婚を防ぐことができました。この数字からわかるように、私たちの説得だけですべての児童婚を止めることは困難です。しかし、父親や子どもたちへの権利教育を続けていくことで、彼らの意識が高まり問題解決に近づけると考えています。
女子の就学率が上がると保健や栄養の知識を得るため乳幼児死亡率の減少に効果があるだけでなく、国内総生産も上がるということは、国連や世界銀行の調査でも報告されています。女の子への教育は個人の可能性を伸ばすだけでなく、地域社会全体、そして次世代にもその効果がつながるものなのです。
私たちは子どもたちが学び続けられる環境を作ると同時に、女子教育が子どもたちの将来、貧困削減へ及ぼす効果について啓発を続けています。
「私の名前はカビタです。12歳で5年生です。私の住むルヒガオン村は、他の地域よりも貧しく、多くの村民が農業で生計を立てています。識字率は低く、迷信がひろがっています。
ある日、試験の準備をしているとき、会ったこともない私の結婚相手が今度家に来ると知らされました。『私はまだ12歳なのに!』。
私の家庭は貧しく、両親は負担を減らすために私を嫁がせたかったのです。また両親は結婚は社会的評価が上がると考えています。
私はこれまで、グッドネーバーズ・バングラデシュの児童婚防止や出生届キャンペーンに参加してきたので、早すぎる結婚が及ぼすマイナスの影響や出生届の大切さを知っていました(出生届がされていないと、年齢を偽って子どもを結婚させるケースがあります)。私は自分の出生届を出し、地方政府から出生登録をもらっていました。また、12歳という年齢で結婚することは違法だということも知っていました。
私はまだ結婚したくないと両親に伝えましたが、聞いてもらえませんでした。そこでグッドネーバーズに相談すると、家に来て両親に私の意思を一緒に伝えてくれました。それで両親も早婚が違法で、私の将来の可能性を妨げるということをわかって結婚を取りやめてくれたのです。これで安心して勉強を続けることができるようになりました」
グッドネーバーズは、バングラデシュでは2012年から児童婚防止のキャンペーンを実施しています。過去には3カ月間で10件の児童婚を防止しました。すべての活動地域に子ども委員会を設置し、子どもたち自身が意見や権利を主張できる場を作り、児童婚の問題を地域に発信しています。
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グッドネーバーズ・ジャパンは、世界40カ国以上で活動する国際グッドネーバーズ・インターナショナルの一員です。グッドネーバーズは、1996年に国連経済社会理事会(UN ECOSOC)からNGO最高資格である総合協議資格を取得しています。
グッドネーバーズ・ジャパンは2004年に開設され、現在アジア・アフリカの7カ国で、子どもたちが笑顔で安心して暮らせるための支援活動を行っています。また、2013年より、公益性の高い団体である「認定NPO法人」として東京都から認可を受け、2017年9月からは新たに国内の子どもの貧困対策に取り組んでいます。
■ビジョン
子どもの笑顔にあふれ、誰もが人間らしく生きられる社会
■ミッション
国内外のパートナーとともに、貧困および差別の原因や災害・紛争による脅威を取り除く
このプロジェクトでは領収書の発行をおこなっておりません。
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